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記憶、感覚、共有! だからもうパートナーもセックスもオナニーする手間も全部必要なし!(男バージョン)
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「あぁ、つまんねぇの......」
いま、ひとりの男がつぶやいた。午前11時に繁華街を歩く彼は、26歳のフリーター。やる事がないからフラフラして、おれのたましいを救い上げてくれ! という感じで〇〇書店に入った。そして特に考えたり悩んだりする事なく、大人のグッズという夢の島へと向かうのであった。
「しっかしなぁ......」
何かを期待してやってきたというのにフロアに侵入した瞬間、やっぱりつまんねぇと自らテンションを下げる。そこで彼、なんか面白いとかエロパワーがみなぎる魅力的な代物はないか店員に話しかけてみることにした。
「あの、ちょっといいですか?」
「あ、いらっしゃい! なんですか?」
彼に話しかけられた30歳くらいの店員はとっても人当たりが良い。もしかすると客が来なくて暇だったから退屈がつぶせると喜んでいるのかもしれない。
「最近さぁ、なんかつまんないんですよ」
「つまらない? それはどうして?」
「いや、だってほら、エロ動画なんて何を見ても一緒でしょう? 中学生の頃から見入って必死にペニスをしごいていたら、そりゃ飽きるわけで......」
「お客さんはどういう女が好みなんですか?」
「えっと......」
「いいじゃないですか、素直に言いましょうよ。つまらないを吹き飛ばすためには正直にあること。その正直さが太陽を呼び込むんですよ」
「えっと......やっぱりそれは色白ふっくら&むっちりで、軽いぽっちゃりでおっぱいが大きくてやわらかいって巨乳か爆乳な女」
「おぉ! いいですねぇ。でも、あれですか? そういう女が出てくる動画にはもう飽きたということですか?」
「そうなんですよ、すごい不満があるから余計につまらない」
「不満とは?」
「大きくてやわらかいおっぱいに甘えたいって、そういう願望に寄り添ったビデオが非常に少ないってこと。だからおれ監督とかいう対して思っちゃうんですよ」
「なにを?」
「くたばれ、無能のクソ野郎! という風に」
「おぉ、過激......でも切実さがでてますね」
「だからエロ動画なんて見たってつまらない。見たくなるけれどつまらない、この愛憎というのがまさにド腐れ」
「お客さんは今まで巨乳とか爆乳っておっぱいを持ったふっくら女子と恋愛した事は?」
「ないよ......そんなのひたすらあこがれ。もしそんな彼女がいたらひたすらセックスしてパイズリだってしてもらって動画なんか見ている場合じゃないし」
「じゃぁ、巨乳とか爆乳のリアルドールはどうです? いい品がありますよぉ」
「いやいや、それってやっぱり人形、さすがに人形では抜けないです。後始末だって大変そうだし、それに......」
「それに?」
「なんていうか最近は憂鬱で......ペニスをしごくのもちょっと面倒くさいって思っちゃうんですよね。射精はしたいけれどそのための労力がうざいと言いたくなるわけで」
「いかにも今どきの若者って感じの悩みですね」
「あ、わかってもらえるとうれしいです」
こんな会話をしていたら、店員は両腕を組んで少し考えてから、相手の好奇心を刺激するように思わせぶりに口を開いた。
「ひとつだけとっておきがあるにはあるのですか?」
「とっておき? 何ですか? それは?」
「いやいや、やめましょう、これはお金がかかる代物なので」
「話くらいはしてくださいよ、それが店員の仕事でしょう?」
「わかりました」
店員はそう言うと彼を別のコーナーに移動させた。そしてなぜこのフロアにヘッドホンが置いてあるんだ? という場所に連れていかれた。
「昨日発売されたばかなこのヘッドホン、3つタイプがあってですね、一つが記憶&感覚のインプット用、もうひとつが収録された情報を自分の中に取り込むよう、そして最後はインプットと取り込みの両方ができるスペシャル版」
「記憶と感覚?」
「例えばですね、AV男優がですね、巨乳とか爆乳のおっぱいを好きなだけ揉んで谷間に顔を埋めて頬擦りをし、赤ちゃんみたいにチュッチュしたとするじゃないですか?」
「は、はい......」
「そのときにAV男優が得ている快感という情報ね、それが丸ごと収録されるわけで、そのテープを使うと自分が豊満なおっぱいに甘えていると同じになれるわけです。他人がこんな風に感じているとかではなく、自分のモノとしてやわらかい巨乳に甘えるのがこんなにキモチいいのか! と心底震える事ができるわけです」
「えぇ、うっそだぁ」
「どうですか? 試してみますか? この流れですから特別に経験させてあげますよ? 色白ふっくらでむっちりな爆乳女子のおっぱいに我を忘れて甘えまくるときの快感です。触る、揉む、頬擦り、チュッチュ、やわらかい弾力、いいニオイ、すべてあなたの体が感じ取るのと同じ事になります。ついでに言っておくと、その女性はバスト108cmのJカップってグラマーさん」
「お、おっぱい108cm......Jカップ......」
「どうですか、試してみますか?」
「も、もちろんです、ここで試さないなんて人としてあり得ないっすよ!」
「では」
店員がSDカードみたいなモノをヘッドホンの側面に差し込むと、左耳のところにあるスイッチを押すと始まりますからと説明してモノを渡した。それを受け取った彼、ヘッドホンを装着すると純情なエロ中学生みたいにドキドキしてスイッチを押した。そして次の瞬間、両目を大きく開き全身に鳥肌を立て声を出した。
「ひんぅう!!」
なんという快感......信じられないキモチよさ、ニオイ、揉み応え、手触り、温かさ、いまここに爆乳女子がいない
のがウソとしか思えない感覚。
「ぁあ、あぁぁ......」
彼はビクン! となって股間に手を当てた。なんせ今は彼が思い焦がれる爆乳女子の豊満でやわらかいふくらみに甘えまくっている最中だから、一瞬でペニスが勃起するのは当然。そしてペニスはまるで小学生時代に戻ったかのように勢いづき、彼はガマンができなくなる。
「あ、あぁ......」
彼は生まれて初めて醜態をさらした。店内で......ヘッドホンをしたままズボンのベルトを外すと、生まれてから現在まで誰かのために使ったって事のないペニスを扱き出す。とりあえず商品がない通路にペニスを向ける努力はした。だがそうするとすぐさま、まるで駄々っ子のように勢いよく射精してしまったのである。
「はんぅ......ああんんぅぅ......」
すまじい量の精液が水たまりのように飛んでいく。いまの彼は豊満な乳房に甘えながら射精するのとまったく同じ快感を得ているので、自分が犯罪的な無様をさらしても気にする余裕が持てなかった。
「ハァハァ......」
忘れがたい射精が完了した。それは生まれて初めてのオナニーなんぞ比較にならない極上の快感で、一度味わったらもう忘れる事などできない。
「ご、ご、ごめんなさい......」
彼はヘッドホンを外すとドロドロのペニスを慌ててトランクスの中に戻しズボンを引き上げる。だが店員は怒ったりせずこう言ってくれた。
「いいんですよ、それが若さであり青春でありよろこび。そうです、素直に感動してよろこぶ、それが人にとって重要な事なんです」
彼は店員がそう言ってくれたこともあり、興奮して価格を聞かずにいられない。とりあえず再生して自分に取り込むだけでいいから値段を教えてくれと迫る。
「えっとですね......これがちょっと高いんですが......」
「いくら? 早く言ってください!」
「50万円です。取り込みだけのが30万円、再生専用が50万円、両方できるのが100万円というところです」
「買います、再生専用で買います!」
「あ、だけどまだ話が終わっていません」
「なんですか?」
「ヘッドホンだけあってもダメなんです、当然ですが再生データが必要で、それが高いのですよ。特に巨乳や爆乳に甘えるというのは足元を見られるわけでして」
「いくらですか?」
「今のが5万円です」
「買います、財産を使い果たすとしても買います!」
「おぉ、では一応......他のもあるとおススメしてもいいですか?」
「もちろんです、あ、言うまでもなく巨乳か爆乳で!」
「これはいま再生したモノの続きになるのですが......Jカップのおっぱいにハチミツをたっぷり塗ってそれでパイズリして射精して、満たされ終わるまでおっぱいに包んでもらい続けるというモノです。つまりこれをやると......」
「なんですか? いちいち勿体ぶらないでください」
「射精しなくても強烈な射精で満たされるって事になります。つまり射精しなくても射精した事になるので、うっかりすると......自分で自分のペニスを扱かなくなる危険につながる可能性はあるかと」
「いいじゃないですか、自分のペニスを扱くって面倒くさい事をしなくても射精した事になるのなら、手間を省いて幸せを取る! って、まさに21世紀の理想じゃないですか」
「では、購入前に一度試してみますか?」
そう言われて断れるほど男は愚かな生き物ではない。しかも彼はいまさっき濃厚な射精をしたばかりだから、恥をさらすような行動をとらないだろうとうぬぼれていた。しかしスイッチを押したその瞬間、彼のちっぽけな自尊心はすぐに砕け散る。
「う、うあぁんぅんんぅ!!!!!」
びっくり仰天! ヌルヌルっと滑る、ムニュウっと大きくやわらかいふくらみが、ハチミツまみれで自分のペニスをやさしく包み込んでくれる。
「あ、あ、あぁ......あぁんんんんぅぅ......」
彼は大きな声を出すと何も置かれていないところのカベに両手を当てると、あこがれていたパイズリに引きずり込まれ、夢中になって腰を振り始めた。
「ハァハァ......ぁ......あぁんぅ......」
まるで壊れたピストン人形みたいに腰を動かす彼は、他人が見たら意味不明であるが、彼はいま自分のペニスが豊満なふくらみとコミュニケーションしている快楽につかまっている。もう他のことなど見えない、わからない、考えられないである。
「あぁんんんぅうう!!!」
自分がわけではないが......自分が射精したとしか思えない激震レベルの快感に彼の両目はもう魂を抜かれたかのごとくうっとりして細くなっている。そしてしばらく身動きができず、ただひたすらハァハァ言うだけで時間を過ごした。
「こ、これがあれば......自分で射精する手間が永遠に省けて最高じゃないですか!」
「では購入されますか?」
「もちろん、さっきの爆乳に甘えるのと一緒に......あ、できればもうひとつありませんか? あったら買いますけれど」
「もうひとつ?」
「この爆乳に甘えながら爆乳女の中で射精するってやつです」
「あ、そうでした、そうですね、それが必要ですよね。ただ、この3つとヘッドホンを合わせると合計65万円になりますが......」
「買います」
「ありがとうございます」
こうして彼はアダルトグッズで65万円という、人生初の男気に満ち溢れる出費をすることになった。まるでゆでられたジャガイモみたいにホクホクとして。
「お客さん」
「なんですか?」
「余計なお世話ですが......一応言わせてください」
「なんですか?」
「売っておいて言うのもなんですが......その商品を使いまくると依存になる可能性が高いと思います。そしてその......実際の女性と交わる気力が失われるという気もします。だからあまりその商品を多用しない方がいいかと思って」
「あ、それは完全に余計なお世話ですよ。なぜかわかりますか?」
「な、なぜですか?」
「大切なのは自分にウソをつかず、理想だと思う女性と愛し合って射精する事。でもその理想の相手が見つからないとか、見つけるのがしんどいと疲れたらどうするか? 妥協の射精をするのですか? ちがいます、それはいけない事なんです。たとえこのアイテムを使っても、自分にとっての理想たる快感を得ること、それが人としての真っ直ぐであり......男としての正しい生き様ではありませんか?」
彼が買い物袋を手に持って神々しいセリフを放つと、感動した店員は涙をぬぐいながら言うしかなかった。
「そうですね......お客さんの言う通りです。お客さんみたいな人こそ、21世紀を健全に生きられる人なのだと思いました」
「ありがとうございます、じゃぁ」
こうして一人の男がすばらしい買い物をやり終えた。そして彼はこれ以後、エロ動画をまったく見なくなったはもちろん、理想とする女を探す努力も完全にしなくなった。いやそれどころか、自分でペニスを扱くという当たり前の労力すら放棄して生き続けるようになるのだった。
いま、ひとりの男がつぶやいた。午前11時に繁華街を歩く彼は、26歳のフリーター。やる事がないからフラフラして、おれのたましいを救い上げてくれ! という感じで〇〇書店に入った。そして特に考えたり悩んだりする事なく、大人のグッズという夢の島へと向かうのであった。
「しっかしなぁ......」
何かを期待してやってきたというのにフロアに侵入した瞬間、やっぱりつまんねぇと自らテンションを下げる。そこで彼、なんか面白いとかエロパワーがみなぎる魅力的な代物はないか店員に話しかけてみることにした。
「あの、ちょっといいですか?」
「あ、いらっしゃい! なんですか?」
彼に話しかけられた30歳くらいの店員はとっても人当たりが良い。もしかすると客が来なくて暇だったから退屈がつぶせると喜んでいるのかもしれない。
「最近さぁ、なんかつまんないんですよ」
「つまらない? それはどうして?」
「いや、だってほら、エロ動画なんて何を見ても一緒でしょう? 中学生の頃から見入って必死にペニスをしごいていたら、そりゃ飽きるわけで......」
「お客さんはどういう女が好みなんですか?」
「えっと......」
「いいじゃないですか、素直に言いましょうよ。つまらないを吹き飛ばすためには正直にあること。その正直さが太陽を呼び込むんですよ」
「えっと......やっぱりそれは色白ふっくら&むっちりで、軽いぽっちゃりでおっぱいが大きくてやわらかいって巨乳か爆乳な女」
「おぉ! いいですねぇ。でも、あれですか? そういう女が出てくる動画にはもう飽きたということですか?」
「そうなんですよ、すごい不満があるから余計につまらない」
「不満とは?」
「大きくてやわらかいおっぱいに甘えたいって、そういう願望に寄り添ったビデオが非常に少ないってこと。だからおれ監督とかいう対して思っちゃうんですよ」
「なにを?」
「くたばれ、無能のクソ野郎! という風に」
「おぉ、過激......でも切実さがでてますね」
「だからエロ動画なんて見たってつまらない。見たくなるけれどつまらない、この愛憎というのがまさにド腐れ」
「お客さんは今まで巨乳とか爆乳っておっぱいを持ったふっくら女子と恋愛した事は?」
「ないよ......そんなのひたすらあこがれ。もしそんな彼女がいたらひたすらセックスしてパイズリだってしてもらって動画なんか見ている場合じゃないし」
「じゃぁ、巨乳とか爆乳のリアルドールはどうです? いい品がありますよぉ」
「いやいや、それってやっぱり人形、さすがに人形では抜けないです。後始末だって大変そうだし、それに......」
「それに?」
「なんていうか最近は憂鬱で......ペニスをしごくのもちょっと面倒くさいって思っちゃうんですよね。射精はしたいけれどそのための労力がうざいと言いたくなるわけで」
「いかにも今どきの若者って感じの悩みですね」
「あ、わかってもらえるとうれしいです」
こんな会話をしていたら、店員は両腕を組んで少し考えてから、相手の好奇心を刺激するように思わせぶりに口を開いた。
「ひとつだけとっておきがあるにはあるのですか?」
「とっておき? 何ですか? それは?」
「いやいや、やめましょう、これはお金がかかる代物なので」
「話くらいはしてくださいよ、それが店員の仕事でしょう?」
「わかりました」
店員はそう言うと彼を別のコーナーに移動させた。そしてなぜこのフロアにヘッドホンが置いてあるんだ? という場所に連れていかれた。
「昨日発売されたばかなこのヘッドホン、3つタイプがあってですね、一つが記憶&感覚のインプット用、もうひとつが収録された情報を自分の中に取り込むよう、そして最後はインプットと取り込みの両方ができるスペシャル版」
「記憶と感覚?」
「例えばですね、AV男優がですね、巨乳とか爆乳のおっぱいを好きなだけ揉んで谷間に顔を埋めて頬擦りをし、赤ちゃんみたいにチュッチュしたとするじゃないですか?」
「は、はい......」
「そのときにAV男優が得ている快感という情報ね、それが丸ごと収録されるわけで、そのテープを使うと自分が豊満なおっぱいに甘えていると同じになれるわけです。他人がこんな風に感じているとかではなく、自分のモノとしてやわらかい巨乳に甘えるのがこんなにキモチいいのか! と心底震える事ができるわけです」
「えぇ、うっそだぁ」
「どうですか? 試してみますか? この流れですから特別に経験させてあげますよ? 色白ふっくらでむっちりな爆乳女子のおっぱいに我を忘れて甘えまくるときの快感です。触る、揉む、頬擦り、チュッチュ、やわらかい弾力、いいニオイ、すべてあなたの体が感じ取るのと同じ事になります。ついでに言っておくと、その女性はバスト108cmのJカップってグラマーさん」
「お、おっぱい108cm......Jカップ......」
「どうですか、試してみますか?」
「も、もちろんです、ここで試さないなんて人としてあり得ないっすよ!」
「では」
店員がSDカードみたいなモノをヘッドホンの側面に差し込むと、左耳のところにあるスイッチを押すと始まりますからと説明してモノを渡した。それを受け取った彼、ヘッドホンを装着すると純情なエロ中学生みたいにドキドキしてスイッチを押した。そして次の瞬間、両目を大きく開き全身に鳥肌を立て声を出した。
「ひんぅう!!」
なんという快感......信じられないキモチよさ、ニオイ、揉み応え、手触り、温かさ、いまここに爆乳女子がいない
のがウソとしか思えない感覚。
「ぁあ、あぁぁ......」
彼はビクン! となって股間に手を当てた。なんせ今は彼が思い焦がれる爆乳女子の豊満でやわらかいふくらみに甘えまくっている最中だから、一瞬でペニスが勃起するのは当然。そしてペニスはまるで小学生時代に戻ったかのように勢いづき、彼はガマンができなくなる。
「あ、あぁ......」
彼は生まれて初めて醜態をさらした。店内で......ヘッドホンをしたままズボンのベルトを外すと、生まれてから現在まで誰かのために使ったって事のないペニスを扱き出す。とりあえず商品がない通路にペニスを向ける努力はした。だがそうするとすぐさま、まるで駄々っ子のように勢いよく射精してしまったのである。
「はんぅ......ああんんぅぅ......」
すまじい量の精液が水たまりのように飛んでいく。いまの彼は豊満な乳房に甘えながら射精するのとまったく同じ快感を得ているので、自分が犯罪的な無様をさらしても気にする余裕が持てなかった。
「ハァハァ......」
忘れがたい射精が完了した。それは生まれて初めてのオナニーなんぞ比較にならない極上の快感で、一度味わったらもう忘れる事などできない。
「ご、ご、ごめんなさい......」
彼はヘッドホンを外すとドロドロのペニスを慌ててトランクスの中に戻しズボンを引き上げる。だが店員は怒ったりせずこう言ってくれた。
「いいんですよ、それが若さであり青春でありよろこび。そうです、素直に感動してよろこぶ、それが人にとって重要な事なんです」
彼は店員がそう言ってくれたこともあり、興奮して価格を聞かずにいられない。とりあえず再生して自分に取り込むだけでいいから値段を教えてくれと迫る。
「えっとですね......これがちょっと高いんですが......」
「いくら? 早く言ってください!」
「50万円です。取り込みだけのが30万円、再生専用が50万円、両方できるのが100万円というところです」
「買います、再生専用で買います!」
「あ、だけどまだ話が終わっていません」
「なんですか?」
「ヘッドホンだけあってもダメなんです、当然ですが再生データが必要で、それが高いのですよ。特に巨乳や爆乳に甘えるというのは足元を見られるわけでして」
「いくらですか?」
「今のが5万円です」
「買います、財産を使い果たすとしても買います!」
「おぉ、では一応......他のもあるとおススメしてもいいですか?」
「もちろんです、あ、言うまでもなく巨乳か爆乳で!」
「これはいま再生したモノの続きになるのですが......Jカップのおっぱいにハチミツをたっぷり塗ってそれでパイズリして射精して、満たされ終わるまでおっぱいに包んでもらい続けるというモノです。つまりこれをやると......」
「なんですか? いちいち勿体ぶらないでください」
「射精しなくても強烈な射精で満たされるって事になります。つまり射精しなくても射精した事になるので、うっかりすると......自分で自分のペニスを扱かなくなる危険につながる可能性はあるかと」
「いいじゃないですか、自分のペニスを扱くって面倒くさい事をしなくても射精した事になるのなら、手間を省いて幸せを取る! って、まさに21世紀の理想じゃないですか」
「では、購入前に一度試してみますか?」
そう言われて断れるほど男は愚かな生き物ではない。しかも彼はいまさっき濃厚な射精をしたばかりだから、恥をさらすような行動をとらないだろうとうぬぼれていた。しかしスイッチを押したその瞬間、彼のちっぽけな自尊心はすぐに砕け散る。
「う、うあぁんぅんんぅ!!!!!」
びっくり仰天! ヌルヌルっと滑る、ムニュウっと大きくやわらかいふくらみが、ハチミツまみれで自分のペニスをやさしく包み込んでくれる。
「あ、あ、あぁ......あぁんんんんぅぅ......」
彼は大きな声を出すと何も置かれていないところのカベに両手を当てると、あこがれていたパイズリに引きずり込まれ、夢中になって腰を振り始めた。
「ハァハァ......ぁ......あぁんぅ......」
まるで壊れたピストン人形みたいに腰を動かす彼は、他人が見たら意味不明であるが、彼はいま自分のペニスが豊満なふくらみとコミュニケーションしている快楽につかまっている。もう他のことなど見えない、わからない、考えられないである。
「あぁんんんぅうう!!!」
自分がわけではないが......自分が射精したとしか思えない激震レベルの快感に彼の両目はもう魂を抜かれたかのごとくうっとりして細くなっている。そしてしばらく身動きができず、ただひたすらハァハァ言うだけで時間を過ごした。
「こ、これがあれば......自分で射精する手間が永遠に省けて最高じゃないですか!」
「では購入されますか?」
「もちろん、さっきの爆乳に甘えるのと一緒に......あ、できればもうひとつありませんか? あったら買いますけれど」
「もうひとつ?」
「この爆乳に甘えながら爆乳女の中で射精するってやつです」
「あ、そうでした、そうですね、それが必要ですよね。ただ、この3つとヘッドホンを合わせると合計65万円になりますが......」
「買います」
「ありがとうございます」
こうして彼はアダルトグッズで65万円という、人生初の男気に満ち溢れる出費をすることになった。まるでゆでられたジャガイモみたいにホクホクとして。
「お客さん」
「なんですか?」
「余計なお世話ですが......一応言わせてください」
「なんですか?」
「売っておいて言うのもなんですが......その商品を使いまくると依存になる可能性が高いと思います。そしてその......実際の女性と交わる気力が失われるという気もします。だからあまりその商品を多用しない方がいいかと思って」
「あ、それは完全に余計なお世話ですよ。なぜかわかりますか?」
「な、なぜですか?」
「大切なのは自分にウソをつかず、理想だと思う女性と愛し合って射精する事。でもその理想の相手が見つからないとか、見つけるのがしんどいと疲れたらどうするか? 妥協の射精をするのですか? ちがいます、それはいけない事なんです。たとえこのアイテムを使っても、自分にとっての理想たる快感を得ること、それが人としての真っ直ぐであり......男としての正しい生き様ではありませんか?」
彼が買い物袋を手に持って神々しいセリフを放つと、感動した店員は涙をぬぐいながら言うしかなかった。
「そうですね......お客さんの言う通りです。お客さんみたいな人こそ、21世紀を健全に生きられる人なのだと思いました」
「ありがとうございます、じゃぁ」
こうして一人の男がすばらしい買い物をやり終えた。そして彼はこれ以後、エロ動画をまったく見なくなったはもちろん、理想とする女を探す努力も完全にしなくなった。いやそれどころか、自分でペニスを扱くという当たり前の労力すら放棄して生き続けるようになるのだった。
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