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101・いけない先生と悪夢13
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101・いけない先生と悪夢13
「誰だ……」
身固まりするヘビ男、おのれの後頭部をグリグリする者に問う。
「おれは家満登息吹、この展開だと正義の味方みたいなところだな」
なにが正義の味方だ! と叫び腕を振るヘビ男、すると息吹の体が宙を舞う。そうしてスタっと心憎いまでに華麗なる着地をする。
「い、息吹……」
力抜けまくりの閻美、体を起こしたいと思っているようだが出来ずじまい。したがって顔だけなんとか横に向けて息吹に目を向ける。その際の表情は疲れの中にうれしさが混ざり込んでいる。
「息吹とか言ったな、おまえ……いったいどうやって邪空間に入った!」
立ち上がり赤い目をギラギラ光らせるヘビ男、おまえは不愉快だと息吹を見つめる。
「息吹! って呼ばれたらその場へ行かずにはいられない。そうして行ってみたら、まぁふつうの人間には見えないとして灰色にゆがんだ時空感が見えた。そこに入ったらここに到着ってわけだ。しかしそんな事はどうでもいい。おれは初対面だというのに、おまえがクソに気に入らない。これは大いに問題だ」
息吹が背中より刀を取り出す。するとヘビ男、倒れて動けない閻美の傍に移動し、これはおまえの女か? と聞く。
「ま、まぁ……今はそういう事でいい」
「いい女だよなぁ閻美って。美人だ、すごい巨乳だ、これはもう絶対に食う。息吹を殺して奪い取るぞ。セックスだってパイズリだって、やりたい放題やってやるからな」
「そうか、だがおれはそう簡単にやられる趣味は持っていない」
言った息吹は抜刀の構えを取る。
「ったくよぉ、どいつもこいつも胸糞悪い。もう完全におれは悪者だ。息吹、おまえだっておれが何者か話を聞いてから戦うべきだろう。最初から悪者と決めつけられるとたまったものじゃない」
「ふつうはな、ふつうならそうする。だがおまえからはいい奴という感じが水一適分も感じられない。だったらまずはおまえを倒し、その倒れている女から話を聞けば無事に完了する……とおれは思う」
「チッ……このおれは教師なんだぞ?」
「教師? ほんとうかよ……」
息吹、ここですぐさまダッシュを開始。その速度は風のように流れ、あっという間に敵の懐へと入った。
「おぉぉぉ、一閃気斬!」
息吹の抜刀が光の輝きと共に放たれる。
「電撃の抜刀か、カモーン息吹!」
ニヤッと笑ったヘビ男だった。そして息吹の刀は確かに首を斬る! と思われた。だが次の瞬間に絵が変化した。男の胴体がニューっとまっすぐ伸びあがったではないか。だからして息吹の刀は胴体にガチっと音を立て衝突。
「んぅ!」
息吹は腕を止めた。ギリギリっと力入れながらも、押しきれない事実を見ながら唇を噛む。なんと刀に刃こぼれが生じているではないか。
「ハーハハハ、刀ごきでこの固い体を斬れるものか」
グワっと大きな口を開いたヘビの顔が振り下ろされたので、サッと後ろに引く息吹だった。そうして刃こぼれという事実をもう一度見たら、それをしまって今度は銃を手に持つ。
「ムダムダ、弾丸ごときで何をしようって言うんだ息吹!」
男は顔面がグニャーっと崩れ完全に大蛇と化した。
「何をしようって、撃つに決まっている」
ヘビの電光石火という飛びつき攻撃を空中へ逃げて回避した息吹、そのままグルっと体を回転させ銃をぶっ放す。
―ダン、ダン、ダンー
相当に重たい音がして数発の銃弾がヘビに向かって飛んでいく。しかしヘビは慌てて避けるという行動ではなく、堂々と胴体でがっちり弾丸を食らうって展開をしてみせた。
「なにぃ……」
