翠名と椎名の恋路(恋にゲームに小説に花盛り)

jun( ̄▽ ̄)ノ

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28・縁日デートしよう(女子力の補充)2

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「ただいま!」

 もうすでに頭の中は縁日デートで埋め尽くされている翠名の声は弾んでいた。そしてその声にふさわしい足取りで居間に直行したら、開口一番で今日は縁日に行くと母にボールを投げぶつけるみたいな勢いで伝える。

「あぁ、縁日ね、別にいいよ、夜の9時までに帰ってくるなら」

「で、お母さん、浴衣出して、浴衣で行くから」

「はぁ? 浴衣、なんで面倒くさいじゃん」

 母、 居間のイスに座りテーブル上の湯飲みをつかんでお茶をズズっとすすりながら、次に醤油せんべいをバリバリかみ砕きながら、普段着でいいじゃん、浴衣なんてかったるいじゃん! と、面倒はキライです! とダレた女全開みたいな感じで言う。

「そりゃぁ、お母さんは女子力が廃墟モードだからいいけど、わたしはまだ女子力が花園モードなんだよ、だから協力してよ」

「ったく変な言い方ばっかり吸収して……」

 女子力が廃墟モードとか言われた母、ちょっとカチン! としつつ、仕方ないかと立ち上がる。でも娘の方を向き直り、なぜ縁日に浴衣を着たいと思う? と。母のその目には、まさか彼氏がいるとかいうんじゃ……と軽い疑りが入っている。

「そ、それはほら、友だちが浴衣で来るって言うから、だからわたしも張り合ってみたいと思って。だってほら、のほほんとしていたら女子力って育たないじゃん」

 翠名は親に彼氏がいるって事を隠そうとは思っていない。でもまぁ報告というのは、もう少し愛情が育ってからにしたいとか思っていた。姉の椎名もそういう所を分かってくれているのか、妹には彼氏がいる! なんて親に密告したりはしていない。

「色は? どれを着たいの?」

「えっと……」

 翠名は短い時間の中でしっかり考えた。所有する浴衣の中で何がいいか、水色かピンクか、やっぱりさっくりピンクか? と思った。だがそのとき豊かな胸のふくらみにビリビリっと電気が走り、それによって浴衣のチョイスが終わった。

「アイボリーでお願い」

 翠名がいま選んだのは生成色(きなりいろ)アイボリー、金魚、流水紋(りゅうすいもん)というモノ。それはなぜから他のと比べると、下にある翠名の胸のふくらみがとても豊かなんです! ってアピール力がつよくなる。でも恥じらいながらこれを選んだのは、縁日デートに翠名の心が燃えているゆえ。

「じゃぁ、着替えようか」

 母に着物を持ってきてもらった翠名、では! と気合十分にブレザーのボタンを外し始める。でも今は心がピンク色でもあるから、言ったら怒られるとわかっていても、言ってみたりする。

「あのさぁ、お母さん」

「なに?」

「浴衣の下はノーブラとか、やっぱりダメだよね、それっていけないよね?」

「はぁ? 本気で言っていたらビンタするよ? 誰でもそうだけれど、とりわけあんたみたいにおっぱいが大きい巨乳がノーブラで浴衣とか許されるわけがないでしょうが。それとも翠名、あんたまさか……」

「な、なに?」

「巨乳の谷間とかおっぱいをチラチラさせて男の子に注目されたいとか、頭が腐ったような事を考えたりしているんじゃないでしょうね?」

「そ、そんなわけない……」

「ならいいけど」

 さすがに今のはちょっと調子に乗りすぎてヤバかったか、実際そんな事しないけれど、しないけどさ……なんて思いながら翠名がボタンを外していくと、まずはプクッとやわらかい美巨乳の共鳴! たる谷間が登場。

「ん……」

 キモチがどんどん乙女色に染まっていく翠名がさらにボタンを外していけば、白いフルカップの豊かな表情が出現。そしてシャツをくわっと左右に広げると、色白むっちりのグラマーさんって体が少し傾く。すると白いカップ内と谷間が乙女な微動を浮かべる。

「んぅ……」

 豊かなふくらみを突き出すみたいにして背中に両手を回したら、クッと背中のホックを外していく。そうしてフッと軽い感じが生じると、豊満な乳房がブラの支えから解放され自由になる。そうして上半身を裸にした中2女子は94cmのふくらみを出したまま、浴衣の下に着けるべく和装ブラに手を伸ばす。

