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2巻
2-2
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謁見の間に着くと、皇帝であるアルバートしかいなかった。
「勇者殿をお呼びしたのは、少し耳に入れてもらいたい情報があるからだ」
勇治が皇帝に答える。
「と、言いますと?」
「実は隣国のレイーゼ帝国から手紙が届いた」
「手紙ですか?」
「そうだ。どうやら勇者召喚を行うそうだ」
全員が驚愕の表情を浮かべた。
「なんでも、一人減った勇者の穴埋めとして、レイーゼ帝国が召喚してくれるらしい」
勇治達は憤りを覚えた。また無関係の人を喚び寄せるのか、俺達が強ければこんなことにはならなかったのに、と。
レイーゼ帝国に対して、そして己の不甲斐なさに対して拳を強く握りしめる。
「そこでだ。勇者達にはレイーゼ帝国に行って、新たな勇者を迎えて来て欲しいのだ」
勇治は悩んだ末に答えを決める。
「わかりました。向かいましょう。ですが、ひとつお願いがあります」
「なんだ?」
「はい。レイーゼ帝国には沢山のダンジョンがあると聞いています。そこで修業をさせてほしいのです」
一瞬驚くアルバートだが、すぐに微笑んだ。
「良かろう。レイーゼ帝国の勇者と共に強くなってくれ」
「はっ!」
こうして勇治達はレイーゼ帝国に向かうことになった。
翌日。勇者達は身支度をして、王城の前で馬車に乗り込もうとしていた。
「待ってください!」
セレナが走ってやって来た。その姿は王女として、淑女としてあるまじき姿であったが、どこか楽しそうなので誰も何も言わない。
近衛兵が慌てて怪我をしないよう配慮している。
「ど、どうしたのセレナ」
真由美が驚きつつも駆け寄ってきたセレナに言った。
「陛下に許可をもらったので、私もついていきます!」
その言葉に真由美達は驚き、近衛兵は青ざめた。
「ホントに?」
「はい!」
笑顔で返事をするセレナ。
「なら行こう!」
真由美が手を差し伸べる。
「はい!」
その手をセレナが嬉しそうに掴み、馬車の中へと入った。
「これからよろしくお願いしますね、セレナさん」
「こちらこそ」
「近衛兵が、ちと可哀想な気もするがな」
「確かに、正利の言うとおりだね」
女性陣は楽しそうに話し、男性陣は外で青ざめている近衛兵を見て苦笑する。
勇治達はギルドで登録を終え、数人の兵を連れて王都を後にした。
馬車の中で話題になっていたのは、なんと千夜のことだった。
「紅葉、『漆黒の鬼夜叉』の噂聞いた?」
「聞きましたが、にわかには信じられません」
「一人で黒龍を倒したとか、五十人以上の吸血鬼を纏めて殺したとか、色々と耳を疑うな」
「確かにそうね。けど勇治、凄いのはそれだけじゃ無いわよ。その男がリーダーのクラン……なんて言ったっけ」
「『月夜の酒鬼』だよ」
「そうそう。その『月夜の酒鬼』のメンバーも強いらしいね。一番ランクの低い人でもAランクらしいしね」
真由美は信じられないと言わんばかりだ。
紅葉が尋ねる。
「セレナさん、私達の実力は、冒険者ランクで言えばどのくらいなのですか?」
「そうですね。例えば勇治様なら、Sランクに近いAランクだと思います。ですが、それはファブリーゼ皇国での話です。国ごとに実力が違いますから。ファブリーゼ皇国でAランクでも、レイーゼ帝国ではBランクの可能性があります」
「どういうこと?」
「レイーゼ帝国は武力に力を入れている国です。そのため冒険者のレベルも高いのです」
「なるほどね。つまりは強者が沢山いるわけか」
正利は嬉しそうに呟く。
「そのレイーゼ帝国でXランクに認められる実力ってことは……」
真由美は少し落ち込んだ。
「確かに凄いね。なら一度手合わせしてもらおう」
勇治は励ますように言う。
「勇治の言うとおりだな。ま、手合わせの前に新しい勇者を迎えないといけないがな」
「正利の言うとおりです。今回の目的は新たな勇者の出迎えであり、Xランクの『漆黒の鬼夜叉』に会うことではないのですから」
紅葉は冷静に言う。
「そうだね。でも頑張ろう。和也のためにも」
勇治の言葉に全員が返事をして頷く。
彼らはまだ知らない。
新たに召喚された異世界人が自分達を苦しめることを。
◆ ◆ ◆
昇格から二週間が経ち、クラン『月夜の酒鬼』の噂は大きく広まった。
