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魔法のほうきで飛ぶ!(後編)
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魔法のほうきで飛ぶ!(後編)
「お姉ちゃん、お姉ちゃん!」
帰宅した真治は玄関のドアを開けて、2階の自室にいる優子を呼びまくった。
「うるさいなぁ、なに?」
今日こそはコミックの読破をしようと思っていた優子、ジャマするな! と声はアングリー色。それでも弟がお姉ちゃんコールをくり返すから負けてしまった。
クツを履いて庭に出ると、弟がみすぼらしい竹ぼうきを持って待っていた。トンネル内にてあやしいおじいさんから買ったという。そのあげく魔法だとか空を飛べるとかはしゃぐ。その姿は小4にしてはダメっぽく幼く見える。
「真治……」
「なに?」
「おっぱい星人の上にバカとかやめて欲しい」
そう言われたらググ! っと腹を立てかける真治。でも実に効果的な態度をとることにした。それは優子って巨乳女子のプライドを刺激するにはもってこいだ。
「お姉ちゃん、もしかして怖いの?」
「はい? なんだって?」
「お姉ちゃんっておっぱいは大きいけど、心はちっちゃいんだねぇ」
「こら、なに勝手なことほざいてんのよ」
弟の思ったとおり、姉はムキになって近寄ってきた。むんず! とほうきを奪いとると、家の庭でまたがろうとする。
「ちょっと待って、後ろに座る」
「こ、こら、なんで後ろに座るのよ」
「だって空を飛びたいんだもん。女の子がいないと飛べないんだもん」
「んぐぅ……」
美白女子な優子が顔を赤らめた。ほうきにまたがって後ろに弟を置くって事は、うっかりするとおしりを触られるような気がした。
「真治、言っとくけどおしりを触ったら死刑だよ」
「触らないよ」
真治はとっても素直に即答した。なぜっておしりには興味がナッシングだから。やっぱり姉の優子といえば、豊満でやわらかい胸のふくらみ。触りたいのはそっちだから、おしりなんかどうでもよい。
「真治、おっぱい触ったら単なる死刑では済まないからね?」
さすが姉の優子だった。弟の考えは丸わかりの様子。それからほうきにまたがり、後ろに真治がまたがるのを確認してからつっこんだ。
「飛ばないじゃん!」
「呪文を唱えないとダメなんだよ」
「呪文? どんな?」
「チチミル チチミル キョニュウダーって言うの」
「わかった」
姉弟そろって深呼吸。それから優子は、口にするのが恥ずかしいって感じの呪文を唱えた。それはほうきにまたがった2人が、広大な空に近づいていくことの始まりだった。
「あん?」
ドキッとして目を丸くする優子。
「ほ、ほうきが……」
夢か真かとおどろきで顔面が固まる真治。
「あぅ!」
グラグラっとする2人の体。竹ぼうきが上がっていけば、両足が地面から離れていく。
「あっとっと……」
慌てる真治、うっかり前にいる優子のスカートことおしりをつかんでしまう。けっこう大きくてやわらかい気がしたものの、いまは空へ上がることにおちつけない。
「あぅ……ぅ」
優子は真剣に青ざめた。きゅっとしっかり竹ぼうきをにぎり、少し前かがみの姿勢になる。クッとTシャツのふくらみが寄せ合うように動くが、そんなの気にする余裕なし。
「お、おち……」
バランスをとるのがとってもむずかしかった。うっかりすればグルンと反転してしまいそう。でも、落ちたって大丈夫さ! なんて言える高さじゃなくなっていく。
「に、二階の窓が……」
必死になって姿勢コントロールしながら、眼前に二階の窓があって衝撃を受ける。目を下に向けたら、まったく足場のない所にいるのでサーっと血の気がひく。
「こわいよぉ……」
下を見て真治はこわがってしまう。結果として不本意ながらまた姉のおしりを触ってしまう。
「こ、こら……触るなって……」
ガクンガクンと揺れる。いま、優子はでっかい責任を背負っていた。ここから落ちれば死ぬかもしれない。後ろの弟を落としても同じこと。わが身と弟の命を、小6の少女は引き受けてしまったのだ。
そうして2人は屋根より高く舞い上がった。電柱よりも高いところに上がった。町がまるごと見渡せるところにまで上がった。
「ぅ……く」
ドキドキする優子の髪の毛が風で揺らされる。
「お姉ちゃん、ちゃんと運転してよ? ぼくまだ死にたくない」
「う、うるさい、ちょっとだまって……」
優子が怒ってバランスを崩しかけると、後方の真治は思わず落とされそうになった。それはとっても怖い事だから、姉の背中に顔を押し当てるだけではすまない。おびえるあまり、優子の豊満にしてやわらかい弾力をつかんでしまう。
ムニュ! っとすごい揉み応えがきた!
