68 / 351
第五章 依頼が無いので、呆気なく新婚旅行に行く事になりました。
第九十一幕 討伐と魔法武装
しおりを挟む戦闘が開始されてから十数分が経過した。
エリーゼたちの攻撃によって相手は防戦一方。しかし、倒れる気配が一切感じられなかった。
(まずいな。このままだとエリーゼたちの体力が持たない)
エリーゼたちは連携しあって弱点を補い上手く戦っている。それでも相手のHPがずば抜けているのか怯みもしないのだ。
(これまで思わなかったが、こんな時にHPゲージがあれば)
ゲームの時では自分、見方だけでなく敵のHPも表示される。そのため後どれだけ攻撃すれば良いのか分かっていた。が、今はそれがない。相手の動き、声、表情などから読み取らなければならないのだ。
(ま、こいつに関しては表情では分からないが………いや、待てよ)
ふと、千夜はあることを思い出す。
「俺としたことが、忘れていた」
己の不甲斐なさに笑みを溢しながらもスキル、超解析を使う。
───────────────────
ブラッドワーム(亜種)
LV 212
HP 77904000/86560000
MP 0
STR 22000
VIT 8480000
DEX 7400
AGI 12000
INT 120
LUC 60
スキル
吸血LV86
隠密LV51
物理攻撃耐性 LV42
斬撃耐性 LV39
打撃耐性 LV28
突撃耐性 LV12
魔法攻撃耐性 LV25
火属性耐性 LV12
水属性耐性 LV26
土属性耐性 LV24
風属性耐性 LV28
属性
なし
───────────────────
「一割って所か」
予想よりHPが削れていないことに苛立ちを覚える。
(俺が火炎八蛇で攻撃して倒すのは容易い。がこれはエリーゼたちの戦いだ。さて、どうするか)
思考を巡らせながらも前衛で戦うエリーゼとエルザに回復魔法をかける。
予想以上の強敵に千夜は面倒になってきていた。
(駄目だな。強くなりすぎるとどうも直ぐに終わらせてしまう癖がつくようだ)
内心反省する。
(しかし、ブラッドワームの現状を教えて良いのか? これだけ攻撃してまだ1割しか削れていないとしれば流石に戦意喪失する可能性だってありえるからな)
たった一言で現状が急変することだってある。それが戦場であり、戦いなのだ。
そんな時。
「ん? まずい! エリーゼ、エルザ後方に下がれ今すぐだ」
「え?」
「分かりました!」
エリーゼは疑問に思いながらも、エルザは即座に後方にジャンプする。
プシャー!!
突然の攻撃。口から吐き出された白い液体はエリーゼたちが立っていた場所に直撃し地面を溶かす。
「なによあれ」
「高濃度の塩酸だ」
「塩酸……」
「奴は体内の塩酸を吐き出して攻撃してくる。すまない。すっかり失念していた」
「平気よ。攻撃される前に教えてくれたもの」
「奴の喉辺りが膨れ始めたら攻撃されると思え」
「分かったわ」
(やはり、旦那様が居て正解ね。相手の事を知らない私たちだけでは殺られていたわ。それにしても何時になったら倒れるのかしら)
その後も戦いは続く。先程とは違い、相手の攻撃を回避しながら攻撃しないといけないためどうしても回数が減るが、それでも立ち向かうエリーゼたち。
そして戦闘開始から約一以上が経過した。完全に長期戦になっていた。
(まずいな。エリーゼたちの体力も限界に来ている。ようやく残りのHPが4割を切ったにもだ)
流石の千夜でも額に汗が垂れる。
(エリーゼたちの戦いとはいえ、何も出来ないのは戦うより辛いな)
この時ようやくエリーゼたちの気持ちを理解した。
「ミレーネ」
「はい。なんでしょうか!」
「相手の残りHPは4割を切った。がここからは相手も本気で反撃してくる。皆にこれまで以上に気を引き締めろと伝えてくれ」
「え? それならセンヤさんが伝えた方が……」
「何を言っている。今回のリーダーはミレーネ、お前だ。お前が言わないと駄目だ」
「分かりました!」
強い意思を瞳に宿して頷きエリーゼたちに現在の状況を大声で伝える。あまり大声で喋るミレーネではないが、今回は強くなるため、そして皆で生きて帰るため声を張り上げる。その事に言葉だけでなく心でも理解するエリーゼたちである。
(ミレーネが頑張ってるのに私たちが負けるわけにはいかないわね!)
