（R18）おとなのお話BOX（短編集）

抜けられなくなった巨乳を救出せよ１１

　
「美依！」

　おれはふっくら巨乳の前にあった美依の両腕をつかんだ。そして少し左右に開ける。

「はんぅ！！」

　美依が真っ赤な顔と恥じらう声を出して足をガクガクさせる。

「好きなんだ、好きなんだ」

　おれはいま、必死だった。これまでの人生においてこんなにも真剣にまっすぐ熱く苦しいと思ったことはない。

「んんぅ！」

　戸惑っている、美依が戸惑ってジタバタする。だけどおれ……迷うことなくグッと顔と体を前に進めていた。

「ん……」

「はん……ぅ……」

　いま、おれと美依の唇が重なり合った。おれに両腕を掴まれたままの美依はブルブル震えている。そしておれはやわらかくて甘い唇の心地よさと同時に、ムワーっと伝ってくるいいニオイと熱を体内にたっぷり吸収している。

「ん……」

　おれは美依のやわらかい唇と自分のモノをコミュニケーションさせたまま、震えている両腕をもう少し横に広げた。そしてそのまま美依の背中をつよくカベに押し付けて密接。

「んふぅ……ん……ぅ……」

美依から余分な力が抜け出し始めた。

「ん……」

　おれは美依ここで自分の唇を動かし始めていた。互いのモノを何度もチュっと重ねるしか想像した事がないというのに、まるでそうする事を知っていたかのように自然と唇が勝手に動いていた。

「ん……ふんぅ……」

　美依が全身をビクン！　とさせたのが伝わった。でもどうだろう、美依も恥じらいながらゆっくりと唇を動かし始めた！

「んふぅ……ん……」

　美依の甘くてやわらかい唇は少し控えめに、でも……おれの唇をやさしく受け包んでくれている。まるでおれのキモチをギュウっと抱き寄せ撫でてくれるような、そんなやさしさが唇に乗っかっているような感じにしか思えない。

「ん……」

　初めてのすごい経験だった。言葉が出ないのは当たり前だが、当然目も開けられない。唇というのを重ね動かし合っているだけだというのに、全身がやんわり硬直して心地よさに続々する。脳みそがかすかに溶けて惚けているような感覚を生み出すと、浅い夢の一番いいところを泳いでいるような気がしてくる。

「ん！」

　いまちょっとびっくりしたのは、美依の唇が少しばかり積極的に動いたから。美依唇がおれの唇を愛撫してキモチを確かめるような動きに繋がったから。

　なんて苦しくて……いつまでも引っ張れると思う不思議な時間だろう。キスというのはこんなにも人を溶かすモノだったのか。キスというのはこれほどにも人の内側をせつなさで焼くって威力を持っていたのかと思い知らされる。

「美依……」

　おれはここで一度キスを解除した。そして震えている美依の両腕から手を離すと、すぐさまやわらかい両肩を掴んで互いの額を当て合ってから言う。

「美依……」

「お兄さん？」

「好きだ……お、おれ……美依って巨乳女子が好きだ……」

「ぅ……んぅ……」

「美依……さっきとちがって……ほんとうに好きだって想いを込めるから、だから……」

「だ、だから？」

「好きだ……ってキモチを伝えたい……そんな思いで……セックスをしたい、いや……どうしてもやりたい、お願いだ、やらせてくれ！」

　おれはもう自分の中にある熱さを隠したりごまかしたりができない。それはきっと人生でもっとも大事な真剣を薄められないって事なのだと思う。

「ぅ……」

　美依は少しだけ……おそらくは１０秒くらいだと思うが、何も言わずおれと額を合わせ続けていていたが、赤らめたままの顔で言ってくれた。

「お、お兄さんになら……抱かれたいです」

「美依……」

「で、でも、お願いです、ちゃんと……わたしみたいな巨乳女子が好きって、その想いをしっかり伝えてくださいよ？　もし伝わらなかったら……わたし……」

「約束する……大好きだって……そのキモチをすべて真剣に伝えきる！」

「わかりました……」

　美依が同意してくれたとき、今まで味わったことのない感情が自分に湧き上がった。だからおれ、これ以上の片想いはイヤだ！　とばかり無意識に右手を動かしていた。