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1巻
1-2
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「――そろそろ帝都ニューザに着きますよ」
しばらく馬車に揺られたあと、そう言われて窓の外を見ると、そこには巨大な都市があった。
(流石は帝都だ。とんでもなく広いな)
そんなことを考えているうちに、帝都の西門に到着する。
「それじゃ俺は、一旦降りることにしよう」
「いえ、その必要はありません」
馬車はそのまま、門兵の前まで来た。
「これはルーセント伯爵、領地の方はいかがでしたか?」
「相変わらず活気が溢れていました。領民達も元気に働いていましたわ」
「そうですか、流石はルーセント伯爵」
「そんなことありません。それより急ぎの用がありますので、通してもらえますか?」
「は! これは失礼しました!」
「あ、それと、このセンヤさんの仮通行証の用意もお願いします」
「そちらの方ですか……って、オーガ!?」
「失礼ですよ! この方はオーガではなく混合種です!」
「そ、そうでしたか。申し訳ありませんでした!」
「いや、俺は気にしてないから」
こうして、呆気なく門を通過することができたのであった。
「なんか拍子抜けだな」
「あら、もっと時間が掛かった方がよかったかしら」
「いや、これでいい。それよりエリーゼって高名な貴族なんだな」
「そんなこと無いですよ。子供が出来た直後に流行り病で亡くなった夫に代わり、ルーセント家と領地を豊かにしようと頑張っているだけです」
「意外だな」
「そうですか。確かに女としては珍しいでしょうけど」
「そうじゃない。伯爵としての責務を果たしていることは、男女関係なくすごいと感じている。俺が意外に思ったのは、結婚して子供がいることだ。確かに大人っぽい雰囲気はあるが、まだ二十歳にもなっていないように見えたからな」
「あら、嬉しいですわね。こう見えても私、二十四歳ですよ」
「……すごいな。その歳で領地を豊かにしようだなんて」
「そうですか?」
「ああ、すごいよエリーゼは」
千夜は心の底から感心していた。そのような人物は、元いた世界――地球ではほとんど聞いたことがなかったからだ。
「…………」
「どうしたエリーゼ?」
「い、いえっ! なんでもありません」
エリーゼは頬を赤らめながら俯いて、顔を見られないようにしていた。
(どうしてでしょう。一瞬あの人に見えてしまいましたわ)
「それで、あとどれぐらいでエリーゼの屋敷に着くんだ?」
「そうですね、ここはもう貴族が住む区画ですから、あと数分と言ったところでしょうか?」
エリーゼの説明通り、数分で屋敷に到着すると、ルーセント家のメイドに案内されて応接室に通された。
「すごい屋敷だな。俺もいつかこんな家に住めると良いが……だが、やはり洋風より和風の木造建築に憧れるな」
そんなことを呟いているとドアが開き、巻物のような物を抱えたエリーゼと、ティーセットを持ったメイドが入ってきた。
「お待たせしました」
「いや、大丈夫だ」
紅茶を飲みながら、早速エリーゼから説明を受ける。
この国の地理や大陸全土の情勢、千夜が持っていたゲームの金が使えるといったことなど、色々と教えてもらった。
(アイテムボックスを自然に使ったら驚かれた。どうやらこの世界に、アイテムボックス持ちは少ないようだな。次からは気を付けないと)
説明が終わると、既に外は暗くなっていた。
「今日は暗いですし、泊まって行ってください」
「いや、そこまで世話になるわけには……」
「いえ、私がお願いしているのです。これまでの話なども聞きたいですし、それに、お願いしたいこともありますから……」
「わかった。今日は世話になろう」
「そうですか。それは良かった」
(周囲に敵の反応はなし、エリーゼからも敵意は感じられないな)
千夜は念のために、スキル【危機察知】と【心眼】を使って調べたが、杞憂ですんだ。
その後、夕食をご馳走になった千夜は、風呂に浸かり今日一日を振り返っていた。
(それにしても、どうして俺はアバターの姿になってこの世界にいるんだ。何が原因なんだ……もしかして!)
