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第二章 魔力無し転生者は仲間を探す

第八十八話 嬉しくないプレゼント

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 11月6日火曜日。
 グリードが作った美味しい朝食を食べた俺たちはそれぞれ依頼を受けてホームを出た。
 全員が同じ依頼をするわけじゃない。と言うよりも俺たちの実力なら個人で依頼をこなした方が効率が良いからだ。
 ま、それだと連携がまったく出来ないわけだが、グリードがまともに戦えるようになるまでは無理だろう。そのため別行動だ。
 影光は、Aランクの依頼を受けて帝都の地下、つまり下水道に向かった。なんでもBランクの軍隊蜚蠊コックローチアミーが大量発生したらしい。
 軍隊蜚蠊コックローチアミー、つまりは大量のゴキブリだ。それを倒さなければならないなんて、もう恐怖でしかない。どれだけ倒しても沸いて出てくるらしい。
 冒険者にとっては仕事に困らないかもしれないが、誰だって大量のゴキブリと相対したくはないはずだ。特に女性冒険者はこの依頼を見ただけで気分が悪くなるそうだ。ま、分からないでもないけど。
 影光だって嫌だろうが、Aランクの中では報酬が高額と言う事もあり受けたんだろう。ギルドのために頑張ってくれ。
 アインと銀はCランクの依頼を受けて郊外にある使われなくなった教会に向かった。
 依頼内容はそこを住処にしているゾンビメイジの討伐だ。普通のゾンビよりも知能が高く、魔力量も多い。ましてや魔法も使ってくる。それでもリッチーより劣る事から冒険者からはインフィリアリッチーと呼ばれている。
 普通のリッチーでもアイン1人で楽勝に倒せる。それが今回はリッチーよりも劣るインフィリアリッチー。それを倒すのがアインと銀だ。もう失敗する要素が見当たらない。アインが暴走して教会を破壊しない限りはの話だけど。
 で、ヘレンはBランクの依頼を受けて帝都の外、北北東にある森に向かった。
 内容はコボルトの巣を破壊する事だ。
 Cランクのコボルトだが、今回は数が多いためBランクに設定されている。1人で向かった事に少し不安があるが、きっと全痛覚眼パーフェクトペインを使いこなす訓練のためだろう。
 全痛覚眼パーフェクトペインは仲間に対しておいそれと使える代物じゃない。俺たちが気にしなかったとしてもヘレンが気にするだろうからな。
 だから気にする必要も無い依頼で訓練するんだろう。
 んで、俺とグリードはDランクの依頼を受けてヘレンとは反対側の森に来ていた。
 依頼内容はホブゴブリンの討伐だ。依頼達成にはホブゴブリンを5体倒す必要があるが、楽勝だ。
 だから俺は仕掛けを用意する事にした。
 気配で感じられる限りホブゴブリンは直ぐ近くに10体居るな。
 そう思っていると、グリードのウォーハンマーを握る手に力が入るのが見えた。

「グリード、お前も気づいたか?」
「は、はい」
「お前の実力ならあの程度楽勝で勝てる。ただ気を抜くなよ」
「は、はい!」
 いや、どうみても力みすぎだろ。どれだけ緊張してるんだ。
 ま、最初は任せてみるか。

「グリード、俺は少しトイレに行って来るから、あとは1人で頑張ってくれ」
「え!?手伝ってくれないんですか!」
「これはお前が受けた依頼だ。俺が手を出すのは間違いだろ。それにホブゴブリンぐらい1人で倒して見せろ。でないと一生Bランクになんてなれないぞ」
「わ、分かりました」
「それじゃ、頑張れよ」
 覚悟を決めたグリードの背中を見送った俺はさっそく移動を開始した。
 気配感知の際、偶然見つけた魔物。俺はそいつの許へと走った。

            ************************

 トイレに行って来ると言ってどこかへ行ってしまったジンさん。
 ま、まさかいきなりホブゴブリンを1人で倒さないといけない事になるなんて。僕はど、どうしたら!

「い、いや、僕だってフリーダムの一員なんだ。ここで頑張らないとただの料理係になってしまう!」
 僕は色々とギルドを転々としてきた。
 ステータスも高くて直ぐに合格させて貰えるけど、戦えないと分かると直ぐにクビにされてきた。
 でも、戦えない僕を戦えるように訓練してくれたのはフリーダムの皆さんが初めてだ。僕なんかよりも遥かに強くて賢くて、凄い方たちが僕なんかのために教えてくれたんだ。ならそれに答えられるように頑張らないと!
 でも、怖い!
 まだホブゴブリンの姿は見えない。けど、ゆっくりとだけどこっちに向かって近づいてきてる。このままだと1分もしないうちにホブゴブリンたちも僕に気づく。そうなったら戦いからは逃げられない。
 なら、今のうちに逃げれば……。

「って何を考えてるんだ、僕は!いつもそんな事ばかりしてきたから僕は強くなれないし、どこのギルドでも直ぐにクビになったんじゃないか!」
 頑張らないと。でも恐い。
 フリーダムに居たい。
 だけど恐い
 Bランクになるんだ!
 それでも恐い。
 恐い。恐い。
 また恐怖で体が動かなくなる。
 ど、どうしよう。このままじゃまたクビにされちゃう。それだけはなんとかして回避しないと。
 恐怖と意志が渦巻きぶつかり合う。
 だけど一切行動に移されていない。ただその場で突っ立っていることしかできない。
 茂みが動きホブゴブリンたちが姿を見せる。
 向こうも僕の事に気づき最初を警戒するけど、僕が恐がっていると気づくと醜い顔に不気味な笑みが浮かばせていた。だ、駄目だこのままだと殺される。
 で、でも恐くて体が動かない。
 お願い、誰か助けて!
 涙目になりながら僕は心の中で叫んでいた。
 ああ、本当に情けない。やっぱり僕は冒険者になる資質がないんだ。
 冒険者なのに、フリーダムの誰よりも身長が高いくせに助けを求めるなんてなんて情けないんだ。

「よ、大丈夫か?」
「え?ジ、ジンさん!」
 振り返るとトイレから戻ってきたジンさんの姿があった。

            ************************

 ホブゴブリン数体を前にグリードは動けなくなっていた。まさかホブゴブリン如きでここまで怯えるとは思わなかったな。
 俺は思わず、頭を掻く。

「それでどうして立ったままで何もしないんだ?」
「恐いんです。もしかしたらあの剣が当たるかもって思うと恐くて動けないんです」
 涙目で訴えるように言って来るグリード。ま、誰だって斬られたり、殺されるのは恐いし嫌だよな。
 それでもフリーダムの一員になったからには強くなって貰わなければ俺が困る。グリードは料理が上手で手放すつもりは無い。だが料理人として雇うつもりはない。
 フリーダムは冒険者のギルドだ。つまりは民間軍事会社だ。ま、今だ俺を含めて5名の弱小ギルドだけど。それでも俺たちフリーダムの一員になったからには冒険者として活動してもらわなければ困る。
 ならギルドマスターとして俺に出来る事はただ1つだ。

「グリード、ただ敵に突っ込んでそのウォーハンマーを全力で振り回して来い」
「恐くてそんな事出来ません!それにもしも躱されて反撃されたらどうするんですか!」
「そんな事一々今は考えなくて良いんだよ!いいからさっさと攻撃して来い。これはギルドマスターとしての命令だ!さっさと行け!でないと俺がお前の頭をかち割るぞ!」
「は、はい!」
(ま、まさかフリーダムのギルドマスターがここまで雑で酷い人だったとは思わなかった!)
 涙目で今にもなきそうな顔をしながらもグリードはウォーハンマーを振り上げて突っ込んだ。
 ああ、それで良い。今はそれで良い。少しずつ慣れていけば良いんだ。

「おらっああああぁぁ!」
 不満の声を腹の底から全力で叫びながらホブゴブリンたち目掛けてウォーハンマーを振り回した。

「フギャッ!」
 どれだけの重さがあるか分からないウォーハンマーに当たったホブゴブリンは変な声を発しながら吹き飛ばされた。
 吹き飛ばされたホブゴブリンは他の仲間と激突し巻き添えにしながら木にぶつかって死んだ。
 巻き添えを食らったホブゴブリンの頭は潰れたトマトのようになっていた。凄い威力だな。
 他のホブゴブリンたちは当たらなかったにしろ、振り回したウォーハンマーの風圧で吹き飛ばされていた。

