中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

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87・2番目でもいいとかいう危険な女

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 87・2番目でもいいとかいう危険な女


「わたしさ、○○が好きになったんだ」

 今日は午後に友人といっしょにマック。聞いて欲しい話があると言うから気合を入れて向き合ったら、かなりびっくりする内容が飛び出したりした。

「え、○○って……」

 わたしはホクホクポテトをおいしく食べながら、話の内容は危なっかしいと思わざるを得ない。

「○○って彼女がいるんだよ?」

 一応は聞いてみた。学校みたいな狭いところで生活していて知らないわけはないはずだけれど、一応は聞いてみたんだ。

「知ってる」

「じゃぁダメじゃんか、他の男子を探さないと」

「彼女がいると知っていても○○が好きなの」

「えぇ……」

「わたしさぁ、うん、2番目でもいいと思っているんだ。だってほら、2番目でも一応恋人だしひとりの寂しさからは逃げられるし」

(うわぁ……ヤバいよぉこれは……)

 わたしはコーラを飲みながら、向かい合う友人の今まで知らなかった一面を見てちょっと恐怖する。いや、めっちゃ性格が悪いとか、仰天するほどドハデとかだったらまだしも一見はふつう。そう、素朴っぽいからこそけっこう性質が悪いんじゃありませんか? って感じがする。そして一回そういう風に見えちゃうと、急に印象が以前に戻らなくなる。

「わたしさぁ、ネットで調べたんだよマリー」

「何を調べたと?」

「なんだっけかな……詳しい名称は忘れたけれど、1位にならなくてもいいから2位をキープするって考えがあって、まさにそれだ! と思ったんだよ」

「あ、ちがうし、それ間違ってるし」

「え、何がちがうの?」

「それはあれじゃんか、グループ内の権力争いとか何々の覇権争いとかでさ、1位の奴には勝てないから押し上げたまま、そして自分は十分満足として2位をキープって事だよ。これ歪んだ恋愛の話とはちがうから」

「でも……あきらめられないんだよ」

 友人はドーン! と深く沈みこんだ。この明るくまぶしい店内でほんとうに灰色の顔面が見えてしまう。

「○○には彼女がいるんだから、2番目でお願いとか言っても断られると思うよ?」

 わたしは○○がどういう性格か詳しくは知らないし興味もない。だけどふつうに考える分には、彼女がいるのにもう一人の女を予備バッテリーみたいに持つなんて、そんな事はしないはず。したらおまえが一番最低だって罵ってやる。

「でも……もしかしたらいいよって言ってくれるかも」

「えぇ……」

「いっそ……マリーの彼氏に2番目をお願いしてみようかな……」

「むぅ!」

「あ、ごめん、いまの冗談、ごめんなさい」

「まぁ、好きにしたらいいんじゃない?」

 わたしはこれ以上関わりたくないと思ったから、味方でも敵でもないという無難な言い方をしておく。

(2番目でもいいから付き合ってなんて……そんな風に考える人ってほんとうにいるのかぁ)

 わたしは友人と別れてから、中1という空間でドロドロな物語が生まれてしまうのかなぁなんて考えたりした。でもわたしは首を突っ込まないし関わらない。いまのわたしには光って彼氏がいて愛を育んでいる真っ最中、他人の汚れた話なんかに付き合っているヒマはないんだ。
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