人数は五人にもかかわらず、最低ランクの冒険者でもAランク。そしてクランメンバーのうち三人は二つ名持ちであり、クランリーダーは世界唯一のXランク。
そんな千夜達はレベル上げのため、スカルフェイス・ナイト、地竜、ガーゴイル、オーガ・キング、ワイバーン、飛竜など、高ランクの討伐依頼を受けていった。
炎龍討伐といった、千夜にしか不可能な依頼の場合は一人で行動することもあったが、大半は全員で行動した。
依頼の達成スピードは尋常でなく、目的地が近いと複数の依頼を同時に受けるなどしていた。そのため――。
「依頼がないか……」
「はい。申し訳ありませんが、現在『月夜の酒鬼』に見合う依頼がないんです」
マキが残念そうに言ってくる。
「なら主、少しランクを落としてはいかがですか」
「すみませんが、それは控えていただけると助かります」
「む、何故ですか?」
マキの言葉にエルザが睨み返した。
千夜がエルザの頭に手を置いて撫でながら説明する。
「エルザ、俺達が他の冒険者の依頼まで奪うのは良くない」
「主がおっしゃるなら……」
「さてマキ。なんか稼げる場所はないか?」
千夜の言葉にマキは意地悪な笑みを浮かべた。
「別にセンヤさん達なら、稼がなくても沢山お金ありますよね」
「そうか? エリーゼ、全員のを合計するといくらだ?」
「待ってね……えっと合計で白金貨865枚。金貨に直すと8万6500枚よ、旦那様」
「だそうだ。マキ」
マキは驚愕の表情を浮かべていた。
それもそのはず。それだけの金があれば、百年は遊んで暮らせる。
ハイスピードで依頼をこなし、依頼内容が一定数以上の討伐もしくは採取だった場合、依頼内容の四倍以上を持ち帰った。
素材が高価なこともあった。そのお陰でギルドも儲かりバルディも嬉しそうにしていた。
「わかりました。それでは、ダンジョンなどに行かれてはいかがですか?」
「ダンジョンか。この国にはいくつある?」
「全部で六つあります。『煉獄の宝物庫』が一番難易度が高く、帝都に近いですね」
「『煉獄の宝物庫』……なぜ、そんな名前に」
「はい、それなりにいいアイテムや宝が出るのですが、一定階層から下はモンスターが強すぎて進めないそうです」
「なるほどな。わかった、家に帰って決める。明日にでも結論を伝えに来る」
「わかりました」
こうして千夜達はギルドを後にした。
家に帰ると、居間にエリーゼの息子、ウィルがいた。
「父上、母上!」
ウィルは嬉しそうに抱きついてきた。
「あらウィル、久しぶりね。元気にしてた?」
「はい! それに、父上と母上のお陰で友達も増えました」
嬉しそうに話すウィル。
「どういうことだ?」
「父上と母上のことを話しましたから」
千夜は納得し、エリーゼは頬を赤らめていた。
「特に父上のことを聞かれました」
「何故だ?」
「だって、父上は世界唯一のXランク冒険者。それにこの帝国を救った英雄ですから!」
興奮気味に語るウィルの姿に呆れながら、千夜は口を開いた。
「ウィルの学校にも知れ渡っていたか」
「はい!」
ウィルは楽しそうに学校での出来事を語る。
「それで父上にお願いがあるのですが」
「なんだ?」
「はい。その、稽古をつけてもらいたいのです」
「今日は泊まっていくのだろう。なら構わないさ。それに、俺もウィルに話があったからな」
「話ですか?」
「ああ。それは夕飯の後にしよう。それより稽古をするぞ」
「はい!」
こうして、千夜はウィルの稽古を始めた。
ウィルはまだ八歳。それでも剣と魔法の才能を両親からちゃんと受け継いでいる。
それに感心しながらも悪いところは指摘し、良いところは褒めて伸ばしていく。
昼食をとって訓練を再開する。千夜とウィルの横では、エリーゼ達が模擬戦をしていた。
「ウィル、気になるか?」
「い、いえ!」
集中力が切れてきたのか、隣で模擬戦をしているエリーゼ達に視線が向く。
そこで千夜は、休憩がてらエリーゼ達の模擬戦を見学することにした。
「別に遠慮はいらない。休憩して見学しよう」
「は、はい!」
「どうだエリーゼ達は?」
「す、凄いです!」
「ならウィルに問題だ。エリーゼはどうやって相手に攻撃を当てると思う? また、得意な魔法はなんだ?」
「え、えっと…………得意な魔法は火属性です。攻め方は、魔法から剣での攻撃だと思います」
「半分正解だな」
「半分ですか?」
