51 / 274
第一章 魔力無し転生者は冒険者を目指す
第四十八話 武闘大会個人戦学園代表選抜最終日第二試合 上
しおりを挟む
全ての第一試合が終わったのが11時4分。一時間もすればお昼休みだと思っていたら二試合目を12時からおこなうらしい。なんでそんなに時間を空けるのは少しでもフェアにするためだ。制限時間ギリギリまで闘っていた選手と早く終わった選手とでは体力の消耗が違うからな。仕方が無い。それだったら昼休憩してからでも良いじゃんか。って思ったけど。三試合も行うんだから時間は無駄にしたくないらしい。大人の都合ほど嫌なモノはないな。ほんと反吐がでる。え?中身は37歳の中年おっさんだろって。今は18歳の元気な青年なんだから良いんだよ。
なら、この暇な時間の間は何をするかって?それは勿論購買に行って昼食を買うんだよ。購買は朝の10時からパンとか売ってるから余裕で買える。と言う訳でレッツゴー!
時は流れて早くも第二試合。
購買で買った昼食も良い感じに消化され始めたころだろう。んで、俺の第二試合目の相手は今大会一番の強敵になるであろうイザベラだ。
『それでは今から武闘大会個人戦学園代表選抜最終日第二試合を行いたいと思うよ!興味深い組み合わせがいくつもあるけど、やっぱり誰もが気になるのはこの二人の対決だよね!まずはこの人の紹介から!現在の戦績9勝0敗。六属性持ちにして学園最強の女帝。紅炎の剣姫の異名を持つ、イザベラ・レイジュ・ルーベンハイト手選!』
「キャー!イザベラ様!」
「そんな能無しさっさと倒して!」
凄い歓声だな。やっぱり人気者って凄いな。真壁以上だぞこれ。
『そんな女帝と闘うは、戦績9勝0敗とこちらも全勝を続ける。今年度の唯一の編入生にして問題児。魔力無し、武器もなし、だけど強い!これまでの試合の大半を一撃無双で勝利してきたダークホース、オニガワラ・ジン選手!』
「負けろ!」
「さっさとやられてしまえ、能無し!」
「クズ!カス!」
俺って嫌われてるんだな。イザベラの時と大違いだ。まさに天と地、月とスッポン。雲泥の差の人気度だ。ま、認知度は負けてない気がするけど。マイナスの意味で。
『凄い罵詈雑言です。そして今回の試合に限り特別ゲストとしてエレイン先生に来てもらいました』
『どうぞよろしくお願いします』
『アビゲイル先生とエレイン先生には軍務科、冒険科の代表として解説していただきます。それにしても凄いアウェーですね』
『学園一の人気者であるイザベラさんと闘うと言う事も原因の一つだと考えられますね』
『そうですね。ジン君は編入早々問題行動を起こしてますし、どんな時でもあの態度ですからどうして良いイメージでは見られませんね』
「学園から消えろ!」
「実家に帰れ!」
「学園の恥!」
止めて!僕ちゃんのHPはもう0よ!
ま、そんなふざけた事をしている場合じゃないけど。
観客席から聞こえる二種類の応援。イザベラに対する応援と俺に対する罵詈雑言。人の本心が聞こえてくる。
「ジンは余裕なのね」
そんなアウェー状態の時に話しかけてくる。
「俺はいつも通りなだけだ」
「それが余裕って言ってるのよ」
あれ怒ってる。別に怒らせるつもりはなかったんだが、悪いことをしたかな。
「ならイザベラは何してたんだ?」
「軽く水分補給したりストレッチしたりよ。私はアナタと違って余裕がないのよ」
「何で俺は皮肉を言われてるんだ?」
「アナタが先に言うからでしょ!」
「いつ言った!?」
「………はぁ、私が悪かったわ。気にしないで」
で、今度は呆れられてしまった。
「でもイザベラ」
「何かしら?」
「俺もこの学園に来て色んな奴らと出会って色んなものを託されたりしたんだよ。だからあの時と一緒と思ったら大間違いだからな」
「っ!」
警告はした。どんな結果になろうと恨まないで貰おう。ま、イザベラはそんな奴じゃないことは知っているけどな。
「それではこれより軍務科4年1組イザベラ・レイジュ・ルーベンハイト手選対冒険科4年11組オニガワラ・ジン選手の試合を開始する。両者準備は良いか?」
「大丈夫です」
「いつでもいいぜ」
「それでは試合………開始!」
『今、試合が始まったあああああぁぁ!まず動いたのは両者同時だ!』
「死になさいジン!」
「誰が死ぬか!」
ゴオオオオオオオオオオオオォォォ!!!
