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優子、萌えゲーにハマる(目指せななみのビキニ姿)8

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優子、萌えゲーにハマる(目指せななみのビキニ姿)8

「おい、中野、中野、乳揺れ」

 本日の午後、学校のグランドでは6年のクラスが体育の授業であり、全員がゆっくりと走っている。そういう場合、当然だがEカップって巨乳な優子のふくらみユッサユッサと揺れ動く。白い体操着、下にある白いスポーツブラ、そしてうっすら透けて見える谷間など、それらを揺らしながら走る優子の姿というのは、多くの男子にとっては目の保養であったり視力の栄養。ゆえに乳揺れって表現が何度も出る。

「で、でも……」

 ある男子は優子の揺れる乳を拝みながら……今日の中野は目が危なくない? とつぶやく。

「あぁ、言われてみればたしかに……なんか目が死んでるっぽい」

「たましいが抜けたみたいな感じじゃん、なんかヤバくね?」

「いいじゃん、中野はとにかく巨乳でおっぱい、走って揺れているのを拝めるなら、たましいが抜けていてもおれらには関係なし!」

「まぁな!」

 男子たちがこんなひどい会話をしているとか知っているのか知らないのか、とにかく優子はひたすら表情が変わらない。いつもだったらあまり巨乳が揺れないようにと気苦労したりするが、本日はもう人生のすべてがどうでもいいという感じ。でもそれは仕方のない事だった、朝のゲームにおける大失敗があまりにも大きなショックを優子に与えているせいだ。

「優子」

 香苗が優子のとなりに位置して走る。

「あぁ……」

 まったく心がないロボットみたいな声とか返事。

「優子ってやっぱり巨乳だよねぇ、走ったらユッサユッサだよね。あやかりたいわ」

 こう言って揺れている優子の胸に横目を向ける香苗。しかし優子の無反応生物みたいな感じはまったくかわらない。

「うん……」

 ぽつりといって死んだ両目のまま走り続ける巨乳女子。

「え、優子、どうしたの? なんか今日はおかしくない?」

 あまりにも不気味っぽいから香苗は優子を心配する。しかし優子は無表情にして死んだ魚のような目をするだけ。なんか危ない、これは放っておけないと思う香苗だった。学校が終了するとボーッとした感じで立ち上がる優子、まるで現世さまようゆうれいであるが、その手をしっかりつかんだ香苗がグイグイっと引っ張る。

「え、なに……」

 まったくもって、すべてにおいてやる気なんか沸きませんって声の優子だが、それを無視して引っ張っていく。そして学校を出て近くの公園で人目を避け2人っきりになる。

「優子、いったいどうした!」

 両手を優子の両肩に置いた香苗、ちょっと揺さぶってみる。いつもならおっぱいが揺れて困るから揺すったりするな! と怒るが、今日はボーッとした目のまま、別に……と力なく言うだけ。

「優子、なんかあった? 何があった?」

「ん……別に何も……」

「言いなよ、友だちじゃん」

「別に友だちに言ったからってどうにかなるモノでもなし」

 優子はうつろな目でどこを見ているのかわからない。昨日、あんなにかっこうよい姿を見せた巨乳女子と同一とは思い難しだ。

「優子、わたしもさ、優子と同じゲームをやるよ」

「へぇ……」

「わたしも巨乳キャラのビキニ姿を拝むためがんばろうって思った。だから昨日ブックオフに行って中古でソフトを買ったんだ」

「へぇ……」

「なに、どうしたの? なんで今日の優子は腑抜けているの?」

 本日の優子は絶対に重症だ。そう思った香苗は少し荒療治をすることにした。優子のやわらかい両肩をつかんだまますぐ後ろにある木に押し付けた。さすがにちょっとおどろいたらしく、なに? って不安気な顔が優子に浮かぶ。だが香苗はそのまま、まっすぐ強烈な目力を優子に向けて動けなくさせてから右手を動かす。

「はんぅ!」

 突然に優子がビクン! となったのは、香苗の手にギュッとEカップってふくらみをつかまれたから。香苗、脳内に大量のビリビリが来たのを冷静な顔で隠す。やっぱり優子はデカイ! とか、なんてやわらかい弾力でキモチよさ! という興奮は見せず、ゆっくり手触りを味わうようにまさぐる。

「ちょ、香苗……な、何やってんの?」

「目が覚めた?」

「さ、さ、覚めた……」

「まだ覚めてない!」

 香苗、少しだけつよめにふくらみをグッとつかんで優子を感じさせてから、いったい何があったのかと問う。

「じ、実はその……」

 優子、片方の乳房をまさぐられ感じてしまいブルっと震える中、何があったのかって事を語りだす。

「もうね……すべてイヤになってしまったんだ」

 優子はふくらみを揉まれ顔を赤くしながら、ゲームで起こったつらい出来事を振り返る。

「なんだ、そんな事なの?」

 香苗は優子の乳をつかんだまま拍子抜けしたって顔を浮かべる。もちろんその裏側では、この手触り……ずっと味わっていたいとか思いながら。

「そ、そんなこと?」

 優子はおっぱいが感じて少しハァハァやりながらも、香苗が言った「そんな事」って表現をひどいと言い返す。あのとき、どれだけのショックを受けたか、それは経験した者にしかわからない。香苗には人がどれだけ傷ついたかって事がわからないのだと優子は目に力を入れる。

「だからなんだっていうわけ? 必死にやっていた事がうまく行かないとか、そんなのしょっちゅう起こることじゃん。近づいたと思った夢に裏切られるなんてことも特別な話ではないじゃん。たとえ何万回裏切られても、それでも追いかけ続けるのが夢とか目標であり、それを成し得るのが達成って話でしょう? ちょっとしくじったくらいで弱気になったりして、優子の目標ってそんな程度だったの? 優子のいう命を燃やすってこんな程度の話だったの?
「優子にはがっかりだよ、ほんとうに」

 香苗、もっと揉んでいたいと思いつつ優子の乳から手を離す。そしてクルっと回って背中を向けてから続けて言ってやる。

「優子はそのゲームをやる資格ない。何回転んでも起き上がる、それがゲーマーであり目標を達成する努力だよ。昨日言ったけれど、わたしはそれと同じゲームをやるよ、そして優子と同じようなしくじりをしても絶対にあきらめない。心を燃やすってそういう事だもの。わたしは優子とちがう、わたしの心は優子ちがって太陽のように燃えているんだ」

「か、香苗……」

「優子の弱虫!」

 そう言って香苗が振り向くとなく公園から去っていくと、ひとり残された優子の目に熱い涙がうっすらと浮かぶ。それは巨乳って胸の内側に熱い思いが復活してきたことの証。

「そ、そうだった……ちょっとしくじったくらいでこんな風になって、わたしってダメな女だ……恥ずかしい。でも、あきらめない。絶対にやってみせると思ったんだから、必ず達成する。達成してみせる!」

 涙をぬぐった優子の顔には生気が戻っていた。そして家に向かって歩き出したその姿には、もう落ち込んだりしない! というつよいキモチがあふれていたのである。
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