「そうだ。よく見ていろ。そろそろだぞ」
ウィルはエリーゼを見つめる。
火玉をクロエめがけて放ったかと思うと、すかさず剣で攻撃するエリーゼ。
クロエは後方へ跳んで回避しようとするが、足下から現れた石柱をお腹に受けて弾き飛ばされる。
すかさずエリーゼは、着地点に向けて火玉を放った。
「それまで!」
火玉がクロエに当たることはなかった。横から割って入ってきたエルザによって止められたからだ。
「わかったか?」
「はい。組み立ての軸は魔法だったのですね。でも、なぜ剣術を混ぜる必要が?」
「簡単なことさ。いかに優れた魔法師でも、懐に入り込まれたら魔法を発動するよりも、回避するなり剣で防ぐなりした方が早い。それに、近距離が得意なのか、遠距離が得意なのかを悟らせなければ、敵は迂闊に行動できないからな。その分こちらが有利になる」
「なるほどそうだったんですね!」
ウィルは目を輝かせて納得していた。
「さてと、そろそろ再開するぞ。ウィルに教えたい技がある」
「わかりました」
それからも訓練が続いた。
エリーゼ達は早めに訓練を終えて、先に風呂に入った。そのあと、ウィルと千夜も二人で風呂に入る。
「父上の体は凄いですね」
ウィルは目を見開き、ジッと千夜の背中を見つめていた。
今、ウィルは千夜の背中を洗っている。ウィルがやらせて欲しいとお願いしてきたのだ。
「そうか?」
「はい。僕の学校の先輩より少し年上なだけなのに、全然違います。筋肉も、傷の数も」
「ま、俺は特殊だからな」
「特殊ですか?」
「ああ。ちょっと事件を起こして親に捨てられてな。一人で生きていくために強くなった。肉体も精神も」
「そうだったんですね」
ウィルはつらそうな表情をする。千夜はそんなウィルの頭に手を置いた。
「別に気にすることはない。生まれた場所が違えばそれだけで人生も違う。人それぞれだ。だが、こうしてウィルやエリーゼ達に会え、幸せにできるのであれば、俺の今までの人生も無駄ではないってことだ」
「はい! 僕も父上のように強くなります!」
「なら、まずはハイヒューマンにならないとな」
「ハイヒューマンにですか!?」
「ああ」
頷く千夜に、ウィルは驚きを隠せずにいた。
ハイヒューマンは人間にとって憧れの種族なのだ。
貧弱と言われている人間。だがハイヒューマンは違う。百鬼族程ではないにしろ強力な戦闘能力を持つ。
「え、ハイヒューマンって別の種族では?」
「ん? ハイヒューマンはヒューマンが進化した種族だぞ?」
「ええ! そうだったんですか?」
ウィルは驚愕のあまりイスから落ちそうになった。
(そう言えば、もともと違う種族として伝えられていたんだったな)
この世界の歴史では、ハイヒューマンはヒューマンとは違う種族として、文献に記載されているのだ。
(だが、この世界の理があのゲームと同じだとすれば……)
「ウィル、今から言うことは誰にも言うなよ。エリーゼ達にもだ。いいな?」
「は、はい!」
「ハイヒューマンはヒューマンのレベルが上限に達し、進化した姿なんだ」
「そうだったんですね。でも上限ってレベルいくらなんですか?」
「250だ」
「250ですか! 歴史に名を残したヒューマンでさえ210なのに……でも、父上に少しでも追い付くために頑張ります!」
「ああ、頑張れよ。それと聞きたいことがあるんだが……」
こうして親子のスキンシップは続くのであった。
みんなで楽しく夕食を食べたあと、マリンがエルザにあるものを手渡した。
「マ、マリンさん。これって」
「はい、エルザちゃんのメイド服です」
エルザの手にはメイド服があった。
「でも、どうして?」
「エルザちゃん、前から家事の手伝いとかしてくれたし、メイドに興味があるって言ってたからね」
「あ、ありがとうございます!」
エルザはメイド服を握りしめながら、満面の笑みで礼を言った。
「いえ、お礼なら私だけでなくセンヤ様にも言ってね」
「主にですか?」
「ええ。なんたってそのメイド服は、センヤ様がエルザちゃんのために作らせた服ですから」
エルザは酒を飲む千夜に視線を向ける。
「気に入ってくれると嬉しい。パルケに頼んで、オーダーメイドで仕立てたメイド服だ。素材も普通では使わないものだ。戦闘になってもそうそう破れたりしないから安心しろ」
再び手酌をする千夜。
「ありがとうございます! 一生、主の専属メイドとして尽くさせていただきます!」
