91 / 204
優子がついに初ビキニ! 1
しおりを挟む
優子がついに初ビキニ! 1
それは中野家における夕飯の時に起こった。突然に父が思い出したとばかり口にしたのである。
「そういえば大型室内プールの無料チケットをもらったんだけど、それが2枚しかないんだよ」
ここまで聞いたとき、優子は心の中で思った。だったら夫婦で行けばバッチグーじゃないの? と。
すると父は親切心なのか、それとも深い親心のアピールなのか、あるいは特に娘である優子の反応に期待したのか、いずれにせよこう言った。
「なんなら優子と真治の2人で行ってきたらどうだ?」
それを聞いた優子、思わずブッ! っとなりかけた。そして向かいに座っている真治を一瞥してからナイス反射神経! 的に言い返した。
「はぁ? なんでわたしが真治と2人でプールになんか行かないといけないわけ?」
優子にすればこんな話はありえなかった。2つ年下の小4って弟のくせして、姉の巨乳って胸ばっかりチラチラ見るようなおっぱい星人と2人でプールなんて、それはB級ライトノベルみたいな話でお断り。
「いいじゃん、たまには泳ぎとか運動すれば」
こういう時に限って母が父側につく。そうすると父はあきらかに優子にかまってもらいたいのであろうゆえの発言をかます。
「いいじゃないか。なんならビキニとかそういう水着とかやってみたらいいじゃないか」
ビキニ! この3文字が出たらピーン! と何かがはじかれたような感じが居間に広がった。
「ちょ、お父さんなに言ってんの」
「いや、優子は立派な巨乳だからビキニとかやってもいいんじゃないかと思って」
げぇ、なにそれ、急にドン引き確定となるような事を言うのは止めてもらっていいですか? と言いかけたが、なぜか言葉が出なかった。
「ビキニとかそんなのは……」
不覚にもちょっとドキドキさせられる優子が顔を動かすと、真治がパッと職人みたいなあざやかさで目を横に逸らす。それは白いTシャツの下にある谷間とか、Eカップってブラのふくらみを上手に見ていたことの証。それはいかにもおっぱい星人な男子らしい才能に満ちた情熱&すばやいアクション。
(こいつと2人でプールに行って、しかもそこでビキニになるとか、そんな話に乗れるもんか)
優子は却下! と言いかけた。するとどうだ、優子の胸を何度となくチラチラ見ながらホクホクしていた真治が急に口をはさんだ。
「ムリだよ、ムリ」
ムリ? 突然出てきた言葉に何のこっちゃ? という顔をする家族だが、当然もっとも気にする優子が問うた。
「ムリって何?」
「お姉ちゃんがビキニとかムリ」
こうなると優子はムッとする。そうだよね、ムリだよね! とかではなく、なんでムリなのかと不満気に問う。
「お姉ちゃんはたしかにすごい巨乳だけど……」
「すごいって表現はつけるな」
「でも、おっぱいは大きいけれど全然根性とかないし」
「はぁ?」
「心はちっちゃい臆病女子。そんなお姉ちゃんがビキニって水着をやるなんて、そんなの地球が滅亡したって起こらない」
言ってみそ汁をズズっと啜りながらも、チラッと優子の巨乳って部分をしっかり見る。まさにおっぱい星人としてはS級の戦士だと言える。だからして、優子は乗せられる。
「なに勝手に好き勝って言ってんの? 誰もやらないとは言ってないし」
言った、言っちゃった、言ってしまった! その瞬間、真治は優子の胸を見ながら、やった! と思った。しかしS級戦士たるもの抜かってはいけない。物事において重要なのは最初と最後の詰め。
「いいよ……ムリしないで、なんかお姉ちゃんが可哀想な巨乳女子って感じで、痛々しい」
これで確実に決まった。この一言で優子の女子力という意識に火がついた。そうまで言われたら、はいそうですとは言えないのが女子。
「わかった、プールに行くから。もちろんビキニになるから、だから真治、あんた日曜日は開けておくように」
「え、ほんとうに?」
真治は飛び上がらんほどうれしかったが、それを表に出さず冷静かつ姉想いの弟であり続け、でも巨乳って部分は何回でも上手にチラ見。
優子、こうなったらもうとことん巨乳女子としての乙女心を燃やすしかないと決意。立ち上がりカレンダーの前まで移動し、土曜日の午後に水着を買いに行くとつぶやき、そのときはお金ちょうだいと母に訴える。
「いいけど、ふつうのビキニだよ? きわどい変なビキニをやったりしないように」
するか! と声を荒げかけたが、取り乱すのは女の恥と思うからグッと飲み込んで一言。
「そんな悪趣味な女じゃないもん」
そうすると横から父が勢いづいた声を出す。優子がビキニになるなら自分もいっしょに行こうかなとかつぶやく。
「来なくていいよ、来ないで」
優子にそう言われ軽蔑の対象! みたいな目を向けられてしまう父だった。しかし一方の真治は心の中で父に感謝する。
(日曜日……お姉ちゃんのビキニ姿……)
それはもう考えるだけでキャー! と絶叫したくなるようなドキドキワクワクが生じる話だった。
それは中野家における夕飯の時に起こった。突然に父が思い出したとばかり口にしたのである。
「そういえば大型室内プールの無料チケットをもらったんだけど、それが2枚しかないんだよ」
ここまで聞いたとき、優子は心の中で思った。だったら夫婦で行けばバッチグーじゃないの? と。
すると父は親切心なのか、それとも深い親心のアピールなのか、あるいは特に娘である優子の反応に期待したのか、いずれにせよこう言った。
「なんなら優子と真治の2人で行ってきたらどうだ?」
それを聞いた優子、思わずブッ! っとなりかけた。そして向かいに座っている真治を一瞥してからナイス反射神経! 的に言い返した。
「はぁ? なんでわたしが真治と2人でプールになんか行かないといけないわけ?」
優子にすればこんな話はありえなかった。2つ年下の小4って弟のくせして、姉の巨乳って胸ばっかりチラチラ見るようなおっぱい星人と2人でプールなんて、それはB級ライトノベルみたいな話でお断り。
「いいじゃん、たまには泳ぎとか運動すれば」
こういう時に限って母が父側につく。そうすると父はあきらかに優子にかまってもらいたいのであろうゆえの発言をかます。
「いいじゃないか。なんならビキニとかそういう水着とかやってみたらいいじゃないか」
ビキニ! この3文字が出たらピーン! と何かがはじかれたような感じが居間に広がった。
「ちょ、お父さんなに言ってんの」
「いや、優子は立派な巨乳だからビキニとかやってもいいんじゃないかと思って」
げぇ、なにそれ、急にドン引き確定となるような事を言うのは止めてもらっていいですか? と言いかけたが、なぜか言葉が出なかった。
「ビキニとかそんなのは……」
不覚にもちょっとドキドキさせられる優子が顔を動かすと、真治がパッと職人みたいなあざやかさで目を横に逸らす。それは白いTシャツの下にある谷間とか、Eカップってブラのふくらみを上手に見ていたことの証。それはいかにもおっぱい星人な男子らしい才能に満ちた情熱&すばやいアクション。
(こいつと2人でプールに行って、しかもそこでビキニになるとか、そんな話に乗れるもんか)
優子は却下! と言いかけた。するとどうだ、優子の胸を何度となくチラチラ見ながらホクホクしていた真治が急に口をはさんだ。
「ムリだよ、ムリ」
ムリ? 突然出てきた言葉に何のこっちゃ? という顔をする家族だが、当然もっとも気にする優子が問うた。
「ムリって何?」
「お姉ちゃんがビキニとかムリ」
こうなると優子はムッとする。そうだよね、ムリだよね! とかではなく、なんでムリなのかと不満気に問う。
「お姉ちゃんはたしかにすごい巨乳だけど……」
「すごいって表現はつけるな」
「でも、おっぱいは大きいけれど全然根性とかないし」
「はぁ?」
「心はちっちゃい臆病女子。そんなお姉ちゃんがビキニって水着をやるなんて、そんなの地球が滅亡したって起こらない」
言ってみそ汁をズズっと啜りながらも、チラッと優子の巨乳って部分をしっかり見る。まさにおっぱい星人としてはS級の戦士だと言える。だからして、優子は乗せられる。
「なに勝手に好き勝って言ってんの? 誰もやらないとは言ってないし」
言った、言っちゃった、言ってしまった! その瞬間、真治は優子の胸を見ながら、やった! と思った。しかしS級戦士たるもの抜かってはいけない。物事において重要なのは最初と最後の詰め。
「いいよ……ムリしないで、なんかお姉ちゃんが可哀想な巨乳女子って感じで、痛々しい」
これで確実に決まった。この一言で優子の女子力という意識に火がついた。そうまで言われたら、はいそうですとは言えないのが女子。
「わかった、プールに行くから。もちろんビキニになるから、だから真治、あんた日曜日は開けておくように」
「え、ほんとうに?」
真治は飛び上がらんほどうれしかったが、それを表に出さず冷静かつ姉想いの弟であり続け、でも巨乳って部分は何回でも上手にチラ見。
優子、こうなったらもうとことん巨乳女子としての乙女心を燃やすしかないと決意。立ち上がりカレンダーの前まで移動し、土曜日の午後に水着を買いに行くとつぶやき、そのときはお金ちょうだいと母に訴える。
「いいけど、ふつうのビキニだよ? きわどい変なビキニをやったりしないように」
するか! と声を荒げかけたが、取り乱すのは女の恥と思うからグッと飲み込んで一言。
「そんな悪趣味な女じゃないもん」
そうすると横から父が勢いづいた声を出す。優子がビキニになるなら自分もいっしょに行こうかなとかつぶやく。
「来なくていいよ、来ないで」
優子にそう言われ軽蔑の対象! みたいな目を向けられてしまう父だった。しかし一方の真治は心の中で父に感謝する。
(日曜日……お姉ちゃんのビキニ姿……)
それはもう考えるだけでキャー! と絶叫したくなるようなドキドキワクワクが生じる話だった。
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
恋愛
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。



ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる