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ぶらり旅

1ヶ月ぶりの会話

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 俺は猛スピードで煙が立ち上る場所に向かう。
「邪魔だどけ!」
 近づく程にに増えていくゾンビども。それを片手操作で出したMP5で撃ち殺していく。ああ、鬱陶しい!
 なお、正式名所H&K MP5。
 9×19mmパラベラム弾を使用している。俺は念のためとマガジンを拡張マガジンにし、なおかつ反則技とも言えるスキルを使い高速リロードをしている。
 そのスキルとは弾が無くなった瞬間にリロードと呟けばリロードされるのだ。いや、ゲーム内で使用したらまじでリンチだから使わなかったけどこれはホントにチートだわ(笑)

 そんなこんなで鬱陶しいゾンビどもを撃ち殺しつつ目的地へと向かう。待ってろよ!

 ようやく、火の出どこらが見えてきた。工場か。
 工場からは黒い煙がモクモクと立ち昇る。近づくにつれ大量に増えるゾンビたち。ああ、鬱陶しい! 

 バッバッバッバッバッバッバンッ!!!!!

 突如、工場から銃声が聞こえる。ビンゴ!
 銃声に引き寄せられたゾンビがどもが工場に向かって歩いていた。そいつらを片っ端から撃ち殺していく。

「リロード!……………………リロード!…………………リロード!」
 喉痛てぇ! どんだけいるんだよ!

俺は呆れつつ工場内へと突っ込む。

「リロード!…………リロード!…………リロード!…………リロード!…………リロード!…………リロード!…………リロード!…………リロード!」

 工場内へと入った俺は工場の中心まで移動しながらバイクを跳び台にしてジャンプする。すぐさまバイクをアイテムボックスに収納し、カスタムクラスから選ぶ。今の状況ならカスタム3が有効だな。すぐさまアイコンをタッチし装備をカスタム3にする。
 一瞬にして武器、服装が変わる。武器はMP5だが、一丁ではなくら二丁になっていた。もちろんマガジンは拡張マガジンを使用している。服装は迷彩柄ではなく、黒一色である。元は特殊部隊SATの服装だが、動きやすさをメインに俺がアレンジした服装である。
 サブ武器には『M1911』を腰に二丁装備している。
 M1911は軍用自動拳銃でアメリカで製造された拳銃である。.45ACP弾を使用しており装弾数は7発と少ない。
 なお、M1911といえばコルト・ガバメントだが、これは日本内でのみの通称であり、日本外では『ナインティーン・イレブン』と呼ばれている。また兵士の間では『ハンド・キャノン』の愛称で呼ばれたりする。
 さて、戦いに集中しますか。え、最初っからそうしろって。はい……そうします。


 空中で着地地点の周りのゾンビたちに弾丸の雨を浴びせてから着地し、近接のゾンビどもから撃ち殺していく。
「リロード!」

 バッバッバッバッバッバッバッバッバッバッバッバッバッバッバッバンッ!!!!

「リロード!」

 たく、鬱陶しいな! 早くくたばれ!

「リロード!…………リロード!…………リロード!…………リロード!」

 俺はこの作業とも言える行為を30分間続けた。


 気がつけば周りにはゾンビたちの死屍累々が出来上がり、この場で動いているのは俺と最後のゾンビだけとなった。
 
 そして、M1911の銃口をゾンビに向ける。

「安らかに眠れ」

バンッ!


 先ほどまでの戦いが嘘かのように静寂と化した工場内にたった一発の銃声が響き渡る。

「終わったな」

 俺は一安心と息を吐く。普段の俺ならその場に尻餅をついて休んでいるところだが、流石はステータス全然疲れた気配がない。
 おっとこんなことしてる場合ではないな。

「人を探さないと」

「その必要はないわ」

 突如、後方から声が聞こえる。ふむ、女のようだな。

「銃は地面に置いて両手を挙げなさい」

 俺は仕方なくMP5とM1911を地面に置いて両手を挙げる。

「あ、あのう………俺は人間なんですけと……」

「分かってるわ。でも噛まれたかもしれないし、人間だからといって信用は出来ないわ」

「はい、すいません……」

 俺は嘆息する。俺、どうなるんだろ。

 女は階段を下りて俺の前にやって来た。うわっ、めっちゃ美女じゃんか。

 黒いロングヘア、整った顔立ち、スラッとしたスタイルに掌から少しはみ出す位の胸、引き締まったヒップ。服装は白のカッターシャツにネクタイ。うむ、学校の制服みたいだな。靴はスニーカーで、ミニスカートに黒のニーソックスと、うわっ!絶対領域がま、眩しい!
 これは間違えたら惚れそう。ま、惚れないけど。だって怖い顔つきで銃口向けられてるからだよ!

「あなた、名前は?」
「俺は烏羽弘毅。君は?」
「教える必要がないわ」
「デスヨネ」
「それで、貴方何処から来たの?」
「教える必要が無っ、はいっ、すいません!教えます!教えますから銃口を近づけないで!」
「なら、早く言いなさい」
「ここに来る前は一キロ離れたホテルに居ました。で、煙が見えたので来ました。この町に来る前は40キロほど離れた田舎に居ました」
「………………」
「………………」
「………………嘘は言ってないようね」
 マジで怖ぇ!

「それで、貴方はこれからどうするの?」
「いや、別に適当に旅でもと」
「………………」
 俺の返答に目を丸くする彼女。あれ、おかしなこと言った?

「はぁ、もういいわ。馬鹿らしくなってきたから。たった一人であれだけのゾンビを狩ったかと思えば、怖がりだし、間抜けだし」
 いや、怖かったのは銃を突き付けられていたからで。てか、間抜けってなんだよ!

「私の名前は如月零奈。よろしく」
「よ、よろしくお願いします」
 緊張しながら握手した。あ、柔らかい。

「弘毅っておかしな人ね」
 クスと笑いながら言われた。恥ずかしい。
「ここ数年ずっと一人だったので会話になれてなくて」
「そうなんだ。それよりも移動しましょうか。さっきまでバイクに乗っていたと思ってたんだけど?」
 零奈は周りを見渡しながら言う。
「あ、待って、今出すから」 
「出すってうわっ!」
 いきなり現れたバイクに零奈は驚く。ま、当たり前だよな。
「何処から出したの?」
「後で話すよ」
「そうね。今は移動しましょう」

 俺は銃をアイテムボックスに収納してバイクに乗る時にも驚かれたけど。
 あ、ヤバイ。背中に柔らかい感触が。さいk、いえ、なんでもありません!
「それじゃ、俺が住みかにしてるホテルに向かうよ」
「ええ、お願い」
 こうして、俺は久々の会話をすることに成功した。ま、内容は楽しい会話じゃ無かったけど。
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