「それは嬉しいな。でもエルザの場合は戦闘メイドでもあるからな。家事だけじゃなく、強くならないといけない」
「はい!」
満面の笑みで返事をしたエルザはお辞儀をすると、メイド服を持って駆けていった。
数分してエルザが戻ってくる。
だが先程とは違う服を纏っていた。そう、メイド服だ。
黒のワンピースに、フリルのついた白のエプロンを組み合わせたエプロンドレス。銀髪の上に白のカチューシャがつけてある。
戦闘用にスカート部分を短めにと考えていた千夜だが、マリンに却下された。その代わり靴は頑丈さを重視し黒のロングブーツとなった。
「どうでしょうか?」
頬を赤らめていたエルザが恥ずかしそうに尋ねてくる。
「ああ。とても似合っている」
嬉しそうに、その場でくるくると回るエルザ。もちろん家の中なのでロングブーツは履いてない。
しかしマリンに、メイドはそんなことしないと叱られ縮こまっていた。
それでも身長が百六十センチ前後と、十四歳の子供にしては高身長。
それにいつも真面目に家事、訓練、依頼をこなすのだから、少しは多目に見て欲しいと思う千夜であった。
真っ暗な夜にもかかわらず、居間は魔法具で照らされている。
そこではセバス、マリン、ロイド、千夜が一緒に晩酌を楽しんでいた。
ウィルは訓練で疲れたのか早めに就寝、エリーゼ達四人はもう一度風呂に入っている。
完全に大人の晩酌タイムとなっていた。
「商売でございますか?」
「ああ。考えているんだが、なかなか思い付かなくてな」
千夜は酒を飲みながら相談してみる。
「エリーゼ達にはまだ言っていない。驚かせたいからな」
その言葉に全員が微笑んだ。
「それで、何かいい考えはないか?」
セバスが悩む。
「そうですな……ん? センヤ様がいつも飲んでいる、その透明な液体は何ですか?」
「ん、気づいてなかったのか。酒だ」
ロイドが目を見開く。
「これが、お酒なのですかい?」
「ああ。俺が作った酒だ」
マリンが恐る恐る提案する。
「少し、飲ませてもらっても構いませんか?」
「良いぞ。みんな飲んでみてくれ」
三人はコップの中を覗き込み、一口飲んだ。
「ほう、これは美味でございます。センヤ様」
「ええ。きめ細かくて優しい口当たりですね」
「ああ。それでもそれなりの度数で美味しいですぞ」
「そうか。それは良かった」
千夜はセバス、マリン、ロイドの感想に満足して、杯に入った酒をクイッと飲む。
「センヤ様、お酒の店などはいかがですか?」
「酒の店か。だが、なるべく幅広い年齢層に来てもらいたいからな」
「そこは、我慢です。子供は時間が経てば飲めるようになります。それに高等部の学生は飲めますよ」
魔法騎士学園には、小等部、中等部、高等部がある。小等部は七~十歳、中等部は十一~十三歳、高等部は十四~十六歳となっている。
大抵の学生は小等部からスタートするが、編入生や転入生なども僅かにいる。
「そうだな。だがこの酒は飲み慣れてない学生にはちょっとな」
「そこは、果実酒なりにすればよろしいかと思いますが」
「なるほどな……」
考え込む千夜の脳裏に、ある記憶が甦った。
前世である事件を起こした千夜は、少しだけ田舎の祖父の家に住まうことになった。祖父の家の近くには酒造店があり、小さいときによく見学させてもらったことを思い出したのだ。
「やってみるか」
「はい、なんでも挑戦です」
セバスは笑顔で答えた。
こうして千夜は酒で商売を始めることにした。
そのあと寝室に行くとエリーゼ、ミレーネ、クロエ、そしてエルザもいた。
「どうした?」
なんとなく理由はわかっていた千夜だが念のために尋ねる。
「あ、あの! 主、どうか私も抱いてもらえないでしょうか!?」
顔を真っ赤にしてお願いしてくるエルザ。
「私ははしたないメイドです。ですが、それでも主が好きです!」
目を大きく見開いて自分の想いをぶつける。
(ここで、断ったら男が廃るな)
「仕方がないな。はしたないメイドにはお仕置きが必要だな」
千夜はエルザを抱き締めながら耳元で呟く。完全にSモードに入っていた。
「はい、お仕置きしてください!」
それでもエルザは嬉しそうに返事をする。そしてベッドに押し倒され、お仕置きが始まる。
千夜のSモードは営みが終わるまで解けることはなく、エリーゼ達までお仕置きされた。
「ヤバイわ。このお仕置き、癖になりそう……」
「ほんとだな……」
「身も心も染められていきそうです……」
