72 / 127
72・キモチがとってもうれしい誕生日プレゼント
しおりを挟む
72・キモチがとってもうれしい誕生日プレゼント
今日、光から家に来て欲しいと言われた。ちょっとテレくさそうな感じよりも、真剣さに満ち溢れたって感じの方がつよい顔で言われた。
「これは……なんか青春の一ページ的なイベントが発生するのだろうか?」
わたしは一度帰宅してから光の家に向かったのだけれど、その道中はけっこうドキドキな想像ばかりしていた。いきなりベッドに押し倒されたらどうしようみたいな、わたしもけっこうエロいな……的な想像ばっかりしていた。
「ん……」
ちょい緊張しながらインターホンを押すと、光が待ってましたと顔を出す。何か大事な話とかで家の中に招かれるのかなと思っていたら、光が何かを持って出て来た。
「これ……マリーにあげる……っていうかその、誕生日プレゼント」
「え?」
突然にプレゼント箱を差し出されてわたしは驚いた。だってこれはまったく考えてもいない事だったからだ。
「え、ちょっと待って、何か知らないけれど……買ったの?」
「うん……マリーに誕生日プレゼントを渡したいと思って。
「いや、うれしいよ、ものすごくうれしいけどそんな、だって同じ中1でお金とかないのに。ちょっと気が引けるよ」
「だいじょうぶ、実はこの間、じいちゃんとばあちゃんが遊びに来て、そこでお小遣いもらったから」
「いや、でも……それは光が自分のために使えばよかったのに。こういう事ってなんかもらう方も罪悪感を覚えちゃう」
「でも……」
「でも?」
「今さら返品とかしたらそれこそこっちの立つ背がないっていうか、もらってくれなかったら悲惨すぎるっていうか」
「わかった、ありがたくもらうよ」
わたしは中身が何かわからない妙にでっかい箱の入ったでかい袋を持つ。そして光に言う。
「光」
「な、なに?」
「プレゼントありがとう。中を見たらメールする。だけど、こういう事はムリにしなくていいから。キモチだけでも十分うれしいから」
思いもしない誕生日プレゼント受けとって、わたしは胸の内側半分でホクホクしながら、光はいい格好したがるクセがあるから、そこら辺はちょっと注意を促すなどしなきゃいけないなと保護者的に思ったりした。
「さて! 光はわたしに何をくれたのかな……」
生まれて初めて男子、しかも彼氏! からもらったモノの包みを舞ルームの中で丁寧にはぎとる。
「おぉ!?」
出てきたのはラジコン操作のでっかいゴミ箱。これさえあれば寝そべりながらゴミ箱を呼ぶことができ、あなたは全力で怠けながらゴミを捨てることができますというアイテム。
「これって女子力の低下を誘うアイテムじゃんか」
これに甘んじたら無精者になる未来が見えると思った。だけど同時に、さすが光だなぁと思った。こんなおもしろいモノをくれるなんていかにも光らしい。
「これっていくらするものよ?」
やっぱり気になったので値段を見てみたら、特大サイズの高性能ってことで3800円と書いてある。
「あぁ……もらってうれしいけれど、お金を使わせた事には胸が痛む」
わたしはこの発想面白すぎるってアイテムを動かしたりする前に、考えなければいけなくなった。
「もらうだけとかありえない。彼氏は彼女にプレゼントして当たり前とか、そんな考えを持ったら糞でイヤな女に成り下がってしまう。だからわたしも何か返さないと……これでお互いハッピーだね! みたいな物語を作るためには、わたしも光にキモチを返さないと。まさかそんな、もらって当たり前と思って終わらせてはいけないんだ」
どうするか……考えなければいけなくなった。いや、考えないなんてありえない。わたしは何をキモチとして返すか、組んだ両腕を巨乳って胸に当てて必死に考えるのだった。
今日、光から家に来て欲しいと言われた。ちょっとテレくさそうな感じよりも、真剣さに満ち溢れたって感じの方がつよい顔で言われた。
「これは……なんか青春の一ページ的なイベントが発生するのだろうか?」
