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ホリーうっかり! ポニーと詩貴のデート現場に向かえ!
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27・ホリーうっかり! ポニーと詩貴のデート現場に向かえ!
「ふぅ……」
晴天の本日にて貸し切った高級ジムの中で汗を流すエリスがいる。多貴と比較すれば全然ダメとか言っても、エリス自身だけで見ればその進化はかなりのモノ。トレーニングマットの上で汗びっしょりとなって大の字となっているが、その表情はあからまな運動オンチってレベルはとっくに卒業ってモノになっていた。
「はい、エリス」
ニマっと微笑むホリーが冷たい水の入ったペットボトルを渡す。
「あぁ、ありがとう」
いい感じに疲れているって体を起こすと、もらった水をグビグビっと飲んで蘇り感覚を満喫。
「ねぇエリス、モノは相談なんですけど」
「何かしら?」
「せめて仮物件くらいしません? いつまでも高級ホテルの渡り歩きはいい加減飽きてきたっていうか」
彷徨い生活に飽きてきたホリーのこの提案はもっともだった。エリスが持ってい所有する数字は莫大も莫大。豪邸を100個買っても微々たる出費という話。にも関わらずこだわりと慎重さがとっても強いため、かんたんに家を買うって行動に出ない。そのあげく、仮物件は自分のモノではないからキブンが落ち着かないと考える。だからいい物件が見つかるまでは、高級ホテルの渡り歩きを続けているって事だった。
「そうね、ホリーの言う通りね。そろそろ定住しないといけない気もする」
「でしょう? なんなら札束ビンタで先住民を追い出して豪邸を乗っ取るとかどうですかね?」
「バカ、冗談でもそういう事は言うもんじゃないわ」
「あ、ごめんなさい。で、話ついでなんですけど、今夜のホテルは予定していたところを変えませんか?」
「あら、どうして?」
「いや、えっとその……わたしの気が乗らないっていうか」
ハハっと笑ってみるホリーだったが、残念ながらウソとか濁すとかいうのがあまり得意ではなかった。実を言うと姉のエリーからメールを受け取った。そこにはポニーと詩貴がデートするって話が報告されていた。そして最後には多貴たちと鉢合わせしたくないので、本日のレストラン周辺には来ないようにと注意が書かれていた。
「ホリー、なんかあるの?」
エリスはおっとりなキャラであるが、意外と鋭かったりする。
「あぅ、い、いえ……べつに……」
アハっと笑ったりしてみるが、もはやバレバレ間近という空気が漂っている。そこでエリスにニコっと微笑まれたあげく、ホリーって昔からかわいいわね! なんてつぶやかれたらもう正直発動以外になかったりする。
「えっとその……」
「いいのよ、ムリに言わなくても。まるでわたしがホリーをイジメたみたいになってしまうもの」
「こんな流れになったら言うしかないじゃないですかもう……」
いたし方ないとホリーは正直に事情を説明した。エリスはともかく多貴に聞かれなければ大丈夫だろうって考えもした。ところが語り終えたところで気づく。
「た、多貴……いつの間に」
「ホリーが今夜の事を語り始めるちょっと前から」
外を走って戻ってきた多貴は、今夜におけるポニーと多貴の話を丸ごと聞いてしまった。すると当然のように、そこのレストランに行くと言い出す。
「ダメダメ、絶対にダメ!」
「なんで」
「ムリムリ、多貴……ものすごく上達とか早いけど、ポニーには勝てない。一戦交えるとかボコボコにされちゃう」
ホリーは多貴の勢いを抑えるため、親衛隊も来るんだよ? と言ってビビらせようとする。それがどのくらい強いかは正確に聞いていないしわからないけど、猛獣みたいな可能性はあるよと大げさに言ったりする。
「で、でも……行きたい、見るだけでいい」
「見るって?」
「妹に決まってる。詩貴に会いたい!」
多貴にしてみればそれは当たり前以外の何でもない。もう随分長く妹にあっていないような感じがしてたまらないわけで、ジッとしていられるわけもない。
「あぁ、多貴……じゃぁこうしよう」
今さらこの話は冗談でしたとは言えないので、妥協案というのをホリーが提案した。それは食前ではなく食後の頃を見計らって行こうと。
「食後?」
「そうだよ、それなら多貴が来たとかバレてもまだ大丈夫かなって」
「なんで食前だったらダメなの?」
「決まってるでしょう、ポニーは詩貴とデートするわけだよ? 食事前にジャマされると腹が立つけど、食事が終わってからなら少しは余裕があるはず」
「むぅ……」
「それと行くとしても見ているだけにすること。声を出したりしないこと。もし気づかれたら親衛隊が襲ってくる可能性大だから」
「わ、わかった……今はそれでガマンする」
ホリーの提案を多貴が飲んだ。これでひとまずは安心と思ったホリー。ところがここでエリスがずいっと前に出て口を開く。
「わたしも行くわ」
「いぃ!?」
「わたしも久しぶりに妹と会いたい」
「いや、キモチはわかりますけど、何も今夜でなくても」
「今夜しかないって感じじゃないの? だって向こうが城の外に出てきて外で会えるなんてなかなかないんだもの」
「あのエリス……言っておきたいんですが……」
「だいじょうぶ、まさかそんな一線交えようとか考えないから」
「そ、それならいいんですけど」
「あともうひとつ」
「な、なんです?」
「ホリーを怒らないでってエリーに言ってあげるわ」
「ぅ……そ、それはどうも……」