(私も負けないからな!)
(強くなりましたね。なら、私も頑張らないと!)
終盤に差し掛かり、勢いがつくエリーゼたち。だが現実は甘くない。
「なんだ、あれは!」
「下がります!」
「え、なに? キャアァァ!」
突然、地面から何本もの触手が姿を表す。後方で攻撃していたクロエとミレーネには影響はなく、エルザも危機察知で即座にその場を離れたが、エリーゼは突然の事に反応が遅れる。
「エリーゼ姉さま!」
動揺を隠しきれないミレーネは攻撃するのを止めてしまう。
「チッ!」
足に巻き付いた触手がエリーゼを吊し上げる。
皆が動揺するなか千夜は即座に行動を開始していた。
「俺の妻に汚い触手で触るな」
冷淡に呟かれた一言。しかし、その声音にはハッキリと怒気が含まれていた。
視覚ではけして捉えきれない速さ。音速をも超えるスピードでエリーゼの足に巻き付いた触手が一刀両断される。
「え?」
突然、浮遊感に襲われるエリーゼだったが直ぐ様誰かに抱えられるのが分かる。
「旦那様」
気がつけばミレーネの近くへ戻っていた。
「大丈夫か?」
「ご免なさい。私……」
「何を言っている。俺たちは同じクラン。つまりは仲間だ。助け合うのは当たり前だ。ましてや、俺たちは家族なんだからな」
「でも………」
「エリーゼは悪くない。守れなかった俺に責任がある。俺の背中を預けたと同時に俺がお前たちの背中を守らなければならないのにな」
「それは違が痛っ!」
「どうした?」
「どうやら強く捕まれた時に足を痛めたみたい」
「見せてみろ」
そう言って千夜はエリーゼの左足の靴を脱がす。
「駄目よ! 汗かいてるから臭いわ!」
「今はそんな事を言っている場合ではない。それに俺は気にならないから安心しろ」
「私が気にするのよ!」
「なら、これで気にならないか?」
「え?」
そう言って千夜はエリーゼの爪先にキスをする。
まるで女王様の足に口づけをし忠誠を誓うように。
「どうだ?」
「……………馬鹿」
戦闘中にも拘わらず何をやっているんたまと言いたくなるミレーネたちであった。
「腫れているな。骨にヒビが入っている」
「え! そんな!」
「大丈夫だ」
そう言って千夜はアイテムボックスから1つの瓶を取り出す。
「これは?」
「回復ポーションだ」
「え、でも普通のポーションじゃ」
「安心しろ。これは最上級ポーションだ」
「え、最上級ポーション! 製造法方が失われた伝説の!」
「そうなのか?」
「ええ!」
「俺は作れるぞ?」
「「「「………………」」」」
沈黙の一時である。
「そうよね、旦那様は過去から来た伝説の種族だものね。作れておかしくないわね」
「まあそうなんだが、何故か腑に落ちないな。それより早く飲むと良い」
「ええ!」
千夜から受け取った最上級ポーションを一気に飲み干す。
「凄い。治っただけでなくて体力も回復きてる」
「それが最上級ポーションの力だ。覚えておくと良い」
「そうするわ」
エリーゼは殺る気充分に立ち上がる。
「エリーゼ」
「なに?」
「これを使え」
「これは?」
「俺が作った剣だ」
そう言って手渡したロングソード。装飾も何も施されていない。ただの剣。それでも刀身は日光を浴びて輝いていた。
「綺麗」
「名は焔鬼と言う」
「焔鬼……」
「そいつの効果は敏捷性を1.5倍にするのと魔法武装がしやすい武器だ」
「魔法武装?」
「道具や武器などに魔法をかけ、身体能力向上や隠密しやすくする事を魔法付与と言うのは知っているな」
「ええ。勿論」
「だが、魔法属性、火、水、土、風、光、闇6つの属性魔法を武器などに纏わせる事を魔法武装と言うんだ。ま、大抵は使う属性を名前を入れて何々武装と言うんだがな」
「なるほどね。つまり」
「そうだ。奴の弱点は火。そしてエリーゼ、お前の得意な属性でもあるな」
