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第六章 帰って早々、呆気なくフィリス聖王国調査を始めました。
第七十五幕 再会と縁を切る
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涙を流し両手で口元を隠しながら呻き声にも似た声音で呟かれた一言。それだけで和也は慌てて己の顔に触れた。
「無い……」
本当ならそこにあった冷たく固い無機物の感触が無くなっており、軟らかく暖かな自分の肌が指先に伝わってきた。
視線を下に向けると3枚に斬られた仮面が無造作に落ちていた。
(あの時か)
当っていなかったと思ったドットの一撃は仮面だけを斬り裂いていたのだ。その事に気づかなかった自分に呆れたが、今は目の前で涙を流す実の妹と信じられない者でも見ているかのような表情になっている元友人達にどう説明したものかと頭を悩ませていた。
「本当に……お兄ちゃんなの……」
「……そうだ奏」
蒼いウィッグを外しながら肯定する。
「っ! お兄ちゃん!」
号泣しながら胸に飛び込んでくる奏を優しく抱きしめる和也。その瞬間確信した。
(感じないな)
実の妹に抱きしめられているにも拘わらず和也は嬉しくも、悲しくも、申し訳なさも何も感じない。兄という仮面を被るだけだった。
「今まで何してたのよ! この世界に来て直ぐにお兄ちゃんが死んだって聞かされて、どうして良いのか分からなくなったんだから」
「悪かったな」
本心でもない事を呟きながら泣き止まぬ妹の頭を撫でる。
それから十数分してようやく泣き止んだ奏を一旦離すそうとするが、
「嫌だ!」
まるで小さかった時のように離れようとしなかった。
(ま、今だけは良いか)
これ以上時間を無駄にしたくない和也はそのまま真由美たちの許へ向かう。
「本当に和也なのよね」
「なんだ俺の顔を見忘れたのか真由美」
「か、和也……」
「正利泣くなよ。強面の顔が台無しだぞ」
「和也さん……」
「よう紅葉、久しぶり……なのか?」
バンッ!!!
「グヘッ!」
「「「お兄ちゃん!」和也!」」
久しぶりの再会。感動場面の筈だが和也は10メートル近く吹き飛ばされる。きっと和也として千夜としてこれほど吹き飛ばされたのは初めてだろう。そんな光景に驚きを隠せない真由美、正利、奏。
「そこに直りなさい!」
久しぶりの紅葉の激昂に真由美たちは涙目だが笑みを零していた。
紅葉の怒声に和也は疲労しきった身体に鞭を撃ち紅葉の前で正座する。
「どれだけ心配したと思ってるんですか!」
「…………」
「私も含め皆あの時死んだと思ったんですよ。なのに本当は生き返っていたのならどうしてもっと早く私達に会いにこなかったのですか!」
「いや、俺にも考えがあってだな………」
「考えって何ですか! 貴方が居なくなった事で奏ちゃんがどれだけ悲しい想いをしたか分かっているのですか!」
「いや、分かってるよ。はい……」
このままだと一生続きそう気配が紅葉から漂うのを感じ取った真由美たちがなんとか宥める事に成功し和也は無事に救われた。
「真由美助かった」
「良いわよ、別に。それに元々私のせいだしね……」
「気にするな。あれは俺が弱かったから死んだだけだ」
「それはちが――」
「この話はもう終わりだ。どれだけ話し合ったって解決する事は無いだろうからな」
「………分かったわよ」
