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第十七・ジョーカーVS悠2
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第十七・ジョーカーVS悠2
カッサータはパネトーネとクラフティに声をかけただけなく、町から自宅へ戻ろうとしていたスフレもつかまえ4人で話をすることにした。町はずれの喫茶店に入り、これから何が起こるのかを報告する。
「ジョーカーが悠と戦う事になった。まぁ……今回はダメだろう。いくら悠がつよくてもジョーカーに勝てないだろう。つまり……悠は死んだって事だ」
注文した紅茶をまったり飲みながら、淡々と語るカッサータ。それを聞いてパネトーネとクラフティは青ざめる。この2人もカッサータと同じでジョーカーの暴れる姿をみた事はないが、異常につよいってオーラは感じ取り敬服していた。だからこれはやばい! という焦りが抑えられない。
「ジョーカーってそんなにつよいの?」
ひとりキョトンとするのがスフレだった。おだやかに薄いミルクティーを飲みながら、悠のつよさだったら大丈夫じゃないのかなぁと口にする。
「ちゃうちゃう、スフレ、ジョーカーはめちゃクソつよいって。カッサータみたいな雑魚とは次元が違うんだって」
パネトーネが言うとムッとしたカッサータは言わずにいられない。雑魚で悪かったな! と。
「ジョーカーは冗談が通じないだろうからなぁ……常々男はどうのと言っていたことからすると、ほんとうに殺すような気がする」
クラフティが心配に満ちた顔で言うと、スフレはたまらずビクン! と反応してしまい、カップの中のミルクティーを少し外にこぼしてしまう。
これやばい展開かも……という空気が4人の座るテーブルに覆いかぶさる。そこでたまらずパネトーネが口を開いた。悪いのは全部カッサータだと。
「なんであんたジョーカーを説得しないのよ、あんたが止めていれば済んだ話じゃないの?」
「ジョーカーを説得とかかんたんにできるもんか」
「うわぁ、なにこの役立たず、ゴミじゃん」
「なんだと!」
2人の女子がテーブルをひっくり返さんほどにらみ合うと、それを止めたクラフティがひとつ素朴な疑問をカッサータにした。
「どうしてわたしたちにこの事を報告した?」
「それはまぁ、後で知るよりは先に伝えた方がいいと思ったからだ」
「もしかして……カッサータも悠に気があるとか?」
「ち、ちがう。悠なんかどうでもいい。ただ……その、わたしはスフレが心配すると思ったから報告しただけだけ」
「スフレ? え、それって……もしかしてスフレに気が沸いたとか?」
「う、うるさいな。わたしだって考えている事はあるんだ。悠とか男というのを少しは理解してみたいと思うから、だからこうやって4人で話をしているんだ」
これを聞いたパネトーネ、向かいに並んで座るカッサータとスフレを見ながら、デレデレっと赤くした頬に両手を当てながら祝福するように言う。
「やだぁ、あんたたちすごいお似合い。スフレ、よかったじゃん。これでもうあんたに悠は必要なし。子どもが出来たら言ってよ、名付け親になってあげるから」
これでライバルが一人消去されたと露骨に喜ぶパネトーネ。対するスフレはいやいや、そんなこと急に言われても困ると顔を赤くし、となりのカッサータに何といえばいいのかわからないって目を向けたりする。
「と、とにかく、わたしにひとつ考えがある」
オホン! と咳払いしてから話を続けるカッサータによれば、あの雑貨屋で何かしらのアイテムを買い、必要とあらばドラゴン女子が加勢するカタチで悠を手助けしようとのこと。
「これはジョーカーに対する裏切りでも悠の味方をするってわけでもない。わたしはただ、男というのをもう少し勉強してみたいと思ったのと、いきなり悠が死ぬとスフレが可哀想かなぁと思うゆえ」
