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第六章 帰って早々、呆気なくフィリス聖王国調査を始めました。

第五十八幕 (覚醒)と信用できない

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 予想外の人物たちの到着に驚きを隠せないが、すぐさま切り替えサイロの書斎へと遣って来たエリーゼたち。数分遅れで和也も到着する。同時に到着したら不自然に思われる可能性を避けるためである。
 和也は書斎に入るなり、勇者たちを一人一人本人かどうか確かめるべく気づかれないよう見つめながら、ついでに超解析も使いステータスも確認する。

────────────────────────────

 桜井勇治
ヒューマン
LV245
HP 205800
MP 200900
STR 44100
VIT 39200
DEX 36750
AGI 39200
INT 41650
LUC 110
 
スキル
言葉理解
剣術LV95
武術LV84
身体能力強化LV85
魔力操作LV76
状態異常耐性LV68
HP自動回復LV62
MP自動回復LV56
火属性耐性LV72
水属性耐性LV68
土属性耐性LV61
風属性耐性LV64
闇属性耐性LV60

称号
英雄の卵(覚醒)
詳細 全ステータス2倍

属性
火 水 風 土 光


朝倉真由美
ヒューマン
LV240
HP 144000
MP 258000
STR 23400
VIT 27000
DEX 30600
AGI 25200
INT 28800
LUC 100

スキル
言葉理解
剣術LV45
魔力操作LV83
状態異常耐性LV49
HP自動回復LV71
MP自動回復LV83
火属性耐性LV85
水属性耐性LV60
土属性耐性LV59
風属性耐性LV46
闇属性耐性LV50
鑑定LV20

称号
魔女の理(覚醒)
詳細 MP以外は全て1.5倍になり、MPは2.5倍になる。

属性
火 水 風 土 光

武田正利
ヒューマン
LV245
HP 275625
MP 143325
STR 55125
VIT 49000
DEX 25725
AGI 36750
INT 22050
LUC 90

スキル
言葉理解
剣術LV98
槍術LV86
魔力操作LV60
状態異常耐性LV70
HP自動回復LV75
MP自動回復LV56
火属性耐性LV75
水属性耐性LV62
土属性耐性LV68
風属性耐性LV65
闇属性耐性LV69

称号
武士の心得(覚醒)
詳細 HPとSTR、VITは2.5倍になり、それ以外は1.5倍になる。

属性
火 水 風 土 光

霧咲紅葉
ヒューマン
LV235
HP 141000
MP 202100
STR 24675
VIT 26437
DEX 317250
AGI 24675
INT 33487
LUC 110

スキル
言葉理解
槍術LV52
魔力操作LV89
状態異常耐性LV68
HP自動回復LV64
MP自動回復LV90
火属性耐性LV80
水属性耐性LV76
土属性耐性LV56
風属性耐性LV63
闇属性耐性LV54

称号
癒しの巫女(覚醒)
詳細 MPは2倍。MP以外は1.5倍。アンデットやスケルトン限定で全ステータスが3倍となる。

属性
火 水 風 土 光


朝霧奏
ヒューマン
LV242
HP 208120
MP 198440
STR 29040
VIT 33880
DEX 36300
AGI 51425
INT 21780
LUC 120

スキル
言葉理解
剣術LV92
二刀流LV99
魔力操作LV60
状態異常耐性LV50
HP自動回復LV70
MP自動回復LV53
火属性耐性LV69
水属性耐性LV62
土属性耐性LV57
風属性耐性LV71
闇属性耐性LV49

称号
双剣の姫(覚醒)
詳細 HP、MP、STR、VIT、DEXは2倍。AGI2.5倍、INT1.5倍。

属性
火 水 風 土 光


───────────────────────────


 勇者として召喚されたためか、それぞれの称号がステータスに大きく影響を与えていることに和也は苦笑する。
(召喚された時俺には無かったが、たぶんその代わりに魂の輪廻が与えられたんだろうな。俺の望みを叶えたつもりなのか、それともこの世界自体が元々一度殺すつもりでいたのかは分からないが。それはともかく本人なのは間違いない。それよりも称号があるのにまだ使える状態ではなかったということかどうりでステータスが低いわけだ)
 推測が外れたことに納得した和也は仮面の奥で笑みを零す。

「私の予想だと明後日の到着だったのだけとどうやって来たのかしら?」
 エリーゼは普段と変わらぬ態度で問う。

「それはね――」
「ゆうくん待って」
 勇治が説明しようとすると割り込む形で奏が前に出る。

「どうしたの奏ちゃん?」
「言う必要は無いよ」
「どうして?」
「信用できないから」
 鋭い視線を向けてくる奏。その事に勇治たち勇者は目を見開ける。

「どうしてだい。僕たちは『悪』である魔族を倒す仲間だろ? なのにどうして信用できないなんて言うのさ! それに僕たちは彼女のステータスを見たはずだ。なら僕たちも教えるなり、見せるなりするのが筋だよ!」
「確かにゆうくんの言っている事は正しいけど、私はまだそこの人を信用したわけじゃい」
 そう言って奏は指を仮面を被る和也に向ける。

「私ね差別する嫌いなの。特に階級だの種族だのそんな下らない理由で他人を見下す奴が嫌いなの」
「つまり奏は人間至上主義であるフィリス聖王国の人が気に食わないって言いたいわけね」
 真由美が代弁する。

「そういう事」
「で、でも会議室ではライラさんと普通に話していたよね」
「あれはただ単に理解できる部分があったから普段通りにしただけで、それ以外は嫌いよ」
「奏ちゃん………」
 まるで恨み辛みでもあるかの如く睨み付ける奏に勇治は悲しげな表情をする。
 一瞬エリーゼたちの方に視線を向け、怒りで表情が変わっていないか心配になったが、それは杞憂で終わり内心ホッとする和也。
(すぐさま他人を信頼しない、信用しない。それはいい事だ。上辺で判断する勇治より数倍マシだな)

「なら奏ちゃんはどうしたら信用できるんだい?」
「仮面をとって顔を見せて頂戴」
「ちょっ! 奏ちゃんそれはあまりにも酷だよ。カズサさんの顔には傷があって見せたくないから隠してるんだ!」
「分かってる。だけどそれが本当かどうか自分の目で見ないと信じられない」
「奏ちゃん………」
 鋭い視線を向けてくる奏に和也は笑みを零す。それは実の妹からの言葉に悲しみを覚えたからではない。成長した喜びでもない。一人の武士として嬉しく感じるだけだった。

「どうるの?」
 問い詰めるように訊いてくる奏。
(兄を殺された憎しみ。その現況である魔族を殺すため、同じ味方でも信用できないようなら容赦なく問い詰めるか。自ら死地に飛び込みそうな勢いだな。ま、俺には関係ないがな)
 実の兄でありながら冷酷な言葉。和也にとってすでに勇治たちも奏もどうでもいい存在だということだ。
(俺の邪魔さえしなければな)

「こ――」
「待ってもらえますか」
 口を開こうとする和也だが、それよりも先に口を開いたものが居た。

「サイロさん何?」
「勇者様たちが言ったように彼の顔には傷があります」
「どうして分かるの?」
「勇者様同様私も最初は信用できなかったので、見せて貰ったのです。ですが、今は見なかった方が良かったと後悔しています。それだけ悲惨で、カズサ殿には悪いが醜いものでした。嘘だと思うのなら部下たちにも聞いてもらえれば分かります。部下の数人はあれを見て吐いていましたから」
 予想外の助っ人に和也は少し驚くが直ぐに奏に視線を向ける。

「ほら、サイロさんもこう言っている事だしもういいだろう」
「奏、私も勇治に賛成よ。サイロさんがあれほど言うんだから間違いないわ」
「俺もそう思うぜ」
「奏、信用できないからといって人の過去に土足で踏み入るのは良い事ではありません」
 奏で以外の勇者たちがそれぞれの意見で説得する。

「………分かったわ。ただし信用出来ない事には変わり無い。だから悪いけど出て行って貰える」
「奏ちゃん!」
「悪いけどこれだけは譲れない」
「ふふっ」
 思わず笑みが零れ落ちる和也は返答する事無く部屋を退出するのであった。




――――――――――――――――――――――――――――――
 どうも月見酒です。
 ステータス更新に時間を取られて更新が遅れました。

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