腑に落ちないと言いたげな表情だが和也は気にする事無く近く建物の中に入る。
「さてと、悪いが勇治を呼んできて貰えるか?」
「それなら外で話せばいいだろ」
「俺が仮面つけてたのは傷があるって設定だったからな。それが本当は嘘でしたってバレたら面倒だろ」
「なんでそんな面倒な事をしたのよ」
「それについても勇治が来たら話から」
「分かったわ。ちょっと待っててね」
真弓は嘆息しながらも勇治を呼びに行く。
数分して勇治を連れて真由美が戻ってきた。
「やあ……和也」
「よう、勇治」
元気の無い勇治に対していつも通りの和也。まさに対極的だった。
「さて、まず大事な話をする前に勇治」
「何?」
「勇者をやめろ」
「「「「「っ!」」」」」
和也の表情が一変したと思った瞬間、とんでもない言葉に全員が驚愕の表情となる。
「……どうしてだい?」
和也の言葉に憤りを感じ反論しそうになったが、抑えて問い返した。
「お前には相応しくない」
「それって自分の方が相応しいって事」
これまで感じた事もない勇治の怒気。千夜に怒鳴り散らした時よりも大きいそれは和也に向けられる。
しかし、気にする様子も無く平然と口を開いた。
「違う。俺は自分が勇者相応しいとは思ってないし、なりたいとも思わない」
「なら、なんで?」
「お前には無理だからだ」
「無理じゃない! 僕は勇者だ!」
とうとう怒りを抑えられなくなった勇治は怒りの形相で和也を睨みつける。
「いや無理だ」
「そんな事はない!」
「なら、何故あの時ドットを殺さなかった? 何故、その後戦わなかった?」
「それは………」
「お前は悪を嫌い、正義に憧れているようだが、ただそれだけだ」
「そんな事はない! 元居た世界だって僕は困っている人が居れば助けたし、悪い事している人が居れば鉄拳制裁を加えてた!」
「確かに前の世界ではそれで良かったかもな。だがなこの世界じゃ勇者としては勤まらないんだよ」
「っ!」
「なあ、勇治勇者ってなんだ?」
「そんなの悪に怯える人々を助け、悪の根源である魔王を倒す事だ」
「倒すって元居た世界みたいに殴り飛ばすのか?」
「そ、それは……」
「あのな勇治、お前が言っている勇者は御伽話なんだよ。子供向けなんだよ」
「そんな事はない」
「確かに事実かもな。だがな小さな子供向けの本に誰が、魔王の部下を斬り、突き、殺した。気がつけば大量の血が地面を覆っていた。なんて書く? 普通に考えて書くわけ無いだろ」
「それは……」
「それとな勇治、お前は勘違いしているようだからはっきり言っておく」
「勘違い?」
「お前は魔族を悪だって言うけどな。魔族にだって家族や友人、恋人だっているだろう。つまりこれは戦争なんだよ。俺達は戦争で唯一魔国の親玉を殺せる切り札。遊撃部隊として召喚されたに過ぎないんだよ」
「………」
和也の口から告げられる事実に勇治は何も言い返せなかった。ただ勇者に選ばれ、仰がれていた物語の主人公になれた事に歓喜し、奢った。その結果がこれなのだ。
「和也そのくらいで良いでしょ。もう勇治も分かってるだろうし。それに勇治が心配だからキツく言っているって皆分かってるから」
重たくなった空気を換えようと真由美が仲裁するように間に割り込んでくるが、
「何か勘違いしてないか?」
「え?」
「俺は別に勇治が心配で言ってるんじゃない。このままだと必ず周りの奴が死ぬ。それだけは避けたいんだよ。魔族と俺達には圧倒的な力の差があるからな」
「それって……」
「迷惑なんだよ」
バシンッ!
静寂が満たす室内に乾いた音が響き渡る。
「…………」
何も言葉を口にしない真由美。しかし彼女の目には涙が溢れていた。
そんな真由美の事を気にする事無く左を頬を軽く晴らしたまま和也は口を開く。
「さっき大事な話があるって言ったが、俺はもうお前達と関わるつもりはない。これっきりだ。友達として家族としての縁を切る。だから俺の邪魔だけはするな」
伝えるべき事は伝えた和也はアイテムボックスからスペアの仮面とウィッグを取り出し被るとそのまま部屋を出て行く。
重たい空気が漂う一室に残された勇者面々はただただ呆然と突っ立っている事しか出来なかった。
「無い……」
本当ならそこにあった冷たく固い無機物の感触が無くなっており、軟らかく暖かな自分の肌が指先に伝わってきた。
視線を下に向けると3枚に斬られた仮面が無造作に落ちていた。
(あの時か)
当っていなかったと思ったドットの一撃は仮面だけを斬り裂いていたのだ。その事に気づかなかった自分に呆れたが、今は目の前で涙を流す実の妹と信じられない者でも見ているかのような表情になっている元友人達にどう説明したものかと頭を悩ませていた。
「本当に……お兄ちゃんなの……」
「……そうだ奏」
蒼いウィッグを外しながら肯定する。
「っ! お兄ちゃん!」
号泣しながら胸に飛び込んでくる奏を優しく抱きしめる和也。その瞬間確信した。
(感じないな)
実の妹に抱きしめられているにも拘わらず和也は嬉しくも、悲しくも、申し訳なさも何も感じない。兄という仮面を被るだけだった。
「今まで何してたのよ! この世界に来て直ぐにお兄ちゃんが死んだって聞かされて、どうして良いのか分からなくなったんだから」
「悪かったな」
本心でもない事を呟きながら泣き止まぬ妹の頭を撫でる。
それから十数分してようやく泣き止んだ奏を一旦離すそうとするが、
「嫌だ!」
まるで小さかった時のように離れようとしなかった。
(ま、今だけは良いか)
これ以上時間を無駄にしたくない和也はそのまま真由美たちの許へ向かう。
「本当に和也なのよね」
「なんだ俺の顔を見忘れたのか真由美」
「か、和也……」
「正利泣くなよ。強面の顔が台無しだぞ」
「和也さん……」
「よう紅葉、久しぶり……なのか?」
バンッ!!!
「グヘッ!」
「「「お兄ちゃん!」和也!」」
久しぶりの再会。感動場面の筈だが和也は10メートル近く吹き飛ばされる。きっと和也として千夜としてこれほど吹き飛ばされたのは初めてだろう。そんな光景に驚きを隠せない真由美、正利、奏。
「そこに直りなさい!」
久しぶりの紅葉の激昂に真由美たちは涙目だが笑みを零していた。
紅葉の怒声に和也は疲労しきった身体に鞭を撃ち紅葉の前で正座する。
「どれだけ心配したと思ってるんですか!」
「…………」
「私も含め皆あの時死んだと思ったんですよ。なのに本当は生き返っていたのならどうしてもっと早く私達に会いにこなかったのですか!」
「いや、俺にも考えがあってだな………」
「考えって何ですか! 貴方が居なくなった事で奏ちゃんがどれだけ悲しい想いをしたか分かっているのですか!」
「いや、分かってるよ。はい……」
このままだと一生続きそう気配が紅葉から漂うのを感じ取った真由美たちがなんとか宥める事に成功し和也は無事に救われた。
「真由美助かった」
「良いわよ、別に。それに元々私のせいだしね……」
「気にするな。あれは俺が弱かったから死んだだけだ」
「それはちが――」
「この話はもう終わりだ。どれだけ話し合ったって解決する事は無いだろうからな」
「………分かったわよ」
腑に落ちないと言いたげな表情だが和也は気にする事無く近く建物の中に入る。
「さてと、悪いが勇治を呼んできて貰えるか?」
「それなら外で話せばいいだろ」
「俺が仮面つけてたのは傷があるって設定だったからな。それが本当は嘘でしたってバレたら面倒だろ」
「なんでそんな面倒な事をしたのよ」
「それについても勇治が来たら話から」
「分かったわ。ちょっと待っててね」
真弓は嘆息しながらも勇治を呼びに行く。
数分して勇治を連れて真由美が戻ってきた。
「やあ……和也」
「よう、勇治」
元気の無い勇治に対していつも通りの和也。まさに対極的だった。
「さて、まず大事な話をする前に勇治」
「何?」
「勇者をやめろ」
「「「「「っ!」」」」」
和也の表情が一変したと思った瞬間、とんでもない言葉に全員が驚愕の表情となる。
「……どうしてだい?」
和也の言葉に憤りを感じ反論しそうになったが、抑えて問い返した。
「お前には相応しくない」
「それって自分の方が相応しいって事」
これまで感じた事もない勇治の怒気。千夜に怒鳴り散らした時よりも大きいそれは和也に向けられる。
しかし、気にする様子も無く平然と口を開いた。
「違う。俺は自分が勇者相応しいとは思ってないし、なりたいとも思わない」
「なら、なんで?」
「お前には無理だからだ」
「無理じゃない! 僕は勇者だ!」
とうとう怒りを抑えられなくなった勇治は怒りの形相で和也を睨みつける。
「いや無理だ」
「そんな事はない!」
「なら、何故あの時ドットを殺さなかった? 何故、その後戦わなかった?」
「それは………」
「お前は悪を嫌い、正義に憧れているようだが、ただそれだけだ」
「そんな事はない! 元居た世界だって僕は困っている人が居れば助けたし、悪い事している人が居れば鉄拳制裁を加えてた!」
「確かに前の世界ではそれで良かったかもな。だがなこの世界じゃ勇者としては勤まらないんだよ」
「っ!」
「なあ、勇治勇者ってなんだ?」
「そんなの悪に怯える人々を助け、悪の根源である魔王を倒す事だ」
「倒すって元居た世界みたいに殴り飛ばすのか?」
「そ、それは……」
「あのな勇治、お前が言っている勇者は御伽話なんだよ。子供向けなんだよ」
「そんな事はない」
「確かに事実かもな。だがな小さな子供向けの本に誰が、魔王の部下を斬り、突き、殺した。気がつけば大量の血が地面を覆っていた。なんて書く? 普通に考えて書くわけ無いだろ」
「それは……」
「それとな勇治、お前は勘違いしているようだからはっきり言っておく」
「勘違い?」
「お前は魔族を悪だって言うけどな。魔族にだって家族や友人、恋人だっているだろう。つまりこれは戦争なんだよ。俺達は戦争で唯一魔国の親玉を殺せる切り札。遊撃部隊として召喚されたに過ぎないんだよ」
「………」
和也の口から告げられる事実に勇治は何も言い返せなかった。ただ勇者に選ばれ、仰がれていた物語の主人公になれた事に歓喜し、奢った。その結果がこれなのだ。
「和也そのくらいで良いでしょ。もう勇治も分かってるだろうし。それに勇治が心配だからキツく言っているって皆分かってるから」
重たくなった空気を換えようと真由美が仲裁するように間に割り込んでくるが、
「何か勘違いしてないか?」
「え?」
「俺は別に勇治が心配で言ってるんじゃない。このままだと必ず周りの奴が死ぬ。それだけは避けたいんだよ。魔族と俺達には圧倒的な力の差があるからな」
「それって……」
「迷惑なんだよ」
バシンッ!
静寂が満たす室内に乾いた音が響き渡る。
「…………」
何も言葉を口にしない真由美。しかし彼女の目には涙が溢れていた。
そんな真由美の事を気にする事無く左を頬を軽く晴らしたまま和也は口を開く。
「さっき大事な話があるって言ったが、俺はもうお前達と関わるつもりはない。これっきりだ。友達として家族としての縁を切る。だから俺の邪魔だけはするな」
伝えるべき事は伝えた和也はアイテムボックスからスペアの仮面とウィッグを取り出し被るとそのまま部屋を出て行く。
重たい空気が漂う一室に残された勇者面々はただただ呆然と突っ立っている事しか出来なかった。
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