慌ててステータスを開く。
(やっぱりか。死んでも蘇生できる【魂の輪廻】が、スキル欄から消えている。それにLUCが140になってる。クソ、あまりにもあり得ないステータスだから見落としていた)
千夜は自分に怒りを覚えた。
(多分だが、【魂の輪廻】がアバターに俺の魂を憑依させたんだろう。でもなぜこの世界なんだ? そもそもアバターに憑依したのはなぜだ?)
結局何もわからないまま、のぼせそうになった千夜は風呂を上がり、用意された部屋の扉を開ける。そこではとんでもない人物が待っていた。
「エリーゼ?」
部屋の中には、薄いネグリジェを身に纏ったエリーゼがいた。
「どうしてそんなエロそうな格好で立ってるんだ?」
「すみません、センヤ。どうしてもあなたに確かめたいことがあったのです」
「確かめたいこと?」
「はい。あなたは混合種ではなく、伝説の百鬼族ではありませんか?」
千夜は驚愕したが、なんとか表情に出さずに済んだ。
(百鬼族だと? どうしてゲームでの、俺達のギルド名を知っているんだ?)
何がなんだかわからない千夜は問う。
「……エリーゼ、百鬼族というのはなんだ?」
「百鬼族とは、約千年前にこの大陸に存在した伝説の種族です。文献に記された百鬼族は全部で五人。種族として数は少ないですが、一人一人が最強の力を持っていました。詳細はわかりませんが、『黄金時代』とも呼ばれる千年前は、今よりも遥かに強い実力者がひしめいていました。そんな時代に最強と謳われたのが百鬼族です」
(ああ、確かに俺達そんなことしてたな。あまりにも強すぎて、あえて不可能そうなことに片っ端から挑戦してた。となると、ゲームとこの世界は繋がっているのかもしれない)
「そんなに強い奴が、大昔にはいたのか。でも残念ながら俺は百鬼族じゃない。すまないな」
「いえ、いきなり変な質問をした私が悪いのです。申し訳ありませんでした。それでですね……お願いがあるのですが……」
「なんだ?」
「そ、その、私を……抱いてください!」
エリーゼはそう言って、恥ずかしそうに千夜に抱きついてきた。
「なっ!?」
予想外の申し出に、千夜も驚きを隠せない。
(いったいどういう流れで、抱いてくれってことになるんだ!?)
「お願いですセンヤ。どうか私を抱いてください。もう寂しい夜は嫌なんです。こんなことは誰にも頼めません。そんなときにあなたが現れたんです。どこかあの人の面影を持つあなたが」
「あの人」とは、きっと死んだ夫のことだろう。そう思った千夜は、男としてどうしたら良いかすぐに答えを出した。
「俺には亡くなった旦那の代わりは務まらない。それでも抱いてほしいと言うなら抱こう。どうする?」
「……お願い……します」
エリーゼは恥じらいながらも頼んできた。
それに応えるべく、千夜は自分が持つスキルの中から【調教】と【劣化】を使った。【調教】に【劣化】のスキルをかけ、スキルの効力を落とすのだ。
(そうしないと不味いことになるからな)
こうしてエリーゼの願いは叶えられ、千夜は卒業したのだった。
◆ ◆ ◆
翌朝、千夜がカーテンの隙間から差し込む日差しで目を覚ますと、横には嬉しそうに眠るエリーゼの姿があった。
(相当苦労してるんだろう。夫を亡くしてつらいはずなのに、子供を育て領地を守り続けてきた。いや、そうでもしないと寂しさで壊れそうになったんだろうな)
千夜は起き上がり、アイテムボックスから服を出して着替える。椅子に座り昨日もらった地図を眺めていると、エリーゼが目を覚ました。
「おはよう」
「おはようセンヤ」
掛け布団で裸体を隠した状態で微笑むエリーゼの姿は、妖艶で美しかった。
「さてと、色々と世話になった。そろそろ俺はギルドに行く」
「そうですか……それではまた、どこかで会えることを祈っていますね」
寂しそうな表情を浮かべて答えるエリーゼ。
「エリーゼ。お前にこれを渡しておく」
千夜はアイテムボックスから、ブローチと束ねられた封筒を取り出した。
「これは?」
「このブローチは、持ち主が危険になると俺に知らせるようになっている。こっちの封筒は、手紙を入れて宛名を書くと、その相手に自動で届けてくれる代物だ。だから、何か伝えたいときは手紙を書くと良い」
嬉しかったのか、エリーゼはブローチと封筒を大切そうに抱き締める。
「ありがとうございます……」
こうしてエリーゼと別れた千夜は、昨日場所を教えてもらったギルドに向かって歩き出した。
(さて、まずはギルドで冒険者登録をして、その後は宿を探さないとな)
観光を兼ねて楽しんで歩く。やがて、ひとつの店が千夜の目に留まった。
「奴隷店か」
ファンタジー風の異世界なので、もしかしたらと思っていたが、実際に奴隷がいるとわかると、嬉しさ半分悲しさ半分だった。
なぜ、嬉しさ半分なのかというと――。
(よし、夢にまで見たエルフとダークエルフがいるか、早速確認だ!)