こうして3人はホリーと詩貴のデートをちょっと拝みに行くって話でまとまったのだが、なんでこうなっちゃうのかなぁと思うホリーだった。
「ふぅ……」
晴天の本日にて貸し切った高級ジムの中で汗を流すエリスがいる。多貴と比較すれば全然ダメとか言っても、エリス自身だけで見ればその進化はかなりのモノ。トレーニングマットの上で汗びっしょりとなって大の字となっているが、その表情はあからまな運動オンチってレベルはとっくに卒業ってモノになっていた。
「はい、エリス」
ニマっと微笑むホリーが冷たい水の入ったペットボトルを渡す。
「あぁ、ありがとう」
いい感じに疲れているって体を起こすと、もらった水をグビグビっと飲んで蘇り感覚を満喫。
「ねぇエリス、モノは相談なんですけど」
「何かしら?」
「せめて仮物件くらいしません? いつまでも高級ホテルの渡り歩きはいい加減飽きてきたっていうか」
彷徨い生活に飽きてきたホリーのこの提案はもっともだった。エリスが持ってい所有する数字は莫大も莫大。豪邸を100個買っても微々たる出費という話。にも関わらずこだわりと慎重さがとっても強いため、かんたんに家を買うって行動に出ない。そのあげく、仮物件は自分のモノではないからキブンが落ち着かないと考える。だからいい物件が見つかるまでは、高級ホテルの渡り歩きを続けているって事だった。
「そうね、ホリーの言う通りね。そろそろ定住しないといけない気もする」
「でしょう? なんなら札束ビンタで先住民を追い出して豪邸を乗っ取るとかどうですかね?」
「バカ、冗談でもそういう事は言うもんじゃないわ」
「あ、ごめんなさい。で、話ついでなんですけど、今夜のホテルは予定していたところを変えませんか?」
「あら、どうして?」
「いや、えっとその……わたしの気が乗らないっていうか」
ハハっと笑ってみるホリーだったが、残念ながらウソとか濁すとかいうのがあまり得意ではなかった。実を言うと姉のエリーからメールを受け取った。そこにはポニーと詩貴がデートするって話が報告されていた。そして最後には多貴たちと鉢合わせしたくないので、本日のレストラン周辺には来ないようにと注意が書かれていた。
「ホリー、なんかあるの?」
エリスはおっとりなキャラであるが、意外と鋭かったりする。
「あぅ、い、いえ……べつに……」
アハっと笑ったりしてみるが、もはやバレバレ間近という空気が漂っている。そこでエリスにニコっと微笑まれたあげく、ホリーって昔からかわいいわね! なんてつぶやかれたらもう正直発動以外になかったりする。
「えっとその……」
「いいのよ、ムリに言わなくても。まるでわたしがホリーをイジメたみたいになってしまうもの」
「こんな流れになったら言うしかないじゃないですかもう……」
いたし方ないとホリーは正直に事情を説明した。エリスはともかく多貴に聞かれなければ大丈夫だろうって考えもした。ところが語り終えたところで気づく。
「た、多貴……いつの間に」
「ホリーが今夜の事を語り始めるちょっと前から」
外を走って戻ってきた多貴は、今夜におけるポニーと多貴の話を丸ごと聞いてしまった。すると当然のように、そこのレストランに行くと言い出す。
「ダメダメ、絶対にダメ!」
「なんで」
「ムリムリ、多貴……ものすごく上達とか早いけど、ポニーには勝てない。一戦交えるとかボコボコにされちゃう」
ホリーは多貴の勢いを抑えるため、親衛隊も来るんだよ? と言ってビビらせようとする。それがどのくらい強いかは正確に聞いていないしわからないけど、猛獣みたいな可能性はあるよと大げさに言ったりする。
「で、でも……行きたい、見るだけでいい」
「見るって?」
「妹に決まってる。詩貴に会いたい!」
多貴にしてみればそれは当たり前以外の何でもない。もう随分長く妹にあっていないような感じがしてたまらないわけで、ジッとしていられるわけもない。
「あぁ、多貴……じゃぁこうしよう」
今さらこの話は冗談でしたとは言えないので、妥協案というのをホリーが提案した。それは食前ではなく食後の頃を見計らって行こうと。
「食後?」
「そうだよ、それなら多貴が来たとかバレてもまだ大丈夫かなって」
「なんで食前だったらダメなの?」
「決まってるでしょう、ポニーは詩貴とデートするわけだよ? 食事前にジャマされると腹が立つけど、食事が終わってからなら少しは余裕があるはず」
「むぅ……」
「それと行くとしても見ているだけにすること。声を出したりしないこと。もし気づかれたら親衛隊が襲ってくる可能性大だから」
「わ、わかった……今はそれでガマンする」
ホリーの提案を多貴が飲んだ。これでひとまずは安心と思ったホリー。ところがここでエリスがずいっと前に出て口を開く。
「わたしも行くわ」
「いぃ!?」
「わたしも久しぶりに妹と会いたい」
「いや、キモチはわかりますけど、何も今夜でなくても」
「今夜しかないって感じじゃないの? だって向こうが城の外に出てきて外で会えるなんてなかなかないんだもの」
「あのエリス……言っておきたいんですが……」
「だいじょうぶ、まさかそんな一線交えようとか考えないから」
「そ、それならいいんですけど」
「あともうひとつ」
「な、なんです?」
「ホリーを怒らないでってエリーに言ってあげるわ」
「ぅ……そ、それはどうも……」
こうして3人はホリーと詩貴のデートをちょっと拝みに行くって話でまとまったのだが、なんでこうなっちゃうのかなぁと思うホリーだった。
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