67 / 223
67・友情を壊した女が憎い3
しおりを挟む
67・友情を壊した女が憎い3
太一は考えた。よからぬ事だが一生懸命に考え抜いた。そしてたどり着いたのは、バッテリーの希釈液を戸泉華夜の顔面にぶっかけてやろうという事だった。男の友情を壊した巨乳女が憎い! とメラメラ燃え、さっそく売っている店をネットで調べた。
「よし……これで復讐してやる。戸泉の顔面をボロボロにしてやれば、波多野も気づくだろう、自分がどれだけ愚かだったって事を」
かくしてネットで調べた翌日こと本日、学校が終わると一度帰宅し友人と遊ぶなどと偽って出かけ電車に乗った。繁華街のとある店に行けば買えると調べはついている。
がったんごっとんと電車が揺れる。その中にいる誰も太一を気にしたりしない。危険な物語を描いているなど誰も知らない。まるっきり平和で隙だらけみたいに見えると思う太一だった。
(よし……買ったぞ、買ったぞ!)
電車から降りてお目当ての店に直行、そうしてすぐ目的達成となるまで時間はかからなかった。後はすぐさま家に帰って部屋に隠しておき、翌日はこれを学校に持っていき友人の彼女にぶっかけてやるだけ。
(自業自得だ……戸泉のクソ女……おまえさえいなければ……おまえさえいなければ誰も不幸にならなかったんだ)
帰りの電車にて座席に座りながら性質の悪いドキドキを味わう。ちょっと足を気にするようにしてうつむいたのは、クククってゲスな笑いを浮かべてしまう自分を他人に見られたくなかったから。
しかし顔を上げた瞬間、突然の変化に面食らった。けっこう人がいたはずなのに、いなくなっている。いや、向かいの席に自分より年上の若い男がひとり座っているが、そんなやついたっけ? と思う。そしてそいつ以外には誰もいないとなれば、変な不安で呼吸が狭まってしまう。
「なぁ」
突然に向かいの男が声を出す。2人しかいないので太一に声をかけたのは明らかだ。
「な……なに?」
なんだこいつ……と思いながらも、一応は冷静な素振りで答える太一。すると男はぶっそうなモノを持っているよなぁとつぶやく。感心と呆れが半々って感じの表情を太一に向ける。
「そんなもん人にぶっかけるというのは遊びでは済まされないぜ?」
「な、なんだ……おれが何を持っているというんだよ」
「バッテリーの希釈液だろう?」
「え……」
「聞こえちゃうんだよなぁ、心の声っていうのが。戸泉華夜っていうのは、名前からすれば女子だろう? それの顔面にそんなモノをぶっかけるなんて、ずいぶん外道じゃんかよ。悪いことは言わねぇ、止めとけ。おれに渡せば処分してやるからさ」
「あんた……誰?」
「おれは家満登息吹っていう。まぁ、色々あって一回死んでよみがえったとかいう物語を過ごしている」
「余計なお世話だ、見知らぬ他人に言われる筋合いじゃない」
太一、商品の入ったビニール袋を持って立ち上がろうとした。するとどうだろう、ビリビリっとシビれるのに体が思うように動かせない。
「な……なんだこれ……」
立ち上がりたいのに立ち上がれない太一、ハッと顔を前に向けるといつしか正面に立っている息吹に見下ろされていると気づく。
「家満登息吹……いったい何者……」
「おれの事はどうでもいいんだよ。問題はおまえだ。こういうモノを買って冗談では済まない行動に出ようとか、青春エネルギーの無駄遣いだ」
身動きできない太一よりブツを取り上げる息吹、やれやれと言いながら首を振る。
「人のモノを勝手に取るな! そ、それは……復讐のために使うんだ」
「復讐? 戸泉華夜にフラれたとかか?」
「ち、ちがう……そうじゃなくて……こ、戸泉はおれと友だちの間に割り込んだ。そして男の友情をつぶした。だから許せないと思う」
「男の友情?」
「そうだ、戸泉が登場するまで波多野とおれは長いこと親しい友人だった。お互いにおまえさえいれば新しい友人は必要ないってくらい、それくらいの大親友だったんだ。なのに……戸泉が登場したら、波多野は女の事しか考えない。おれとの友情をどうでもいい事みたいにして、女と過ごす事ばかり、それしか頭にないのは誰の目にも明らかで」
「なんだそんな程度の話か」
「そ、そんな程度?」
「あぁ、そうだ。そんなもんで悲劇ぶるな。むしろ友人にエールでも送ればいいんだ、幸せになれよって」
「え、えぇ……」
「おまえ……同性愛か?」
「ち、ちがう……」
「だったらおまえも彼女を見つければいいんだよ。だいたい、女ができたばっかりの男が、女より男の友情を優先するっていうのはありえねぇぞ。そっちの方が何かおかしいって話だ」
「そ、そんな……」
「女はかわいい。女はいいニオイ。女はキモチいい。それと比べたら同じ男なんてゴミみたいなもんだ」
「ご、ゴミって……だったら息吹は女ができたら友だちなんかどうでもいいって言えるのかよ」
「当たり前だ、女と過ごす時間が忙しいゆえ、おれにかまうな、電話するな、男の友情なんぞうざいと言う、実際そうしてきた。おかげでハッピーだったなぁ、女と過ごす時間に集中できてさ」
「なんだよ……それって人間のクズだろう」
「その通り。成長するってことはクズになるってことだ。だからおまえも、自分好みの彼女でもつくって楽しく過ごせよ。そういうクズになればわかる、女の存在は男の友情に勝ると」
「く、くそ……どいつもこいつも、結局は安っぽいって事じゃないか。友達がどう、親友がどうとか言っても、結局のところは崇高な意識なんか持っていないって事じゃないか」
「バッテリーの希釈液を女にぶっかけようって思うおまえに崇高な意識なんかあるのか?」
「く……」
「おまえの友だちとかいうのは、おまえにひどい事をしたのか? ちがうだろう、多分……友情を気にしつつ、彼女の方に専念したいって悩んだはず。そういうキモチを汲み取ってやれよ」
「ちくしょう!」
息吹に説教され席から立ち上がれない太一、アタマを抱えてうつむいてしまう。ミジメだと思った、しかし……心の奥底では太一の言う通りだと理解もしていた。だから穴があったら入りたいなんて言葉が浮かび上がりそうにもなる。
「せっかくだ、おまえ……バッテリーの希釈液を顔面にぶっかけたらどうなるか、自分で試してみたらどうだ?」
「は、はぁ?」
おどろいた太一が顔を上げたときだった、息吹に液体をかけられた。それはとても量が多く、かけられてすぐさま残酷な緊張感に包まれる。
「う、うあぁぁぁっぁあ」
両手で顔面を抑えたとき体が動いた。2人しかいない車両の床に転がりまわり、顔面の激痛と同時に、ひどい事をされたというショックで我を忘れて転がり回る。
「い、息吹……」
「なんだ?」
息吹、顔面を見られたくないと両手で抑えながらうずくまる太一の背中を踏む。そして言ってやった。
「痛いとか傷ついたとか、それを人にやろうとしていたわけだよ。おまえ、わが身を持って経験してもなお、戸泉華夜に同じ事をするか?」
「ぅ……」
「おれと男の約束をしろ。バッテリー希釈液をおわれに渡し、そして戸泉華夜に手を出さないと約束すれば無事に戻れる。だがもし約束を破ったりすると、顔面が今と同じ状態になるかもしれないな」
「や、約束する……約束するよぉ」
「そうか。じゃぁ、おれはこれで」
息吹が足を上げると太一の顔面に響いていた激痛が止まった。地獄みたいな痛みがウソのように消えた。
「は……」
突然我に戻る太一、気がつくと席に座っていて、車内は見知らぬ他人がほどほどに存在している。あぁ、さっきと同じだ……だったら息吹とかいうのは忌々しい夢だったのか? と思ったが、購入したモノだけが消えていた。
(チッ……)
立ち上がった太一、ドアのすぐ近くに立つと、車内の他人に背を向ける。そしてドアに右腕を当て何か考え事をしているような姿勢を見せる。でも実際には他人の見えないところでボロボロ涙を流し始めていた。その涙はお目当ての駅に到着するまで止まる事はなかった。
太一は考えた。よからぬ事だが一生懸命に考え抜いた。そしてたどり着いたのは、バッテリーの希釈液を戸泉華夜の顔面にぶっかけてやろうという事だった。男の友情を壊した巨乳女が憎い! とメラメラ燃え、さっそく売っている店をネットで調べた。
「よし……これで復讐してやる。戸泉の顔面をボロボロにしてやれば、波多野も気づくだろう、自分がどれだけ愚かだったって事を」
かくしてネットで調べた翌日こと本日、学校が終わると一度帰宅し友人と遊ぶなどと偽って出かけ電車に乗った。繁華街のとある店に行けば買えると調べはついている。
がったんごっとんと電車が揺れる。その中にいる誰も太一を気にしたりしない。危険な物語を描いているなど誰も知らない。まるっきり平和で隙だらけみたいに見えると思う太一だった。
(よし……買ったぞ、買ったぞ!)
電車から降りてお目当ての店に直行、そうしてすぐ目的達成となるまで時間はかからなかった。後はすぐさま家に帰って部屋に隠しておき、翌日はこれを学校に持っていき友人の彼女にぶっかけてやるだけ。
(自業自得だ……戸泉のクソ女……おまえさえいなければ……おまえさえいなければ誰も不幸にならなかったんだ)
帰りの電車にて座席に座りながら性質の悪いドキドキを味わう。ちょっと足を気にするようにしてうつむいたのは、クククってゲスな笑いを浮かべてしまう自分を他人に見られたくなかったから。
しかし顔を上げた瞬間、突然の変化に面食らった。けっこう人がいたはずなのに、いなくなっている。いや、向かいの席に自分より年上の若い男がひとり座っているが、そんなやついたっけ? と思う。そしてそいつ以外には誰もいないとなれば、変な不安で呼吸が狭まってしまう。
「なぁ」
突然に向かいの男が声を出す。2人しかいないので太一に声をかけたのは明らかだ。
「な……なに?」
なんだこいつ……と思いながらも、一応は冷静な素振りで答える太一。すると男はぶっそうなモノを持っているよなぁとつぶやく。感心と呆れが半々って感じの表情を太一に向ける。
「そんなもん人にぶっかけるというのは遊びでは済まされないぜ?」
「な、なんだ……おれが何を持っているというんだよ」
「バッテリーの希釈液だろう?」
「え……」
「聞こえちゃうんだよなぁ、心の声っていうのが。戸泉華夜っていうのは、名前からすれば女子だろう? それの顔面にそんなモノをぶっかけるなんて、ずいぶん外道じゃんかよ。悪いことは言わねぇ、止めとけ。おれに渡せば処分してやるからさ」
「あんた……誰?」
「おれは家満登息吹っていう。まぁ、色々あって一回死んでよみがえったとかいう物語を過ごしている」
「余計なお世話だ、見知らぬ他人に言われる筋合いじゃない」
太一、商品の入ったビニール袋を持って立ち上がろうとした。するとどうだろう、ビリビリっとシビれるのに体が思うように動かせない。
「な……なんだこれ……」
立ち上がりたいのに立ち上がれない太一、ハッと顔を前に向けるといつしか正面に立っている息吹に見下ろされていると気づく。
「家満登息吹……いったい何者……」
「おれの事はどうでもいいんだよ。問題はおまえだ。こういうモノを買って冗談では済まない行動に出ようとか、青春エネルギーの無駄遣いだ」
身動きできない太一よりブツを取り上げる息吹、やれやれと言いながら首を振る。
「人のモノを勝手に取るな! そ、それは……復讐のために使うんだ」
「復讐? 戸泉華夜にフラれたとかか?」
「ち、ちがう……そうじゃなくて……こ、戸泉はおれと友だちの間に割り込んだ。そして男の友情をつぶした。だから許せないと思う」
「男の友情?」
「そうだ、戸泉が登場するまで波多野とおれは長いこと親しい友人だった。お互いにおまえさえいれば新しい友人は必要ないってくらい、それくらいの大親友だったんだ。なのに……戸泉が登場したら、波多野は女の事しか考えない。おれとの友情をどうでもいい事みたいにして、女と過ごす事ばかり、それしか頭にないのは誰の目にも明らかで」
「なんだそんな程度の話か」
「そ、そんな程度?」
「あぁ、そうだ。そんなもんで悲劇ぶるな。むしろ友人にエールでも送ればいいんだ、幸せになれよって」
「え、えぇ……」
「おまえ……同性愛か?」
「ち、ちがう……」
「だったらおまえも彼女を見つければいいんだよ。だいたい、女ができたばっかりの男が、女より男の友情を優先するっていうのはありえねぇぞ。そっちの方が何かおかしいって話だ」
「そ、そんな……」
「女はかわいい。女はいいニオイ。女はキモチいい。それと比べたら同じ男なんてゴミみたいなもんだ」
「ご、ゴミって……だったら息吹は女ができたら友だちなんかどうでもいいって言えるのかよ」
「当たり前だ、女と過ごす時間が忙しいゆえ、おれにかまうな、電話するな、男の友情なんぞうざいと言う、実際そうしてきた。おかげでハッピーだったなぁ、女と過ごす時間に集中できてさ」
「なんだよ……それって人間のクズだろう」
「その通り。成長するってことはクズになるってことだ。だからおまえも、自分好みの彼女でもつくって楽しく過ごせよ。そういうクズになればわかる、女の存在は男の友情に勝ると」
「く、くそ……どいつもこいつも、結局は安っぽいって事じゃないか。友達がどう、親友がどうとか言っても、結局のところは崇高な意識なんか持っていないって事じゃないか」
「バッテリーの希釈液を女にぶっかけようって思うおまえに崇高な意識なんかあるのか?」
「く……」
「おまえの友だちとかいうのは、おまえにひどい事をしたのか? ちがうだろう、多分……友情を気にしつつ、彼女の方に専念したいって悩んだはず。そういうキモチを汲み取ってやれよ」
「ちくしょう!」
息吹に説教され席から立ち上がれない太一、アタマを抱えてうつむいてしまう。ミジメだと思った、しかし……心の奥底では太一の言う通りだと理解もしていた。だから穴があったら入りたいなんて言葉が浮かび上がりそうにもなる。
「せっかくだ、おまえ……バッテリーの希釈液を顔面にぶっかけたらどうなるか、自分で試してみたらどうだ?」
「は、はぁ?」
おどろいた太一が顔を上げたときだった、息吹に液体をかけられた。それはとても量が多く、かけられてすぐさま残酷な緊張感に包まれる。
「う、うあぁぁぁっぁあ」
両手で顔面を抑えたとき体が動いた。2人しかいない車両の床に転がりまわり、顔面の激痛と同時に、ひどい事をされたというショックで我を忘れて転がり回る。
「い、息吹……」
「なんだ?」
息吹、顔面を見られたくないと両手で抑えながらうずくまる太一の背中を踏む。そして言ってやった。
「痛いとか傷ついたとか、それを人にやろうとしていたわけだよ。おまえ、わが身を持って経験してもなお、戸泉華夜に同じ事をするか?」
「ぅ……」
「おれと男の約束をしろ。バッテリー希釈液をおわれに渡し、そして戸泉華夜に手を出さないと約束すれば無事に戻れる。だがもし約束を破ったりすると、顔面が今と同じ状態になるかもしれないな」
「や、約束する……約束するよぉ」
「そうか。じゃぁ、おれはこれで」
息吹が足を上げると太一の顔面に響いていた激痛が止まった。地獄みたいな痛みがウソのように消えた。
「は……」
突然我に戻る太一、気がつくと席に座っていて、車内は見知らぬ他人がほどほどに存在している。あぁ、さっきと同じだ……だったら息吹とかいうのは忌々しい夢だったのか? と思ったが、購入したモノだけが消えていた。
(チッ……)
立ち上がった太一、ドアのすぐ近くに立つと、車内の他人に背を向ける。そしてドアに右腕を当て何か考え事をしているような姿勢を見せる。でも実際には他人の見えないところでボロボロ涙を流し始めていた。その涙はお目当ての駅に到着するまで止まる事はなかった。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
女神の代わりに異世界漫遊 ~ほのぼの・まったり。時々、ざまぁ?~
大福にゃここ
ファンタジー
目の前に、女神を名乗る女性が立っていた。
麗しい彼女の願いは「自分の代わりに世界を見て欲しい」それだけ。
使命も何もなく、ただ、その世界で楽しく生きていくだけでいいらしい。
厳しい異世界で生き抜く為のスキルも色々と貰い、食いしん坊だけど優しくて可愛い従魔も一緒!
忙しくて自由のない女神の代わりに、異世界を楽しんでこよう♪
13話目くらいから話が動きますので、気長にお付き合いください!
最初はとっつきにくいかもしれませんが、どうか続きを読んでみてくださいね^^
※お気に入り登録や感想がとても励みになっています。 ありがとうございます!
(なかなかお返事書けなくてごめんなさい)
※小説家になろう様にも投稿しています
【ショートショート】おやすみ
樹(いつき)@作品使用時は作者名明記必須
恋愛
◆こちらは声劇用台本になりますが普通に読んで頂いても癒される作品になっています。
声劇用だと1分半ほど、黙読だと1分ほどで読みきれる作品です。
⚠動画・音声投稿サイトにご使用になる場合⚠
・使用許可は不要ですが、自作発言や転載はもちろん禁止です。著作権は放棄しておりません。必ず作者名の樹(いつき)を記載して下さい。(何度注意しても作者名の記載が無い場合には台本使用を禁止します)
・語尾変更や方言などの多少のアレンジはokですが、大幅なアレンジや台本の世界観をぶち壊すようなアレンジやエフェクトなどはご遠慮願います。
その他の詳細は【作品を使用する際の注意点】をご覧下さい。
アレンジ可シチュボ等のフリー台本集77選
上津英
大衆娯楽
シチュエーションボイス等のフリー台本集です。女性向けで書いていますが、男性向けでの使用も可です。
一人用の短い恋愛系中心。
【利用規約】
・一人称・語尾・方言・男女逆転などのアレンジはご自由に。
・シチュボ以外にもASMR・ボイスドラマ・朗読・配信・声劇にどうぞお使いください。
・個人の使用報告は不要ですが、クレジットの表記はお願い致します。
婚約者に嫌われているようなので離れてみたら、なぜか抗議されました
花々
恋愛
メリアム侯爵家の令嬢クラリッサは、婚約者である公爵家のライアンから蔑まれている。
クラリッサは「お前の目は醜い」というライアンの言葉を鵜呑みにし、いつも前髪で顔を隠しながら過ごしていた。
そんなある日、クラリッサは王家主催のパーティーに参加する。
いつも通りクラリッサをほったらかしてほかの参加者と談笑しているライアンから離れて廊下に出たところ、見知らぬ青年がうずくまっているのを見つける。クラリッサが心配して介抱すると、青年からいたく感謝される。
数日後、クラリッサの元になぜか王家からの使者がやってきて……。
✴︎感想誠にありがとうございます❗️
✴︎ネタバレ見たくない人もいるかなと思いつつタグ追加してみました。後でタグ消すかもしれません❗️
【完結】限界離婚
仲 奈華 (nakanaka)
大衆娯楽
もう限界だ。
「離婚してください」
丸田広一は妻にそう告げた。妻は激怒し、言い争いになる。広一は頭に鈍器で殴られたような衝撃を受け床に倒れ伏せた。振り返るとそこには妻がいた。広一はそのまま意識を失った。
丸田広一の息子の嫁、鈴奈はもう耐える事ができなかった。体調を崩し病院へ行く。医師に告げられた言葉にショックを受け、夫に連絡しようとするが、SNSが既読にならず、電話も繋がらない。もう諦め離婚届だけを置いて実家に帰った。
丸田広一の妻、京香は手足の違和感を感じていた。自分が家族から嫌われている事は知っている。高齢な姑、離婚を仄めかす夫、可愛くない嫁、誰かが私を害そうとしている気がする。渡されていた離婚届に署名をして役所に提出した。もう私は自由の身だ。あの人の所へ向かった。
広一の母、文は途方にくれた。大事な物が無くなっていく。今日は通帳が無くなった。いくら探しても見つからない。まさかとは思うが最近様子が可笑しいあの女が盗んだのかもしれない。衰えた体を動かして、家の中を探し回った。
出張からかえってきた広一の息子、良は家につき愕然とした。信じていた安心できる場所がガラガラと崩れ落ちる。後始末に追われ、いなくなった妻の元へ向かう。妻に頭を下げて別れたくないと懇願した。
平和だった丸田家に襲い掛かる不幸。どんどん倒れる家族。
信じていた家族の形が崩れていく。
倒されたのは誰のせい?
倒れた達磨は再び起き上がる。
丸田家の危機と、それを克服するまでの物語。
丸田 広一…65歳。定年退職したばかり。
丸田 京香…66歳。半年前に退職した。
丸田 良…38歳。営業職。出張が多い。
丸田 鈴奈…33歳。
丸田 勇太…3歳。
丸田 文…82歳。専業主婦。
麗奈…広一が定期的に会っている女。
※7月13日初回完結
※7月14日深夜 忘れたはずの思い~エピローグまでを加筆修正して投稿しました。話数も増やしています。
※7月15日【裏】登場人物紹介追記しました。
※7月22日第2章完結。
※カクヨムにも投稿しています。
泣き虫な君を、主人公に任命します!
成木沢ヨウ
児童書・童話
『演技でピンチを乗り越えろ!!』
小学六年生の川井仁太は、声優になるという夢がある。しかし父からは、父のような優秀な医者になれと言われていて、夢を打ち明けられないでいた。
そんな中いじめっ子の野田が、隣のクラスの須藤をいじめているところを見てしまう。すると謎の男女二人組が現れて、須藤を助けた。その二人組は学内小劇団ボルドの『宮風ソウヤ』『星みこと』と名乗り、同じ学校の同級生だった。
ひょんなことからボルドに誘われる仁太。最初は断った仁太だが、学芸会で声優を目指す役を演じれば、役を通じて父に宣言することができると言われ、夢を宣言する勇気をつけるためにも、ボルドに参加する決意をする。
演技を駆使して、さまざまな困難を乗り越える仁太たち。
葛藤しながらも、懸命に夢を追う少年たちの物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる