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71・閻美、色気リターンズ1
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71・閻美、色気リターンズ1
「伊吹」
突然に女の声がした。一時停止していた脳が反応して動くと、クゥーっといいニオイが自分の体内に流れ込んでくる。
「ん?」
ゆっくりと開く伊吹の両目、すると自分を見つめ下す女こと閻美の笑顔がある。もうちょい近づいたらキスの射程範囲という距離感が目覚めた伊吹に生々しさを与える。
「閻美かぁ……なんだよ」
「なんだよはないだろう伊吹、久しぶりに出てきた女にはやさしくするのが男というモノだろう?」
白い着物姿って閻美が曲げていた上半身を上げる、そうすれば伊吹はやれやれとか言って公園のベンチより起き上がる。
「朝から何の用だよ」
「朝とか言ってももう10時だぞ?」
「え、マジ? ちょっと寝入ったか。でもまぁ……死んだおれにとってみれば特に問題はないか。で、そっちはおれに何の用だ?」
「買い物に行くから付き合って欲しいんだ」
「買い物って?」
「ブラとかパンツって下着を買いに行く」
「なんでおれがそんな買い物に付き合わなきゃいけないんだよ」
「そりゃぁ……伊吹がわたしのパートナーになるべき存在だから」
「勝手に決めるな」
伊吹、付き合っていられないぜ! とばかり四次元から三次元に移行して歩き出す。すると着物姿の女がピタッと横に位置する。そのオーラは彼女とかいうのを通り越し女房みたいな感じですらある。
「なぁ伊吹……」
「なんだよ」
「わたしみたいな女ってダメか? つまりその、色白美人で美爆乳で1000万円スィーツみたいな女」
「自己礼賛の嵐……」
「いいじゃないか、こんな魅力的な女はめったにいない。そして伊吹はいい男、これはもう愛し合うしかないだろう」
閻美は伊吹の腕を白い着物の胸に抱き寄せる。そしてあの店に行こうとグイグイ引っ張る。その姿は新婚ホヤホヤの美人妻のよう。
「いや、なんでおれがこんな店に……」
伊吹はがっちり腕組みされ強引に引っ張られ致し方なく、ランジェリーショップ「豊満美麗」の中に入ってしまう。そして豊満サイズのフルカップブラの並びを前に立たされ、わたしにはどの色が似合うと思う? などと問われてしまう。
「いや……べつにどうでもいいんだけど」
「伊吹、女心に対して冷たすぎるだろう。少しは何か言うべき、それは男が女に対して払うべき最低限の礼儀だと思うぞ」
「じゃぁ白でいいよ、白」
「白、純情の白、つまり伊吹はわたしとの関係に純愛を求めるという事なのだな、そうかそうか」
「勝手に言ってろよ、もう……」
まったく女ってやつはと呆れる伊吹、買い物の付き合いが終わったらどこか放浪でもしようと思ったりする。しかし閻美はショッピングが終わったら伊吹とラブホテルに行きたいと言って離さない。
「伊吹、ラブホテルに行こうよぉ……」
ランジェリーショップから出た閻美はわがまま女子大生みたいな言動を取る。女ならどんなわがままも許されるというカン違いを常識に変換した振る舞いと言えるのかもしれない。
「ひとりで行けばいいだろう」
「バカ……ひとりでラブホに行って何がどうなるっていうのか」
「オナニーして昼寝すればいいじゃんか」
「伊吹……そんな殺風景なセリフを女に言うなんて……」
「うっせーよ、おれは一人物思いにふけってさまようから、閻美もひとりで楽しく過ごせ、じゃ!」
伊吹がさっさと立ち去ろうとすれば、その前に閻美が立ちはだかった。安定してにっこり顔であるが、決意を秘めたような感が目に浮かぶ。
「伊吹、どうあってもわたしを抱かないか?」
「そういう事はもうしないんだ」
「わたしがパートナーなら美爆乳のパイズリを伊吹が求める限り与えてやれるけどなぁ」
「いらねぇ」
「そうか、それならわたしは決めたぞ!」
「なんだ?」
「わたしは何がなんでも伊吹とセックスをする。言っておくが本気だからな、今回は逃がさないぞ」
フフフと笑う閻美、フルカップブラの入った袋を左手に持ち、自由な右手を握ると人差し指だけを立てる。するとどうだ、特に問題などなかったはずの空がちょっとばっかり曇り始めた。輝度が100から85くらいに落ちたという感じであり、平和の中にやや漂う不穏という感じが世界を覆う。
(なんだ、何をする気だ?)
伊吹が警戒しながら見ていると、閻美が笑いながら解説者のように語りだした。
「落雷のエネルギーというのはすごいんだぞ伊吹。それを活用すればステキな事だって起こせるわけだよ」
ゴロゴロと性格の悪い猫みたいに唸り始める空、そうしてひとつのぶっ太い稲妻、通称スーパー落雷がすぐ近くに落ちた。それは天から地上へぶち込まれた驚異の一撃であり、ほんの一瞬だがその場は天空の太陽を3つにしたほどの明るさに包まれる。そしてその中で閻美は叫んだのである。
「スワップアウト!」
伊吹、光の中で両目を閉じ身固まり。そして驚異的な明るさが収まったとき、何か妙な感じだと思う。心と体のつながりに得体の知れないエラーが生じているみたいだった。でもそれは気のせいなどではない。両目を開いて前を向いたとき、え!? っと驚く状態が生じていたのだから。
「伊吹」
突然に女の声がした。一時停止していた脳が反応して動くと、クゥーっといいニオイが自分の体内に流れ込んでくる。
「ん?」
ゆっくりと開く伊吹の両目、すると自分を見つめ下す女こと閻美の笑顔がある。もうちょい近づいたらキスの射程範囲という距離感が目覚めた伊吹に生々しさを与える。
「閻美かぁ……なんだよ」
「なんだよはないだろう伊吹、久しぶりに出てきた女にはやさしくするのが男というモノだろう?」
白い着物姿って閻美が曲げていた上半身を上げる、そうすれば伊吹はやれやれとか言って公園のベンチより起き上がる。
「朝から何の用だよ」
「朝とか言ってももう10時だぞ?」
「え、マジ? ちょっと寝入ったか。でもまぁ……死んだおれにとってみれば特に問題はないか。で、そっちはおれに何の用だ?」
「買い物に行くから付き合って欲しいんだ」
「買い物って?」
「ブラとかパンツって下着を買いに行く」
「なんでおれがそんな買い物に付き合わなきゃいけないんだよ」
「そりゃぁ……伊吹がわたしのパートナーになるべき存在だから」
「勝手に決めるな」
伊吹、付き合っていられないぜ! とばかり四次元から三次元に移行して歩き出す。すると着物姿の女がピタッと横に位置する。そのオーラは彼女とかいうのを通り越し女房みたいな感じですらある。
「なぁ伊吹……」
「なんだよ」
「わたしみたいな女ってダメか? つまりその、色白美人で美爆乳で1000万円スィーツみたいな女」
「自己礼賛の嵐……」
「いいじゃないか、こんな魅力的な女はめったにいない。そして伊吹はいい男、これはもう愛し合うしかないだろう」
閻美は伊吹の腕を白い着物の胸に抱き寄せる。そしてあの店に行こうとグイグイ引っ張る。その姿は新婚ホヤホヤの美人妻のよう。
「いや、なんでおれがこんな店に……」
伊吹はがっちり腕組みされ強引に引っ張られ致し方なく、ランジェリーショップ「豊満美麗」の中に入ってしまう。そして豊満サイズのフルカップブラの並びを前に立たされ、わたしにはどの色が似合うと思う? などと問われてしまう。
「いや……べつにどうでもいいんだけど」
「伊吹、女心に対して冷たすぎるだろう。少しは何か言うべき、それは男が女に対して払うべき最低限の礼儀だと思うぞ」
「じゃぁ白でいいよ、白」
「白、純情の白、つまり伊吹はわたしとの関係に純愛を求めるという事なのだな、そうかそうか」
「勝手に言ってろよ、もう……」
まったく女ってやつはと呆れる伊吹、買い物の付き合いが終わったらどこか放浪でもしようと思ったりする。しかし閻美はショッピングが終わったら伊吹とラブホテルに行きたいと言って離さない。
「伊吹、ラブホテルに行こうよぉ……」
ランジェリーショップから出た閻美はわがまま女子大生みたいな言動を取る。女ならどんなわがままも許されるというカン違いを常識に変換した振る舞いと言えるのかもしれない。
「ひとりで行けばいいだろう」
「バカ……ひとりでラブホに行って何がどうなるっていうのか」
「オナニーして昼寝すればいいじゃんか」
「伊吹……そんな殺風景なセリフを女に言うなんて……」
「うっせーよ、おれは一人物思いにふけってさまようから、閻美もひとりで楽しく過ごせ、じゃ!」
伊吹がさっさと立ち去ろうとすれば、その前に閻美が立ちはだかった。安定してにっこり顔であるが、決意を秘めたような感が目に浮かぶ。
「伊吹、どうあってもわたしを抱かないか?」
「そういう事はもうしないんだ」
「わたしがパートナーなら美爆乳のパイズリを伊吹が求める限り与えてやれるけどなぁ」
「いらねぇ」
「そうか、それならわたしは決めたぞ!」
「なんだ?」
「わたしは何がなんでも伊吹とセックスをする。言っておくが本気だからな、今回は逃がさないぞ」
フフフと笑う閻美、フルカップブラの入った袋を左手に持ち、自由な右手を握ると人差し指だけを立てる。するとどうだ、特に問題などなかったはずの空がちょっとばっかり曇り始めた。輝度が100から85くらいに落ちたという感じであり、平和の中にやや漂う不穏という感じが世界を覆う。
(なんだ、何をする気だ?)
伊吹が警戒しながら見ていると、閻美が笑いながら解説者のように語りだした。
「落雷のエネルギーというのはすごいんだぞ伊吹。それを活用すればステキな事だって起こせるわけだよ」
ゴロゴロと性格の悪い猫みたいに唸り始める空、そうしてひとつのぶっ太い稲妻、通称スーパー落雷がすぐ近くに落ちた。それは天から地上へぶち込まれた驚異の一撃であり、ほんの一瞬だがその場は天空の太陽を3つにしたほどの明るさに包まれる。そしてその中で閻美は叫んだのである。
「スワップアウト!」
伊吹、光の中で両目を閉じ身固まり。そして驚異的な明るさが収まったとき、何か妙な感じだと思う。心と体のつながりに得体の知れないエラーが生じているみたいだった。でもそれは気のせいなどではない。両目を開いて前を向いたとき、え!? っと驚く状態が生じていたのだから。
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