(うわ……こ、この手触り)
真治にジュワっと沸き立つ脳内麻薬。それはあまりにも豊かで、あまりにもキモチいい弾力。同じ女子がさわっても、女神の弾力! と表現してしまうレベル。それを真治の両手がしっかりつかむ。
(このおっぱいの揉み応え……ものすごくキモチいい!)
あまりのキモチよさにいっぱい揉んでしまう。グラグラっとほうきがゆれる事もあり、思わず優子のTシャツをまくり上げそうになってしまう。
「あ、あほか……何やって……」
顔を真っ赤にして取り乱す優子。弟にバストをつかまれながら、それでも死なないためにとひっしに運転をがんばる。
「ゆ、ゆれて……お、おち……」
ちょっと冷静さを失う真治の動きが、少々ながら姉のTシャツをまくり上げてしまう。片方だけとはいえ、ボワン! と揺れて顔を出す白いフルカップ。
ぐぎぎ……っと歯を怒りをこらえる優子。そんな努力が実って、ようやくほうきがおちついてきた。落ちたら即死って高さにて、いい具合に運転できるようになった。
「いつまでおっぱい触ってるのよ、このおっぱい星人!」
Eカップのふくらみをつかみっ放しの弟に、軽くひじを当てる。ほんとうなら思いっきり当ててやりたいところだった。いっそ死ねば? と弟に言いたかった。
「こ、この高さ……」
真治がふるえながら真下を見た。吸い込まれていきそうなほど地上が小さい。あんなちっぽけな領域で生活がなされているのかと、感慨深くなってしまう。
「お姉ちゃん……おねがい……」
「なに?」
「お、おっぱいは触らないからさ……だきついてもいい? 怖くて……」
「しっかりしなさいよ男の子!」
「こんなことに男も女もないよ……」
あきれる優子に許可をもらったら、真治は姉のふくらみを触りたいとか思ってもガマンして、お腹の辺りに手を回し、背中にピタッと頬をあてた。
(あぁ……これなら安心)
不安がうすれるようでキモチいい。真治はトロっと甘えた目をしながら、空を飛ぶって感覚を楽しみ始めるのだった。
「だんだん慣れてきた」
優子の口から少々の余裕が出てきた。今や白い雲が身近に感じるほどの位置にいる。自分をひっぱっている重力を無視し、魔法のほうきで飛び回るのがたのしくなってきた。
「おぉ……風を切るときもちいい!」
優子の口調がだんだんノッてきている。キュイーン! と魔法のほうきで突き進む爽快感。風とカベを生身でぶち破っていく感覚。足場がないという特異な状態。地上ではあじわえないおもしろさが出てきた。
「やだ、すっごいキモチいい!」
「お姉ちゃん……はしゃぎすぎ……」
「だらしないなぁ、男の子!」
めずらしくハイテンションな優子がいた。いまとってもハッピー! とか、いまのわたしは魔法少女! とか、とにかく満面の笑みでたのしんでいる。
「キブン最高!」
そうやって大いに楽しんだ。でもしばらくすると、優子はたいへんな事に気づく。それは股間がヒリヒリイタイってこと。できればメンソレータムが欲しい……という風にイタイ。
「真治、いちど地上にもどるから」
「ちょ、お姉ちゃん……急降下でスピード出し過ぎ!」
マジに青ざめる真治がいる。
「うるさいな……股間がイタイんだよ……」
早く地上に降りて股間をやすませたい優子。でもその焦りのせいで、いきなりの突風にしてやられた。2人が同時にサーっと青ざめる。
「あぅん!」
「うぅぐ……」
同時にバランス崩壊した姉弟、空から地上へと落下し始めた。
「ほ、ほうきが……魔法のほうきが……」
血の気が引く優子の手からほうきが離れていく。魔法のほうきがどこかに飛んでいってしまう。少女は青い空と同時に、どこかへ去っていくほうきを見つめずにいられない。
「ほうき……」
ステキな夢が消えていく。優子は地上へ落下するって最中なのに青空を見つめ続ける。とってもさみしそうな目で、どんどん地上へとおちていく。
「お、おち……おちたら死んじゃう!」
真治は姉の手をつかみながら、猛スピード落下に恐怖する。地面にぶつかったら即死だ。ぐちゃ! と音がして、ドバ! っと何かがたくさん弾けとぶのだろう。
「いやだ、まだ死にたくない!」
小4の少年はうっすら涙うかべながら思った。まだ人生をたのしんでいない。おっぱい星人としての生き様だってまだまだ夢半ばだ。
「死にたくない!」