「旦那様………」
「さあ、ここからが正念場だ」
「ええ、分かったわ!」
気持ちを切り替え、新たな武器を手にエリーゼは討伐対象であるブラッドワームと対峙する。
「クロエはさっきと同じ事を。エルザちゃんは相手を引き付けてエリーゼお姉さまに攻撃しやすくして下さい!」
「わかった!」
「了解です」
(どうやら冷静になったようだな)
「さあ、エリーゼお姉さま。止めはお願いします」
「ええ、任せなさい!」
返答と同時にブラッドワームに突き進むエリーゼ。
(凄い。体が軽い。これが旦那様が作った剣の力なの)
先程までとは違う速さに驚くエリーゼ。それでも慢心すること無い。
(魔法武装だったわね。そんな方法があるなんて知らなかったわ)
体内に流れる魔力を感じとり焔鬼に流し込む。
「行くわよ焔鬼!」
口から吐かれた強い意思。それに答えるように焔鬼は炎を纏う。
「食らいなさい!」
相手の懐に入り込んだエリーゼは全力で斬りつける。
業火を纏った焔鬼はブラッドワームの体を覆う体液をも蒸発させ、そのまま体を切り裂く。
「キュワアアアアァァァァッ!!」
流石のブラッドワームもエリーゼの攻撃に耐えられなかったのか悶絶の高音が深淵の森に轟く。
「さあ、どんどん行くわよ!」
そこからは本当の意味で一方的だった。塩酸や触手などで反撃してくるがエリーゼの焔鬼によって斬り落とされ、逆にHPを削られる有り様だった。
で、最後はクロエのファイヤーランスとエリーゼの火炎武装のコンボ攻撃で倒れるのであった。
戦闘が終わり、流石に疲れたのか千夜以外全員がその場に座り込んでいた。
「疲れたわ」
「焔鬼は魔法武装を使いやすくする武器だが、そのその反面慣れていないと魔力をいつまでも吸い続けるからな」
「それってつまり」
「鍛練あるのみって事だな」
「ま、そうよね」
「それにしても、ブラッドワームの奴吸引して来なかったな」
クロエの言葉に疑問に感じるエリーゼたち。
「そういえば確かに何ででしょう?」
「私たちが無理でも魔物たちなら居た筈だ」
「ああ、それなら大丈夫だ」
「どうしてですか?」
「戦闘開始と同時に俺がここ一帯に結界を張って居たからな。吸引することは不可能だ。ま、結界内に数体の魔物は居たが、結局は微々たる回復しか出来なかったわけだ」
「つまりは結局旦那様のお陰なのね」
「何を言っている。今回はお前たちが勝ち取った勝利だ。俺は戦闘には参加していないからな」
「でもあの時……」
「あれは俺が怒りの余り勝手に動いたに過ぎない」
「心配してくれたの?」
「当たり前だろ。俺はお前たちが居てくれないと死んでしまうからかな」
「うふふ、大袈裟ね」
「そんな事はないさ」
そう言って千夜は疲れきっているエリーゼを抱き締める。それを見てミレーネたちもまた千夜に抱きつくのであった。
(何故ならお前たちは俺の心を救ってくれたんだからな)
口にすることのない。理由は肌寒さを感じさせる風と共に何処かへと消えていく。
「さあ、休んだら帰るぞ」
「「「「はい」」」」
こうしてエリーゼたちの戦いは終わった。
しかし、エリーゼたちが求める新たな力の扉は既に目の前まで来ていた。
0
お気に入りに追加
10,110
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
催眠術師は眠りたい ~洗脳されなかった俺は、クラスメイトを見捨ててまったりします~
山田 武
ファンタジー
テンプレのように異世界にクラスごと召喚された主人公──イム。
与えられた力は面倒臭がりな彼に合った能力──睡眠に関するもの……そして催眠魔法。
そんな力を使いこなし、のらりくらりと異世界を生きていく。
「──誰か、養ってくれない?」
この物語は催眠の力をR18指定……ではなく自身の自堕落ライフのために使う、一人の少年の引き籠もり譚。
前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に二週目の人生を頑張ります
京衛武百十
ファンタジー
俺の名前は阿久津安斗仁王(あくつあんとにお)。いわゆるキラキラした名前のおかげで散々苦労もしたが、それでも人並みに幸せな家庭を築こうと仕事に精を出して精を出して精を出して頑張ってまあそんなに経済的に困るようなことはなかったはずだった。なのに、女房も娘も俺のことなんかちっとも敬ってくれなくて、俺が出張中に娘は結婚式を上げるわ、定年を迎えたら離婚を切り出されれるわで、一人寂しく老後を過ごし、2086年4月、俺は施設で職員だけに看取られながら人生を終えた。本当に空しい人生だった。
なのに俺は、気付いたら五歳の子供になっていた。いや、正確に言うと、五歳の時に危うく死に掛けて、その弾みで思い出したんだ。<前世の記憶>ってやつを。
今世の名前も<アントニオ>だったものの、幸い、そこは中世ヨーロッパ風の世界だったこともあって、アントニオという名もそんなに突拍子もないものじゃなかったことで、俺は今度こそ<普通の幸せ>を掴もうと心に決めたんだ。
しかし、二週目の人生も取り敢えず平穏無事に二十歳になるまで過ごせたものの、何の因果か俺の暮らしていた村が戦争に巻き込まれて家族とは離れ離れ。俺は難民として流浪の身に。しかも、俺と同じ難民として戦火を逃れてきた八歳の女の子<リーネ>と行動を共にすることに。
今世では結婚はまだだったものの、一応、前世では結婚もして子供もいたから何とかなるかと思ったら、俺は育児を女房に任せっきりでほとんど何も知らなかったことに愕然とする。
とは言え、前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に、何とかしようと思ったのだった。
箱庭から始まる俺の地獄(ヘル) ~今日から地獄生物の飼育員ってマジっすか!?~
白那 又太
ファンタジー
とあるアパートの一室に住む安楽 喜一郎は仕事に忙殺されるあまり、癒しを求めてペットを購入した。ところがそのペットの様子がどうもおかしい。
日々成長していくペットに少し違和感を感じながらも(比較的)平和な毎日を過ごしていた喜一郎。
ところがある日その平和は地獄からの使者、魔王デボラ様によって粉々に打ち砕かれるのであった。
目指すは地獄の楽園ってなんじゃそりゃ!
大したスキルも無い! チートも無い! あるのは理不尽と不条理だけ!
箱庭から始まる俺の地獄(ヘル)どうぞお楽しみください。
【本作は小説家になろう様、カクヨム様でも同時更新中です】
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
冤罪だと誰も信じてくれず追い詰められた僕、濡れ衣が明るみになったけど今更仲直りなんてできない
一本橋
恋愛
女子の体操着を盗んだという身に覚えのない罪を着せられ、僕は皆の信頼を失った。
クラスメイトからは日常的に罵倒を浴びせられ、向けられるのは蔑みの目。
さらに、信じていた初恋だった女友達でさえ僕を見限った。
両親からは拒絶され、姉からもいないものと扱われる日々。
……だが、転機は訪れる。冤罪だった事が明かになったのだ。
それを機に、今まで僕を蔑ろに扱った人達から次々と謝罪の声が。
皆は僕と関係を戻したいみたいだけど、今更仲直りなんてできない。
※小説家になろう、カクヨムと同時に投稿しています。
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。