「主、凄すぎます……」
虚ろな表情で呟くエリーゼ、クロエ、ミレーネ、エルザであった。
「勇者殿をお呼びしたのは、少し耳に入れてもらいたい情報があるからだ」
勇治が皇帝に答える。
「と、言いますと?」
「実は隣国のレイーゼ帝国から手紙が届いた」
「手紙ですか?」
「そうだ。どうやら勇者召喚を行うそうだ」
全員が驚愕の表情を浮かべた。
「なんでも、一人減った勇者の穴埋めとして、レイーゼ帝国が召喚してくれるらしい」
勇治達は憤りを覚えた。また無関係の人を喚び寄せるのか、俺達が強ければこんなことにはならなかったのに、と。
レイーゼ帝国に対して、そして己の不甲斐なさに対して拳を強く握りしめる。
「そこでだ。勇者達にはレイーゼ帝国に行って、新たな勇者を迎えて来て欲しいのだ」
勇治は悩んだ末に答えを決める。
「わかりました。向かいましょう。ですが、ひとつお願いがあります」
「なんだ?」
「はい。レイーゼ帝国には沢山のダンジョンがあると聞いています。そこで修業をさせてほしいのです」
一瞬驚くアルバートだが、すぐに微笑んだ。
「良かろう。レイーゼ帝国の勇者と共に強くなってくれ」
「はっ!」
こうして勇治達はレイーゼ帝国に向かうことになった。
翌日。勇者達は身支度をして、王城の前で馬車に乗り込もうとしていた。
「待ってください!」
セレナが走ってやって来た。その姿は王女として、淑女としてあるまじき姿であったが、どこか楽しそうなので誰も何も言わない。
近衛兵が慌てて怪我をしないよう配慮している。
「ど、どうしたのセレナ」
真由美が驚きつつも駆け寄ってきたセレナに言った。
「陛下に許可をもらったので、私もついていきます!」
その言葉に真由美達は驚き、近衛兵は青ざめた。
「ホントに?」
「はい!」
笑顔で返事をするセレナ。
「なら行こう!」
真由美が手を差し伸べる。
「はい!」
その手をセレナが嬉しそうに掴み、馬車の中へと入った。
「これからよろしくお願いしますね、セレナさん」
「こちらこそ」
「近衛兵が、ちと可哀想な気もするがな」
「確かに、正利の言うとおりだね」
女性陣は楽しそうに話し、男性陣は外で青ざめている近衛兵を見て苦笑する。
勇治達はギルドで登録を終え、数人の兵を連れて王都を後にした。
馬車の中で話題になっていたのは、なんと千夜のことだった。
「紅葉、『漆黒の鬼夜叉』の噂聞いた?」
「聞きましたが、にわかには信じられません」
「一人で黒龍を倒したとか、五十人以上の吸血鬼を纏めて殺したとか、色々と耳を疑うな」
「確かにそうね。けど勇治、凄いのはそれだけじゃ無いわよ。その男がリーダーのクラン……なんて言ったっけ」
「『月夜の酒鬼』だよ」
「そうそう。その『月夜の酒鬼』のメンバーも強いらしいね。一番ランクの低い人でもAランクらしいしね」
真由美は信じられないと言わんばかりだ。
紅葉が尋ねる。
「セレナさん、私達の実力は、冒険者ランクで言えばどのくらいなのですか?」
「そうですね。例えば勇治様なら、Sランクに近いAランクだと思います。ですが、それはファブリーゼ皇国での話です。国ごとに実力が違いますから。ファブリーゼ皇国でAランクでも、レイーゼ帝国ではBランクの可能性があります」
「どういうこと?」
「レイーゼ帝国は武力に力を入れている国です。そのため冒険者のレベルも高いのです」
「なるほどね。つまりは強者が沢山いるわけか」
正利は嬉しそうに呟く。
「そのレイーゼ帝国でXランクに認められる実力ってことは……」
真由美は少し落ち込んだ。
「確かに凄いね。なら一度手合わせしてもらおう」
勇治は励ますように言う。
「勇治の言うとおりだな。ま、手合わせの前に新しい勇者を迎えないといけないがな」
「正利の言うとおりです。今回の目的は新たな勇者の出迎えであり、Xランクの『漆黒の鬼夜叉』に会うことではないのですから」
紅葉は冷静に言う。
「そうだね。でも頑張ろう。和也のためにも」
勇治の言葉に全員が返事をして頷く。
彼らはまだ知らない。
新たに召喚された異世界人が自分達を苦しめることを。
◆ ◆ ◆
昇格から二週間が経ち、クラン『月夜の酒鬼』の噂は大きく広まった。
人数は五人にもかかわらず、最低ランクの冒険者でもAランク。そしてクランメンバーのうち三人は二つ名持ちであり、クランリーダーは世界唯一のXランク。
そんな千夜達はレベル上げのため、スカルフェイス・ナイト、地竜、ガーゴイル、オーガ・キング、ワイバーン、飛竜など、高ランクの討伐依頼を受けていった。
炎龍討伐といった、千夜にしか不可能な依頼の場合は一人で行動することもあったが、大半は全員で行動した。
依頼の達成スピードは尋常でなく、目的地が近いと複数の依頼を同時に受けるなどしていた。そのため――。
「依頼がないか……」
「はい。申し訳ありませんが、現在『月夜の酒鬼』に見合う依頼がないんです」
マキが残念そうに言ってくる。
「なら主、少しランクを落としてはいかがですか」
「すみませんが、それは控えていただけると助かります」
「む、何故ですか?」
マキの言葉にエルザが睨み返した。
千夜がエルザの頭に手を置いて撫でながら説明する。
「エルザ、俺達が他の冒険者の依頼まで奪うのは良くない」
「主がおっしゃるなら……」
「さてマキ。なんか稼げる場所はないか?」
千夜の言葉にマキは意地悪な笑みを浮かべた。
「別にセンヤさん達なら、稼がなくても沢山お金ありますよね」
「そうか? エリーゼ、全員のを合計するといくらだ?」
「待ってね……えっと合計で白金貨865枚。金貨に直すと8万6500枚よ、旦那様」
「だそうだ。マキ」
マキは驚愕の表情を浮かべていた。
それもそのはず。それだけの金があれば、百年は遊んで暮らせる。
ハイスピードで依頼をこなし、依頼内容が一定数以上の討伐もしくは採取だった場合、依頼内容の四倍以上を持ち帰った。
素材が高価なこともあった。そのお陰でギルドも儲かりバルディも嬉しそうにしていた。
「わかりました。それでは、ダンジョンなどに行かれてはいかがですか?」
「ダンジョンか。この国にはいくつある?」
「全部で六つあります。『煉獄の宝物庫』が一番難易度が高く、帝都に近いですね」
「『煉獄の宝物庫』……なぜ、そんな名前に」
「はい、それなりにいいアイテムや宝が出るのですが、一定階層から下はモンスターが強すぎて進めないそうです」
「なるほどな。わかった、家に帰って決める。明日にでも結論を伝えに来る」
「わかりました」
こうして千夜達はギルドを後にした。
家に帰ると、居間にエリーゼの息子、ウィルがいた。
「父上、母上!」
ウィルは嬉しそうに抱きついてきた。
「あらウィル、久しぶりね。元気にしてた?」
「はい! それに、父上と母上のお陰で友達も増えました」
嬉しそうに話すウィル。
「どういうことだ?」
「父上と母上のことを話しましたから」
千夜は納得し、エリーゼは頬を赤らめていた。
「特に父上のことを聞かれました」
「何故だ?」
「だって、父上は世界唯一のXランク冒険者。それにこの帝国を救った英雄ですから!」
興奮気味に語るウィルの姿に呆れながら、千夜は口を開いた。
「ウィルの学校にも知れ渡っていたか」
「はい!」
ウィルは楽しそうに学校での出来事を語る。
「それで父上にお願いがあるのですが」
「なんだ?」
「はい。その、稽古をつけてもらいたいのです」
「今日は泊まっていくのだろう。なら構わないさ。それに、俺もウィルに話があったからな」
「話ですか?」
「ああ。それは夕飯の後にしよう。それより稽古をするぞ」
「はい!」
こうして、千夜はウィルの稽古を始めた。
ウィルはまだ八歳。それでも剣と魔法の才能を両親からちゃんと受け継いでいる。
それに感心しながらも悪いところは指摘し、良いところは褒めて伸ばしていく。
昼食をとって訓練を再開する。千夜とウィルの横では、エリーゼ達が模擬戦をしていた。
「ウィル、気になるか?」
「い、いえ!」
集中力が切れてきたのか、隣で模擬戦をしているエリーゼ達に視線が向く。
そこで千夜は、休憩がてらエリーゼ達の模擬戦を見学することにした。
「別に遠慮はいらない。休憩して見学しよう」
「は、はい!」
「どうだエリーゼ達は?」
「す、凄いです!」
「ならウィルに問題だ。エリーゼはどうやって相手に攻撃を当てると思う? また、得意な魔法はなんだ?」
「え、えっと…………得意な魔法は火属性です。攻め方は、魔法から剣での攻撃だと思います」
「半分正解だな」
「半分ですか?」
「そうだ。よく見ていろ。そろそろだぞ」
ウィルはエリーゼを見つめる。
火玉をクロエめがけて放ったかと思うと、すかさず剣で攻撃するエリーゼ。
クロエは後方へ跳んで回避しようとするが、足下から現れた石柱をお腹に受けて弾き飛ばされる。
