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エリス・オシトヤカ・ジャンとホリー・カワ・イインダーの登場
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4・エリス・オシトヤカ・ジャンとホリー・カワ・イインダーの登場
「ああぅぅ……」
馬が爆走し多貴が青ざめる。この猛スピード一直線な時間はいつまでの続くように思えた。
「な、縄が……」
今どこを走っているわけ? などと周囲を見渡す余裕が多貴にはない。体を縄で縛られ、その状態で馬に縛られているわけであるが、馬と自分のしばりが緩んでいるように感じたら冷静ではいられない。
はげしい揺れのせいで結びが緩んだのか、それともこうなるようにポニーが仕組んだのか、いずれにせよ多貴は落ちたら死ぬ! って焦るだけで精一杯。
「も、もうすぐ夜……」
馬から落とされないよう踏ん張りつつ、夕焼けがナイトカラーに近づいていると受け取る。そしてどこかまったくわからない世界の、どういう場所でどういう名前とかわからない森の中に入ったと受け取る。
そして数分後、散々に走りまくった馬がここで一時停止。それは猛烈なスピードに急激なブレーキングというモノだから、多貴と馬を結んでいた縄が一気に緩む。
「う、うわ……」
やばい……と思う多貴の体が動いた。暗くて見えづらいという状況よりも、体が高いところから下に落ちるという恐怖感がすべて。
―ドサー
多貴の体がつめたい地面に落下。不幸中の幸いという事らしく、打ちどころが悪いイコール即死みたいな話にはならなかった。しかし体に痛みを感じたあげく、数回ほどゴロゴロって横にロールすると……多貴の両目はいたって自然に薄らいでいく。
「い……痛い……」
うぎぎ……っと痛そうに体を動かした後、ガクっとなって多貴は気を失ってしまった。どこかわからない夜の森なんて、翌朝を迎えられるかどうかわからないって場所で意識を中断させてしまった。不気味に風が吹く。森が感情をうっすら込めるようにしてサラサラっと静かに歌う。そんな森の中を2人の女子が歩いていたりする。
「ちょっと遅くなってしまったわね」
うすい青色でうつくしいロングヘアーをし、楝色のチェックワンピースに身を包んでいるかなりグラマーな方がやれやれという声を出す。
「エリスがカラオケに夢中になりすぎるからですよ……」
懐中電灯を持って光を担当しているショートヘアーの方が、よりいっそう強くやれやれって声を出す。
「仕方ないでしょうホリー、わたしだってたまにはストレス発散したいんだもの。何か変な事をしたり暴れるわけにはいかないんだから
、カラオケくらいしか手がないの」
「ま、とりえず早くホテルに戻りましょう」
うすいグリーンの半袖パーカーを上に着るホリーという者は、右手でエリスの手をしっかり握りながら、左手の懐中電灯で暗い夜道を照らす。エリスと比較するとホリーには強さに裏打ちされた自信があるように見える。
「あ!」
ここで突然にホリーが足を止める。
「な、なに? どうしたの?」
ドキッとして緊張するエリスも足を止めた。
「人が倒れています」
「え……」
「ちょっと見てみます」
よいしょっと腰を下ろすと、懐中電灯の光を倒れている者に向けてみるホリー。まずこれは男子ですねと言った後、デブですね……と付け加える。
「ま、死んではいないみたいだから大丈夫でしょう、行きましょう」
ホリーはさっくり冷淡な顔で立ち上がる。
「待って、このまま放っておくのは……人としてまちがっているような気がする」
「えぇ……エリス、こんな得体のしれないやつ、しかもデブ……こんなやつに気を使わなくてもいいんですってば」
「そうかもしれないけど……やっぱり放置は酷いという気がしてしまう。とりあえずホテルにつれていきましょう。後は警察に渡せばいいんじゃないかしら」
「で……どうやって運ぶんですか?」
「わたしよりホリーの方が強くて力もあるから……よろしく」
ホリーから懐中電灯をサッと奪い取ったエリスがニコっと微笑む。そのエレガントさというのは強引って言葉を正義に変換するだけの魅力があった。
「まったくもう……」
