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第六章 帰って早々、呆気なくフィリス聖王国調査を始めました。
第七十三幕 和也とサハフ
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再び時間は遡る。
西エリアでドットと勇治たちが出会った頃、東エリアではすでに戦闘が開始していた。
帝国軍1000と魔族軍600が激闘が繰り広げる中、二人の存在は中央で未だに対峙し合っていた。
「お前がレナードとその補佐官二人を殺した奴だな」
「そうだが、それがどうした」
「いや、ただの興味本位だ。気にするな」
「そうか」
「ああ」
キイッ!
なんの前触れもなく戦いが始まった。和也の蒼槍とサハフのレイピアが火花を散らす。
「シッ!」
流れるような動きで攻撃してくるサハフ。それを躱す和也。二人の攻防は見るものを魅了させる戦いと言ってほかならなかった。
(間合いはこっちが有利だが、あの二刀流は厄介だな。剣戟も速いしそうとうスキルレベルが高くないと出来ない動きだ)
攻撃を躱しながらあいての動きを観察する和也。常人にはけしてそれすらも出来ない。なんども戦いを経験しているからこそ出来るのだ。
(だが、遣れない事はない!)
相手の一撃を躱すと同時にサハフの胸目掛けて蒼槍で反撃する。が、身体を反らして躱す。それでも右肩に切り傷をつける事には成功したが、所詮かすり傷程度であり戦いに支障を来たす事はない。
「ちっ」
その事に思わず舌打ちする和也だが、すぐさま体勢を整え追い討ちをかけるように何度も攻撃を繰り返す。
二人の戦いは始まった。
冷静にして的確に攻撃してくるサハフと頭は冷静だが闘争心を燃やす和也。そんな二人の戦いは周りの兵士や建物に甚大な被害を出しながら行われる。
近くで戦っていた者は両者の一撃の剣圧に巻き込まれ、遠くで戦っていた者はそれに気づき一目散に逃げていく。
戦場を乱す災厄へと変貌した二人の戦いは更なに苛烈さを増していく。
これまでの経験や剣術、槍術スキルだけの戦いから攻撃スキルなど様々な技を織り交ぜた戦いへと変わる。
一つの技を使えばそれだけで建物を一刀両断し、敵味方関係無く殺していく。
数分する頃には二人の周りには何も無くなった。帝国軍も魔賊軍の姿も無い。あるのは破壊された建物の瓦礫のみ。
斬って、突いて、躱して、防いで、反撃してと二人の攻防は続く。
そんな二人の戦いが動いたのはサハフの武器である二つレイピアの一つが和也の一撃に耐えられず折れた時だった。
「「っ!」」
折れた瞬間二人は大きく目を見開け、感じた。
まずいと、好機だと。それからの戦いは変わった。
死闘を繰り広げ両者共に気を抜けば死ぬ戦いが、サハフの防戦一方となったのだ。
ありとあらゆる攻撃スキルを屈指して和也は猛攻する。
三突、暁鐘突き、飛廉突き、繊月閃、柳斬り白竜突き、飛爆斬り、飛湍、雨飛突き、黒雨突き、天泣突き。
己が出せれる全ての攻撃系スキルを屈指して何度も何度も攻撃する。
穿たれ、斬られ、ありあらゆる場所から血が流れ、清潔感溢れるスーツは土埃と血で汚れ、穴や斬られボロボロになっていた。それでもサハフは倒れない。
「私は四天王シーザー様に仕える者。何人も負けるわけにはいかない!」
冷静沈着で知られるサハフの熱き想い。それがサハフを立たせる。同じ十二神将がその姿を見れば別人だと口にするだろう。
しかし和也は彼の事をしらない。だから単純に考える。いつもは冷静に物事を見るが誰よりも忠義に篤い奴なのだと。だからそんな奴には敬意を持って倒そう。とは和也は思わない。
ただ、目の前に敵が居る。自分を殺そうとしている者が居る。だから先に殺そう。それだけだ。
「九天突き!」
貴族吸血鬼を倒した時に使用した九つの呪いを宿す技を持って和也はサハフに止めを刺す。
心臓を貫かれたサハフはそのままゆっくりと倒れる。
「ようやく終わった」
その場に座り込んだ和也はアイテムボックスから魔力ポーションと回復ポーションを飲む。
「あ、あの終わりましたか?」
「ああ、終わった」
「そうですか」
遠くの物陰で隠れて見守っていた帝国兵の一人が和也に近づき尋ねつろ、和也は笑みを含んだ声音で返答する。
「ほら、勝鬨を挙げろよ。その勢いで残った魔族軍を殲滅して来い」
「カズサさんは?」
「俺はこいつを生首を持って西エリアに行って来る」
「ですが、向こうには勇者様方が」
「あいつらじゃ無理だ。早く行かないと向こうで戦う帝国軍が全滅して作戦に支障が出る」
「そ、そうですか。分かりました」
人間、亜人たちの未来を左右するであろう勇者たちの心配を一切していない和也の言葉に頬を引きつらせる帝国兵だったが、軽くお辞儀をすると仲間の許に戻り報告した。
勝鬨の雄叫びが東エリアに轟くなか、和也はサハフの生首をアイテムボックスに収納するとすぐさま西エリアへと向かう。ただただ作戦を成功させるために。
西エリアでドットと勇治たちが出会った頃、東エリアではすでに戦闘が開始していた。
帝国軍1000と魔族軍600が激闘が繰り広げる中、二人の存在は中央で未だに対峙し合っていた。
「お前がレナードとその補佐官二人を殺した奴だな」
「そうだが、それがどうした」
「いや、ただの興味本位だ。気にするな」
「そうか」
「ああ」
キイッ!
なんの前触れもなく戦いが始まった。和也の蒼槍とサハフのレイピアが火花を散らす。
「シッ!」
流れるような動きで攻撃してくるサハフ。それを躱す和也。二人の攻防は見るものを魅了させる戦いと言ってほかならなかった。
(間合いはこっちが有利だが、あの二刀流は厄介だな。剣戟も速いしそうとうスキルレベルが高くないと出来ない動きだ)
攻撃を躱しながらあいての動きを観察する和也。常人にはけしてそれすらも出来ない。なんども戦いを経験しているからこそ出来るのだ。
(だが、遣れない事はない!)
相手の一撃を躱すと同時にサハフの胸目掛けて蒼槍で反撃する。が、身体を反らして躱す。それでも右肩に切り傷をつける事には成功したが、所詮かすり傷程度であり戦いに支障を来たす事はない。
「ちっ」
その事に思わず舌打ちする和也だが、すぐさま体勢を整え追い討ちをかけるように何度も攻撃を繰り返す。
二人の戦いは始まった。
冷静にして的確に攻撃してくるサハフと頭は冷静だが闘争心を燃やす和也。そんな二人の戦いは周りの兵士や建物に甚大な被害を出しながら行われる。
近くで戦っていた者は両者の一撃の剣圧に巻き込まれ、遠くで戦っていた者はそれに気づき一目散に逃げていく。
戦場を乱す災厄へと変貌した二人の戦いは更なに苛烈さを増していく。
これまでの経験や剣術、槍術スキルだけの戦いから攻撃スキルなど様々な技を織り交ぜた戦いへと変わる。
一つの技を使えばそれだけで建物を一刀両断し、敵味方関係無く殺していく。
数分する頃には二人の周りには何も無くなった。帝国軍も魔賊軍の姿も無い。あるのは破壊された建物の瓦礫のみ。
斬って、突いて、躱して、防いで、反撃してと二人の攻防は続く。
そんな二人の戦いが動いたのはサハフの武器である二つレイピアの一つが和也の一撃に耐えられず折れた時だった。
「「っ!」」
折れた瞬間二人は大きく目を見開け、感じた。
まずいと、好機だと。それからの戦いは変わった。
死闘を繰り広げ両者共に気を抜けば死ぬ戦いが、サハフの防戦一方となったのだ。
ありとあらゆる攻撃スキルを屈指して和也は猛攻する。
三突、暁鐘突き、飛廉突き、繊月閃、柳斬り白竜突き、飛爆斬り、飛湍、雨飛突き、黒雨突き、天泣突き。
己が出せれる全ての攻撃系スキルを屈指して何度も何度も攻撃する。
穿たれ、斬られ、ありあらゆる場所から血が流れ、清潔感溢れるスーツは土埃と血で汚れ、穴や斬られボロボロになっていた。それでもサハフは倒れない。
「私は四天王シーザー様に仕える者。何人も負けるわけにはいかない!」
冷静沈着で知られるサハフの熱き想い。それがサハフを立たせる。同じ十二神将がその姿を見れば別人だと口にするだろう。
しかし和也は彼の事をしらない。だから単純に考える。いつもは冷静に物事を見るが誰よりも忠義に篤い奴なのだと。だからそんな奴には敬意を持って倒そう。とは和也は思わない。
ただ、目の前に敵が居る。自分を殺そうとしている者が居る。だから先に殺そう。それだけだ。
「九天突き!」
貴族吸血鬼を倒した時に使用した九つの呪いを宿す技を持って和也はサハフに止めを刺す。
心臓を貫かれたサハフはそのままゆっくりと倒れる。
「ようやく終わった」
その場に座り込んだ和也はアイテムボックスから魔力ポーションと回復ポーションを飲む。
「あ、あの終わりましたか?」
「ああ、終わった」
「そうですか」
遠くの物陰で隠れて見守っていた帝国兵の一人が和也に近づき尋ねつろ、和也は笑みを含んだ声音で返答する。
「ほら、勝鬨を挙げろよ。その勢いで残った魔族軍を殲滅して来い」
「カズサさんは?」
「俺はこいつを生首を持って西エリアに行って来る」
「ですが、向こうには勇者様方が」
「あいつらじゃ無理だ。早く行かないと向こうで戦う帝国軍が全滅して作戦に支障が出る」
「そ、そうですか。分かりました」
人間、亜人たちの未来を左右するであろう勇者たちの心配を一切していない和也の言葉に頬を引きつらせる帝国兵だったが、軽くお辞儀をすると仲間の許に戻り報告した。
勝鬨の雄叫びが東エリアに轟くなか、和也はサハフの生首をアイテムボックスに収納するとすぐさま西エリアへと向かう。ただただ作戦を成功させるために。
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