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バーチャルポスターの巨乳女子と結ばれたい2

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 バーチャルポスターの巨乳女子と結ばれたい2


「スイッチオーーーーーーーーーーン!」

 お姉さんはちょっとキブンがノッているらしく、まるでどこぞの動画みたいな感じでそう言ってボタンを押した。

「はぅ!」

 葵が激におどろいた! それもそのはず、立っているだけだった美愛が急に動き出したのである。そしてほんのり顔を赤らめると、まるで……甘えん坊! と相手に言っているような感じをいっぱいに、パーカーのジッパーをゆっくり下ろす。

「う、うわ……」

 葵、思わず手からカバンを落としてしまう。いやもうカバンなんかどうでもよかった、目の前に美愛のやわらかそうな谷間がフルっと出現したのだから。

 ただ……パーカーの前を広げるとすでにビキニ姿だった。三角ビキニの豊かなふくらみは葵のハートに何十本みたいな矢を突き刺す。でも葵はちょっとだけ残念だと思った事を、バカ正直につぶやく。

「こんなビキニ姿が見れてすごくうれしいけれど、もうそれだけで死んでもいいって感じだけれど……」

「どうした少年」

「て、てっきりその……パーカーを脱いだらブラジャー姿かなぁとか思って、だからちょっと残念とか思ったりして」

「あぁ、ブラ姿になってくれるモードもあるよ」

「ほ、ほんとうに?」

「でもブラ姿はかんたんに拝めないよ」

「なんで?」

「愛情メーターというのがあってさ、ブラ姿はよっぽど相手に対しての思いが育ったときでないと見せてくれない。いや、もしかするとビキニ姿だって、愛情が育たないとかんたんには見せたくないって言い出すかもしれない。そういう風に出来ているんだ、このすごいポスターは」

「えぇ、愛情ってどうやって育てるんですか?」

「美愛とたくさん会話してひたすら想いを伝えるってことだね」

 お姉さんの説明を聞きながら、葵はポスターの美愛がパーカーとスカートを脱いで水着姿になっていくのを……こんなすばらしい光景を毎日拝めたらどんなに幸せだろうと思うしかできなかった。

「み、美愛……」

 ポスターの中の美愛はビキニ姿になっただけでなく動く。正面に立っている葵を見ながら、エヘっと微笑み片手を谷間に当てたり、顔を赤らめながら左手をクゥっと伸ばしたりと色々動く。

「で、この美愛ってほんとうにしゃべるんですか?」

 こうなったらもうとことん確認させて欲しいと、葵はお姉さんに客のわがままは正義というオーラをぶつける。

「じゃぁちょっとだけしゃべらせてみようか」

 お姉さんが言って何かをしたら、色白むっちり巨乳ビキニ姿の美愛が両腕を後ろに回し、萌えズキューン! を誘発させるポーズと表情でほんとうに言葉を発した。

「さっきからわたしを見ているきみ……きみの名前はなんて言うの?」

 その瞬間、葵の脳は天国色に染まりかける。ポーっとなり、ゆらゆらっとポスターに近づき、恋する女子を切なく見つめるしかできない男子みたいな感じで固まる。

「手を伸ばしてみたらいいよ」

 横からお姉さんの説明ボイスが発せられたので、ブルブルっと震えた手を少し前に出してみた。

「あぁ!」

 真剣おどろく葵に向かって、ポスターから恥じらう美愛の手が出てきそうって直前まで来て、それに引っ張られるようにしてポスター内に自分の手が少し進んで……取り合った。なんという衝撃と感動だろう、この世のよろこびすべてを詰め込んでも全然足りないくらいだと葵は思う。

「え、えぇ!」

 またすぐに訪れたものすごい衝撃、それは葵に神聖なる電流をたっぷり流し込む。

「あ、あったかくて……やわらかい……」

 美愛の手に触れた葵は、自分が感じていることを丸ごと声にした。そして一気に心の高ぶりが沈められ、美愛という女子の心地よさに丸め込まれることを良しとするみたいになる。

(ぁ……ん)

 心奪われ何も見えなくなりそうな葵だったが、何とか踏みとどまった。そしてすぐお姉さんに小声で、男子としては聞かずにいられないんだ! という超重要な質問をする。

「あ、あの……」

「なにかな、少年」

「お、お、おっぱい……とか触れるのかなって……」

「美愛が触ってもいいよと言ってくれたら触れるよ、きっとやわらかい弾力がいっぱいでめちゃくちゃキモチいいよ」

「うわ……」

「だけど、おっぱいは愛情が極限くらいまで育たないと応じてくれない。美愛の巨乳を揉んで味わうのは至難の業だろうね」

「極限の愛情……」

 たとえ夢みたいな話でも楽には進められないのかと思う葵だった。だがここで店員のお姉さんが仕事する。葵という少年が当然のごとく抱いたこのポスターめっちゃ欲しいって思いをやさしく煽る戦法。

「少年、こんな商品を紹介しておきながら、まことに悪いなぁと思うけれど、これ以上は深入りしない方がいいよ」

「え?」

「高いからね、このすごいポスター。絶対きみには買えない、だからたのしい夢を見たとか思ってあきらめて」

 店員はそう言いながら美愛をパーカーとロングスカートって格好に戻しストップをかけ声を出さなくしてから、恋にもお金が必要なんだよという目を葵に向ける。

「買います! ぼく、この美愛を招きます」

 葵の中にあった少年ならではのピュアなエネルギーがグワっと燃え盛る。

「少年、これいくらすると思っている?」

「1万円くらいとか……」

「甘いねぇ、まったくもって男の子は考えが甘いねぇ」

「いくらなんですか?」

「10万円だよ、10万円」

「10万円……」

 一瞬ひるむ葵だったが、ここでハッとある事に気づいた。葵は親からよっぽどの時に使うようにということで、30万円の入った口座を持っている。それはお年玉とか何やらで積み上げられたモノだが、それを使うためのカードを葵は持っており、銀行のATMに行けば10万円なんぞすぐ出せるのだ。

「じゃぁ、買います!」

「へ? 10万円だよ?」

「いまお金を下ろしに行きます。だからなんて言うんでしたっけ? たしか成約? 成約の札をかけておいてください」

「ちょ、少年」

 お姉さん店員は慌てて葵を止めようとした。だが恋心に火がついた男を止めるなど誰にもできない。そして葵が店から出ていくと、店員はフッと笑ってつぶやくのだった。

「やっぱり思った通り、あの手の少年は絶対に買うと思った。どこからお金を引っ張り出すのはわからないけれど、こっちとしては買ってくれたらそれでオーケー」

 いま、葵が制服姿とかいう事実のままATMと向かい合う。ほんとうならそれはヤバい事だ。しかも10万円も一気に引き出すと、親にバレたら家族裁判が始まるかもしれない。だがそれでも、少年の純情は美愛にしか向けられない。

(美愛……美愛といっしょに暮らせる……あんなすごい美愛といっしょに生活できるんだ。そ、それに……愛情が育ったら、美愛の巨乳っておっぱいに甘えられるんだ)

 もう考えれば考えるほど美愛。そんな葵が10万円を引き出し、すぐさま店にダッシュで戻る。愛は金で買えないというが、金がなければ始まらないのも愛なのである。

「ハァハァ……」

 店内に入ってすぐさま美愛ポスターの場所に行くと、お姉さん店員は内心とはちがうやさしい顔を浮かべる。

「少年、だいじょうぶか?」

「だ、だいじょうぶです、ハァハァ……」

「こんな高い買い物……思い直した方がいいって、10万円もあったらもっと有意義な事だってできるだろう」

「いーえ! ぼくはもう決めたんです。お姉さんが買うなって言えば言うほど、ぼくは美愛への思いを貫き通したくなるんです」

 こうして葵は中学2年生にして10万円の買い物をやった。そしてそれは自分好みのすばらしい女子キャラを自分の生活に招き入れるという夢生活の始まりであった。
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