千夜はそう意気込むと、ギルドへ行くのを後回しにして店に入っていった。
「い、いらっしゃいませ」
「ああ」
千夜の外見に驚きを見せつつも、すぐに小太りの奴隷商が近寄ってきた。頭の天辺から爪先までを、じろじろと見てくる。
(金を持っているか、品定めしてるんだろうな)
「それでお客様は、どのような奴隷をお探しですかな?」
「亜人種はいるか?」
「ええ、もちろん。獣人族ですか、ドワーフですか、妖怪ですか、それともエルフ、ダークエルフですか?」
「エルフがいるんだな?」
「はい。他の店に比べても多種多様な奴隷がおりますので」
「そうか。ならエルフとダークエルフを見せてくれ」
「わかりました。女でよろしいでしょうか?」
「ああ、それで構わない」
千夜の返答を聞いた小太りの奴隷商は、ニヤニヤと気持ち悪い笑みを浮かべた。
「畏まりました。その前に、お金の方は……」
「問題ない」
そう言いながら千夜は、アイテムボックスから金貨が大量に入った袋を出して、机の上に置く。もちろんアイテムボックス持ちだとバレないように、懐から出したように見せかけて。
「すぐに準備いたします!」
奴隷商の目の色が変わり、奥の部屋へ飛んでいった。
(わかりやすいな)
そんなことを思いながらも、どんなエルフとダークエルフが来るのか楽しみに想像する千夜であった。
待たされること約五分。ようやくさっきの小太りの奴隷商が戻ってきた。
その後ろには、奴隷とは思えないほど美しい二人の女が控えている。
一人は、純白の肌とカントン・グリーンの瞳、そして緩いウェーブのかかったミディアムヘア。白に近い金髪が薄暗い部屋の中でも輝いていた。身長は千夜の胸あたりまでで、少し膨らみのある胸。細い腰に小柄なお尻を持つエルフだ。
もう一人は、褐色の肌と黒のロングへア、そしてディープ・ローヤル・ブルーの瞳。ボロボロの貫頭衣が今にも裂けてしまいそうなほど存在を主張している胸に、引き締まった腰、丸みのあるお尻。すべてが妖艶さを醸し出している。
だが、そんな美しさを損なうかのように、二人とも目には光が宿っていなかった。
(酷い目に遭ったか)
同情することは無く、千夜は目の前の二人をじっと見つめる。
「お客様、どうなされますか?」
「いいな。買おう」
「ありがとうございます。それではエルフとダークエルフの二人で、金貨220枚でいかがでしょう?」
(相場よりも高くしてるな)
千夜はスキル【心眼】を使うまでもなく、奴隷商の表情からそれを看破した。
(一見だからとなめているのか?)
