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第五章 依頼が無いので、呆気なく新婚旅行に行く事になりました。
第百十幕 シャイネとクロエの戦い(前)
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岩肌を削って出来た広場のような闘技場。
そこでクロエとシャイネは対峙し合っていた。
そんな二人を囲むようにしてエリーゼたちやダークエルフたちが観戦する。
あれから2日。決闘の日がやって来た。
審判としてコーランが二人の中間に立つ。
「これより、シャイネとクロエの決闘を行う。二人とも準備は良いな?」
頷く二人。
「では、始め!」
降り下ろされた右手と同時に決闘が開始される。
先に動いたのはシャイネだった。
両手に短剣を持ちクロエの懐に入り込もうとする。
しかし、容易く接近を許すクロエではない。
「チッ!」
(流石はクロエ。そう簡単には近寄らせてくれないか)
地面から突如出現したアースランスを後方に跳んで回避する。
(凄い。一週間前とは比べ物にならない程に強くなっておる)
一週間前のシャイネとは遥かに違う動きに驚きを隠せないクロエ。
そんな二人を見つめながら千夜は思う。
(クロエ、お前はエリーゼたちと同様に俺に追い付こうと上を目指しているのは理解している。が、下から追いかけている者がいる事を知らなければお前はこれ以上強くはなれないぞ)
二人の戦いは時間が経つにつれ激しさが増していく。
二人を囲むダークエルフたちも危険を感じ数メートル下がる。
「いったい何をしたの旦那様?」
「ん?」
「私が知らないとでも思ったの? 旦那様がシャイネを鍛えたのは知ってるのよ。それで何をしたらあそこまで強くなったの」
「特訓だ」
「私たちが知っている特訓で、あそこまで強くなるわけないでしょ!」
「ま、そうだろうな」
「だったら教えて」
「シャイネにしたのは戦闘技術を叩き込んだ。それだけだ」
(ま、もう一つ教えたが)
「それだけであそこまでは」
「いや、強くなる。なんせ、教えたのは戦闘中の最中だからな」
「え?」
「俺は魔煙香を使い魔物を呼び集めた。そしてシャイネに戦わせた。悪い処は口頭で伝えてな。それだけだ」
「それってとても危険じゃないの! ここの魔物は迷いの森ほどでは無いにしろ、高レベルのモンスターが生息する場所なのよ。それなのにいきなり戦わせるなんて」
「だから賭けだった。それにシャイネも了承したうえで結構した」
「……分かったわ。私はもう何も言わないわ」
嘆息後エリーゼはすぐさま視線をクロエたちの方に向ける。
(それでも、クロエには勝てないわ。だってステータスが違いすぎるもの)
(シャイネが勝てるとしたら、一つしかない。それも一回きりの攻撃で)
千夜とエリーゼの考えることは違った。それでも一つ分かっていることは、シャイネが勝つ確率は低いということだ。
そこでクロエとシャイネは対峙し合っていた。
そんな二人を囲むようにしてエリーゼたちやダークエルフたちが観戦する。
あれから2日。決闘の日がやって来た。
審判としてコーランが二人の中間に立つ。
「これより、シャイネとクロエの決闘を行う。二人とも準備は良いな?」
頷く二人。
「では、始め!」
降り下ろされた右手と同時に決闘が開始される。
先に動いたのはシャイネだった。
両手に短剣を持ちクロエの懐に入り込もうとする。
しかし、容易く接近を許すクロエではない。
「チッ!」
(流石はクロエ。そう簡単には近寄らせてくれないか)
地面から突如出現したアースランスを後方に跳んで回避する。
(凄い。一週間前とは比べ物にならない程に強くなっておる)
一週間前のシャイネとは遥かに違う動きに驚きを隠せないクロエ。
そんな二人を見つめながら千夜は思う。
(クロエ、お前はエリーゼたちと同様に俺に追い付こうと上を目指しているのは理解している。が、下から追いかけている者がいる事を知らなければお前はこれ以上強くはなれないぞ)
二人の戦いは時間が経つにつれ激しさが増していく。
二人を囲むダークエルフたちも危険を感じ数メートル下がる。
「いったい何をしたの旦那様?」
「ん?」
「私が知らないとでも思ったの? 旦那様がシャイネを鍛えたのは知ってるのよ。それで何をしたらあそこまで強くなったの」
「特訓だ」
「私たちが知っている特訓で、あそこまで強くなるわけないでしょ!」
「ま、そうだろうな」
「だったら教えて」
「シャイネにしたのは戦闘技術を叩き込んだ。それだけだ」
(ま、もう一つ教えたが)
「それだけであそこまでは」
「いや、強くなる。なんせ、教えたのは戦闘中の最中だからな」
「え?」
「俺は魔煙香を使い魔物を呼び集めた。そしてシャイネに戦わせた。悪い処は口頭で伝えてな。それだけだ」
「それってとても危険じゃないの! ここの魔物は迷いの森ほどでは無いにしろ、高レベルのモンスターが生息する場所なのよ。それなのにいきなり戦わせるなんて」
「だから賭けだった。それにシャイネも了承したうえで結構した」
「……分かったわ。私はもう何も言わないわ」
嘆息後エリーゼはすぐさま視線をクロエたちの方に向ける。
(それでも、クロエには勝てないわ。だってステータスが違いすぎるもの)
(シャイネが勝てるとしたら、一つしかない。それも一回きりの攻撃で)
千夜とエリーゼの考えることは違った。それでも一つ分かっていることは、シャイネが勝つ確率は低いということだ。
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