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5・こんなのホレるしかないじゃん

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 5・こんなのホレるしかないじゃん


「さーてと、我が彼氏の書いた小説というのを読みますか」
 帰宅したわたしは逸るキモチを抑え
ながらテキパキと着替えた。それから部屋にあるピンクのノートパソコンを開いて机に置き、電源を入れてから椅子に座る。

「たのしみ、ものすごくたのしみ!」

 本日、つい先ほどの話だけれど、学校が終わったらクラスメートの三ツ井光と付き合うしかないって流れになって付き合うことになった。その彼氏が書いているという小説、しかもわたしみたいな巨乳女子に恋焦がれているという作者のキモチいっぱいな小説、ぜひとも読ませてもらいますよ、はい。

 わたしは意気揚々と、中1だから多分へタクソだろうけど、一生懸命読もうなんてそんなひどい考えで小説のひとつにたどりついた。

「え……」

 びっくりさせられた……なぜって読みやすいに加えて文章力とか語彙力が高いから。それもまたカンゲキであり、わたしの巨乳っておっぱいが少し揉まれたみたいに感じさせられてしまう。

「うわぁ、三ツ井って……世界でも有数なおっぱい星人だ。こんなのわたしと付き合うしか道はないでしょう」

 小説の中に漂う巨乳女子とか巨乳に恋焦がれる感がすごい。もしいまのわたしが大人の年齢だったら、いますぐこの胸に彼氏を抱いてあげたいとか言い出すところだね。

「でも……」

 読んでいてまた新たな感動が生じた。

「え、ほんとうに三ツ井が書いたの?」

 読み進めると三ツ井ってば女子を書くのがうまい。小説だから絵はないけれど、男子が書いた女子キャラとは思えない。ふつうは男がつくった女キャラってほんのり悪臭が漂うはずなのだけれど、それが全然ないから衝撃すら感じる。

「やだ、こんなのを読んだらホレるしかないじゃんか。もう世界中のいかなり男子とか男性が出現したって、わたしは三ツ井以外に考えられないって、そうなるのが運命ってあきらめるしかないじゃんか」

 すごく、ものすごくこの巨乳ってふくらみいっぱいに感動が広がった。自分の彼氏に何かがあると思えるのは、女にとって嬉しい事と知る。

「あ、もう夕方の5時半……」

 三ツ井の小説に没頭して時間の流れを忘れていた。とりあえず一度休憩とパソコンから離れるとき、彼氏と深く愛し合ったみたいな満足感が体いっぱいに広がる。

「うわぁ、やったぁ、中1で運命の出会いができるなんて、こんな物語が歩めるなんて」

 くふふと笑いが止まらなくなった。アニメなんかでよく見るような感じをやる自分がいたけれど、これはもう不可抗力。うれしさが青空まで伸びていくような感じになるとニヤニヤが止まらなくなる。

「もう、三ツ井って罪なんだから」

 わたしは10分くらい、ちょっと頭のネジが2本くらい外れましたって状態に甘んじてしまった。
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