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62・光がダブデなんか大嫌いという人でよかった!
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62・光がダブデなんか大嫌いという人でよかった!
光という彼氏がいてゆっくり愛情を育み合っている最中ですって実感があると、他のカップルは「どうぞがんばってください」 と思うだけだよ。ただ、以前にネットでWデートを特に男の方がやりたがるって話を読んでゾッとした。
「えぇ……」
わたしにとってデートとは2人であり、4人なんて尋常ではないとしか言えない。
「デートに男の友情を持ち込むなよ……」
わたしはネットの記事を読みながらつぶやかずにいられなかった。別の男なんて見る気ないし、他カップルなんて応援するだけで充分。いっしょにいて会話していっしょに過ごすなんて、考えるだけでおぇ! っとなっちゃうよ。まぁ、あんまりハッキリ言うとわたしのイメージが悪くなるから言わないけど。
今日、光は昼休みなのだけれど外へサッカーをしには行かなかった。というより、今日はやけにわたしといたがる。なんとなく甘えん坊モードの濃度が上がっているみたいな気がした。わたしに甘えたい願望がつよい日なのかな? なんて内心思わずにいられない。
「なぁ、お二人さん、ちょっといい?」
わたしと光が前後に向き合ってささやかなハッピー会話をやっていたら、クラスメートの男女、別名「生まれたてのカップル」 という2人がやってきた。
「なに?」
光が言うと男子の方がとんでもない事を言い出したんだ。
「ダブデやらない?」
わたしはそれを聞いたとき背筋がゾッとした。いや、それだけは絶対にイヤだから! と大声に出しかけたりする。
「ダブデってWデートのこと?」
「そうそう、光とマリーの2人とおれら2人の4人でいっしょにデートしてみない?」
わたしは男子と光の会話を聞きながら胸をドキドキさせていた。もし光がやるとか言ったらやらなきゃいけない。でもほんとうにイヤだから、お願いだからやるとか言わないで……とつよく祈ってしまう。
「やだ!」
光はさっくりとあっけらかんと否定した。
「え、なんで? 4人だとたのしくない?」
あきらめの悪い男子が食い下がる。
「みんなでいっしょに何かやるという行事とか取り組みならいいんだけど、デートならイヤだ。だって……デートかいうなら、マリーがいればいいんだもん。他人の彼女なんて全然興味ないし、男同士の会話をしたいとも思わないから。っていうか……ダブデなんか大嫌いだし」
おぉ! なんてステキな返し! よかった、光はダブデが嫌いだと思う人だったんだ、さすがわたしマリーの彼氏。
「わたしもWデートは興味ない」
光が言ってくれたおかげでわたしもそれに続くことができた。生まれたてのカップルこと2人は、つまんないやつら……と愚痴っていたけれど、そもそもデートなんだから2人でやればいいんだよ。なにゆえわざわざ別のカップルを誘うのかわたしにはすごく疑問だ。
で、また光と向き合って会話の続きを始めたけれど、表向きは冷静にしていたけれど、胸の内側はキュウっとなっていた。今日の光は甘えん坊モードなのかな? なんて思っている時にこんな事が発生すると、可能なら甘えさせてあげたい……なんて思ったりしちゃうんだ。
光という彼氏がいてゆっくり愛情を育み合っている最中ですって実感があると、他のカップルは「どうぞがんばってください」 と思うだけだよ。ただ、以前にネットでWデートを特に男の方がやりたがるって話を読んでゾッとした。
「えぇ……」
わたしにとってデートとは2人であり、4人なんて尋常ではないとしか言えない。
「デートに男の友情を持ち込むなよ……」
わたしはネットの記事を読みながらつぶやかずにいられなかった。別の男なんて見る気ないし、他カップルなんて応援するだけで充分。いっしょにいて会話していっしょに過ごすなんて、考えるだけでおぇ! っとなっちゃうよ。まぁ、あんまりハッキリ言うとわたしのイメージが悪くなるから言わないけど。
今日、光は昼休みなのだけれど外へサッカーをしには行かなかった。というより、今日はやけにわたしといたがる。なんとなく甘えん坊モードの濃度が上がっているみたいな気がした。わたしに甘えたい願望がつよい日なのかな? なんて内心思わずにいられない。
「なぁ、お二人さん、ちょっといい?」
わたしと光が前後に向き合ってささやかなハッピー会話をやっていたら、クラスメートの男女、別名「生まれたてのカップル」 という2人がやってきた。
「なに?」
光が言うと男子の方がとんでもない事を言い出したんだ。
「ダブデやらない?」
わたしはそれを聞いたとき背筋がゾッとした。いや、それだけは絶対にイヤだから! と大声に出しかけたりする。
「ダブデってWデートのこと?」
「そうそう、光とマリーの2人とおれら2人の4人でいっしょにデートしてみない?」
わたしは男子と光の会話を聞きながら胸をドキドキさせていた。もし光がやるとか言ったらやらなきゃいけない。でもほんとうにイヤだから、お願いだからやるとか言わないで……とつよく祈ってしまう。
「やだ!」
光はさっくりとあっけらかんと否定した。
「え、なんで? 4人だとたのしくない?」
あきらめの悪い男子が食い下がる。
「みんなでいっしょに何かやるという行事とか取り組みならいいんだけど、デートならイヤだ。だって……デートかいうなら、マリーがいればいいんだもん。他人の彼女なんて全然興味ないし、男同士の会話をしたいとも思わないから。っていうか……ダブデなんか大嫌いだし」
おぉ! なんてステキな返し! よかった、光はダブデが嫌いだと思う人だったんだ、さすがわたしマリーの彼氏。
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で、また光と向き合って会話の続きを始めたけれど、表向きは冷静にしていたけれど、胸の内側はキュウっとなっていた。今日の光は甘えん坊モードなのかな? なんて思っている時にこんな事が発生すると、可能なら甘えさせてあげたい……なんて思ったりしちゃうんだ。
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