「これからも奴隷が必要になったら買いに来るつもりなんだが……その値段では店を考え直すしかないな。店主とはこれからも良い関係でいたかったが」
「……金貨200枚でいかがでしょうか?」
「そうだな、そこに置いてある靴とコートをふたつずつもらおう。それらも合わせて、金貨200枚でどうだ?」
「そうですね……わかりました。それで構いません。次にいらっしゃるとしたら、どんな奴隷がお望みでしょうか?」
「なるべく亜人種がいいな。人間の奴隷も悪くはないが、俺も亜人種だからな」
「わかりました。そういった奴隷が入りましたら、なるべく取り置きさせていただきます」
「助かる」
こうして値下げに成功した千夜は、二人と奴隷契約を済ませて店を後にした。
「さてと、次は……買い物か」
肩越しに視線を後ろに向けて、まず何を買うか決めた。
後ろに立つエルフとダークエルフはコートを羽織っているが、その下はボロ切れのような貫頭衣なのだ。
千夜は服を買うため近くの服屋に向かった。
「……い、いらっしゃいませ。今日はどのような服をお求めでしょうか?」
またも一瞬身構えられるが、千夜は気にせずに告げる。
「この二人に合う服を一式見繕ってもらいたい。値段は気にしなくていい。なるべく早く頼む」
「畏まりました」
店員は踵を返して服を選び始めた。
すると千夜の後ろにいたエルフが話しかけてくる。
「あ、あの……」
「どうした?」
「どうして私達なんかに服を?」
「だってその格好じゃ冒険者になれないだろ」
「「え?」」
予想外の返答に、思考停止するエルフとダークエルフ。
「お前らには、これから俺と一緒に冒険者になってもらう。そのためにはまず見た目を何とかしないと駄目だろ?」
「「はぁ……」」
理解できないことを言われて、首を傾げるしかないエルフ達であった。
服を見繕った店員が戻ってくると早速着替えさせ、代金を払って、今度は食事に向かう。
「あ、あの、どこに向かっているのだ……い、いるのですか?」
今度はダークエルフの方が話しかけてくる。
「敬語が苦手なら使わなくていい」
「わ、わかった」
「よし、ここにするか」
千夜は適当な店に入り、四人用の席に座る。もちろん、奴隷二人が床に座ろうとしたのを改めさせるのに苦労したことは言うまでもない。
「さてと、まずは自己紹介といこうか。俺は千夜だ。よろしく」
「よろしくお願いします、ご主人様」
「よろしく、主殿」
エルフとダークエルフが順に頭を下げた。
「おお、初めて奴隷を買ったが、ヤバイなこれは」
「何がだ?」
「いや、独り言だ」
表情は平静を保って手を左右に振る千夜。
「それで、お前達の名前は?」
「私はエルフのミレーネと言います」
「私はダークエルフのクロエだ」
「なるほど。ミレーネとクロエだな。これからよろしく頼む」
千夜はそう言って握手を求めたが、ミレーネとクロエは戸惑いを隠せない。
「出会ったときから思ったのだが、主殿は変な奴だな」
「ちょっ、クロエ! ご主人様に向かってなに言ってるの!」
「変なのか?」
「変わってるのは間違いないな。普通、奴隷にここまでしたりしないぞ」
クロエの言葉に納得した千夜は、自分の考えを伝えることにした。
「なるほどな。しかし俺は、仲間や奴隷は家族だと思っている。お前達を奴隷扱いしないとここに誓おう。俺が間違っていたり変なことをしたりしたら、率直に言ってくれると助かる」
驚いて目を丸くするクロエとミレーネ。
「やっぱり主殿は変な奴だ」
「申し訳ありませんが、私もクロエと同じ考えです」
「別に謝らなくていい。そう思ったんだろ。なら、それでいい」
すると、おそるおそるミレーネが聞いてくる。
「あ、あの質問してもよろしいですか?」
「別に構わない。それと、そんなに畏まらなくても俺は気にしないから」
「で、ですが……わかりました」
彼女は何かを決意したのか、握りこぶしを作った。
「あの……ご主人様は混合種ですよね?」
「そうだが、それがどうした?」
「い、いえ! ……ただ初めて見たので、本当に混合種かどうか確かめたかっただけです」
ミレーネが申し訳なさそうに俯くと、今度はクロエが口を開いた。
「なるほど。確かに珍しいよな、混合種は」
「主殿は混合種だったのか。てっきり火の国の生まれかと思ったぞ」
