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巨乳因子争奪戦1・巨乳因子の作成

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 巨乳因子争奪戦1・巨乳因子の作成


「サァ、ヤット金持チノ日本デ商売スルアルヨ」

 本日の午後2時、とあるうさん臭い感じの、年齢は30歳くらいであろう男がでかい風呂敷を背中に背負ってつぶやいた。
 彼の正体はあやしい物売りだ。日本は金持ちだ、だから日本で金を稼いでやると意気込んでいる。だから背中が重い……と思いつつ、どこか適当なところに腰を下ろし生命力たくましい路上商売をやろうと考えていた。

「ン?」

 ここで彼はふっとあるところへと目を向けた。そこには2人の女子が並んで歩いていて どちらも顔は小6か中1とくらいに見える。まぁ、時間帯とか制服を着ていないから6なのだろうと結論付けるが、そんなのはどうでもよかった。問題は片方の女子が立派な巨乳ってふくらみを持っているってことに他ならない。

「オォ、巨乳女子アル! アレハ大物クラスアルヨ……」

 彼はごくりとやって、巨乳女子に恋するような感じで見入った。ふっくらむっちりだがデブではない。ショートレイヤーって髪型が似合ってバッチグーにかわいい。そして白いTシャツの下に浮かぶ白いフルカップのふくらみや谷間、そしてそれらの揺れ具合、悩め香しいったらありゃしない!

「アレ……何カップクライアルカ? D……イヤ、Eカップクライハアルト見エルネ。アンナステキナ巨乳少女ガニホンニイルアルカ……」

 ほんの一瞬……彼はこう思った。もし自分が12歳くらいだったら、あの少女に告白してピンク色の青春をゲットするのに! と。

 しかし今の彼は商売人だから、ここで商売に傾いた頭としてピーン! っとなった。

「ソウアル、コレデ金儲ケデキルアル!」

 突然に興奮した彼は、くっそ重たいモノを背負いながら足取りを思いっきりは止めた。あの2人が歩いている方向を見て先回りを決行したのだ。何がなんでもあの2人、正確には巨乳の方にだけ大事な用があるから。

 一方、自分たちの見えないところで何かが盛り上がっているとは知らない2人は会話しながら下校ウォーキングを楽しんでいた。

「優子、一回お願いしてもいい?」

 となりを歩くクラスメートの友人は、少し甘えたな声を出した。そして優子が瞬時に予想したとおりの事を言う。

「腕組みとかして欲しい」

 すると優子、するか! とそっけなく言う。何が悲しくて女同士で腕組みをしなきゃいけないのかと相手の要望を跳ね返す。

「いや、だって……優子の大きくてやわらかい乳が腕に当たるとキモチいいだろうなぁって」

「ったく……どうしてみんなそういう事ばっかり考えるのか」

 この世はほんとうにおっぱい星人ばっかりだと思いながら、友人のお願いには絶対応じない優子だった。そして2人はとある公園の通り過ぎようとしたら、その内側から声をかけられた。

「ソコノカワイイオ二人サン」

 言われて2人は足を止め周りを見渡す。え? わたしらのこと? とドキドキしながら公園の中へ目を向ける。もし男が背中にデカい包みを背負って立ったまま声をかけたら、2人は絶対近寄らなかっただろう。しかし地面に座っていて、その前には大きな風呂敷が広がっていて、それで何やら商品らしきモノが並んでいると、あやしい! とか思っても興味を突かれ近寄ってしまう。

「サイコーニイケテイルアイテムガ一杯アルヨ」

 男は座ったまま両腕を広げ、さぁあたらしい世界へ旅立とうと歌うみたいなオーラを立てる。

(オォ……近クデ見ルト本当ニ魅惑ノ巨乳アルネ)

 男は座ったまま立っている優子を見上げ、巨乳少女のふっくらやわらかそうって部分を職人みたいなテクニックで何回もチラチラ見ては目を離す。

「魔法少女の杖? 魔法ステッキ?」

 優子の隣にいた友人は渋い顔をしながら、口にしたモノを指差した。

「オ目ガ高イアル! コレデ本当ニ魔法少女ニナレルアルヨ!」

 魔法少女になれる! とか力強く言い切られたら、は? と思う反面、それなら買ってみたいという気にもなる。だが幸か不幸か値段がバカ高いので小6の二人には手を出せない。

「7000円ってひどくない? こんなの犯罪レベルのぼったくり」

「エ!?」

 男は優子の友人に犯罪レベルとか言われてショックを受けた。なぜなら彼は信じていたからだ。日本は金持ち、だから日本の子供も金持ち、よって月のお小遣いは10万円くらいだから、数千円は気楽なポケットマネーに出来るはずだと。

「え、なに? 空を飛べるマントとか、身長40mの巨大ヒーローになれるカプセルとか、変なアイテムばっかりじゃんか。しかも全部値段が高い。こんなの買うわけないじゃん」

 友人は優子の肩を叩き、行こう! とつめたい声を出す。

 ここで男は慌てて声を出した。しゃべりまくっている方はどうでもいいのだが、巨乳の方には大事な用があるからだ。

「エット、実ハワタシ社会貢献活動モシテイルアルヨ」

 男はそう言うと自作のステッカーを2人に見せた。よくわからないが、それとなく作ってあってそれっぽい名前をつければ、世間知らずはさっくり騙せるというのがこの世の常である。

「社会貢献活動しているのはえらいよね」

 優子がポツリとつぶやいたとき、ここだ! と、男は最高のタイミングを逃さず攻め込む。

「アナタ、ズット思ッテイタケレドスゴクカワイイアル。シカモソレデ魅力的ナ巨乳ダカラ……モシカシテアイドル?」

「ちがう……」

「ナンダ、テッキリ名前ノアル巨乳アイドルカト思ッタアルヨ」

 男は優子が心に隠している乙女心をやんわり突いた後、少しだけ点滴させて欲しいとお願いした。

「採血?」

 優子は一瞬ギョっとした。だがかなりきれいなピカピカって立派な注射と同時に、大量のヤクルトを見せられ……少しならいいかなと思ったりする。

「アリガトウアル、コレデ気ノ毒ナ子供タチガ救カルアル」

 具体的に何がどうなってどうなるから人助けなのかはさっぱりわからないが、妙な納得をさせられてしまった優子は点滴に応じた。

「感謝! コレ持ッテイッテ」

 男はヤクルト10本を袋に入れると、一礼しながら優子に差し出す。そういう振る舞いをするだけであやしいって言葉は緩和されるのであった。

 そして男は2人の女子が公園から出ていくと、急にいそいそ何かを取り出した。そして大急ぎで何やら作業を開始する。

「ヤッタネ、コレハ絶対ニ売レルアルヨ!」

 男、今しがた得た優子のちょっとばかりの血を容器に入れる。そしてそこに何やら色々注ぎ足して混ぜる。すると中身は徐々に白い小さな固まり、見た目にはミルクキャンデーみたいな一粒が出来上がった。

 男によると、これは巨乳因子。このキャンデーを女が舐めれば、血の持ち主である優子と同じような巨乳になるとの事。体内の個人情報一部が書き換えられるため、効果の発動にはちょっと時間がかかるだろうが、発動すれば優子と同レベルの巨乳女子という道を歩み始めることができるそうだ。だからこのキャンデーはどんな値段をつけても絶対に売れると、熱いジャガイモのようにホクホクするのだった。
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