すかさずエリーゼは、着地点に向けて火玉を放った。
「それまで!」
火玉がクロエに当たることはなかった。横から割って入ってきたエルザによって止められたからだ。
「わかったか?」
「はい。組み立ての軸は魔法だったのですね。でも、なぜ剣術を混ぜる必要が?」
「簡単なことさ。いかに優れた魔法師でも、懐に入り込まれたら魔法を発動するよりも、回避するなり剣で防ぐなりした方が早い。それに、近距離が得意なのか、遠距離が得意なのかを悟らせなければ、敵は迂闊に行動できないからな。その分こちらが有利になる」
「なるほどそうだったんですね!」
ウィルは目を輝かせて納得していた。
「さてと、そろそろ再開するぞ。ウィルに教えたい技がある」
「わかりました」
それからも訓練が続いた。
エリーゼ達は早めに訓練を終えて、先に風呂に入った。そのあと、ウィルと千夜も二人で風呂に入る。
「父上の体は凄いですね」
ウィルは目を見開き、ジッと千夜の背中を見つめていた。
今、ウィルは千夜の背中を洗っている。ウィルがやらせて欲しいとお願いしてきたのだ。
「そうか?」
「はい。僕の学校の先輩より少し年上なだけなのに、全然違います。筋肉も、傷の数も」
「ま、俺は特殊だからな」
「特殊ですか?」
「ああ。ちょっと事件を起こして親に捨てられてな。一人で生きていくために強くなった。肉体も精神も」
「そうだったんですね」
ウィルはつらそうな表情をする。千夜はそんなウィルの頭に手を置いた。
「別に気にすることはない。生まれた場所が違えばそれだけで人生も違う。人それぞれだ。だが、こうしてウィルやエリーゼ達に会え、幸せにできるのであれば、俺の今までの人生も無駄ではないってことだ」
「はい! 僕も父上のように強くなります!」
「なら、まずはハイヒューマンにならないとな」
「ハイヒューマンにですか!?」
「ああ」
頷く千夜に、ウィルは驚きを隠せずにいた。
ハイヒューマンは人間にとって憧れの種族なのだ。
貧弱と言われている人間。だがハイヒューマンは違う。百鬼族程ではないにしろ強力な戦闘能力を持つ。
「え、ハイヒューマンって別の種族では?」
「ん? ハイヒューマンはヒューマンが進化した種族だぞ?」
「ええ! そうだったんですか?」
ウィルは驚愕のあまりイスから落ちそうになった。
(そう言えば、もともと違う種族として伝えられていたんだったな)
この世界の歴史では、ハイヒューマンはヒューマンとは違う種族として、文献に記載されているのだ。
(だが、この世界の理があのゲームと同じだとすれば……)
「ウィル、今から言うことは誰にも言うなよ。エリーゼ達にもだ。いいな?」
「は、はい!」
「ハイヒューマンはヒューマンのレベルが上限に達し、進化した姿なんだ」
「そうだったんですね。でも上限ってレベルいくらなんですか?」
「250だ」
「250ですか! 歴史に名を残したヒューマンでさえ210なのに……でも、父上に少しでも追い付くために頑張ります!」
「ああ、頑張れよ。それと聞きたいことがあるんだが……」
こうして親子のスキンシップは続くのであった。
みんなで楽しく夕食を食べたあと、マリンがエルザにあるものを手渡した。
「マ、マリンさん。これって」
「はい、エルザちゃんのメイド服です」
エルザの手にはメイド服があった。
「でも、どうして?」
「エルザちゃん、前から家事の手伝いとかしてくれたし、メイドに興味があるって言ってたからね」
「あ、ありがとうございます!」
エルザはメイド服を握りしめながら、満面の笑みで礼を言った。
「いえ、お礼なら私だけでなくセンヤ様にも言ってね」
「主にですか?」
「ええ。なんたってそのメイド服は、センヤ様がエルザちゃんのために作らせた服ですから」
エルザは酒を飲む千夜に視線を向ける。
「気に入ってくれると嬉しい。パルケに頼んで、オーダーメイドで仕立てたメイド服だ。素材も普通では使わないものだ。戦闘になってもそうそう破れたりしないから安心しろ」
再び手酌をする千夜。
「ありがとうございます! 一生、主の専属メイドとして尽くさせていただきます!」
「それは嬉しいな。でもエルザの場合は戦闘メイドでもあるからな。家事だけじゃなく、強くならないといけない」
「はい!」
満面の笑みで返事をしたエルザはお辞儀をすると、メイド服を持って駆けていった。
