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72・キモチがとってもうれしい誕生日プレゼント
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72・キモチがとってもうれしい誕生日プレゼント
今日、光から家に来て欲しいと言われた。ちょっとテレくさそうな感じよりも、真剣さに満ち溢れたって感じの方がつよい顔で言われた。
「これは……なんか青春の一ページ的なイベントが発生するのだろうか?」
わたしは一度帰宅してから光の家に向かったのだけれど、その道中はけっこうドキドキな想像ばかりしていた。いきなりベッドに押し倒されたらどうしようみたいな、わたしもけっこうエロいな……的な想像ばっかりしていた。
「ん……」
ちょい緊張しながらインターホンを押すと、光が待ってましたと顔を出す。何か大事な話とかで家の中に招かれるのかなと思っていたら、光が何かを持って出て来た。
「これ……マリーにあげる……っていうかその、誕生日プレゼント」
「え?」
突然にプレゼント箱を差し出されてわたしは驚いた。だってこれはまったく考えてもいない事だったからだ。
「え、ちょっと待って、何か知らないけれど……買ったの?」
「うん……マリーに誕生日プレゼントを渡したいと思って。
「いや、うれしいよ、ものすごくうれしいけどそんな、だって同じ中1でお金とかないのに。ちょっと気が引けるよ」
「だいじょうぶ、実はこの間、じいちゃんとばあちゃんが遊びに来て、そこでお小遣いもらったから」
「いや、でも……それは光が自分のために使えばよかったのに。こういう事ってなんかもらう方も罪悪感を覚えちゃう」
「でも……」
「でも?」
「今さら返品とかしたらそれこそこっちの立つ背がないっていうか、もらってくれなかったら悲惨すぎるっていうか」
「わかった、ありがたくもらうよ」
わたしは中身が何かわからない妙にでっかい箱の入ったでかい袋を持つ。そして光に言う。
「光」
「な、なに?」
「プレゼントありがとう。中を見たらメールする。だけど、こういう事はムリにしなくていいから。キモチだけでも十分うれしいから」
思いもしない誕生日プレゼント受けとって、わたしは胸の内側半分でホクホクしながら、光はいい格好したがるクセがあるから、そこら辺はちょっと注意を促すなどしなきゃいけないなと保護者的に思ったりした。
「さて! 光はわたしに何をくれたのかな……」
生まれて初めて男子、しかも彼氏! からもらったモノの包みを舞ルームの中で丁寧にはぎとる。
「おぉ!?」
出てきたのはラジコン操作のでっかいゴミ箱。これさえあれば寝そべりながらゴミ箱を呼ぶことができ、あなたは全力で怠けながらゴミを捨てることができますというアイテム。
「これって女子力の低下を誘うアイテムじゃんか」
これに甘んじたら無精者になる未来が見えると思った。だけど同時に、さすが光だなぁと思った。こんなおもしろいモノをくれるなんていかにも光らしい。
「これっていくらするものよ?」
やっぱり気になったので値段を見てみたら、特大サイズの高性能ってことで3800円と書いてある。
「あぁ……もらってうれしいけれど、お金を使わせた事には胸が痛む」
わたしはこの発想面白すぎるってアイテムを動かしたりする前に、考えなければいけなくなった。
「もらうだけとかありえない。彼氏は彼女にプレゼントして当たり前とか、そんな考えを持ったら糞でイヤな女に成り下がってしまう。だからわたしも何か返さないと……これでお互いハッピーだね! みたいな物語を作るためには、わたしも光にキモチを返さないと。まさかそんな、もらって当たり前と思って終わらせてはいけないんだ」
どうするか……考えなければいけなくなった。いや、考えないなんてありえない。わたしは何をキモチとして返すか、組んだ両腕を巨乳って胸に当てて必死に考えるのだった。
今日、光から家に来て欲しいと言われた。ちょっとテレくさそうな感じよりも、真剣さに満ち溢れたって感じの方がつよい顔で言われた。
「これは……なんか青春の一ページ的なイベントが発生するのだろうか?」
わたしは一度帰宅してから光の家に向かったのだけれど、その道中はけっこうドキドキな想像ばかりしていた。いきなりベッドに押し倒されたらどうしようみたいな、わたしもけっこうエロいな……的な想像ばっかりしていた。
「ん……」
ちょい緊張しながらインターホンを押すと、光が待ってましたと顔を出す。何か大事な話とかで家の中に招かれるのかなと思っていたら、光が何かを持って出て来た。
「これ……マリーにあげる……っていうかその、誕生日プレゼント」
「え?」
突然にプレゼント箱を差し出されてわたしは驚いた。だってこれはまったく考えてもいない事だったからだ。
「え、ちょっと待って、何か知らないけれど……買ったの?」
「うん……マリーに誕生日プレゼントを渡したいと思って。
「いや、うれしいよ、ものすごくうれしいけどそんな、だって同じ中1でお金とかないのに。ちょっと気が引けるよ」
「だいじょうぶ、実はこの間、じいちゃんとばあちゃんが遊びに来て、そこでお小遣いもらったから」
「いや、でも……それは光が自分のために使えばよかったのに。こういう事ってなんかもらう方も罪悪感を覚えちゃう」
「でも……」
「でも?」
「今さら返品とかしたらそれこそこっちの立つ背がないっていうか、もらってくれなかったら悲惨すぎるっていうか」
「わかった、ありがたくもらうよ」
わたしは中身が何かわからない妙にでっかい箱の入ったでかい袋を持つ。そして光に言う。
「光」
「な、なに?」
「プレゼントありがとう。中を見たらメールする。だけど、こういう事はムリにしなくていいから。キモチだけでも十分うれしいから」
思いもしない誕生日プレゼント受けとって、わたしは胸の内側半分でホクホクしながら、光はいい格好したがるクセがあるから、そこら辺はちょっと注意を促すなどしなきゃいけないなと保護者的に思ったりした。
「さて! 光はわたしに何をくれたのかな……」
生まれて初めて男子、しかも彼氏! からもらったモノの包みを舞ルームの中で丁寧にはぎとる。
「おぉ!?」
出てきたのはラジコン操作のでっかいゴミ箱。これさえあれば寝そべりながらゴミ箱を呼ぶことができ、あなたは全力で怠けながらゴミを捨てることができますというアイテム。
「これって女子力の低下を誘うアイテムじゃんか」
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「もらうだけとかありえない。彼氏は彼女にプレゼントして当たり前とか、そんな考えを持ったら糞でイヤな女に成り下がってしまう。だからわたしも何か返さないと……これでお互いハッピーだね! みたいな物語を作るためには、わたしも光にキモチを返さないと。まさかそんな、もらって当たり前と思って終わらせてはいけないんだ」
どうするか……考えなければいけなくなった。いや、考えないなんてありえない。わたしは何をキモチとして返すか、組んだ両腕を巨乳って胸に当てて必死に考えるのだった。
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