仕方ないなぁもう! とブーブーやりながら、ホリーは倒れている男を背中にかついだ。どうせなら美男子を介抱したい……とかブツブツいいながら、ライトを持ったエリスについてホテルを目指す。
ザックザックと足音を立てて2人が数分歩くと、前方に立派な建物と灯りが見えてきた。おそらく昼間に見たらゴージャスで気品ある表面なのだろうと思われる。
「よいしょっと……」
ホテルの入口やら光が目立つようになったら、そこでホリーはうざったい背負いモノを下ろす。そしてかがむと目を覚まさないモノの胸ぐらを左手で掴み、右手にて軽い往復ビンタをかます。
「こら、デブ、目覚めるべし!」
「ちょっとホリー、そんな乱暴なやり方……」
ビンタされる者が気の毒に思い、かがみ込んだエリスがホリーから誰かわからないモノを受け取る。だがそこで多貴という名を持つ者の両目が開く。
「あぅ!」
突然の目開き、そして無意識の焦りと動きが発生したことで、慌てた多貴が体を起こす。すると次の瞬間、まったく予期しない状態に発展。
「あぅんぅ!」
多貴が声を出すと同時に、ムニュってものすごく豊満でやわらかい弾力に顔が包まれた。そこに何やらすごくいいニオイもふんだんに交じるので、びっくりした多貴が慌てて顔を動かすから、やわらかいふくらみ具合が顔に当たってしまう。そのキモチ良さっていうのは、それはもう……あまりにステキな夢心地。
「む、むぅ!」
真っ赤な顔になったエリスから漏れる声。
「あぅ、な、な……ご、ごめんなさい」
いったいどういう事? とか確認するより先に、慌てた多貴がお尻を地面につけてしまう。するとその前にホリーが立ち、どこから取り出したのか手に持つ剣の先を多貴に向けて言い放った。
「偶然という名の犯罪! 反省はあの世でやるべし!」
うりゃぁ! と剣を振り上げたホリーの姿に青ざめる多貴。よくわからないけど殺される! と思ったら、ここでエリスが止めに入る。
「ま、まって……い、今のはわざとじゃなく偶然だったから……」
「エリス、男にやさしさなんて禁物ですよ。それはポニーがずっと言っていることです。男は女のやさしさに付け入る生き物だって」
「ま、まぁ……とりあえず喫茶で話くらいはしてから」
「まったくエリスはやさしくてダメですよ。ポニーみたいにざっくり斬っちゃうくらいの方が、その方がいいと思うんですけどねぇ」
ひとまずホテルに入りましょうかと促すエリス。しかし多貴はオドオドして言うしかなかった。ホテルに入るお金なんか持っていない、そこもそもここどこ? いったい何がどうなっているわけ? と。
「あなたどこから来たの?」
先の事を水に流したエリスがやさしく微笑んで質問した。だから多貴もちょっと安心って顔で答える。
「ぼ、ぼくは日本から」
「日本? 知らないわ……」
「ぼくもここに来たくて来たわけじゃない」
「うん? どういうこと?」
「お城の女王とかいう人にムリヤリこの世界に引っ張り込まれたらしくて、いっしょにいた妹を取られちゃって、たしか……ポニーとかエリーとか言っていたような気がするんだけど、なんの事かさっぱり」
するとエリスはホリーと顔を見合わせ両目を丸くした。それからエリスは多貴に向き直ると、ふむ……と一息吐いてから言った。
「ポニーはわたしの妹、で、エリーはこの子ホリーの姉よ」
「え?」
「あなたの名前は?」
「ぼくは音川多貴っていうんだけど……」
「多貴、あなたの妹さんってかわいくてしっかりモノ? それならポニーが気に入っても仕方ないわ」
「え、そんなこと言われても……」
「ま、とりあえずホテルに入って、中にある喫茶で会話でもしましょう。ほんとうはあなたを警察に渡してさようならって予定だったけど変更ね。色々話をしなきゃいけないって気がするから、ほら喫茶店に行きましょう」
そう言ったエリスがホテルの入り口ドアに向かっていく。これはいったいどういう話? と思いつつ、ここで見捨てられるわけにもいかない多貴は仕方なく後についていく。すると横を歩くホリーに言われた。
「ふ~ん……兄がこんなデブで頼りないのに妹はしっかり者で美人なんだ? 人生って皮肉だよねぇ」
なんかいちいちイヤな言い方をするなぁと思ったが、くやしい事に多貴はまったく言い返せなかった。こうして暗い森の中にある明るく立派なホテルの中に3人は入っていき、その中にある喫茶店へと向かっていった。