カッサータがさらに続けて語る所によると、今日のあの店は掘り出し物特売日だという。何かしら戦闘にとって都合のいいアイテムがゲットできる可能性はあり、元よりつよい悠であればプラスしてジョーカーを大幅に超える事ができるかもという目論み。
「よし、わかった。じゃぁさっそくあの店に行こう!」
こうして4人は急げとばかり立ち上がり、喫茶を出たらお目当ての店に直行押して言った。そしてその頃、目的の場所に悠はたどり着いた。そうすると超巨大な赤いドラゴンではなく、2mくらいはある老婆の姿が宙に浮かんで腕組みをしていると目にする。シワが多いモノのよく見れば美人だという顔、頭の真ん中に一本ツノあり。
「よく来た、では始めようか」
スーッと空中から地上へと舞い降りたジョーカー。それを見て悠は急に心が引き締まる。相手が本気でつよいと生々しく伝わると、スリルに満ちた緊張感に心臓が鷲掴みされてしまうせいだ。
「わたしは悠を殺そうと思っているのだが、どのくらいつよいか見てみたいと思ってしまう。だから悠、後悔なきよう全力で戦った方がいいぞ」
「む……」
悠は背中の剣を2本抜く。最初から両手に構えるのは一本では絶対に足りないと本能的に感じるせい。
「二刀流か」
ジョーカーもどこからか剣を両手に持った。これで二刀流同士の戦い、50対50の勝負と悠は思った。ところがジョーカーの両手から剣が離れ、それが空中に浮かぶと……ジョーカーはさらに別のモノを両手に持つ。
「では!」
ジョーカーが言うと2本の剣が飛んできた。それに応戦せんと両刀で動く悠だったが、その真っ最中に突如、ジョーカーに距離を詰められるとたまらない。
(よ、四刀琉……)
そう、空中に浮かんで自動的に攻撃する2本と、ジョーカーの手から太く速く攻撃する2本が合わさる。
「ほぉ、いい動きだ。だったらもっと速く華麗に踊ろうか」
速くなる、速くなる、どんどん速くなる、そして悠が左手に持つ一本は剣同士のぶつかり合いにより動きを封じられる。
「さようなら悠」
ジョーカーが両手に持つ剣をクロスさせ悠の首に向けようとした。そのまま突進され両腕が左右に開こうものなら悠の首が宙を舞うは必至。しかし……ジョーカーの剣が何かに当たって進めなくなった。真正面にいる悠の首に剣を押し進める事ができない。
「悠はバリアを張れるか……」
ジョーカーはスッと攻撃の構えを放つと、空中に浮かばせている2本の剣と同時に少しばかり下がる。
(ふぅ……)
悠はとっさに自身のエネルギーでバリアを張っていた。それはジョーカーの強烈な攻撃を寄せ付けないだけのモノではあったが、優秀なガードイコール体力の消耗という事実もつきまとう。悠の額に浮かぶ汗がそれを物語る。
「よかろう、悠の手を見てやろう」
ジョーカーがクイクイと立てた左手の親指を除いた4本を動かして誘う。
「ではいくぞ、ジョーカー!」
悠、一本の剣を放り投げると、残る一本を両手に持ち大きく垂直にドサ! っと地面に突きつけた、するとまるで荒々しい感情を持った生物かのように地割れがジョーカーに向かって進んでいく。
「いったい何がしたい?」
空中高くにジョーカーが舞い上がったら、地割れから無数ごとくの光球が飛び出した。それらは群れる魚の大群みたいにしてジョーカーへ向かって行く。
「ふん、こんなモノ」
腕組みをして宙に浮かぶジョーカー、自身がコントロールする4本の剣で光球を払い落としていく。
「手ぶらでだいじょうぶ?」
ジョーカーの上から声がした。
「上?」
クッと顔を上げたジョーカー、その瞬間……上にいた悠の猛烈な剣ふりを顔面に食らう。それはおどろいた顔のジョーカーを地上へ落とすだけの威力があり、でも悠はそこで攻撃を止めたりせずうつ伏せに倒れたジョーカーの背中にズシーン! と重々しく飛び降りるのだった。
「これはこれは……」
立ち上がったジョーカー、悠を見てクスっと笑いながら言った、聞く所によれば悠という男はやさしいはずのでは? と。
「甲冑着ているからだいじょうぶでしょう」
フッと悠が笑ったらジョーカーの纏っている甲冑がビキビキと音を立て割れ始める。そしてバカー! っと気前よく破裂して飛び散った。するとビキニアーマーという悩め香しい姿が登場。それは超がつくほどすごいグラマーでパネトーネはもちろんクラフティですら足元に寄せ付けない神々しいレベル。
「男にこの格好を見られるというのは久しぶりだ」
「そ、そう……ハハ」
「久しぶりだから思い出したぞ」
「な、なにを?」
「こういう格好を男に見られるとあまりいい気がしない。だからこう怒りが湧いてきて男を殺したくなるという感情を」
「そんな、だったらそういう格好をしなければいいのに……」
「ふん、ちがうな。この怒りエネルギーこそ、わたしが好むモノ。ダラダラ長くではなく、短い間に燃え尽きるような、太く短い人生という感じがたまらないのだ」
ジョーカーがニッと笑い両手をグッと強くにぎると、赤いオーラが炎のように沸き立つ。そしてギョッとするような変化が発生。グワーッとエネルギーを高ぶりまくるジョーカーの顔が少しずつ、カン違いなどではなく確かに、少しずつ若返っていく。しかもどんどん若くなっていく。60代、50代、40代、まだまだ下がっていく。30代、ついには20代の中盤あたりまで若返った。顔がとってもうつくしいだではなく、豊満なふくらみ具合や谷間のふっくら感もすべてがピチピチで瑞々しい。それまさに芸術の領域。
「え……」
悠はあまりに豊かでうつくしい相手の胸に見取れつつ後ずさり。相手が若くビューティフルなだけならいいのだが、それに比例してつよさが増していると感じると緊張感が塗り替えられてしまう。
「ほんとうならもっと若返りたいモノだが、だいたいこのくらいが限度だ。好戦的なエネルギーに怒りなどのマイナス感情を注いで温度を上げ、自分の脳と細胞を活性化させると若返ることができる。だがいつまでもこれでいられるわけではない。脳と細胞の許容範囲を超えるまでの話。それまでに悠を殺さねばな」
にっこり微笑むジョーカーから流れ伝わってくる怖さはずいぶんひんやりして本気度が高い。そのジョーカーが一本の剣を持って、ダッシュでもしそうにかまえるからには、悠もまた一本の剣を持ち立てて身構える。
カッサータはパネトーネとクラフティに声をかけただけなく、町から自宅へ戻ろうとしていたスフレもつかまえ4人で話をすることにした。町はずれの喫茶店に入り、これから何が起こるのかを報告する。
「ジョーカーが悠と戦う事になった。まぁ……今回はダメだろう。いくら悠がつよくてもジョーカーに勝てないだろう。つまり……悠は死んだって事だ」
注文した紅茶をまったり飲みながら、淡々と語るカッサータ。それを聞いてパネトーネとクラフティは青ざめる。この2人もカッサータと同じでジョーカーの暴れる姿をみた事はないが、異常につよいってオーラは感じ取り敬服していた。だからこれはやばい! という焦りが抑えられない。
「ジョーカーってそんなにつよいの?」
ひとりキョトンとするのがスフレだった。おだやかに薄いミルクティーを飲みながら、悠のつよさだったら大丈夫じゃないのかなぁと口にする。
「ちゃうちゃう、スフレ、ジョーカーはめちゃクソつよいって。カッサータみたいな雑魚とは次元が違うんだって」
パネトーネが言うとムッとしたカッサータは言わずにいられない。雑魚で悪かったな! と。
「ジョーカーは冗談が通じないだろうからなぁ……常々男はどうのと言っていたことからすると、ほんとうに殺すような気がする」
クラフティが心配に満ちた顔で言うと、スフレはたまらずビクン! と反応してしまい、カップの中のミルクティーを少し外にこぼしてしまう。
これやばい展開かも……という空気が4人の座るテーブルに覆いかぶさる。そこでたまらずパネトーネが口を開いた。悪いのは全部カッサータだと。
「なんであんたジョーカーを説得しないのよ、あんたが止めていれば済んだ話じゃないの?」
「ジョーカーを説得とかかんたんにできるもんか」
「うわぁ、なにこの役立たず、ゴミじゃん」
「なんだと!」
2人の女子がテーブルをひっくり返さんほどにらみ合うと、それを止めたクラフティがひとつ素朴な疑問をカッサータにした。
「どうしてわたしたちにこの事を報告した?」
「それはまぁ、後で知るよりは先に伝えた方がいいと思ったからだ」
「もしかして……カッサータも悠に気があるとか?」
「ち、ちがう。悠なんかどうでもいい。ただ……その、わたしはスフレが心配すると思ったから報告しただけだけ」
「スフレ? え、それって……もしかしてスフレに気が沸いたとか?」
「う、うるさいな。わたしだって考えている事はあるんだ。悠とか男というのを少しは理解してみたいと思うから、だからこうやって4人で話をしているんだ」
これを聞いたパネトーネ、向かいに並んで座るカッサータとスフレを見ながら、デレデレっと赤くした頬に両手を当てながら祝福するように言う。
「やだぁ、あんたたちすごいお似合い。スフレ、よかったじゃん。これでもうあんたに悠は必要なし。子どもが出来たら言ってよ、名付け親になってあげるから」
これでライバルが一人消去されたと露骨に喜ぶパネトーネ。対するスフレはいやいや、そんなこと急に言われても困ると顔を赤くし、となりのカッサータに何といえばいいのかわからないって目を向けたりする。
「と、とにかく、わたしにひとつ考えがある」
オホン! と咳払いしてから話を続けるカッサータによれば、あの雑貨屋で何かしらのアイテムを買い、必要とあらばドラゴン女子が加勢するカタチで悠を手助けしようとのこと。
「これはジョーカーに対する裏切りでも悠の味方をするってわけでもない。わたしはただ、男というのをもう少し勉強してみたいと思ったのと、いきなり悠が死ぬとスフレが可哀想かなぁと思うゆえ」
カッサータがさらに続けて語る所によると、今日のあの店は掘り出し物特売日だという。何かしら戦闘にとって都合のいいアイテムがゲットできる可能性はあり、元よりつよい悠であればプラスしてジョーカーを大幅に超える事ができるかもという目論み。
「よし、わかった。じゃぁさっそくあの店に行こう!」
こうして4人は急げとばかり立ち上がり、喫茶を出たらお目当ての店に直行押して言った。そしてその頃、目的の場所に悠はたどり着いた。そうすると超巨大な赤いドラゴンではなく、2mくらいはある老婆の姿が宙に浮かんで腕組みをしていると目にする。シワが多いモノのよく見れば美人だという顔、頭の真ん中に一本ツノあり。
「よく来た、では始めようか」
スーッと空中から地上へと舞い降りたジョーカー。それを見て悠は急に心が引き締まる。相手が本気でつよいと生々しく伝わると、スリルに満ちた緊張感に心臓が鷲掴みされてしまうせいだ。
「わたしは悠を殺そうと思っているのだが、どのくらいつよいか見てみたいと思ってしまう。だから悠、後悔なきよう全力で戦った方がいいぞ」
「む……」
悠は背中の剣を2本抜く。最初から両手に構えるのは一本では絶対に足りないと本能的に感じるせい。
「二刀流か」
ジョーカーもどこからか剣を両手に持った。これで二刀流同士の戦い、50対50の勝負と悠は思った。ところがジョーカーの両手から剣が離れ、それが空中に浮かぶと……ジョーカーはさらに別のモノを両手に持つ。
「では!」
ジョーカーが言うと2本の剣が飛んできた。それに応戦せんと両刀で動く悠だったが、その真っ最中に突如、ジョーカーに距離を詰められるとたまらない。
(よ、四刀琉……)
そう、空中に浮かんで自動的に攻撃する2本と、ジョーカーの手から太く速く攻撃する2本が合わさる。
「ほぉ、いい動きだ。だったらもっと速く華麗に踊ろうか」
速くなる、速くなる、どんどん速くなる、そして悠が左手に持つ一本は剣同士のぶつかり合いにより動きを封じられる。
「さようなら悠」
ジョーカーが両手に持つ剣をクロスさせ悠の首に向けようとした。そのまま突進され両腕が左右に開こうものなら悠の首が宙を舞うは必至。しかし……ジョーカーの剣が何かに当たって進めなくなった。真正面にいる悠の首に剣を押し進める事ができない。
「悠はバリアを張れるか……」
ジョーカーはスッと攻撃の構えを放つと、空中に浮かばせている2本の剣と同時に少しばかり下がる。
(ふぅ……)
悠はとっさに自身のエネルギーでバリアを張っていた。それはジョーカーの強烈な攻撃を寄せ付けないだけのモノではあったが、優秀なガードイコール体力の消耗という事実もつきまとう。悠の額に浮かぶ汗がそれを物語る。
「よかろう、悠の手を見てやろう」
ジョーカーがクイクイと立てた左手の親指を除いた4本を動かして誘う。
「ではいくぞ、ジョーカー!」
悠、一本の剣を放り投げると、残る一本を両手に持ち大きく垂直にドサ! っと地面に突きつけた、するとまるで荒々しい感情を持った生物かのように地割れがジョーカーに向かって進んでいく。
「いったい何がしたい?」
空中高くにジョーカーが舞い上がったら、地割れから無数ごとくの光球が飛び出した。それらは群れる魚の大群みたいにしてジョーカーへ向かって行く。
「ふん、こんなモノ」
腕組みをして宙に浮かぶジョーカー、自身がコントロールする4本の剣で光球を払い落としていく。
「手ぶらでだいじょうぶ?」
ジョーカーの上から声がした。
「上?」
クッと顔を上げたジョーカー、その瞬間……上にいた悠の猛烈な剣ふりを顔面に食らう。それはおどろいた顔のジョーカーを地上へ落とすだけの威力があり、でも悠はそこで攻撃を止めたりせずうつ伏せに倒れたジョーカーの背中にズシーン! と重々しく飛び降りるのだった。
「これはこれは……」
立ち上がったジョーカー、悠を見てクスっと笑いながら言った、聞く所によれば悠という男はやさしいはずのでは? と。
「甲冑着ているからだいじょうぶでしょう」
フッと悠が笑ったらジョーカーの纏っている甲冑がビキビキと音を立て割れ始める。そしてバカー! っと気前よく破裂して飛び散った。するとビキニアーマーという悩め香しい姿が登場。それは超がつくほどすごいグラマーでパネトーネはもちろんクラフティですら足元に寄せ付けない神々しいレベル。
「男にこの格好を見られるというのは久しぶりだ」
「そ、そう……ハハ」
「久しぶりだから思い出したぞ」
「な、なにを?」
「こういう格好を男に見られるとあまりいい気がしない。だからこう怒りが湧いてきて男を殺したくなるという感情を」
「そんな、だったらそういう格好をしなければいいのに……」
「ふん、ちがうな。この怒りエネルギーこそ、わたしが好むモノ。ダラダラ長くではなく、短い間に燃え尽きるような、太く短い人生という感じがたまらないのだ」
ジョーカーがニッと笑い両手をグッと強くにぎると、赤いオーラが炎のように沸き立つ。そしてギョッとするような変化が発生。グワーッとエネルギーを高ぶりまくるジョーカーの顔が少しずつ、カン違いなどではなく確かに、少しずつ若返っていく。しかもどんどん若くなっていく。60代、50代、40代、まだまだ下がっていく。30代、ついには20代の中盤あたりまで若返った。顔がとってもうつくしいだではなく、豊満なふくらみ具合や谷間のふっくら感もすべてがピチピチで瑞々しい。それまさに芸術の領域。
「え……」
悠はあまりに豊かでうつくしい相手の胸に見取れつつ後ずさり。相手が若くビューティフルなだけならいいのだが、それに比例してつよさが増していると感じると緊張感が塗り替えられてしまう。
「ほんとうならもっと若返りたいモノだが、だいたいこのくらいが限度だ。好戦的なエネルギーに怒りなどのマイナス感情を注いで温度を上げ、自分の脳と細胞を活性化させると若返ることができる。だがいつまでもこれでいられるわけではない。脳と細胞の許容範囲を超えるまでの話。それまでに悠を殺さねばな」
にっこり微笑むジョーカーから流れ伝わってくる怖さはずいぶんひんやりして本気度が高い。そのジョーカーが一本の剣を持って、ダッシュでもしそうにかまえるからには、悠もまた一本の剣を持ち立てて身構える。
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