『二人の剣と拳がぶつかり風圧が広がっていく!凄まじい威力だ!』
『生身の人間がイザベラ選手の一撃を拳で受け止めるなんて信じられません。この学園に居る教師ですら魔力無しでは不可能でしょう』
『担任として編入初日の時から手合わせをしている私としてはジン選手の一撃を剣で受けきっているイザベラ選手が凄いと感じますね』
『それにしても凄い闘いが続いているぞ!』
『肉体強化魔法で身体能力を向上させたイザベラ選手の剣技を全て弾く、躱す、流すのどれかで対応していますね。実に興味深い』
『イザベラ選手も凄いですね。ジン選手はずば抜けた身体能力と動体視力を持った選手です。ですから相手の隙を見逃すことは万が一ありえません。そんな彼が繰り出す体術を見事に剣術と体術で対処していますね』
『アビゲイル先生とエレイン先生から好評価が出ているぞ。おっ!両者一斉に距離をとったぞ。これはどういう事だ!』
『このままでは、決着が着かないと二人とも感じたんだと思います』
『私もエレイン先生と同じ考えです』
「まったく分かってはいたけど、本当に化け物ね」
「酷い言われようだな。だけど俺も驚いたぜ。前に戦った時よりも断然強くなってるじゃねぇかよ」
「この数ヶ月アナタを倒すためだけに一生懸命訓練してきたもの」
「それは嬉しい限りだ」
それにしては成長スピードが異常だ。そう言えばイザベラのステータスにあった経験三倍速ってのが関係しているのかもしれないな。ほんとチートだな。
「ほんとムカつくわね。私が一生懸命闘ってるのにまだまだ余裕なのが」
「いや、これでも結構焦ってる方だぞ。まさか最初から力の0.6%も出さなければならないとは思わなかったからな。以前と同じなら0.4%で十分闘えたんだがな」
ま、このステージの上で対峙した瞬間からそれは無理だって分かっていたけどな。
「それ褒めてるんでしょうけど全然嬉しくないわよ!」
「それは悪かったな!」
俺たちは再び零距離から戦闘を開始した。
俺は殴る蹴る。
イザベラは、斬る突く。
己が持つ体術と剣術を使って相手の攻撃を躱し、流し、弾く。
強い。以前戦った時よりも遥かに強い。0.6%でギリギリ勝てるかどうかだ。だがイザベラもまだ本気を出しちゃいない。こいつの本当のスタイルは剣術と魔法攻撃を組み合わせた魔法剣士なんだからな!
『互いの闘気がぶつかっています!凄まじい!これが学園代表選抜で行われる試合なのでしょうか!二学期にある武闘大会決勝戦で行われてもおかしくない闘いです!』
『実に興味深いです。イザベラ選手相手にあれだけの試合が繰り広げられるなんていったいどんな体の構造をしているのが実に興味深いです』
『私としてはジン選手の体術についていけているイザベラ選手の方が不思議でなりません。彼女の才能と努力が本物であることを実感しました』
『エレイン先生はさきほどからジン選手贔屓とは言いませんが、ジン選手を基準に話してますよね。普通は逆だと思うんですけど?』
『そんな風に聞こえましたか?』
『はい』
『私もそんな風に聞こえました』
『そう感じたのなら本当です。無意識でしたが改めて考えてみると仕方がありません』
『どうしてですか?』
『選手紹介と同時に観客席から凄いヤジが飛びましたよね』
『その理由も答えていましたよね』
『はい。ですが、きっと中にはそうしなかった生徒も居るはずです』
『その根拠は?』
『別に彼の担任だからと言う訳じゃありません。一度でも彼と闘った者ならば分かります。彼の本当の実力が』
『はぁ……』
『なるほど……』
(ミューラは現役の冒険者でしょ。なんで分からないのよ!)
