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ポニーとエリー
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42・ポニーとエリー
「ポニー」
エリーの表情は沈没したって色合いで濃厚に飾られている。
「どうしたのエリー、顔色が悪いわよ、ものすごく」
そう言って、うん? と首をかしげたポニーの目はどこかフレンドリーでやさしい。それは多貴にあっさり負けてしまったという悔しさに震えるエリーの感覚を包むような、ポニーの幼っぽい見た目に反する大きな愛情みたいなモノに感じられた。
「わたし、エリーは恥ずかしいくらい無様をさらしました。自分でもウソでしょう? って言いたいくらいあっさりと負けてしまいました」
「そうね、見ていたわたしもびっくり。でもそれだけじゃないでしょう?」
「え?」
ここでニコっと微笑むポニー。ドキッとし緊張しているエリーに近寄ると、マイペースなスマイルを少しばかり相手の豊かな胸に近づける。そして動きを止めると小さな声で大事な事を口にする。
「エリー」
「は、はい……」
「多貴にホレちゃった……だよね?」
「あぅ、そ、そ、そ、それ、それは……」
「まぁまぁ、おちつきなさいって」
ポニーは顔を離すと、今度はソッと片手をエリーの胸に当てる。そしてFカップの豊かな弾力を手の平に感じながら、理解あるやさしい声でつぶやく。
「仕方ないね、エリーには色話の免疫がなかった上にプライドが高かったもんね。だけど、誰かにホレるとかあってもいいんだよ。人間だもん、一度もホレないで硬いよりは、ホレてドキドキする方が人生たのしいよ」
「ぽ、ポニー……だけどわたしは……」
「だけど、なに?」
「わたしは多貴に負けました……ポニーの期待を裏切りました」
「エリーが負けて驚いけど、裏切られたとは思ってないよ。わたしがエリーをこき使っているみたいなイメージになるような事は言わないで欲しいわ」
ここでポニーはエリーの巨乳から手を離すと、右手の4本指をクイクイっと動かす。それはわたしに顔を近づけなさいという指示。そしてエリーがそれに従うと、頬に両手を当てゆっくり顔を近づけていく。
「エリー、幼馴染みで友達以上モノ。わたしらは主人と召使みたいな関係じゃないから、だからこんな事で腹を立てたりしない。ましてエリーが嫌いになるなんてありえないよ。わたしはずっとずっとエリーが好きだよ、ほんとうに」
ポニーはニコっとしながた互いの額を当てた。エリーは同性愛でないからやらなかったかが、ほんとうなら軽いキスの一つでもしたいとか小声でつぶやく。そうしてエリーから体を離したポニー、剣を手に取るとエリーおよび玉座に縛ったままの詩貴の双方に聞こえるように言った。
「多貴にホレたって結構、そしてお兄ちゃん! とか喜ぶのも結構。だけどわたしは自分の恋人として詩貴が欲しい。そして大切なエリーを多貴にくれてやる……とか思うと腹立つわけで怒りを晴らしたいっていうのもある。だから2人とも、わたしが多貴をボロボロにしてやっても、うっかり殺すような事があってもわたしを恨まないように!」
こうして白いドレス姿のまま右手に剣を持ってポニーが階段を降り始めた。それは天国から地上に下りる暴れたがりの天使みたいだった。
「ポニー」
エリーの表情は沈没したって色合いで濃厚に飾られている。
「どうしたのエリー、顔色が悪いわよ、ものすごく」
そう言って、うん? と首をかしげたポニーの目はどこかフレンドリーでやさしい。それは多貴にあっさり負けてしまったという悔しさに震えるエリーの感覚を包むような、ポニーの幼っぽい見た目に反する大きな愛情みたいなモノに感じられた。
「わたし、エリーは恥ずかしいくらい無様をさらしました。自分でもウソでしょう? って言いたいくらいあっさりと負けてしまいました」
「そうね、見ていたわたしもびっくり。でもそれだけじゃないでしょう?」
「え?」
ここでニコっと微笑むポニー。ドキッとし緊張しているエリーに近寄ると、マイペースなスマイルを少しばかり相手の豊かな胸に近づける。そして動きを止めると小さな声で大事な事を口にする。
「エリー」
「は、はい……」
「多貴にホレちゃった……だよね?」
「あぅ、そ、そ、そ、それ、それは……」
「まぁまぁ、おちつきなさいって」
ポニーは顔を離すと、今度はソッと片手をエリーの胸に当てる。そしてFカップの豊かな弾力を手の平に感じながら、理解あるやさしい声でつぶやく。
「仕方ないね、エリーには色話の免疫がなかった上にプライドが高かったもんね。だけど、誰かにホレるとかあってもいいんだよ。人間だもん、一度もホレないで硬いよりは、ホレてドキドキする方が人生たのしいよ」
「ぽ、ポニー……だけどわたしは……」
「だけど、なに?」
「わたしは多貴に負けました……ポニーの期待を裏切りました」
「エリーが負けて驚いけど、裏切られたとは思ってないよ。わたしがエリーをこき使っているみたいなイメージになるような事は言わないで欲しいわ」
ここでポニーはエリーの巨乳から手を離すと、右手の4本指をクイクイっと動かす。それはわたしに顔を近づけなさいという指示。そしてエリーがそれに従うと、頬に両手を当てゆっくり顔を近づけていく。
「エリー、幼馴染みで友達以上モノ。わたしらは主人と召使みたいな関係じゃないから、だからこんな事で腹を立てたりしない。ましてエリーが嫌いになるなんてありえないよ。わたしはずっとずっとエリーが好きだよ、ほんとうに」
ポニーはニコっとしながた互いの額を当てた。エリーは同性愛でないからやらなかったかが、ほんとうなら軽いキスの一つでもしたいとか小声でつぶやく。そうしてエリーから体を離したポニー、剣を手に取るとエリーおよび玉座に縛ったままの詩貴の双方に聞こえるように言った。
「多貴にホレたって結構、そしてお兄ちゃん! とか喜ぶのも結構。だけどわたしは自分の恋人として詩貴が欲しい。そして大切なエリーを多貴にくれてやる……とか思うと腹立つわけで怒りを晴らしたいっていうのもある。だから2人とも、わたしが多貴をボロボロにしてやっても、うっかり殺すような事があってもわたしを恨まないように!」
こうして白いドレス姿のまま右手に剣を持ってポニーが階段を降り始めた。それは天国から地上に下りる暴れたがりの天使みたいだった。
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