その叫びがかみさまに通じたらしい。2人はとなり町にあるスーパー金持ちの庭に引き寄せられる。そこには学校のグランドほどのデカいプールがある。深さは50mにもおよび水はたっぷり入っている。
ざっぱーん! 2人がいきおいよく落下。まずはドッパー! と沈んでから、酸素が欲しい! とずぶぬれになって顔を出す。
「お姉ちゃんバカじゃないの?」
「うるさいな、悪いのは風であってわたしじゃない」
全身をびしょぬれにしてギャーギャー言い合いかけた。でも、真治は後方におそろしいモノを見る。それは水中の凶悪者たるサメの背びれ。大きさからするとホオジロザメと思われる。
「にげろ!」
2人は必死になって泳いだ。オリンピックの金メダリストもかなわないスピードだった。まずは優子がプールサイドにたどりつく。続いて真治がたどりつく。そしたらすぐ後ろでドでかい口が開いていた。
「ひいぃぃ!」
ずぶ濡れで抱き合う2人、もう少しでサメの食事になるところだった。そのあと家の主に厳重注意を食らってから解放される。
「ビショビショとかサイテー」
どっぷり濡れて体にまとわりつくTシャツ。それは内側にあるEカップブラや谷間を、クッキリ映し出す。真治は言われるまでもなく、何度となくおいしい部分をチラ見しまくった。そのおっぱい星人の情熱をゆるしてやる代わり、優子は弟に任務を与えた。
「また魔法のほうきを買ってきて」
どうやら姉はもういちど空を飛びたいらしい。魔法のほうきで魔法少女みたいなキブンになって、自由に大空を飛び回りたいと目が言っている。
もちろん! と真治は即答。もういちど後ろにすわって、いい気分や手触りを味わいたいとか思う。でもそれについては神さまが応援してくれなかった。
その日から何度もあのトンネルに行く。いつだって買えるようにと300円は必ずサイフに入れる。だけどあのあやしい男も魔法のほうきも、どうしてか再会できないのであった。それはすーっと消え去った夢のようで、もう一度出てきて! と願っても相手してもらえないのだった。
「お姉ちゃん、お姉ちゃん!」
帰宅した真治は玄関のドアを開けて、2階の自室にいる優子を呼びまくった。
「うるさいなぁ、なに?」
今日こそはコミックの読破をしようと思っていた優子、ジャマするな! と声はアングリー色。それでも弟がお姉ちゃんコールをくり返すから負けてしまった。
クツを履いて庭に出ると、弟がみすぼらしい竹ぼうきを持って待っていた。トンネル内にてあやしいおじいさんから買ったという。そのあげく魔法だとか空を飛べるとかはしゃぐ。その姿は小4にしてはダメっぽく幼く見える。
「真治……」
「なに?」
「おっぱい星人の上にバカとかやめて欲しい」
そう言われたらググ! っと腹を立てかける真治。でも実に効果的な態度をとることにした。それは優子って巨乳女子のプライドを刺激するにはもってこいだ。
「お姉ちゃん、もしかして怖いの?」
「はい? なんだって?」
「お姉ちゃんっておっぱいは大きいけど、心はちっちゃいんだねぇ」
「こら、なに勝手なことほざいてんのよ」
弟の思ったとおり、姉はムキになって近寄ってきた。むんず! とほうきを奪いとると、家の庭でまたがろうとする。
「ちょっと待って、後ろに座る」
「こ、こら、なんで後ろに座るのよ」
「だって空を飛びたいんだもん。女の子がいないと飛べないんだもん」
「んぐぅ……」
美白女子な優子が顔を赤らめた。ほうきにまたがって後ろに弟を置くって事は、うっかりするとおしりを触られるような気がした。
「真治、言っとくけどおしりを触ったら死刑だよ」
「触らないよ」
真治はとっても素直に即答した。なぜっておしりには興味がナッシングだから。やっぱり姉の優子といえば、豊満でやわらかい胸のふくらみ。触りたいのはそっちだから、おしりなんかどうでもよい。
「真治、おっぱい触ったら単なる死刑では済まないからね?」
さすが姉の優子だった。弟の考えは丸わかりの様子。それからほうきにまたがり、後ろに真治がまたがるのを確認してからつっこんだ。
「飛ばないじゃん!」
「呪文を唱えないとダメなんだよ」
「呪文? どんな?」
「チチミル チチミル キョニュウダーって言うの」
「わかった」
姉弟そろって深呼吸。それから優子は、口にするのが恥ずかしいって感じの呪文を唱えた。それはほうきにまたがった2人が、広大な空に近づいていくことの始まりだった。
「あん?」
ドキッとして目を丸くする優子。
「ほ、ほうきが……」
夢か真かとおどろきで顔面が固まる真治。
「あぅ!」
グラグラっとする2人の体。竹ぼうきが上がっていけば、両足が地面から離れていく。
「あっとっと……」
慌てる真治、うっかり前にいる優子のスカートことおしりをつかんでしまう。けっこう大きくてやわらかい気がしたものの、いまは空へ上がることにおちつけない。
「あぅ……ぅ」
優子は真剣に青ざめた。きゅっとしっかり竹ぼうきをにぎり、少し前かがみの姿勢になる。クッとTシャツのふくらみが寄せ合うように動くが、そんなの気にする余裕なし。
「お、おち……」
バランスをとるのがとってもむずかしかった。うっかりすればグルンと反転してしまいそう。でも、落ちたって大丈夫さ! なんて言える高さじゃなくなっていく。
「に、二階の窓が……」
必死になって姿勢コントロールしながら、眼前に二階の窓があって衝撃を受ける。目を下に向けたら、まったく足場のない所にいるのでサーっと血の気がひく。
「こわいよぉ……」
下を見て真治はこわがってしまう。結果として不本意ながらまた姉のおしりを触ってしまう。
「こ、こら……触るなって……」
ガクンガクンと揺れる。いま、優子はでっかい責任を背負っていた。ここから落ちれば死ぬかもしれない。後ろの弟を落としても同じこと。わが身と弟の命を、小6の少女は引き受けてしまったのだ。
そうして2人は屋根より高く舞い上がった。電柱よりも高いところに上がった。町がまるごと見渡せるところにまで上がった。
「ぅ……く」
ドキドキする優子の髪の毛が風で揺らされる。
「お姉ちゃん、ちゃんと運転してよ? ぼくまだ死にたくない」
「う、うるさい、ちょっとだまって……」
優子が怒ってバランスを崩しかけると、後方の真治は思わず落とされそうになった。それはとっても怖い事だから、姉の背中に顔を押し当てるだけではすまない。おびえるあまり、優子の豊満にしてやわらかい弾力をつかんでしまう。
ムニュ! っとすごい揉み応えがきた!
(うわ……こ、この手触り)
真治にジュワっと沸き立つ脳内麻薬。それはあまりにも豊かで、あまりにもキモチいい弾力。同じ女子がさわっても、女神の弾力! と表現してしまうレベル。それを真治の両手がしっかりつかむ。
(このおっぱいの揉み応え……ものすごくキモチいい!)
あまりのキモチよさにいっぱい揉んでしまう。グラグラっとほうきがゆれる事もあり、思わず優子のTシャツをまくり上げそうになってしまう。
「あ、あほか……何やって……」
顔を真っ赤にして取り乱す優子。弟にバストをつかまれながら、それでも死なないためにとひっしに運転をがんばる。
「ゆ、ゆれて……お、おち……」
ちょっと冷静さを失う真治の動きが、少々ながら姉のTシャツをまくり上げてしまう。片方だけとはいえ、ボワン! と揺れて顔を出す白いフルカップ。
ぐぎぎ……っと歯を怒りをこらえる優子。そんな努力が実って、ようやくほうきがおちついてきた。落ちたら即死って高さにて、いい具合に運転できるようになった。
「いつまでおっぱい触ってるのよ、このおっぱい星人!」
Eカップのふくらみをつかみっ放しの弟に、軽くひじを当てる。ほんとうなら思いっきり当ててやりたいところだった。いっそ死ねば? と弟に言いたかった。
「こ、この高さ……」
真治がふるえながら真下を見た。吸い込まれていきそうなほど地上が小さい。あんなちっぽけな領域で生活がなされているのかと、感慨深くなってしまう。
「お姉ちゃん……おねがい……」
「なに?」
「お、おっぱいは触らないからさ……だきついてもいい? 怖くて……」
「しっかりしなさいよ男の子!」
「こんなことに男も女もないよ……」
あきれる優子に許可をもらったら、真治は姉のふくらみを触りたいとか思ってもガマンして、お腹の辺りに手を回し、背中にピタッと頬をあてた。
(あぁ……これなら安心)
不安がうすれるようでキモチいい。真治はトロっと甘えた目をしながら、空を飛ぶって感覚を楽しみ始めるのだった。
「だんだん慣れてきた」
優子の口から少々の余裕が出てきた。今や白い雲が身近に感じるほどの位置にいる。自分をひっぱっている重力を無視し、魔法のほうきで飛び回るのがたのしくなってきた。
「おぉ……風を切るときもちいい!」
優子の口調がだんだんノッてきている。キュイーン! と魔法のほうきで突き進む爽快感。風とカベを生身でぶち破っていく感覚。足場がないという特異な状態。地上ではあじわえないおもしろさが出てきた。
「やだ、すっごいキモチいい!」
「お姉ちゃん……はしゃぎすぎ……」
「だらしないなぁ、男の子!」
めずらしくハイテンションな優子がいた。いまとってもハッピー! とか、いまのわたしは魔法少女! とか、とにかく満面の笑みでたのしんでいる。
「キブン最高!」
そうやって大いに楽しんだ。でもしばらくすると、優子はたいへんな事に気づく。それは股間がヒリヒリイタイってこと。できればメンソレータムが欲しい……という風にイタイ。
「真治、いちど地上にもどるから」
「ちょ、お姉ちゃん……急降下でスピード出し過ぎ!」
マジに青ざめる真治がいる。
「うるさいな……股間がイタイんだよ……」
早く地上に降りて股間をやすませたい優子。でもその焦りのせいで、いきなりの突風にしてやられた。2人が同時にサーっと青ざめる。
「あぅん!」
「うぅぐ……」
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「ほ、ほうきが……魔法のほうきが……」
血の気が引く優子の手からほうきが離れていく。魔法のほうきがどこかに飛んでいってしまう。少女は青い空と同時に、どこかへ去っていくほうきを見つめずにいられない。
「ほうき……」
ステキな夢が消えていく。優子は地上へ落下するって最中なのに青空を見つめ続ける。とってもさみしそうな目で、どんどん地上へとおちていく。
「お、おち……おちたら死んじゃう!」
真治は姉の手をつかみながら、猛スピード落下に恐怖する。地面にぶつかったら即死だ。ぐちゃ! と音がして、ドバ! っと何かがたくさん弾けとぶのだろう。
「いやだ、まだ死にたくない!」
小4の少年はうっすら涙うかべながら思った。まだ人生をたのしんでいない。おっぱい星人としての生き様だってまだまだ夢半ばだ。
「死にたくない!」
その叫びがかみさまに通じたらしい。2人はとなり町にあるスーパー金持ちの庭に引き寄せられる。そこには学校のグランドほどのデカいプールがある。深さは50mにもおよび水はたっぷり入っている。
ざっぱーん! 2人がいきおいよく落下。まずはドッパー! と沈んでから、酸素が欲しい! とずぶぬれになって顔を出す。
「お姉ちゃんバカじゃないの?」
「うるさいな、悪いのは風であってわたしじゃない」
全身をびしょぬれにしてギャーギャー言い合いかけた。でも、真治は後方におそろしいモノを見る。それは水中の凶悪者たるサメの背びれ。大きさからするとホオジロザメと思われる。
「にげろ!」
2人は必死になって泳いだ。オリンピックの金メダリストもかなわないスピードだった。まずは優子がプールサイドにたどりつく。続いて真治がたどりつく。そしたらすぐ後ろでドでかい口が開いていた。
「ひいぃぃ!」
ずぶ濡れで抱き合う2人、もう少しでサメの食事になるところだった。そのあと家の主に厳重注意を食らってから解放される。
「ビショビショとかサイテー」
どっぷり濡れて体にまとわりつくTシャツ。それは内側にあるEカップブラや谷間を、クッキリ映し出す。真治は言われるまでもなく、何度となくおいしい部分をチラ見しまくった。そのおっぱい星人の情熱をゆるしてやる代わり、優子は弟に任務を与えた。
「また魔法のほうきを買ってきて」
どうやら姉はもういちど空を飛びたいらしい。魔法のほうきで魔法少女みたいなキブンになって、自由に大空を飛び回りたいと目が言っている。
もちろん! と真治は即答。もういちど後ろにすわって、いい気分や手触りを味わいたいとか思う。でもそれについては神さまが応援してくれなかった。
その日から何度もあのトンネルに行く。いつだって買えるようにと300円は必ずサイフに入れる。だけどあのあやしい男も魔法のほうきも、どうしてか再会できないのであった。それはすーっと消え去った夢のようで、もう一度出てきて! と願っても相手してもらえないのだった。
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