『それにしても未だ凄まじい闘いが続いている!かれこれ五分以上は接近戦バトルが続いている!』
「本当に呆れるほどの強さね」
「そんな俺と対等に闘いながら魔法まで使えるお前には言われたくないんだが」
(こんなに肉体強化に魔力を使ったのなんて初めてよ!残りの魔力量は7割弱。まったくどれだけ遠いのよ、アナタの背中は!)
こいつの体力は化け物か。これまで闘ってきた学生とは大違い過ぎるだろ。絶対こいつのレベルは200まで行っている。間違いない。だがこのまま闘って判定任せなんかにしてたまるかよ!
「だから喜べイザベラ」
「唐突に何よ」
「今から俺の戦闘技十八番の一つを使って倒してやる」
「え?」
「十八番其の壱、+0.1%殴り!」
「きゃあっ!」
『な、なんと言うことだ!ジン選手の一撃でイザベラ選手が吹き飛んだ!いったい何が起こったんでしょうか!』
『私には強く殴ったように見えましたけど』
『私も同じです』
(正確には違うわ。全力の一部を開放にしただけに過ぎない。イザベラさんここからが正念場よ。ここで倒さなければまだまだ強くなる)
この技はジュリアスたちと訓練していたときに思いついた技だ。徐々に力を上げていって強くさせる。言わばCPUの強さの設定を一段階あげる仕組みだ。これのメリットは相手を強くさせられるだけでなく相手の強さを俺自身が身を持って知ることが出来るし、強い相手ならば楽しい闘いが楽しめるからだ。将来的には銀を鍛える時に使うつもりだ。
「まさかここに来て力を上げてくるなんてね」
「やはり分かるのか?」
「私を誰だと思ってるの。ジンとの勝負も二度目なのよ。学園最強の私が気づかないわけ無いでしょ」
「それもそうだな」
「でも、それだけ強くなったって認めて貰えたってことでしょ」
「嬉しいだろ?」
「半々ってところね。認めてもらえた嬉しさと、勝機が下がった悲しさ半分ね」
(でも、このまま行けば魔力切れで私が間違いなく負ける。ならっ!)
「今から私も本気を見せてあげる!六属性の守護騎士!」
「おいおいマジかよ!」
『こ、これはなんだ!威圧的なまでの火、水、風、土、雷、光の各属性騎士たちが主であるイザベラ選手を守護するように降臨したぞ!』
「これで終わりじゃないわよ!お前たち始めろ!」
『これから何が……こ、これは!なんと言うことだ!騎士たちが二人一組になったかと思えば融合しました。これは応用魔法!属性同士で新たな魔法を生み出す高等魔法です!』
「溶岩の戦士、雷光の騎士、濃霧の歌手。応用魔法によって生み出した私の守護者たち。アナタに倒せるかしら?」
「お前こそ忘れたのか?俺にはあの技があることを」
「ええ、覚えているわよ。でも魔力量が多ければ多いほど貴方が受けるダメージは大きい。そうなれば一時的に腕が痛みで使い物にならないことも調べ済みよ」
これは参った。そこまで知られているのか。もしもあの技を使えば簡単に倒せるだろうが、イザベラの魔力量から考えて全部倒せば1分間は片腕が使い物にならなくなるだろう。だがイザベラ相手に片腕なしで闘うのは厳しい。
「だが面白い!」
「っ!」
(まさか、この三体相手になにか秘策があるの?それとも腕を封じられた状態で私と闘うつもり?確かにこの魔法は魔力を大幅に取られる。残りの魔力は4割強。ジン相手には少し厳しいかもね)
「おらっ!」
「え?」
『な、殴った!ジン選手、イザベラ選手が出した溶岩の戦士に接近すると思いっきり殴り飛ばしました!』
『溶岩の普通の温度が900度~1100度。それを殴るとは彼には恐怖と言うモノが欠落しているのか、アドレナリンの大量分泌によって一時的に痛覚が麻痺しているのか。どちらにしても常人では考えられない行動ですね』
(どちらでもない。彼は私と戦って負けたとき笑っていた。きっと久々に負けて負けた悔しさを知ったから。そして強い相手と戦うことが楽しいと思い出したんだ。いえ、気づいたって言った方が良いのかしら)
「今度はこっちだ!」
熱い、痛い。だけど楽しい。まさかこれほどの魔法を生み出していたなんて思いもしなかった。流石は学園最強の生徒だ。これだから戦いはやめられないんだ。
なら、この暇な時間の間は何をするかって?それは勿論購買に行って昼食を買うんだよ。購買は朝の10時からパンとか売ってるから余裕で買える。と言う訳でレッツゴー!
時は流れて早くも第二試合。
購買で買った昼食も良い感じに消化され始めたころだろう。んで、俺の第二試合目の相手は今大会一番の強敵になるであろうイザベラだ。
『それでは今から武闘大会個人戦学園代表選抜最終日第二試合を行いたいと思うよ!興味深い組み合わせがいくつもあるけど、やっぱり誰もが気になるのはこの二人の対決だよね!まずはこの人の紹介から!現在の戦績9勝0敗。六属性持ちにして学園最強の女帝。紅炎の剣姫の異名を持つ、イザベラ・レイジュ・ルーベンハイト手選!』
「キャー!イザベラ様!」
「そんな能無しさっさと倒して!」
凄い歓声だな。やっぱり人気者って凄いな。真壁以上だぞこれ。
『そんな女帝と闘うは、戦績9勝0敗とこちらも全勝を続ける。今年度の唯一の編入生にして問題児。魔力無し、武器もなし、だけど強い!これまでの試合の大半を一撃無双で勝利してきたダークホース、オニガワラ・ジン選手!』
「負けろ!」
「さっさとやられてしまえ、能無し!」
「クズ!カス!」
俺って嫌われてるんだな。イザベラの時と大違いだ。まさに天と地、月とスッポン。雲泥の差の人気度だ。ま、認知度は負けてない気がするけど。マイナスの意味で。
『凄い罵詈雑言です。そして今回の試合に限り特別ゲストとしてエレイン先生に来てもらいました』
『どうぞよろしくお願いします』
『アビゲイル先生とエレイン先生には軍務科、冒険科の代表として解説していただきます。それにしても凄いアウェーですね』
『学園一の人気者であるイザベラさんと闘うと言う事も原因の一つだと考えられますね』
『そうですね。ジン君は編入早々問題行動を起こしてますし、どんな時でもあの態度ですからどうして良いイメージでは見られませんね』
「学園から消えろ!」
「実家に帰れ!」
「学園の恥!」
止めて!僕ちゃんのHPはもう0よ!
ま、そんなふざけた事をしている場合じゃないけど。
観客席から聞こえる二種類の応援。イザベラに対する応援と俺に対する罵詈雑言。人の本心が聞こえてくる。
「ジンは余裕なのね」
そんなアウェー状態の時に話しかけてくる。
「俺はいつも通りなだけだ」
「それが余裕って言ってるのよ」
あれ怒ってる。別に怒らせるつもりはなかったんだが、悪いことをしたかな。
「ならイザベラは何してたんだ?」
「軽く水分補給したりストレッチしたりよ。私はアナタと違って余裕がないのよ」
「何で俺は皮肉を言われてるんだ?」
「アナタが先に言うからでしょ!」
「いつ言った!?」
「………はぁ、私が悪かったわ。気にしないで」
で、今度は呆れられてしまった。
「でもイザベラ」
「何かしら?」
「俺もこの学園に来て色んな奴らと出会って色んなものを託されたりしたんだよ。だからあの時と一緒と思ったら大間違いだからな」
「っ!」
警告はした。どんな結果になろうと恨まないで貰おう。ま、イザベラはそんな奴じゃないことは知っているけどな。
「それではこれより軍務科4年1組イザベラ・レイジュ・ルーベンハイト手選対冒険科4年11組オニガワラ・ジン選手の試合を開始する。両者準備は良いか?」
「大丈夫です」
「いつでもいいぜ」
「それでは試合………開始!」
『今、試合が始まったあああああぁぁ!まず動いたのは両者同時だ!』
「死になさいジン!」
「誰が死ぬか!」
ゴオオオオオオオオオオオオォォォ!!!
