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優子が異世界に飛ばされた!(こんな巨乳女子と結婚がしたい)10
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優子が異世界に飛ばされた!(こんな巨乳女子と結婚がしたい)10
「シンジ、今日はちょっと優子と2人で話をする時間をちょうだい」
本日の朝、シンジは母からそんなことを言われた。一応は2人で話? という返しをしたが、優子がどういう女子か知りたいなどと言われたら拒めるモノではなくなる。
「では、おれは午前10時から昼過ぎくらいまで狩りに出かけます」
そういう流れを得て、現在のシンジは山をうろついていた。獲物を探すというよりは部下を引き連れての散歩にしか見えないが、実際その通りだったのである。
(優子……)
最近はとにかく少しでも多く優子と会話をしたいと、そればかりが頭と心にこびりつく。冷静に考えればそれはすごい事だったのである。優子は今もって自分は異世界から来たとか言うし、その異世界の話を聞いても何の事かさっぱりわからない。しかしウソを吐いているとは思えず、自分好みな女子である優子への想いはどんどん募り上がっていくばかり。
「優子といっしょに会話してたのしいと思う時間に比べたら……狩りなんてくそったれな時間つぶしとしか思えないなぁ。早く帰りたい……早く帰って優子とたのしく過ごしたい」
シンジの心もはや優子にカンペキ盗まれた。恋は男を男らしくする一方で、男をクラゲのように骨抜きの腑抜けともさせてしまう。
「シンジ様!」
突然に大きな声がしたのでハッと我に返る。それはお供ではなく城から馬に乗って駆け付けてきた者の声だ。
「なんだ、どうした?」
「城が……城が襲撃を受けました!」
「襲撃?」
「突然にドラゴンと親衛隊の面々が殴り込みをかけてきて……」
「ドラゴン? 親衛隊? で、どうなった?」
「死傷者や城の受けた被害は微々たるモノなのですが……」
「なんだ、早く言え!」
「優子殿がさらわれました」
「なにぃ!!!!!!!!!」
シンジの顔面がサーっと青ざめる。これはまったく考えもしない事だった。愛しいと思う優子をさらわれてしまうなど想定外もいいところ。
「これより城に戻る!」
シンジ、白馬の背中にさっそうと乗っかると部下を引き連れ猛ダッシュで走り出す。
(優子、優子、優子)
生まれて初めて気が気ではないって表現のスペシャル版を味わうシンジがここにいた。
「む!」
シンジが目にしたのはほんの少し煙の上がっている城と、数人の家来が死んだという事実であった。
「母上は? 母上は無事か?」
シンジは急いで確認し無事だと聞かされてまずはひとつホッとする。それから急いで母のいる応接間、別名「星雲のささやき」に行った。
「母上」
勢いよくドアを開けると母が不安でたまらなかったという顔を見せる。が、しかしそれは演技だったりする。
「シンジ、突然にドラゴンと親衛隊がやってきて……」
「優子がさらわれたと聞いたのですが」
「えぇ……あれよあれよという間に……」
母は優子が気の毒とか心配とかいう顔をしているが、実はそれ真っ赤なウソだった。なぜならシンジが城からいないときを狙って襲撃し、優子という巨乳女子をもらっていってくれ! という手紙を渡したのだから。
「なんでドラゴンが優子を……」
シンジが予想通りのつぶやきを吐くと、これまた用意していたテンプレアンサーを心込めた演技で母は言うのだった。
「シンジ、あなた知らないの?」
「何をですか?」
「王子たるあなたがお見合いを蹴った、しかも優子という年下の巨乳女子に心を奪われてという情報はもう国中に流れているのです。そうしたらあれですよ、優子という巨乳女子と愛し合う事をたのしんで、しかも骨抜きで弱体化したシンジなど恐れるに足らずと再び城に襲撃し、今度はわたしたちを皆殺しにして王家を乗っ取ると、そういう流れなのだとわたしは予想しています」