「どうしてだ?」
「外見を見て、竜族かと思ったんだ」
「それはないだろ。顔が竜とは違いすぎる」
千夜の言葉に顔を見合わせるミレーネとクロエ。
「主殿は知らないのか? 竜族の中にもいろんなタイプがいるのだぞ」
「そうなのか?」
「そうですよ。これは竜族に限った話ではなく、獣人族にも言えることです」
「知らなかったな」
しばらく馬車に揺られたあと、そう言われて窓の外を見ると、そこには巨大な都市があった。
(流石は帝都だ。とんでもなく広いな)
そんなことを考えているうちに、帝都の西門に到着する。
「それじゃ俺は、一旦降りることにしよう」
「いえ、その必要はありません」
馬車はそのまま、門兵の前まで来た。
「これはルーセント伯爵、領地の方はいかがでしたか?」
「相変わらず活気が溢れていました。領民達も元気に働いていましたわ」
「そうですか、流石はルーセント伯爵」
「そんなことありません。それより急ぎの用がありますので、通してもらえますか?」
「は! これは失礼しました!」
「あ、それと、このセンヤさんの仮通行証の用意もお願いします」
「そちらの方ですか……って、オーガ!?」
「失礼ですよ! この方はオーガではなく混合種です!」
「そ、そうでしたか。申し訳ありませんでした!」
「いや、俺は気にしてないから」
こうして、呆気なく門を通過することができたのであった。
「なんか拍子抜けだな」
「あら、もっと時間が掛かった方がよかったかしら」
「いや、これでいい。それよりエリーゼって高名な貴族なんだな」
「そんなこと無いですよ。子供が出来た直後に流行り病で亡くなった夫に代わり、ルーセント家と領地を豊かにしようと頑張っているだけです」
「意外だな」
「そうですか。確かに女としては珍しいでしょうけど」
「そうじゃない。伯爵としての責務を果たしていることは、男女関係なくすごいと感じている。俺が意外に思ったのは、結婚して子供がいることだ。確かに大人っぽい雰囲気はあるが、まだ二十歳にもなっていないように見えたからな」
「あら、嬉しいですわね。こう見えても私、二十四歳ですよ」
「……すごいな。その歳で領地を豊かにしようだなんて」
「そうですか?」
「ああ、すごいよエリーゼは」
千夜は心の底から感心していた。そのような人物は、元いた世界――地球ではほとんど聞いたことがなかったからだ。
「…………」
「どうしたエリーゼ?」
「い、いえっ! なんでもありません」
エリーゼは頬を赤らめながら俯いて、顔を見られないようにしていた。
(どうしてでしょう。一瞬あの人に見えてしまいましたわ)
「それで、あとどれぐらいでエリーゼの屋敷に着くんだ?」
「そうですね、ここはもう貴族が住む区画ですから、あと数分と言ったところでしょうか?」
エリーゼの説明通り、数分で屋敷に到着すると、ルーセント家のメイドに案内されて応接室に通された。
「すごい屋敷だな。俺もいつかこんな家に住めると良いが……だが、やはり洋風より和風の木造建築に憧れるな」
そんなことを呟いているとドアが開き、巻物のような物を抱えたエリーゼと、ティーセットを持ったメイドが入ってきた。
「お待たせしました」
「いや、大丈夫だ」
紅茶を飲みながら、早速エリーゼから説明を受ける。
この国の地理や大陸全土の情勢、千夜が持っていたゲームの金が使えるといったことなど、色々と教えてもらった。
(アイテムボックスを自然に使ったら驚かれた。どうやらこの世界に、アイテムボックス持ちは少ないようだな。次からは気を付けないと)
説明が終わると、既に外は暗くなっていた。
「今日は暗いですし、泊まって行ってください」
「いや、そこまで世話になるわけには……」
「いえ、私がお願いしているのです。これまでの話なども聞きたいですし、それに、お願いしたいこともありますから……」
「わかった。今日は世話になろう」
「そうですか。それは良かった」
(周囲に敵の反応はなし、エリーゼからも敵意は感じられないな)
千夜は念のために、スキル【危機察知】と【心眼】を使って調べたが、杞憂ですんだ。
その後、夕食をご馳走になった千夜は、風呂に浸かり今日一日を振り返っていた。
(それにしても、どうして俺はアバターの姿になってこの世界にいるんだ。何が原因なんだ……もしかして!)
慌ててステータスを開く。
(やっぱりか。死んでも蘇生できる【魂の輪廻】が、スキル欄から消えている。それにLUCが140になってる。クソ、あまりにもあり得ないステータスだから見落としていた)
千夜は自分に怒りを覚えた。
(多分だが、【魂の輪廻】がアバターに俺の魂を憑依させたんだろう。でもなぜこの世界なんだ? そもそもアバターに憑依したのはなぜだ?)
結局何もわからないまま、のぼせそうになった千夜は風呂を上がり、用意された部屋の扉を開ける。そこではとんでもない人物が待っていた。
「エリーゼ?」
部屋の中には、薄いネグリジェを身に纏ったエリーゼがいた。
「どうしてそんなエロそうな格好で立ってるんだ?」
「すみません、センヤ。どうしてもあなたに確かめたいことがあったのです」
「確かめたいこと?」
「はい。あなたは混合種ではなく、伝説の百鬼族ではありませんか?」
千夜は驚愕したが、なんとか表情に出さずに済んだ。
(百鬼族だと? どうしてゲームでの、俺達のギルド名を知っているんだ?)
何がなんだかわからない千夜は問う。
「……エリーゼ、百鬼族というのはなんだ?」
「百鬼族とは、約千年前にこの大陸に存在した伝説の種族です。文献に記された百鬼族は全部で五人。種族として数は少ないですが、一人一人が最強の力を持っていました。詳細はわかりませんが、『黄金時代』とも呼ばれる千年前は、今よりも遥かに強い実力者がひしめいていました。そんな時代に最強と謳われたのが百鬼族です」
(ああ、確かに俺達そんなことしてたな。あまりにも強すぎて、あえて不可能そうなことに片っ端から挑戦してた。となると、ゲームとこの世界は繋がっているのかもしれない)
「そんなに強い奴が、大昔にはいたのか。でも残念ながら俺は百鬼族じゃない。すまないな」
「いえ、いきなり変な質問をした私が悪いのです。申し訳ありませんでした。それでですね……お願いがあるのですが……」
「なんだ?」
「そ、その、私を……抱いてください!」
エリーゼはそう言って、恥ずかしそうに千夜に抱きついてきた。
「なっ!?」
予想外の申し出に、千夜も驚きを隠せない。
(いったいどういう流れで、抱いてくれってことになるんだ!?)
「お願いですセンヤ。どうか私を抱いてください。もう寂しい夜は嫌なんです。こんなことは誰にも頼めません。そんなときにあなたが現れたんです。どこかあの人の面影を持つあなたが」
「あの人」とは、きっと死んだ夫のことだろう。そう思った千夜は、男としてどうしたら良いかすぐに答えを出した。
「俺には亡くなった旦那の代わりは務まらない。それでも抱いてほしいと言うなら抱こう。どうする?」
「……お願い……します」
エリーゼは恥じらいながらも頼んできた。
それに応えるべく、千夜は自分が持つスキルの中から【調教】と【劣化】を使った。【調教】に【劣化】のスキルをかけ、スキルの効力を落とすのだ。
(そうしないと不味いことになるからな)
こうしてエリーゼの願いは叶えられ、千夜は卒業したのだった。
◆ ◆ ◆
翌朝、千夜がカーテンの隙間から差し込む日差しで目を覚ますと、横には嬉しそうに眠るエリーゼの姿があった。
(相当苦労してるんだろう。夫を亡くしてつらいはずなのに、子供を育て領地を守り続けてきた。いや、そうでもしないと寂しさで壊れそうになったんだろうな)
千夜は起き上がり、アイテムボックスから服を出して着替える。椅子に座り昨日もらった地図を眺めていると、エリーゼが目を覚ました。
「おはよう」
「おはようセンヤ」
掛け布団で裸体を隠した状態で微笑むエリーゼの姿は、妖艶で美しかった。
「さてと、色々と世話になった。そろそろ俺はギルドに行く」
「そうですか……それではまた、どこかで会えることを祈っていますね」
寂しそうな表情を浮かべて答えるエリーゼ。
「エリーゼ。お前にこれを渡しておく」
千夜はアイテムボックスから、ブローチと束ねられた封筒を取り出した。
「これは?」
「このブローチは、持ち主が危険になると俺に知らせるようになっている。こっちの封筒は、手紙を入れて宛名を書くと、その相手に自動で届けてくれる代物だ。だから、何か伝えたいときは手紙を書くと良い」
嬉しかったのか、エリーゼはブローチと封筒を大切そうに抱き締める。
「ありがとうございます……」
こうしてエリーゼと別れた千夜は、昨日場所を教えてもらったギルドに向かって歩き出した。
(さて、まずはギルドで冒険者登録をして、その後は宿を探さないとな)
観光を兼ねて楽しんで歩く。やがて、ひとつの店が千夜の目に留まった。
「奴隷店か」
ファンタジー風の異世界なので、もしかしたらと思っていたが、実際に奴隷がいるとわかると、嬉しさ半分悲しさ半分だった。
なぜ、嬉しさ半分なのかというと――。
(よし、夢にまで見たエルフとダークエルフがいるか、早速確認だ!)
千夜はそう意気込むと、ギルドへ行くのを後回しにして店に入っていった。
「い、いらっしゃいませ」
「ああ」
千夜の外見に驚きを見せつつも、すぐに小太りの奴隷商が近寄ってきた。頭の天辺から爪先までを、じろじろと見てくる。
(金を持っているか、品定めしてるんだろうな)
「それでお客様は、どのような奴隷をお探しですかな?」
「亜人種はいるか?」
「ええ、もちろん。獣人族ですか、ドワーフですか、妖怪ですか、それともエルフ、ダークエルフですか?」
「エルフがいるんだな?」
「はい。他の店に比べても多種多様な奴隷がおりますので」
「そうか。ならエルフとダークエルフを見せてくれ」
「わかりました。女でよろしいでしょうか?」
「ああ、それで構わない」
千夜の返答を聞いた小太りの奴隷商は、ニヤニヤと気持ち悪い笑みを浮かべた。
「畏まりました。その前に、お金の方は……」
「問題ない」
そう言いながら千夜は、アイテムボックスから金貨が大量に入った袋を出して、机の上に置く。もちろんアイテムボックス持ちだとバレないように、懐から出したように見せかけて。
「すぐに準備いたします!」
奴隷商の目の色が変わり、奥の部屋へ飛んでいった。
(わかりやすいな)
そんなことを思いながらも、どんなエルフとダークエルフが来るのか楽しみに想像する千夜であった。
待たされること約五分。ようやくさっきの小太りの奴隷商が戻ってきた。
その後ろには、奴隷とは思えないほど美しい二人の女が控えている。
一人は、純白の肌とカントン・グリーンの瞳、そして緩いウェーブのかかったミディアムヘア。白に近い金髪が薄暗い部屋の中でも輝いていた。身長は千夜の胸あたりまでで、少し膨らみのある胸。細い腰に小柄なお尻を持つエルフだ。
もう一人は、褐色の肌と黒のロングへア、そしてディープ・ローヤル・ブルーの瞳。ボロボロの貫頭衣が今にも裂けてしまいそうなほど存在を主張している胸に、引き締まった腰、丸みのあるお尻。すべてが妖艶さを醸し出している。
だが、そんな美しさを損なうかのように、二人とも目には光が宿っていなかった。
(酷い目に遭ったか)
同情することは無く、千夜は目の前の二人をじっと見つめる。
「お客様、どうなされますか?」
「いいな。買おう」
「ありがとうございます。それではエルフとダークエルフの二人で、金貨220枚でいかがでしょう?」
(相場よりも高くしてるな)
千夜はスキル【心眼】を使うまでもなく、奴隷商の表情からそれを看破した。
(一見だからとなめているのか?)
「これからも奴隷が必要になったら買いに来るつもりなんだが……その値段では店を考え直すしかないな。店主とはこれからも良い関係でいたかったが」
「……金貨200枚でいかがでしょうか?」
「そうだな、そこに置いてある靴とコートをふたつずつもらおう。それらも合わせて、金貨200枚でどうだ?」
「そうですね……わかりました。それで構いません。次にいらっしゃるとしたら、どんな奴隷がお望みでしょうか?」
「なるべく亜人種がいいな。人間の奴隷も悪くはないが、俺も亜人種だからな」
「わかりました。そういった奴隷が入りましたら、なるべく取り置きさせていただきます」
「助かる」
こうして値下げに成功した千夜は、二人と奴隷契約を済ませて店を後にした。
「さてと、次は……買い物か」
肩越しに視線を後ろに向けて、まず何を買うか決めた。
後ろに立つエルフとダークエルフはコートを羽織っているが、その下はボロ切れのような貫頭衣なのだ。
千夜は服を買うため近くの服屋に向かった。
「……い、いらっしゃいませ。今日はどのような服をお求めでしょうか?」
またも一瞬身構えられるが、千夜は気にせずに告げる。
「この二人に合う服を一式見繕ってもらいたい。値段は気にしなくていい。なるべく早く頼む」
「畏まりました」
店員は踵を返して服を選び始めた。
すると千夜の後ろにいたエルフが話しかけてくる。
「あ、あの……」
「どうした?」
「どうして私達なんかに服を?」
「だってその格好じゃ冒険者になれないだろ」
「「え?」」
予想外の返答に、思考停止するエルフとダークエルフ。
「お前らには、これから俺と一緒に冒険者になってもらう。そのためにはまず見た目を何とかしないと駄目だろ?」
「「はぁ……」」
理解できないことを言われて、首を傾げるしかないエルフ達であった。
服を見繕った店員が戻ってくると早速着替えさせ、代金を払って、今度は食事に向かう。
「あ、あの、どこに向かっているのだ……い、いるのですか?」
今度はダークエルフの方が話しかけてくる。
「敬語が苦手なら使わなくていい」
「わ、わかった」
「よし、ここにするか」
千夜は適当な店に入り、四人用の席に座る。もちろん、奴隷二人が床に座ろうとしたのを改めさせるのに苦労したことは言うまでもない。
「さてと、まずは自己紹介といこうか。俺は千夜だ。よろしく」
「よろしくお願いします、ご主人様」
「よろしく、主殿」
エルフとダークエルフが順に頭を下げた。
「おお、初めて奴隷を買ったが、ヤバイなこれは」
「何がだ?」
「いや、独り言だ」
表情は平静を保って手を左右に振る千夜。
「それで、お前達の名前は?」
「私はエルフのミレーネと言います」
「私はダークエルフのクロエだ」
「なるほど。ミレーネとクロエだな。これからよろしく頼む」
千夜はそう言って握手を求めたが、ミレーネとクロエは戸惑いを隠せない。
「出会ったときから思ったのだが、主殿は変な奴だな」
「ちょっ、クロエ! ご主人様に向かってなに言ってるの!」
「変なのか?」
「変わってるのは間違いないな。普通、奴隷にここまでしたりしないぞ」
クロエの言葉に納得した千夜は、自分の考えを伝えることにした。
「なるほどな。しかし俺は、仲間や奴隷は家族だと思っている。お前達を奴隷扱いしないとここに誓おう。俺が間違っていたり変なことをしたりしたら、率直に言ってくれると助かる」
驚いて目を丸くするクロエとミレーネ。
「やっぱり主殿は変な奴だ」
「申し訳ありませんが、私もクロエと同じ考えです」
「別に謝らなくていい。そう思ったんだろ。なら、それでいい」
すると、おそるおそるミレーネが聞いてくる。
「あ、あの質問してもよろしいですか?」
「別に構わない。それと、そんなに畏まらなくても俺は気にしないから」
「で、ですが……わかりました」
彼女は何かを決意したのか、握りこぶしを作った。
「あの……ご主人様は混合種ですよね?」
「そうだが、それがどうした?」
「い、いえ! ……ただ初めて見たので、本当に混合種かどうか確かめたかっただけです」
ミレーネが申し訳なさそうに俯くと、今度はクロエが口を開いた。
「なるほど。確かに珍しいよな、混合種は」
「主殿は混合種だったのか。てっきり火の国の生まれかと思ったぞ」
「どうしてだ?」
「外見を見て、竜族かと思ったんだ」
「それはないだろ。顔が竜とは違いすぎる」
千夜の言葉に顔を見合わせるミレーネとクロエ。
「主殿は知らないのか? 竜族の中にもいろんなタイプがいるのだぞ」
「そうなのか?」
「そうですよ。これは竜族に限った話ではなく、獣人族にも言えることです」
「知らなかったな」
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