『二人の剣と拳がぶつかり風圧が広がっていく!凄まじい威力だ!』
『生身の人間がイザベラ選手の一撃を拳で受け止めるなんて信じられません。この学園に居る教師ですら魔力無しでは不可能でしょう』
『担任として編入初日の時から手合わせをしている私としてはジン選手の一撃を剣で受けきっているイザベラ選手が凄いと感じますね』
『それにしても凄い闘いが続いているぞ!』
『肉体強化魔法で身体能力を向上させたイザベラ選手の剣技を全て弾く、躱す、流すのどれかで対応していますね。実に興味深い』
『イザベラ選手も凄いですね。ジン選手はずば抜けた身体能力と動体視力を持った選手です。ですから相手の隙を見逃すことは万が一ありえません。そんな彼が繰り出す体術を見事に剣術と体術で対処していますね』
『アビゲイル先生とエレイン先生から好評価が出ているぞ。おっ!両者一斉に距離をとったぞ。これはどういう事だ!』
『このままでは、決着が着かないと二人とも感じたんだと思います』
『私もエレイン先生と同じ考えです』
「まったく分かってはいたけど、本当に化け物ね」
「酷い言われようだな。だけど俺も驚いたぜ。前に戦った時よりも断然強くなってるじゃねぇかよ」
「この数ヶ月アナタを倒すためだけに一生懸命訓練してきたもの」
「それは嬉しい限りだ」
それにしては成長スピードが異常だ。そう言えばイザベラのステータスにあった経験三倍速ってのが関係しているのかもしれないな。ほんとチートだな。
「ほんとムカつくわね。私が一生懸命闘ってるのにまだまだ余裕なのが」
「いや、これでも結構焦ってる方だぞ。まさか最初から力の0.6%も出さなければならないとは思わなかったからな。以前と同じなら0.4%で十分闘えたんだがな」
ま、このステージの上で対峙した瞬間からそれは無理だって分かっていたけどな。
「それ褒めてるんでしょうけど全然嬉しくないわよ!」
「それは悪かったな!」
俺たちは再び零距離から戦闘を開始した。
俺は殴る蹴る。
イザベラは、斬る突く。
己が持つ体術と剣術を使って相手の攻撃を躱し、流し、弾く。
強い。以前戦った時よりも遥かに強い。0.6%でギリギリ勝てるかどうかだ。だがイザベラもまだ本気を出しちゃいない。こいつの本当のスタイルは剣術と魔法攻撃を組み合わせた魔法剣士なんだからな!
『互いの闘気がぶつかっています!凄まじい!これが学園代表選抜で行われる試合なのでしょうか!二学期にある武闘大会決勝戦で行われてもおかしくない闘いです!』
『実に興味深いです。イザベラ選手相手にあれだけの試合が繰り広げられるなんていったいどんな体の構造をしているのが実に興味深いです』
『私としてはジン選手の体術についていけているイザベラ選手の方が不思議でなりません。彼女の才能と努力が本物であることを実感しました』
『エレイン先生はさきほどからジン選手贔屓とは言いませんが、ジン選手を基準に話してますよね。普通は逆だと思うんですけど?』
『そんな風に聞こえましたか?』
『はい』
『私もそんな風に聞こえました』
『そう感じたのなら本当です。無意識でしたが改めて考えてみると仕方がありません』
『どうしてですか?』
『選手紹介と同時に観客席から凄いヤジが飛びましたよね』
『その理由も答えていましたよね』
『はい。ですが、きっと中にはそうしなかった生徒も居るはずです』
『その根拠は?』
『別に彼の担任だからと言う訳じゃありません。一度でも彼と闘った者ならば分かります。彼の本当の実力が』
『はぁ……』
『なるほど……』
(ミューラは現役の冒険者でしょ。なんで分からないのよ!)
『それにしても未だ凄まじい闘いが続いている!かれこれ五分以上は接近戦バトルが続いている!』
「本当に呆れるほどの強さね」
「そんな俺と対等に闘いながら魔法まで使えるお前には言われたくないんだが」
(こんなに肉体強化に魔力を使ったのなんて初めてよ!残りの魔力量は7割弱。まったくどれだけ遠いのよ、アナタの背中は!)
こいつの体力は化け物か。これまで闘ってきた学生とは大違い過ぎるだろ。絶対こいつのレベルは200まで行っている。間違いない。だがこのまま闘って判定任せなんかにしてたまるかよ!
「だから喜べイザベラ」
「唐突に何よ」
「今から俺の戦闘技十八番の一つを使って倒してやる」
「え?」
「十八番其の壱、+0.1%殴り!」
「きゃあっ!」
『な、なんと言うことだ!ジン選手の一撃でイザベラ選手が吹き飛んだ!いったい何が起こったんでしょうか!』
『私には強く殴ったように見えましたけど』
『私も同じです』
(正確には違うわ。全力の一部を開放にしただけに過ぎない。イザベラさんここからが正念場よ。ここで倒さなければまだまだ強くなる)
この技はジュリアスたちと訓練していたときに思いついた技だ。徐々に力を上げていって強くさせる。言わばCPUの強さの設定を一段階あげる仕組みだ。これのメリットは相手を強くさせられるだけでなく相手の強さを俺自身が身を持って知ることが出来るし、強い相手ならば楽しい闘いが楽しめるからだ。将来的には銀を鍛える時に使うつもりだ。
「まさかここに来て力を上げてくるなんてね」
「やはり分かるのか?」
「私を誰だと思ってるの。ジンとの勝負も二度目なのよ。学園最強の私が気づかないわけ無いでしょ」
「それもそうだな」
「でも、それだけ強くなったって認めて貰えたってことでしょ」
「嬉しいだろ?」
「半々ってところね。認めてもらえた嬉しさと、勝機が下がった悲しさ半分ね」
(でも、このまま行けば魔力切れで私が間違いなく負ける。ならっ!)
「今から私も本気を見せてあげる!六属性の守護騎士!」
「おいおいマジかよ!」
『こ、これはなんだ!威圧的なまでの火、水、風、土、雷、光の各属性騎士たちが主であるイザベラ選手を守護するように降臨したぞ!』
「これで終わりじゃないわよ!お前たち始めろ!」
『これから何が……こ、これは!なんと言うことだ!騎士たちが二人一組になったかと思えば融合しました。これは応用魔法!属性同士で新たな魔法を生み出す高等魔法です!』
「溶岩の戦士、雷光の騎士、濃霧の歌手。応用魔法によって生み出した私の守護者たち。アナタに倒せるかしら?」
「お前こそ忘れたのか?俺にはあの技があることを」
「ええ、覚えているわよ。でも魔力量が多ければ多いほど貴方が受けるダメージは大きい。そうなれば一時的に腕が痛みで使い物にならないことも調べ済みよ」
これは参った。そこまで知られているのか。もしもあの技を使えば簡単に倒せるだろうが、イザベラの魔力量から考えて全部倒せば1分間は片腕が使い物にならなくなるだろう。だがイザベラ相手に片腕なしで闘うのは厳しい。
「だが面白い!」
「っ!」
(まさか、この三体相手になにか秘策があるの?それとも腕を封じられた状態で私と闘うつもり?確かにこの魔法は魔力を大幅に取られる。残りの魔力は4割強。ジン相手には少し厳しいかもね)
「おらっ!」
「え?」
『な、殴った!ジン選手、イザベラ選手が出した溶岩の戦士に接近すると思いっきり殴り飛ばしました!』
『溶岩の普通の温度が900度~1100度。それを殴るとは彼には恐怖と言うモノが欠落しているのか、アドレナリンの大量分泌によって一時的に痛覚が麻痺しているのか。どちらにしても常人では考えられない行動ですね』
(どちらでもない。彼は私と戦って負けたとき笑っていた。きっと久々に負けて負けた悔しさを知ったから。そして強い相手と戦うことが楽しいと思い出したんだ。いえ、気づいたって言った方が良いのかしら)
「今度はこっちだ!」
熱い、痛い。だけど楽しい。まさかこれほどの魔法を生み出していたなんて思いもしなかった。流石は学園最強の生徒だ。これだから戦いはやめられないんだ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
初期スキルが便利すぎて異世界生活が楽しすぎる!
霜月雹花
ファンタジー
神の悪戯により死んでしまった主人公は、別の神の手により3つの便利なスキルを貰い異世界に転生する事になった。転生し、普通の人生を歩む筈が、又しても神の悪戯によってトラブルが起こり目が覚めると異世界で10歳の〝家無し名無し〟の状態になっていた。転生を勧めてくれた神からの手紙に代償として、希少な力を受け取った。
神によって人生を狂わされた主人公は、異世界で便利なスキルを使って生きて行くそんな物語。
書籍8巻11月24日発売します。
漫画版2巻まで発売中。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる