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17・おっぱい星人なのに意識は崇高な彼氏1

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 17・おっぱい星人なのに意識は崇高な彼氏1


「ねぇ、光」

「なに?」

「最近は暑いよねぇ……」

「だよね、今からこうも暑いと目の前にかき氷が浮かんできそうだよ」

 これは学校が終わっての帰り道、今からこんなに暑くなってどうするの? という中を歩いている最中の会話。そしてわたしはここだ! という感じで切り出す。

「光、暑い夏っていったら……何を思い浮かべる?」

「え、さっき言ったかき氷かな」

「他には?」

「そうめんとか冷ややっことか」

「食べ物ばっかり! 他にないの、もっと大事なこと」

「大事なこと? 夏休みの宿題とか?」

「まったくもう……肝心なところで少し鈍いよね光は」

「え、どういうこと」

「海とかプールがあるでしょう、それこそ夏でしょう」

「あ、それがあったな、すっかり忘れていた」

「おほん! で、光……」

「な、なに?」

「海やプールといえば当然泳ぐわけで……泳ぐとなったら当然水着姿になるわけで……単刀直入に聞くけれど、わたしの水着姿って見たい?」

「え……」

「それこそ……ビキニ姿とか……」

「び、ビキニ……」

「光が見たいって言ってくれたら……わたし迷いよなくやるよ? わたしのビキニ姿、光に好きなだけ見せてあげるよ?」

 わたしはここで立ち止まって、ほんのり下から目線を彼氏に向けた。わかっているんだ、光がわたしのビキニ姿を見たくないなどと言うわけがない。でもこれはすごく大事な展開。やっぱりね、彼女としては彼氏の口から見たいですと言われたいんだよ。

「み、見たい……ものすごく……」

 光は顔を赤くし少し目をトロっとさせてわたしの顔と胸をしっかり見た。それこそわたしが欲しかった反応そのものだ。

「よし、じゃぁ……」

 わたしはここで夏休みになったらさっそくプールでデートだと光に言いかけた。ところがここでまったく思いもしない事を光が挟み込むようにして言ったんだ。

「見たいけれど、ものすごく見たいけれど、ほんとうに焼け死ぬほどに見たいけれど……見たくない」

「は?」

「そういうこと」

「バカ、今のでわかるわけないでしょう。人には、特に彼女にはちゃんとわかるように説明しなさい!」

「だからものすごく見たいんだよ、だからこそ見たくないって言っているんだ」

「ちょっとマックに行こう。これはもう着席して長時間の談義もやむを得ずだね」

「ごめん、いまちょっとお金の持ち合わせが」

「いいよ、わたしが出してあげる。その代わり、わたしを納得させるように。そうならない限り家に帰さないから」

 わたしと光はマックに入った。中学生のカップルというのは目立つ。わたしが巨乳だからおっぱいに目線が来るって事と相まって視線の量はすごい。でも今はそんなこと気にしない、気にしている場合じゃない。

「さ、行くよ」

 もしかすると、今のわたしは妻みたいな感じに他人からは見えているかもしれない。でもそうなんだ、そういう感じにさせているんだ、外ならぬ光って彼氏が。
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