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第六章 帰って早々、呆気なくフィリス聖王国調査を始めました。
第十三幕 近況報告と紅き剣士
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ライラたちと別れ、宿屋へと戻ってきた和也。
マップを使い尾行しているものがいないかを確かめる。
(いないようだな)
確認を終えた和也は懐から封筒を3枚取り出す。
送る相手はベイベルグ、バルディ、エリーゼである。
ベイベルグとバルディには近況報告を、エリーゼたちには簡素に報告する。
今回の件にはエリーゼたちを関わらせないつもりで居る千夜。そのため、詳細には伝えないようにしている。それでも心配してフィリス聖王国に来られても困るため、2週間に一回手紙で報告しているのだ。
(こういう時はこの封筒が役に立つな)
手紙ならば盗聴される恐れもないため、尾行さえ、気をつけていれば安心して報告が出来るのだ。
(確か、最初は何をしているんだ。と ベルグたちに怒りの手紙が届いていたな)
緊急でない限りベルグたちから返信が来る事はない。しかし、ファブリーゼ皇国で屋台を堪能している事を報告したときだけは別であった。
早朝、宿屋をチェックアウトした和也はライラの許へ会うべく教会本部へと向かっていた。
(さて、上手く行くと良いが)
これから起こる事は出れにも予測は不可能。その事に不安に感じながらも楽しみで仕方が無い和也。
そんな緊張感の欠片も感じない和也は気がつくと教会本部まで来ていた。
ノックをし、相手の返事を持ってからドアを開ける。
(さて、潜入操作開始だ)
ライラと対面した和也。
「昨日は眠れたか?」
「ああ、普通だったよ」
「そうか。なら、早速で悪いがカズヤの実力を知るため訓練所までついて来い」
オフィスチェアから立ち上がると訓練所へと向かうライラ。肯定として無言でついて行く和也。
訓練所へと向かう途中、数人のシスターや神父はライラとすれ違うたびに頭をさげていた。
(まるで、どこぞ貴族だな)
内心そんな事を思う和也だが、近づくわけでも離れるわけでもなく、一定の距離を保ちながらライラの後をついて歩く。
「カズヤ」
「なんだ」
「一つ気になった事がある」
「なんだ?」
「貴公の二つ名『孤高の蒼槍使い』どういう意味だ。なにかの洒落か?」
「いや、そのままの意味だ。俺の武器は槍でパーティーも組むことも無く一人で戦っていたから、この二つ名がついた」
「そうか。つまらないな」
「そうか?」
「ああ。私の部下にはお前以外にも元冒険者だった者が数人居る。その中にも二つ名持ちがいてな。そいつの二つ名は『紅き剣士』という名がついていた」
「どういう意味だ? 真っ赤の甲冑でも身に着けていたのか。それとも紅い剣でも使っていたのか」
「いや、タダ単に偶然崖から落ちてきたオークの返り血を浴びて真っ赤になったからその二つ名になったらしい」
「それは……また……ご愁傷様だな」
「言っておくが、それはラケムだからな」
「マジか」
「あははは!」
意外な真実に本音が漏れ、それを聞いたライラは先日どうよう笑い出す。
「いや、すまない。思い出し笑いだ。初めてその話を聞いたとき、私も似た反応だったからな。だが、ラケムはああ見えても腕は立つ」
「だろうな」
「ほう、やはり分かるか」
「少しだけどな」
「そう、謙遜するな。その歳で相手の力量を感じ取れるのは凄い事だぞ」
「そうか」
千夜になってから最初っからある力にいまさら驚きも嬉しくも感じないカズヤは簡素に返答する。
それからは会話をする事もなく訓練所へとやってきたのであった。
マップを使い尾行しているものがいないかを確かめる。
(いないようだな)
確認を終えた和也は懐から封筒を3枚取り出す。
送る相手はベイベルグ、バルディ、エリーゼである。
ベイベルグとバルディには近況報告を、エリーゼたちには簡素に報告する。
今回の件にはエリーゼたちを関わらせないつもりで居る千夜。そのため、詳細には伝えないようにしている。それでも心配してフィリス聖王国に来られても困るため、2週間に一回手紙で報告しているのだ。
(こういう時はこの封筒が役に立つな)
手紙ならば盗聴される恐れもないため、尾行さえ、気をつけていれば安心して報告が出来るのだ。
(確か、最初は何をしているんだ。と ベルグたちに怒りの手紙が届いていたな)
緊急でない限りベルグたちから返信が来る事はない。しかし、ファブリーゼ皇国で屋台を堪能している事を報告したときだけは別であった。
早朝、宿屋をチェックアウトした和也はライラの許へ会うべく教会本部へと向かっていた。
(さて、上手く行くと良いが)
これから起こる事は出れにも予測は不可能。その事に不安に感じながらも楽しみで仕方が無い和也。
そんな緊張感の欠片も感じない和也は気がつくと教会本部まで来ていた。
ノックをし、相手の返事を持ってからドアを開ける。
(さて、潜入操作開始だ)
ライラと対面した和也。
「昨日は眠れたか?」
「ああ、普通だったよ」
「そうか。なら、早速で悪いがカズヤの実力を知るため訓練所までついて来い」
オフィスチェアから立ち上がると訓練所へと向かうライラ。肯定として無言でついて行く和也。
訓練所へと向かう途中、数人のシスターや神父はライラとすれ違うたびに頭をさげていた。
(まるで、どこぞ貴族だな)
内心そんな事を思う和也だが、近づくわけでも離れるわけでもなく、一定の距離を保ちながらライラの後をついて歩く。
「カズヤ」
「なんだ」
「一つ気になった事がある」
「なんだ?」
「貴公の二つ名『孤高の蒼槍使い』どういう意味だ。なにかの洒落か?」
「いや、そのままの意味だ。俺の武器は槍でパーティーも組むことも無く一人で戦っていたから、この二つ名がついた」
「そうか。つまらないな」
「そうか?」
「ああ。私の部下にはお前以外にも元冒険者だった者が数人居る。その中にも二つ名持ちがいてな。そいつの二つ名は『紅き剣士』という名がついていた」
「どういう意味だ? 真っ赤の甲冑でも身に着けていたのか。それとも紅い剣でも使っていたのか」
「いや、タダ単に偶然崖から落ちてきたオークの返り血を浴びて真っ赤になったからその二つ名になったらしい」
「それは……また……ご愁傷様だな」
「言っておくが、それはラケムだからな」
「マジか」
「あははは!」
意外な真実に本音が漏れ、それを聞いたライラは先日どうよう笑い出す。
「いや、すまない。思い出し笑いだ。初めてその話を聞いたとき、私も似た反応だったからな。だが、ラケムはああ見えても腕は立つ」
「だろうな」
「ほう、やはり分かるか」
「少しだけどな」
「そう、謙遜するな。その歳で相手の力量を感じ取れるのは凄い事だぞ」
「そうか」
千夜になってから最初っからある力にいまさら驚きも嬉しくも感じないカズヤは簡素に返答する。
それからは会話をする事もなく訓練所へとやってきたのであった。
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