「え、うそ……」
 どうやら自分の実力に驚いているようだ。
 だが当然だ。
 グリードが持つ実力はホブゴブリン5体でどうにか出来るレベルじゃない。ホブゴブリンたちが生き残れる選択肢があったとすればそれは、出会った瞬間に逃げておくべきだった。だが知能が低いホブゴブリンたちにそんな考えが出来るわけが無い。ましてやさっきまでグリードは怯えていたわけだしな。
 だけど今は。

「何してる!さっさと残りのホブゴブリンを追って殺して来い!」
「は、はい!」
 グリードは慌てて残りのホブゴブリンを追いかけて倒していく。
 戦意を失い、逃走するホブゴブリンを倒す事は臆病なグリードにも容易く倒すことが出来た。当然だけど。
 だが一番意外だったのは、臆病だからと言って躊躇ったりするわけじゃない。
 優しい心の持ち主なら逃げたから見逃すなんて考えが頭を過ぎったりするものだが、グリードにはその考えがないようだ。グリードにとって敵は敵であり、そいつ等が逃げ出そうが関係ないようだな。
 それにしても凄い光景だな。まるでゲーセンなんかで見かけるもぐら叩きでも見ているようだ。ま、これはどうみても18禁を超えているけど。

「ジ、ジンさん。ぼ、僕出来ました!」
「ああ、そうだな。そんなお前にプレゼントがある」
「プレゼントですか!な、なんですか!」
 俺はそう言って自分の後ろの茂みを指差した。

「コイツだ」
 そこには丁度俺を追いかけてやって来たオーガがいた。

「オ、オーガ!」
「そうだ。グリード、今度はコイツを倒して見せろ」
「そ、そんな無理ですよ!オーガはランクBに認定されているんですよ!それを僕が倒せるわけがないじゃないですか!」
「そんな事はない」
「そんな事あります!」
 そこまで拒絶する必要はないと思うんだが。
 確かにオーガはホブゴブリンなんかより強い。身長も3メートル近くあるしな。
 だがグリードよりは弱い。それは俺がハッキリと分かっている。
 だがさっきみたいに無理やり戦わせても効果はないだろう。逆にトラウマに可能性だってあるだろうしな。
 なら、何か無いか。グリードの琴線に触れるような。戦う原点になるような事は。
 グリードは誰よりも身長があり、筋力体力ともに高い。冒険者ランクで言えばAランクになっていてもおかしくないレベルだ。それなのに今だEランクなのは彼のメンタルが原因だ。
 グリードは優しい。入ったばかりにも拘らず自腹で屋上に家庭菜園を作ろうとするほどだ。
 そしてなにより料理をしている時は楽しそうだ。だからと言って食べる俺たちの健康状態を考えたおもいやりのある料理を作る。
 グリードは誰かのために頑張れる奴だ。
 誰かのために……?
 俺はこの時、ある事を思いついた。だが上手く行く保障はない。それでも試さない理由は無い。

「なぁグリード」
「な、なんですか?」
「俺や影光たちは強いと思うか?」
「それは勿論です!たった1人で龍種を倒せるなんて強いとしか言いようがありませんから」
 俺からしてみれば龍なんてただ図体がデカいだけの蜥蜴なんだが。ま、それは言わないでおこう。

「なら俺たちがこの世に生まれたときから強かったと思うか?」
「い、いえ。そうは思いません」
「その通りだ。影光もヘレンも最初から強かったわけじゃない」
「あ、あのアインさんは?」
「アイツは……サイボーグだからな。ある程度は強かったんじゃないのか?それでも造られた時に比べたら強くなっているはずだ。アインも含めて俺たちが最初から強かったわけじゃない。なら何故龍種を1人で倒せるようになったのか。それは強さを求めたからだ」
「アインはサイボーグだがメイドだ。自分の意志でマスターに仕える事を喜びとしている。だからそんなマスターに長く生きてもらいたいと思ったはずだ。なら自然と強くなりたいと思った。だからアインは強くなった」
 ま、強くなったと言っても。アインの場合は技術面の事だろうけどな。アイツは魔力量が多ければ多いほど強くなれる。ほんとチートだよな。
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