おどろく息吹が目にしたのは、ヘビの体に入ったと思われた弾丸がヌルヌルっと押し出されたこと。それはつまり全弾貫通しなかったという事実である。
「マグナム弾が貫通しないってか……」
「マグナム弾? ハハハハ、そんな貧弱なモノでこのおれを倒せるものかよぉ。悪いマンガの読み過ぎだろう、息吹」
ヘビが笑う。勝ち誇るかのごとく大きな声で笑う。
「だがおれはそう簡単にはあきらめん」
息吹、新たな弾丸をセットしながらヘビを見る。
「ムダムダぁ、もうゆとり教育は終わったんだよぉ息吹。がんばれば一等賞とか、一生懸命なら夢は必ず叶うんだとか、もうそういうマヌケな時代じゃないんだよぉ。あそこにいるガキも、そのガキを助けようとした閻美も、そして息吹も、今もって努力は報われると信じている。笑っちゃうねぇ、これもう愉快痛快としか言いようがない」
ケケケケケと笑うヘビを見て、弾丸セットを完了させた息吹はつぶやく。教師というなら努力を肯定するべきじゃないのか? と。
「ふん、今どきのガキは純情めいて実は何もかわいくない。いや、今の世の中がそういうものだろう。教師だからよくわかる、肌で感じる、今どきのガキは誰もかわいくなく、そして今どきの世の中は頭の悪いやつであふれかえっている。だからおれみたいなピュアな教師が苦悩せねばならない。わかるか、息吹、この悲しい循環が」
「知るかよ、おれはただあきらめずに戦うだけだ」
「だったら死ねやボケが!」
怒ったヘビが大きく頭を縦に振った。すると口から猛烈な炎が極悪な火炎放射器のごとく吹き出す。
「チッ、化け物め」
息吹、銃ではなく刀を手に持ち身構えるとそれをグルグル高速回転させながら叫ぶ。
「大車輪!」
息吹の回す刀が向かってくる炎をガードする。いや、その炎を敵に向かって押し返した。
「あちちちちちちちちち」
自分の吐いた炎が戻ってきた結果、自分がそれを食らって慌てふためく大蛇がいた。それを見た息吹が言う。
「言ったろう、おれはあきらめないと」
「誰だ……」
身固まりするヘビ男、おのれの後頭部をグリグリする者に問う。
「おれは家満登息吹、この展開だと正義の味方みたいなところだな」
なにが正義の味方だ! と叫び腕を振るヘビ男、すると息吹の体が宙を舞う。そうしてスタっと心憎いまでに華麗なる着地をする。
「い、息吹……」
力抜けまくりの閻美、体を起こしたいと思っているようだが出来ずじまい。したがって顔だけなんとか横に向けて息吹に目を向ける。その際の表情は疲れの中にうれしさが混ざり込んでいる。
「息吹とか言ったな、おまえ……いったいどうやって邪空間に入った!」
立ち上がり赤い目をギラギラ光らせるヘビ男、おまえは不愉快だと息吹を見つめる。
「息吹! って呼ばれたらその場へ行かずにはいられない。そうして行ってみたら、まぁふつうの人間には見えないとして灰色にゆがんだ時空感が見えた。そこに入ったらここに到着ってわけだ。しかしそんな事はどうでもいい。おれは初対面だというのに、おまえがクソに気に入らない。これは大いに問題だ」
息吹が背中より刀を取り出す。するとヘビ男、倒れて動けない閻美の傍に移動し、これはおまえの女か? と聞く。
「ま、まぁ……今はそういう事でいい」
「いい女だよなぁ閻美って。美人だ、すごい巨乳だ、これはもう絶対に食う。息吹を殺して奪い取るぞ。セックスだってパイズリだって、やりたい放題やってやるからな」
「そうか、だがおれはそう簡単にやられる趣味は持っていない」
言った息吹は抜刀の構えを取る。
「ったくよぉ、どいつもこいつも胸糞悪い。もう完全におれは悪者だ。息吹、おまえだっておれが何者か話を聞いてから戦うべきだろう。最初から悪者と決めつけられるとたまったものじゃない」
