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83・彼女がいるんだからモテなくていいじゃん!

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 83・彼女がいるんだからモテなくていいじゃん!


「あいつってモテるよね」

 昼休みに教室で会話をしていたら、向き合う友人がチラッと横目をやって、ある男子の事をそう言った。

「だね」

 わたしはその男子にはさっぱり興味がないので、どうぞご勝手に! としか思わなかったりする。

「マリー」

「ん?」

「わたしさぁ、マジメに思っちゃうんだよぉ」

 友人はわたしの顔と胸を観察するように見つめながら、こんなにかわいくておっぱいも大きいのに勿体ないとかいう。

「勿体ないって何が?」

「光みたいな地味なやつとマリーが付き合うなんて……」

「人の彼氏を悪く言うと許さないぞ」

「いや、悪くいうつもりはないんだけれど……光って基本女にモテないじゃん。あっちで数人の女子と会話している奴と比較したら、なんというかモテライトの浴び具合がちがうっていうか」

「わたしって彼女がいるのに他の女にモテる必要ってある?」

「いや、だから……マリーは思わないの? 自分の彼氏がモテると誇らしくなる」

「別に。むしろあれだよ、わたしは自分の彼氏をよーく分かっていて、我ながらよく出来た女子とか自画自賛しちゃうね」

「おぉ! すごい」

「だって光はモテないタイプだもん、しかも芸能人じゃないし。光にはモテないからこその魅力があるんだよ。だから太陽みたいなキャラであるわたしと付き合うことで、双方バランスが取れて幸せって事」

「うぉ、すご! マリーって精神がイケてる女子だ」

「でしょう? えっへん!」

 こんな会話をやりながら、わたしはもう一度モテまくりな男子をチラッと横目で見た。まぁ、好みっていうのは人それぞれだけど……わたしは地味で自分の世界を作ろうとがんばっている光の方に胸がグッと来る。これはわたしに男を見る目があるのか無いのかどっちなのか……と思ったりはするけれど、いいんだ、光はまちがいなく優良物件と思っているし好きだし両想い。わたしはいい相手と付き合っていると思う事ができている。
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