「ああぅぅ……」
馬が爆走し多貴が青ざめる。この猛スピード一直線な時間はいつまでの続くように思えた。
「な、縄が……」
今どこを走っているわけ? などと周囲を見渡す余裕が多貴にはない。体を縄で縛られ、その状態で馬に縛られているわけであるが、馬と自分のしばりが緩んでいるように感じたら冷静ではいられない。
はげしい揺れのせいで結びが緩んだのか、それともこうなるようにポニーが仕組んだのか、いずれにせよ多貴は落ちたら死ぬ! って焦るだけで精一杯。
「も、もうすぐ夜……」
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そして数分後、散々に走りまくった馬がここで一時停止。それは猛烈なスピードに急激なブレーキングというモノだから、多貴と馬を結んでいた縄が一気に緩む。
「う、うわ……」
やばい……と思う多貴の体が動いた。暗くて見えづらいという状況よりも、体が高いところから下に落ちるという恐怖感がすべて。
―ドサー
多貴の体がつめたい地面に落下。不幸中の幸いという事らしく、打ちどころが悪いイコール即死みたいな話にはならなかった。しかし体に痛みを感じたあげく、数回ほどゴロゴロって横にロールすると……多貴の両目はいたって自然に薄らいでいく。
「い……痛い……」
うぎぎ……っと痛そうに体を動かした後、ガクっとなって多貴は気を失ってしまった。どこかわからない夜の森なんて、翌朝を迎えられるかどうかわからないって場所で意識を中断させてしまった。不気味に風が吹く。森が感情をうっすら込めるようにしてサラサラっと静かに歌う。そんな森の中を2人の女子が歩いていたりする。
「ちょっと遅くなってしまったわね」
うすい青色でうつくしいロングヘアーをし、楝色のチェックワンピースに身を包んでいるかなりグラマーな方がやれやれという声を出す。
「エリスがカラオケに夢中になりすぎるからですよ……」
懐中電灯を持って光を担当しているショートヘアーの方が、よりいっそう強くやれやれって声を出す。
「仕方ないでしょうホリー、わたしだってたまにはストレス発散したいんだもの。何か変な事をしたり暴れるわけにはいかないんだから
、カラオケくらいしか手がないの」
「ま、とりえず早くホテルに戻りましょう」
うすいグリーンの半袖パーカーを上に着るホリーという者は、右手でエリスの手をしっかり握りながら、左手の懐中電灯で暗い夜道を照らす。エリスと比較するとホリーには強さに裏打ちされた自信があるように見える。
「あ!」
ここで突然にホリーが足を止める。
「な、なに? どうしたの?」
ドキッとして緊張するエリスも足を止めた。
「人が倒れています」
「え……」
「ちょっと見てみます」
よいしょっと腰を下ろすと、懐中電灯の光を倒れている者に向けてみるホリー。まずこれは男子ですねと言った後、デブですね……と付け加える。
「ま、死んではいないみたいだから大丈夫でしょう、行きましょう」
ホリーはさっくり冷淡な顔で立ち上がる。
「待って、このまま放っておくのは……人としてまちがっているような気がする」
「えぇ……エリス、こんな得体のしれないやつ、しかもデブ……こんなやつに気を使わなくてもいいんですってば」
「そうかもしれないけど……やっぱり放置は酷いという気がしてしまう。とりあえずホテルにつれていきましょう。後は警察に渡せばいいんじゃないかしら」
「で……どうやって運ぶんですか?」
「わたしよりホリーの方が強くて力もあるから……よろしく」
ホリーから懐中電灯をサッと奪い取ったエリスがニコっと微笑む。そのエレガントさというのは強引って言葉を正義に変換するだけの魅力があった。
「まったくもう……」
仕方ないなぁもう! とブーブーやりながら、ホリーは倒れている男を背中にかついだ。どうせなら美男子を介抱したい……とかブツブツいいながら、ライトを持ったエリスについてホテルを目指す。
ザックザックと足音を立てて2人が数分歩くと、前方に立派な建物と灯りが見えてきた。おそらく昼間に見たらゴージャスで気品ある表面なのだろうと思われる。
「よいしょっと……」
ホテルの入口やら光が目立つようになったら、そこでホリーはうざったい背負いモノを下ろす。そしてかがむと目を覚まさないモノの胸ぐらを左手で掴み、右手にて軽い往復ビンタをかます。
「こら、デブ、目覚めるべし!」
「ちょっとホリー、そんな乱暴なやり方……」
ビンタされる者が気の毒に思い、かがみ込んだエリスがホリーから誰かわからないモノを受け取る。だがそこで多貴という名を持つ者の両目が開く。
「あぅ!」
突然の目開き、そして無意識の焦りと動きが発生したことで、慌てた多貴が体を起こす。すると次の瞬間、まったく予期しない状態に発展。
「あぅんぅ!」
多貴が声を出すと同時に、ムニュってものすごく豊満でやわらかい弾力に顔が包まれた。そこに何やらすごくいいニオイもふんだんに交じるので、びっくりした多貴が慌てて顔を動かすから、やわらかいふくらみ具合が顔に当たってしまう。そのキモチ良さっていうのは、それはもう……あまりにステキな夢心地。
「む、むぅ!」
真っ赤な顔になったエリスから漏れる声。
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いったいどういう事? とか確認するより先に、慌てた多貴がお尻を地面につけてしまう。するとその前にホリーが立ち、どこから取り出したのか手に持つ剣の先を多貴に向けて言い放った。
「偶然という名の犯罪! 反省はあの世でやるべし!」
うりゃぁ! と剣を振り上げたホリーの姿に青ざめる多貴。よくわからないけど殺される! と思ったら、ここでエリスが止めに入る。
「ま、まって……い、今のはわざとじゃなく偶然だったから……」
「エリス、男にやさしさなんて禁物ですよ。それはポニーがずっと言っていることです。男は女のやさしさに付け入る生き物だって」
「ま、まぁ……とりあえず喫茶で話くらいはしてから」
「まったくエリスはやさしくてダメですよ。ポニーみたいにざっくり斬っちゃうくらいの方が、その方がいいと思うんですけどねぇ」
ひとまずホテルに入りましょうかと促すエリス。しかし多貴はオドオドして言うしかなかった。ホテルに入るお金なんか持っていない、そこもそもここどこ? いったい何がどうなっているわけ? と。
「あなたどこから来たの?」
先の事を水に流したエリスがやさしく微笑んで質問した。だから多貴もちょっと安心って顔で答える。
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「ぼくもここに来たくて来たわけじゃない」
「うん? どういうこと?」
「お城の女王とかいう人にムリヤリこの世界に引っ張り込まれたらしくて、いっしょにいた妹を取られちゃって、たしか……ポニーとかエリーとか言っていたような気がするんだけど、なんの事かさっぱり」
するとエリスはホリーと顔を見合わせ両目を丸くした。それからエリスは多貴に向き直ると、ふむ……と一息吐いてから言った。
「ポニーはわたしの妹、で、エリーはこの子ホリーの姉よ」
「え?」
「あなたの名前は?」
「ぼくは音川多貴っていうんだけど……」
「多貴、あなたの妹さんってかわいくてしっかりモノ? それならポニーが気に入っても仕方ないわ」
「え、そんなこと言われても……」
「ま、とりあえずホテルに入って、中にある喫茶で会話でもしましょう。ほんとうはあなたを警察に渡してさようならって予定だったけど変更ね。色々話をしなきゃいけないって気がするから、ほら喫茶店に行きましょう」
そう言ったエリスがホテルの入り口ドアに向かっていく。これはいったいどういう話? と思いつつ、ここで見捨てられるわけにもいかない多貴は仕方なく後についていく。すると横を歩くホリーに言われた。
「ふ~ん……兄がこんなデブで頼りないのに妹はしっかり者で美人なんだ? 人生って皮肉だよねぇ」
なんかいちいちイヤな言い方をするなぁと思ったが、くやしい事に多貴はまったく言い返せなかった。こうして暗い森の中にある明るく立派なホテルの中に3人は入っていき、その中にある喫茶店へと向かっていった。
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