36 / 127
36・夏、縁日これはもう活用必至のイベント3
しおりを挟む
36・夏、縁日これはもう活用必至のイベント3
「いやぁ、それにしてもマリーのお祖母ちゃんが超達人とかいま思い返し手もびっくり」
「だね」
光のテンションは安定しているけれど、わたしのテンションがちょい下がり気味なのは、もう午後8時30分って時間になっていて、わたしの家に向かっている最中だから。
「ねぇ、光……」
「もうちょい遠回りしようよ、わたし9時までに帰ればだいじょうぶなんだけれど」
「ダーメだ!」
「なんで……」
「マリーみたいな着物姿でかわいい女の子にはもう遅いんだよ。それに、おれだって9時には帰るって家に約束してあるんだ。マリーを9時に送り届けたら、おれが約束を破ることになっちゃうだろう」
「ん……」
あぁ、どうしてたのしい時間はこんなに早く流れるのだろうと思う。光と2人なら夜道も怖くはないけれど、祭りある背中がとてもさみしい。
(もう家についちゃった……)
午後6時に落ち合ったのだから、およそ2時間30分くらいのデートだった。でも中身が充実していたから、あと1時間くらいはいっしょにいたいなぁと胸がうずく。
「あ、マリーこれ」
「ん?」
「あげる」
「へ? おはじき?」
「あ、いや、途中でトイレに行ったとき、戻る途中で売られているのを見て500円だから買おうとか思っちゃって、なんとなくマリーにあげたいって思っちゃって」
「その、なんとなくって表現はつけなくてもいいよ」
「マリーに何かあげたいとか思った」
「それ、無駄遣いとかになっていない? 光ってたまにいい格好したがるから」
「だ、だいじょうぶ、ちゃんと買える範囲だった……いい格好かもしれないけれど、マリーにあげたいって思ったから、買った事に後悔とかそんなのもない、だいじょうぶ!」
「ありがとう、素直にうれしいよ」
「そ、そうか、じゃぁ!」
「あ、光、ちょっと待って」
わたしは光をクイクイっと手招きした。そして顔に何かついているよとかいって、どこだよ? と光がちょっとイラついた所で取ってあげるとかいって顔を近づけさせたところで……思い切った行動に出た。
「ん!」
いわゆる……ほっぺにチュってやつ……初めてやった。
「え……」
光の顔にドギマギって表現が浮かんだのを見るとうれしい。ほっぺにチュっとやったのに冷静な顔をされたらめっちゃ傷つくもんね。
「じゃぁね、寄り道しないでまっすぐ帰るんだよ?」
「わ、わかってるよ……」
「うん、じゃぁ」
わたしは冷静な素振りで光の背中を見送った後、家に入ってドアをしめたのだけれど、それからどうしたって顔面がニンマリ! となってしまう。やっちゃった、ほっぺにチュ! っとやっちゃった。そして光のあのドギマギってかわいい顔が忘れられない……
「いやぁ、それにしてもマリーのお祖母ちゃんが超達人とかいま思い返し手もびっくり」
「だね」
光のテンションは安定しているけれど、わたしのテンションがちょい下がり気味なのは、もう午後8時30分って時間になっていて、わたしの家に向かっている最中だから。
「ねぇ、光……」
「もうちょい遠回りしようよ、わたし9時までに帰ればだいじょうぶなんだけれど」
「ダーメだ!」
「なんで……」
「マリーみたいな着物姿でかわいい女の子にはもう遅いんだよ。それに、おれだって9時には帰るって家に約束してあるんだ。マリーを9時に送り届けたら、おれが約束を破ることになっちゃうだろう」
「ん……」
あぁ、どうしてたのしい時間はこんなに早く流れるのだろうと思う。光と2人なら夜道も怖くはないけれど、祭りある背中がとてもさみしい。
(もう家についちゃった……)
午後6時に落ち合ったのだから、およそ2時間30分くらいのデートだった。でも中身が充実していたから、あと1時間くらいはいっしょにいたいなぁと胸がうずく。
「あ、マリーこれ」
「ん?」
「あげる」
「へ? おはじき?」
「あ、いや、途中でトイレに行ったとき、戻る途中で売られているのを見て500円だから買おうとか思っちゃって、なんとなくマリーにあげたいって思っちゃって」
「その、なんとなくって表現はつけなくてもいいよ」
「マリーに何かあげたいとか思った」
「それ、無駄遣いとかになっていない? 光ってたまにいい格好したがるから」
「だ、だいじょうぶ、ちゃんと買える範囲だった……いい格好かもしれないけれど、マリーにあげたいって思ったから、買った事に後悔とかそんなのもない、だいじょうぶ!」
「ありがとう、素直にうれしいよ」
「そ、そうか、じゃぁ!」
「あ、光、ちょっと待って」
わたしは光をクイクイっと手招きした。そして顔に何かついているよとかいって、どこだよ? と光がちょっとイラついた所で取ってあげるとかいって顔を近づけさせたところで……思い切った行動に出た。
「ん!」
いわゆる……ほっぺにチュってやつ……初めてやった。
「え……」
光の顔にドギマギって表現が浮かんだのを見るとうれしい。ほっぺにチュっとやったのに冷静な顔をされたらめっちゃ傷つくもんね。
「じゃぁね、寄り道しないでまっすぐ帰るんだよ?」
「わ、わかってるよ……」
「うん、じゃぁ」
わたしは冷静な素振りで光の背中を見送った後、家に入ってドアをしめたのだけれど、それからどうしたって顔面がニンマリ! となってしまう。やっちゃった、ほっぺにチュ! っとやっちゃった。そして光のあのドギマギってかわいい顔が忘れられない……
0
お気に入りに追加
8
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
男性向け(女声)シチュエーションボイス台本
しましまのしっぽ
恋愛
男性向け(女声)シチュエーションボイス台本です。
関西弁彼女の台本を標準語に変えたものもあります。ご了承ください
ご自由にお使いください。
イラストはノーコピーライトガールさんからお借りしました
女豹の恩讐『死闘!兄と妹。禁断のシュートマッチ』
コバひろ
大衆娯楽
前作 “雌蛇の罠『異性異種格闘技戦』男と女、宿命のシュートマッチ”
(全20話)の続編。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/329235482/129667563/episode/6150211
男子キックボクサーを倒したNOZOMIのその後は?
そんな女子格闘家NOZOMIに敗れ命まで落とした父の仇を討つべく、兄と娘の青春、家族愛。
格闘技を通して、ジェンダーフリー、ジェンダーレスとは?を描きたいと思います。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる