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十話・体だけが目当ての恋愛とセックス(前編)

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(この物語はフィクションであり、実在する人物ㆍ団体とは関係ありません)


十話・体だけが目当ての恋愛とセックス(前編)


「ふぅ……疲れた……」

 夕方の4時過ぎ、予定より早く美紀は帰宅した。ほんとうならパートは午後6時まであり、帰宅は早くとも7時くらいだった。しかし職場の色々で予定が大幅に変動。こんな時間に返ってくることができた。

「ただい……」

 帰宅の声を出そうとしたら、先に異変に気付く。

「靴?」

 それはあからさまに見慣れない靴であり、他人様という存在感に満ち溢れている。しかもそれあきらかにレディースモノ。

(あいつが誰かを招く予定とかあったっけ?)

 妙な気分に加算されるちょっとした不安。まさか……ね……と思ったが、声を出さず音を立てずに歩くなんて事に出てしまう。深田美紀、年齢32歳。結婚して6年になる女。子供はいないが同じ年の旦那とは連日連夜欠かすことなく深く愛し合っている。そしてゆっくり階段を上がり始めるこの女には絶対的な自信があった。

(まさか……ね、浩人が浮気するはずない、ありえないね、そんなことは……)

 なぜそんな風に100%の断言ができるのか? それは美紀が類まれな爆乳女性だったからだ。ユッサユッサ揺れ動く豊満にしてやわらかい弾力。それは110cmという数字を有し、それを包み込むブラのサイズは海外製Iカップ、すなわちJカップだったりする。それを夫の浩人は大好きで、一度甘え出すと本気の赤ん坊になり、無我夢中になってチュッチュして収まらなくなる。だからして美紀はふつうに信じることができた。まさかそんな、この自分が裏切れるわけがないと。

「あぁん……あんんぁんん……」

 階段を上がり終えたら、浩人部屋の内側から女の鳴声が聞こえてきた。

「ハァハァ……すごくキモチいいよ」

 浩人が女の体に溶け落ちている真っ最中って声を出している。それは美紀という爆乳妻が予想外の裏切りを食らった事実に他ならない。しかし……いまここで激怒してドアを開けてどうなるだろうと美紀は思った。2人はいま愛し合っているわけであり、両者の肉体はラブ結合している。そういう姿を見せられるのは屈辱の度がすぎる。そういうわけでここはドアに耳を当て音声を聞くだけにするのだった。

「い、イキそう……イキそう」

「お、おれもイキそうだよ」

「だ、出して……いっぱい出して!」

「だ、出すぞ……い、いっぱい……いっぱい出すぞ!」

「出して、中にいっぱい出して!」

「あんぅぅ!!!」

「はん……ぅぅ!!」

 2人の声が絡み合い結ばれていく。そこに絵がなくても大人ならわかる。男と女がひとつになり完全体という頂点に達したという事が理解できる。それから少しすると2人の後事会話が聞こえてきた。それは浮気されてショックな妻の胸をぐわーっと抉るような内容。

「ねぇ、浩人……」

「ん、なんだ?」

「浩人の奥さんって爆乳さんなんでしょう?」

「あぁ、めちゃくちゃすごい爆乳」

「そ、それってどのくらい?」

「たしかJカップとか言ってた、でもそれがどうした?」

「いや、だって……わたしBカップだよ? Jカップと比べたら底辺の貧乳も同じだよ。なのにどうして浩人がわたしを抱けるのかなぁと思って」

「そりゃぁ……妻がブスでおまえが美人だから」

「は? それって本気で言ってる?」

「本気だ。あいつ知り合った18歳くらいの頃から爆乳で、あの豊満でやわらかい乳はものすごく魅力的。何万回求めても絶対にやめられない。だけどそれと引き換えにしてめちゃくそブスなんだよあいつは。言うなればガマガエル爆乳ってくらいのドブスだな。だからさ、超ブスな爆乳が好きであったとしても、たまには心を清めなきゃって思うわけだよ」」

「うわぁ、浩人って最低なやつ」

「でも、そういうおれが好きなんだろう」

「まぁね」

 とまぁ、こんな会話が妻の耳に転がり込む。営業回りとかやっているはずの浩人だが、同じ職場の年下女と秘密裏にセックス。そして彼は何回も何回もくり返した。妻はブス。乳は豊満でやわらかく大変に魅力的でキモチいいから絶対失いたくないけど、それでもやっぱり妻はマジブス、ゲロブス、ガマガエルレベルであると笑いながら浩人はくり返すのであった。

(浩人……)

 美紀は我ながら大きくてやわらかい弾力と思う胸に手を当てた後、音を立てずに階段を降りていく。

―美紀はステキな女性だよ、すべてが、まるで太陽みたいにまぶしいんだー

 浩人はそう伝え美紀と結婚した。そして今でも毎日毎晩、妻の爆乳に甘え包まれまくっている。しかしそれでも彼は妻にひどい感情を抱いていたのだ。玄関にたどり着いた美紀の頭には、先ほど夫が放った言葉がグルグル回るようにしてリプレイされる。

―妻はマジブス。ゲロブス。ガマガエル爆乳―
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