数分してエルザが戻ってくる。
だが先程とは違う服を纏っていた。そう、メイド服だ。
黒のワンピースに、フリルのついた白のエプロンを組み合わせたエプロンドレス。銀髪の上に白のカチューシャがつけてある。
戦闘用にスカート部分を短めにと考えていた千夜だが、マリンに却下された。その代わり靴は頑丈さを重視し黒のロングブーツとなった。
「どうでしょうか?」
頬を赤らめていたエルザが恥ずかしそうに尋ねてくる。
「ああ。とても似合っている」
嬉しそうに、その場でくるくると回るエルザ。もちろん家の中なのでロングブーツは履いてない。
しかしマリンに、メイドはそんなことしないと叱られ縮こまっていた。
それでも身長が百六十センチ前後と、十四歳の子供にしては高身長。
それにいつも真面目に家事、訓練、依頼をこなすのだから、少しは多目に見て欲しいと思う千夜であった。
真っ暗な夜にもかかわらず、居間は魔法具で照らされている。
そこではセバス、マリン、ロイド、千夜が一緒に晩酌を楽しんでいた。
ウィルは訓練で疲れたのか早めに就寝、エリーゼ達四人はもう一度風呂に入っている。
完全に大人の晩酌タイムとなっていた。
「商売でございますか?」
「ああ。考えているんだが、なかなか思い付かなくてな」
千夜は酒を飲みながら相談してみる。
「エリーゼ達にはまだ言っていない。驚かせたいからな」
その言葉に全員が微笑んだ。
「それで、何かいい考えはないか?」
セバスが悩む。
「そうですな……ん? センヤ様がいつも飲んでいる、その透明な液体は何ですか?」
「ん、気づいてなかったのか。酒だ」
ロイドが目を見開く。
「これが、お酒なのですかい?」
「ああ。俺が作った酒だ」
マリンが恐る恐る提案する。
「少し、飲ませてもらっても構いませんか?」
「良いぞ。みんな飲んでみてくれ」
三人はコップの中を覗き込み、一口飲んだ。
「ほう、これは美味でございます。センヤ様」
「ええ。きめ細かくて優しい口当たりですね」
「ああ。それでもそれなりの度数で美味しいですぞ」
「そうか。それは良かった」
千夜はセバス、マリン、ロイドの感想に満足して、杯に入った酒をクイッと飲む。
「センヤ様、お酒の店などはいかがですか?」
「酒の店か。だが、なるべく幅広い年齢層に来てもらいたいからな」
「そこは、我慢です。子供は時間が経てば飲めるようになります。それに高等部の学生は飲めますよ」
魔法騎士学園には、小等部、中等部、高等部がある。小等部は七~十歳、中等部は十一~十三歳、高等部は十四~十六歳となっている。
大抵の学生は小等部からスタートするが、編入生や転入生なども僅かにいる。
「そうだな。だがこの酒は飲み慣れてない学生にはちょっとな」
「そこは、果実酒なりにすればよろしいかと思いますが」
「なるほどな……」
考え込む千夜の脳裏に、ある記憶が甦った。
前世である事件を起こした千夜は、少しだけ田舎の祖父の家に住まうことになった。祖父の家の近くには酒造店があり、小さいときによく見学させてもらったことを思い出したのだ。
「やってみるか」
「はい、なんでも挑戦です」
セバスは笑顔で答えた。
こうして千夜は酒で商売を始めることにした。
そのあと寝室に行くとエリーゼ、ミレーネ、クロエ、そしてエルザもいた。
「どうした?」
なんとなく理由はわかっていた千夜だが念のために尋ねる。
「あ、あの! 主、どうか私も抱いてもらえないでしょうか!?」
顔を真っ赤にしてお願いしてくるエルザ。
「私ははしたないメイドです。ですが、それでも主が好きです!」
目を大きく見開いて自分の想いをぶつける。
(ここで、断ったら男が廃るな)
「仕方がないな。はしたないメイドにはお仕置きが必要だな」
千夜はエルザを抱き締めながら耳元で呟く。完全にSモードに入っていた。
「はい、お仕置きしてください!」
それでもエルザは嬉しそうに返事をする。そしてベッドに押し倒され、お仕置きが始まる。
千夜のSモードは営みが終わるまで解けることはなく、エリーゼ達までお仕置きされた。
「ヤバイわ。このお仕置き、癖になりそう……」
「ほんとだな……」
「身も心も染められていきそうです……」
「主、凄すぎます……」
虚ろな表情で呟くエリーゼ、クロエ、ミレーネ、エルザであった。
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