「ふつうはな、ふつうならそうする。だがおまえからはいい奴という感じが水一適分も感じられない。だったらまずはおまえを倒し、その倒れている女から話を聞けば無事に完了する……とおれは思う」
「チッ……このおれは教師なんだぞ?」
「教師? ほんとうかよ……」
息吹、ここですぐさまダッシュを開始。その速度は風のように流れ、あっという間に敵の懐へと入った。
「おぉぉぉ、一閃気斬!」
息吹の抜刀が光の輝きと共に放たれる。
「電撃の抜刀か、カモーン息吹!」
ニヤッと笑ったヘビ男だった。そして息吹の刀は確かに首を斬る! と思われた。だが次の瞬間に絵が変化した。男の胴体がニューっとまっすぐ伸びあがったではないか。だからして息吹の刀は胴体にガチっと音を立て衝突。
「んぅ!」
息吹は腕を止めた。ギリギリっと力入れながらも、押しきれない事実を見ながら唇を噛む。なんと刀に刃こぼれが生じているではないか。
「ハーハハハ、刀ごきでこの固い体を斬れるものか」
グワっと大きな口を開いたヘビの顔が振り下ろされたので、サッと後ろに引く息吹だった。そうして刃こぼれという事実をもう一度見たら、それをしまって今度は銃を手に持つ。
「ムダムダ、弾丸ごときで何をしようって言うんだ息吹!」
男は顔面がグニャーっと崩れ完全に大蛇と化した。
「何をしようって、撃つに決まっている」
ヘビの電光石火という飛びつき攻撃を空中へ逃げて回避した息吹、そのままグルっと体を回転させ銃をぶっ放す。
―ダン、ダン、ダンー
相当に重たい音がして数発の銃弾がヘビに向かって飛んでいく。しかしヘビは慌てて避けるという行動ではなく、堂々と胴体でがっちり弾丸を食らうって展開をしてみせた。
「なにぃ……」
おどろく息吹が目にしたのは、ヘビの体に入ったと思われた弾丸がヌルヌルっと押し出されたこと。それはつまり全弾貫通しなかったという事実である。
「マグナム弾が貫通しないってか……」
「マグナム弾? ハハハハ、そんな貧弱なモノでこのおれを倒せるものかよぉ。悪いマンガの読み過ぎだろう、息吹」
ヘビが笑う。勝ち誇るかのごとく大きな声で笑う。
「だがおれはそう簡単にはあきらめん」
息吹、新たな弾丸をセットしながらヘビを見る。
「ムダムダぁ、もうゆとり教育は終わったんだよぉ息吹。がんばれば一等賞とか、一生懸命なら夢は必ず叶うんだとか、もうそういうマヌケな時代じゃないんだよぉ。あそこにいるガキも、そのガキを助けようとした閻美も、そして息吹も、今もって努力は報われると信じている。笑っちゃうねぇ、これもう愉快痛快としか言いようがない」
ケケケケケと笑うヘビを見て、弾丸セットを完了させた息吹はつぶやく。教師というなら努力を肯定するべきじゃないのか? と。
「ふん、今どきのガキは純情めいて実は何もかわいくない。いや、今の世の中がそういうものだろう。教師だからよくわかる、肌で感じる、今どきのガキは誰もかわいくなく、そして今どきの世の中は頭の悪いやつであふれかえっている。だからおれみたいなピュアな教師が苦悩せねばならない。わかるか、息吹、この悲しい循環が」
「知るかよ、おれはただあきらめずに戦うだけだ」
「だったら死ねやボケが!」
怒ったヘビが大きく頭を縦に振った。すると口から猛烈な炎が極悪な火炎放射器のごとく吹き出す。
「チッ、化け物め」
息吹、銃ではなく刀を手に持ち身構えるとそれをグルグル高速回転させながら叫ぶ。
「大車輪!」
息吹の回す刀が向かってくる炎をガードする。いや、その炎を敵に向かって押し返した。
「あちちちちちちちちち」
自分の吐いた炎が戻ってきた結果、自分がそれを食らって慌てふためく大蛇がいた。それを見た息吹が言う。
「言ったろう、おれはあきらめないと」
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