「翠名」

 突如真正面に立った母、娘のすごい豊かな乳房と谷間を見下ろす。どこしらさすが椎名の母という感じに満ちた表情が印象的。

「な、なに?」

「いや……わが娘ながらほんとうにおっぱいが大きいと思って」

「今さら……」

「ちょっとだけ揉ませて、ね?」

 言った母、娘が反応するより先に、いまや自分のBカップより大きくて豊かなFカップってふくらみをゆっくり味わうように揉む。

「ん……んぅ……」

「すご……この大きさ、このやわらかい弾力の揉み応え、この手触り」

 母はおバカさんモードに入ったような事を言って乳揉みするが、突然真顔になって乳から手を離して言う。

「中2でこんなおっぱいがノーブラとか許されないんだよ、わかってるよね? たとえ浴衣でもノーブラはダメなんだよ、わかってるよね?」

「わ、わかってるよ……」

 翠名、和装ブラにふくらみを預け整えながら内心で思う。同じ女におっぱいを揉まれてもうれしくもなんともない……やっぱり……揉まれるなら、求められるなら、やっぱり相手は彼氏でありたいなぁとか何とか。

「じゃぁ、お願い……」

 翠名、やっかいな帯を母に手伝ってもらいながら、早くデートの時間が来ればいいのにと、確実に女子力を高めていく。

「ほら、できたよ」

 母はそう言ってから娘の前にスタンドミラーを置いてやる。

「お、ありがとう!」

 さっくりと喜ぶというその姿は、これで友だちとたのしく過ごせる! と素朴にかわいい感じだが、もし家に一人しかいなかったらきっと違う喜びようになるだろう。たとえば赤らめた頬を両手で抑えながら、やだぁ……とピンク色にはしゃいだりするだろう。

「ただいま」

 ここでタイミングよく登場! って感じの声が玄関に響く。そう椎名が学校から帰ってきたのだ。

「あぁ、小腹が空いちゃった。ポテチとか欲しいですよぉ、コンソメ味をパリパリ言わせたいですよぉ」

 そんな事を歌うようにしてやっきた椎名、ただいま! と居間に通じるドアを開けたのだった。

「おかえり」

 うるさいのが帰ってきたなぁと思う翠名であったが、ここはひとまず落ち着いて姉にあいさつしておく。

「す、翠名……何その格好」

 ワナワナっと震える椎名、今日はを必要にするような何かがあったけ? と記憶の確認って作業をやり始める。

「縁日に行くんだよ」

 どうせ隠せないのだからと開き直った翠名がサラっと言ってのける。

「縁日!」

 そうだった、今日は縁日があったんだ! と、すっかり忘れていた自分を赦せないと言わんばかりに椎名は右手をギリギリっと握る。

「友だちと行くんだって。椎名も縁日に行って来たら?」

 母が言ったのを聞いた椎名の脳がピン! と軽くはじかれた。

「友だちと行く?」

 椎名、浴衣姿の妹を2秒ほど見つめてから歩み寄ると、相手の手首をグッとつかみ引っ張る。そして困惑する妹を応接間に引っ張り込むと、ドアを閉めてから切り出す。

「友だちとか行くとかウソかましてるんじゃない、翠名のウソつき、詐欺師、将来はロクな女にならない」

「そんなこと言ったって……」

 翠名は姉を見ながら反論する。彼氏がいる事を親に隠しているのではなく、言うべき時が来たら言うってタイミングを待っているだけなんだよと。

「なんなら、お母さんに密告してくれてもいいよ? わたしやましい事なんてしていないってしっかり反論するから」
 
 翠名が前向きに戦うみたいな態度を取って見せたら、椎名はくぅっと悔しそうな声を出す。なぜならこの流れで妹に彼氏がいると母に伝えたりしたら、伝えた姉の方が幼稚って判定になるのは避けられないから。

「翠名の色気虫!」

 椎名は言う。いま翠名が身に着けている浴衣、それは他のと比べたら翠名のふくらみが豊かって事実を表に示しやすい。それを翠名はちょっと恥ずかしいと言った事もある。それをデートに使うというのは色気虫以外の何でもないとする。

「いいもん、色気虫でもいいもん」

「はぁ? どういうこと?」

「わたしがおっぱい大きいのは事実だもん、そんな自分にドキドキしてもらって、それで彼氏の想いをちゃんと受け止め愛を育んで何が悪いの? って話じゃん」

「くぅ、翠名!」

 妹がバカになった、これはゆゆしき事態! と椎名はグッと両手を握りしめたが、ここで閃いた両手を軽く合わせてポン! っと音を立てる。

「よし決めた!」

「決めたってなにを?」

「わたしも縁日に行く」

「あ、そう……」

 翠名、姉が縁日に来ると言ったとき、姉は自分ひとりもしくは友人たちと縁日に行くのだろうと思った。つまりそれ自分とは関係ないって距離を持てるって話だから、別に気にしなくてもいいと余裕をかました。

「翠名、わたしあんたと望の間に割り込むから」

「はぁ? なにそれ、止めてよ」

「お母さん、わたしも浴衣になるから出して」

 イヤがる妹をそっちのけにして応接間から出ていった椎名、自分も浴衣になって縁日に足を運ぶのだとその気マンマン! だから妹は頭をかきながら疲れたようなコケでこぼすしかなかった。やめてよお姉ちゃん……と。
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