「おのれドラゴンめ……怪物の分際で優子と愛し合うなどと」
「あきらめなさいシンジ、いくらあなたが剣の腕に自信があろうとも、ドラゴンみたいな怪物と親衛隊とかいう連中を相手に戦って勝てるわけがありません」
「優子を見殺しにしろというのですか?」
「別の言い方、自分の命を粗末にするなという事です」
母はドラゴンがいかに恐ろしいかと何度も何度もしつこいほど繰り返した。そしてドラゴンと戦ってバーベキューにされた人間が多いとかいう作り話を、ちょっと大げさな小説を気取るみたいに語って聞かせた。
「あきらめなさい。あなたが優子のためにドラゴンと戦って死んでしまったら、襲撃されたときに死んでいった者たちに顔向けができないではありませんか。城を守ろうとして死んでいった者にどう言い訳するのです」
母はドラゴンが城を襲撃する際には、殺す家来の数は最低限度にしておいてくれとか頼んでいた。それは大事のために必要な最低限の犠牲。
「ドラゴンは言ってはいました」
「なんと?」
「優子を奪い返したいのであればすぐにドラドン谷に来いと。でも来たらその時は問答無用に殺すと。だから行ってはいけません、そのくらい……もうわかるでしょう? シンジ」
母はこれで決まったと思った。ドラゴンに殺されるとか思えば、いくら向こう見ずな若者もビビッて臆するだろうと。たとえ優子が魅力的な巨乳女子でも、自分の大事な命には代えられるわけがないと思った。
「母上……」
「なんです?」
「おれは……行きます!」
「はぁ? シンジ、あなた今まで何を聞いていたのですか」
「優子を見殺しにするなどできるはずがありません」
「行ったら殺されると言っているのよ? あなた自分の命をなんだと思っているのですか!」
「母上……今のおれはこう考えます。男の命というのは、それは……惚れた女のために使うモノだと、そのために男の命は命はあるのだと」
「な……」
「それに、この状況で優子を見捨てるのは男とか女とかいうより、人としてあり得ない愚行だと思わずにもいられません」
まったくなんという事か、母の思惑に反してシンジが持つ男というまっすぐな心に火がついてしまった。こうなると母が息子を止められるはずなどなくなる。
「どうしても行くというのですか?」
「行きます、そして必ず優子を助け出します」
「ん……く……」
母は息子の真剣さに満ち溢れた目を見て止められないのだと悟る。そこで、行くのであればちょっと来なさいと言って歩き出す。
なんだ? いったいどこに連れていかれるのだ? とか思っていたら、シンジは武器庫倉にたどり着く。そしていつもはロックされていて中を開けたことのない金庫の前で母と同時に足を止める。
「ドラゴンと戦うなら、どうしても行くというなら仕方がありません」
言いながらは母が金庫のロックを外したではないか。え? とかおどろくシンジだったが、そこで紅いペンダントを渡された。
「ペンダント?」
「これはナカノ家に代々伝わるアイテム、ハイパーナカノです。どうしようもない危険などに立ち向かうときに使うことを許されているモノ。これを身に着けていれば、あなたはどのような事も可能とするハイパーな超人になれるし好きな武器を好きなように出現もさせられます。これは言うなれば魔法の石みたいなモノ。これを着けていけばいいでしょう」
なんじゃそれ、そんなの初めて聞いたとか思ったが、母がこういう冗談を言うわけがないとして素直にかける。
「ただし、シンジ……」
「なにか?」
「ハイパーナカノは何事も可能とする強大なエネルギーを持っているとはいえ無限ではありません。優子のためにハイパーナカノのエネルギーを全部使い切るのは非常に勿体ないとも言えますね。少しくらいは残しておいて、後の人生で使うことを頭に入れておいた方がいいであろうって事くらいは言わせてもらいます」
シンジは妙な話がもたらすフィーリングと母が味方してくれているという事実へのカンゲキを同時に味わった。そしてそれを胸にしっかり入れ込んで優子の救出へと向かう決意を固めた。
「シンジ、今日はちょっと優子と2人で話をする時間をちょうだい」
本日の朝、シンジは母からそんなことを言われた。一応は2人で話? という返しをしたが、優子がどういう女子か知りたいなどと言われたら拒めるモノではなくなる。
「では、おれは午前10時から昼過ぎくらいまで狩りに出かけます」
そういう流れを得て、現在のシンジは山をうろついていた。獲物を探すというよりは部下を引き連れての散歩にしか見えないが、実際その通りだったのである。
(優子……)
最近はとにかく少しでも多く優子と会話をしたいと、そればかりが頭と心にこびりつく。冷静に考えればそれはすごい事だったのである。優子は今もって自分は異世界から来たとか言うし、その異世界の話を聞いても何の事かさっぱりわからない。しかしウソを吐いているとは思えず、自分好みな女子である優子への想いはどんどん募り上がっていくばかり。
「優子といっしょに会話してたのしいと思う時間に比べたら……狩りなんてくそったれな時間つぶしとしか思えないなぁ。早く帰りたい……早く帰って優子とたのしく過ごしたい」
シンジの心もはや優子にカンペキ盗まれた。恋は男を男らしくする一方で、男をクラゲのように骨抜きの腑抜けともさせてしまう。
「シンジ様!」
突然に大きな声がしたのでハッと我に返る。それはお供ではなく城から馬に乗って駆け付けてきた者の声だ。
「なんだ、どうした?」
「城が……城が襲撃を受けました!」
「襲撃?」
「突然にドラゴンと親衛隊の面々が殴り込みをかけてきて……」
「ドラゴン? 親衛隊? で、どうなった?」
「死傷者や城の受けた被害は微々たるモノなのですが……」
「なんだ、早く言え!」
「優子殿がさらわれました」
「なにぃ!!!!!!!!!」
シンジの顔面がサーっと青ざめる。これはまったく考えもしない事だった。愛しいと思う優子をさらわれてしまうなど想定外もいいところ。
「これより城に戻る!」
シンジ、白馬の背中にさっそうと乗っかると部下を引き連れ猛ダッシュで走り出す。
(優子、優子、優子)
生まれて初めて気が気ではないって表現のスペシャル版を味わうシンジがここにいた。
「む!」
シンジが目にしたのはほんの少し煙の上がっている城と、数人の家来が死んだという事実であった。
「母上は? 母上は無事か?」
シンジは急いで確認し無事だと聞かされてまずはひとつホッとする。それから急いで母のいる応接間、別名「星雲のささやき」に行った。
「母上」
勢いよくドアを開けると母が不安でたまらなかったという顔を見せる。が、しかしそれは演技だったりする。
「シンジ、突然にドラゴンと親衛隊がやってきて……」
「優子がさらわれたと聞いたのですが」
「えぇ……あれよあれよという間に……」
母は優子が気の毒とか心配とかいう顔をしているが、実はそれ真っ赤なウソだった。なぜならシンジが城からいないときを狙って襲撃し、優子という巨乳女子をもらっていってくれ! という手紙を渡したのだから。
「なんでドラゴンが優子を……」
シンジが予想通りのつぶやきを吐くと、これまた用意していたテンプレアンサーを心込めた演技で母は言うのだった。
「シンジ、あなた知らないの?」
「何をですか?」
「王子たるあなたがお見合いを蹴った、しかも優子という年下の巨乳女子に心を奪われてという情報はもう国中に流れているのです。そうしたらあれですよ、優子という巨乳女子と愛し合う事をたのしんで、しかも骨抜きで弱体化したシンジなど恐れるに足らずと再び城に襲撃し、今度はわたしたちを皆殺しにして王家を乗っ取ると、そういう流れなのだとわたしは予想しています」
「おのれドラゴンめ……怪物の分際で優子と愛し合うなどと」
「あきらめなさいシンジ、いくらあなたが剣の腕に自信があろうとも、ドラゴンみたいな怪物と親衛隊とかいう連中を相手に戦って勝てるわけがありません」
「優子を見殺しにしろというのですか?」
「別の言い方、自分の命を粗末にするなという事です」
母はドラゴンがいかに恐ろしいかと何度も何度もしつこいほど繰り返した。そしてドラゴンと戦ってバーベキューにされた人間が多いとかいう作り話を、ちょっと大げさな小説を気取るみたいに語って聞かせた。
「あきらめなさい。あなたが優子のためにドラゴンと戦って死んでしまったら、襲撃されたときに死んでいった者たちに顔向けができないではありませんか。城を守ろうとして死んでいった者にどう言い訳するのです」
母はドラゴンが城を襲撃する際には、殺す家来の数は最低限度にしておいてくれとか頼んでいた。それは大事のために必要な最低限の犠牲。
「ドラゴンは言ってはいました」
「なんと?」
「優子を奪い返したいのであればすぐにドラドン谷に来いと。でも来たらその時は問答無用に殺すと。だから行ってはいけません、そのくらい……もうわかるでしょう? シンジ」
母はこれで決まったと思った。ドラゴンに殺されるとか思えば、いくら向こう見ずな若者もビビッて臆するだろうと。たとえ優子が魅力的な巨乳女子でも、自分の大事な命には代えられるわけがないと思った。
「母上……」
「なんです?」
「おれは……行きます!」
「はぁ? シンジ、あなた今まで何を聞いていたのですか」
「優子を見殺しにするなどできるはずがありません」
「行ったら殺されると言っているのよ? あなた自分の命をなんだと思っているのですか!」
「母上……今のおれはこう考えます。男の命というのは、それは……惚れた女のために使うモノだと、そのために男の命は命はあるのだと」
「な……」
「それに、この状況で優子を見捨てるのは男とか女とかいうより、人としてあり得ない愚行だと思わずにもいられません」
まったくなんという事か、母の思惑に反してシンジが持つ男というまっすぐな心に火がついてしまった。こうなると母が息子を止められるはずなどなくなる。
「どうしても行くというのですか?」
「行きます、そして必ず優子を助け出します」
「ん……く……」
母は息子の真剣さに満ち溢れた目を見て止められないのだと悟る。そこで、行くのであればちょっと来なさいと言って歩き出す。
なんだ? いったいどこに連れていかれるのだ? とか思っていたら、シンジは武器庫倉にたどり着く。そしていつもはロックされていて中を開けたことのない金庫の前で母と同時に足を止める。
「ドラゴンと戦うなら、どうしても行くというなら仕方がありません」
言いながらは母が金庫のロックを外したではないか。え? とかおどろくシンジだったが、そこで紅いペンダントを渡された。
「ペンダント?」
「これはナカノ家に代々伝わるアイテム、ハイパーナカノです。どうしようもない危険などに立ち向かうときに使うことを許されているモノ。これを身に着けていれば、あなたはどのような事も可能とするハイパーな超人になれるし好きな武器を好きなように出現もさせられます。これは言うなれば魔法の石みたいなモノ。これを着けていけばいいでしょう」
なんじゃそれ、そんなの初めて聞いたとか思ったが、母がこういう冗談を言うわけがないとして素直にかける。
「ただし、シンジ……」
「なにか?」
「ハイパーナカノは何事も可能とする強大なエネルギーを持っているとはいえ無限ではありません。優子のためにハイパーナカノのエネルギーを全部使い切るのは非常に勿体ないとも言えますね。少しくらいは残しておいて、後の人生で使うことを頭に入れておいた方がいいであろうって事くらいは言わせてもらいます」
シンジは妙な話がもたらすフィーリングと母が味方してくれているという事実へのカンゲキを同時に味わった。そしてそれを胸にしっかり入れ込んで優子の救出へと向かう決意を固めた。
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