わたしは一度帰宅してから光の家に向かったのだけれど、その道中はけっこうドキドキな想像ばかりしていた。いきなりベッドに押し倒されたらどうしようみたいな、わたしもけっこうエロいな……的な想像ばっかりしていた。
「ん……」
ちょい緊張しながらインターホンを押すと、光が待ってましたと顔を出す。何か大事な話とかで家の中に招かれるのかなと思っていたら、光が何かを持って出て来た。
「これ……マリーにあげる……っていうかその、誕生日プレゼント」
「え?」
突然にプレゼント箱を差し出されてわたしは驚いた。だってこれはまったく考えてもいない事だったからだ。
「え、ちょっと待って、何か知らないけれど……買ったの?」
「うん……マリーに誕生日プレゼントを渡したいと思って。
「いや、うれしいよ、ものすごくうれしいけどそんな、だって同じ中1でお金とかないのに。ちょっと気が引けるよ」
「だいじょうぶ、実はこの間、じいちゃんとばあちゃんが遊びに来て、そこでお小遣いもらったから」
「いや、でも……それは光が自分のために使えばよかったのに。こういう事ってなんかもらう方も罪悪感を覚えちゃう」
「でも……」
「でも?」
「今さら返品とかしたらそれこそこっちの立つ背がないっていうか、もらってくれなかったら悲惨すぎるっていうか」
「わかった、ありがたくもらうよ」
わたしは中身が何かわからない妙にでっかい箱の入ったでかい袋を持つ。そして光に言う。
「光」
「な、なに?」
「プレゼントありがとう。中を見たらメールする。だけど、こういう事はムリにしなくていいから。キモチだけでも十分うれしいから」
思いもしない誕生日プレゼント受けとって、わたしは胸の内側半分でホクホクしながら、光はいい格好したがるクセがあるから、そこら辺はちょっと注意を促すなどしなきゃいけないなと保護者的に思ったりした。
「さて! 光はわたしに何をくれたのかな……」
生まれて初めて男子、しかも彼氏! からもらったモノの包みを舞ルームの中で丁寧にはぎとる。
「おぉ!?」
出てきたのはラジコン操作のでっかいゴミ箱。これさえあれば寝そべりながらゴミ箱を呼ぶことができ、あなたは全力で怠けながらゴミを捨てることができますというアイテム。
「これって女子力の低下を誘うアイテムじゃんか」
これに甘んじたら無精者になる未来が見えると思った。だけど同時に、さすが光だなぁと思った。こんなおもしろいモノをくれるなんていかにも光らしい。
「これっていくらするものよ?」
やっぱり気になったので値段を見てみたら、特大サイズの高性能ってことで3800円と書いてある。
「あぁ……もらってうれしいけれど、お金を使わせた事には胸が痛む」
わたしはこの発想面白すぎるってアイテムを動かしたりする前に、考えなければいけなくなった。
「もらうだけとかありえない。彼氏は彼女にプレゼントして当たり前とか、そんな考えを持ったら糞でイヤな女に成り下がってしまう。だからわたしも何か返さないと……これでお互いハッピーだね! みたいな物語を作るためには、わたしも光にキモチを返さないと。まさかそんな、もらって当たり前と思って終わらせてはいけないんだ」
どうするか……考えなければいけなくなった。いや、考えないなんてありえない。わたしは何をキモチとして返すか、組んだ両腕を巨乳って胸に当てて必死に考えるのだった。
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました
ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら……
という、とんでもないお話を書きました。
ぜひ読んでください。
13歳女子は男友達のためヌードモデルになる
矢木羽研
青春
写真が趣味の男の子への「プレゼント」として、自らを被写体にする女の子の決意。「脱ぐ」までの過程の描写に力を入れました。裸体描写を含むのでR15にしましたが、性的な接触はありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる