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21・姉妹裁判1
しおりを挟む「ただいま」
先ほど妹の同級生たる男子から、翠名に彼氏がいると聞いた椎名、雨で濡れまくりの傘をキュッと締めて置くと、ぐぅっと高ぶるキモチを抑え、居間にいる母に顔を見せ、次に手洗いとうがいをする。
「翠名め……」
さぁ、やっと怒りを外に出す時間がやってきた! と、椎名が階段を上がり始めた。長時間に及ぶ説教をする気マンマンで2階に到着すると、妹部屋の前に立ちノックと同時に声を出すって、今まさにそれをやろうとした。
が、しかし……うん? っと椎名の勢いにブレーキがかかる。なぜなら室内より色っぽい声が聞こえて来たからだ。
「ハァハァ……ぁんん……んぅ……」
それは翠名という巨乳女子が女子として溶けているボイスであり、それ以外で発せられる事なんぞは考えられない。
(オナニー中か……)
椎名、ノックしようかどうか一瞬悩んだ。ここで声を出せば、おそらくは自分の手で自分の巨乳を揺さぶったりして心を燃やしている翠名にすさまじい急ブレーキをかける事になる。いまの椎名にしてみれば、ざまーみろ! 的な流れになる。
(しかし……)
椎名が軽く唇を噛み、顔を赤くしてあきれるのは……翠名の声が大きいからだった。それはオナニーによる高ぶりがすごいというだけでなく、外が雨という状況に甘えているのだ。つまり雨音が大きいから、オナり声のボリュームを上げても大丈夫と油断しまくっているって話だ。
「ぁ、ぁん……キモチいい、すごくキモチいい……」
翠名の声はあきらかに妄想度が高い。まるで……彼氏と愛し合っている真っ最中みたいな、そういうフィーリングが震える声を印象的にしている。
(翠名め……女子力の高いオナニーをしたりして……)
怒りがこみ上げつつ、赤い顔のままドアに耳を押し付けた。椎名も中3ながらDカップとふくらみは豊かであるから、乳がちょっとジャマ……とか思いながら、ドアにビタっと貼りつき妹のオナ声を聞く。
「ハァハァ……望は? 望はキモチいい?」
まるで彼氏がそこにいる! という感じの声が聞こえた。もし親がここだけ聞いたら、激怒しながらドアを開けたりするだろう。
「あんぅ……望の甘えん坊……おっぱいにばっかり甘えて……」
いま、この声を盗み聞きした椎名はこう思った。まぁ……翠名が妄想オナニーするならそういうセリフが出るよな……と。
「ま、待って……いっしょにイキたい、2人でいっしょにイキたい!」
翠名の声がさらに大きくなった。そしてベッドがギシギシっと求め愛サウンドを立てている。
「ハァハァ……望、体位を変えよう、ね? 対面座位にしよう……お、おっぱいに抱いてあげるから、それで達する方が……望だってうれしいでしょう?」
翠名の声はもう完全に愛し合っている最中の女子でしかなく、まさかほんとうに彼氏がいるんじゃないだろうか? と聞き耳を立てている椎名は不安になってしまったりする。
「ハァハァ……望、出して……出して……中に出して!」
妹の天国へ一直線的な声を聞きながら椎名は思った。この妄想オナニーはさぞやキモチいいだろう、ここまで妄想に入り込んだら性感帯が100%以上の仕事をしてしまうだろう。されどこんなにも心身が深い快感に溺れたら、後でものすごく疲れてしまうのも避けられないだろうなと。
「い、いや……イッちゃう……イッちゃう、イッちゃう!」
翠名の声がクライマックス色に染まっている。ギシギシって音もハンパなくデカく、中2でFカップという巨乳女子はその体と心を余すところなく使いこなしている。
「の、望、望……望、望、望」
もうすぐ翠名が達する。椎名はドアに耳を当てたまま、自分もちょっとオナニーしたいと思ったりしていた。いや、実際にほんのちょっとパンツは濡れていた。だが妹に説教しようと思っている自分が妹のオナ声に触発されてオナるのは格好悪いだろう! と自分を律する。
「はんぅん!!!!」
いま……翠名が付き当たった。その姿はドアの向こうにあって見えないのだが、あまりにも情熱的な妄想オナニーの果てだから、同じ女である椎名には妹が震え唇を噛んでいる光景がうっすらと見えてしまう。
「はぅ……き、キモチ……いい……」
翠名の燃え上がっていた声がくぅっとフルーツの中へ沈み込むように変わっていく。愛し合っていたパートナーにほんのり甘えるような、そんな声が聞こえ始めた。
「ハァハァ……キモチよかった、も、ものすごくキモチよかった……こ、こんなにキモチよかったって初めて」
いま、翠名から出る声の色が変わった。いまのはオナニーの妄想が解除されたモノだ。オナニーの快感に満足し、体に渦巻く快感と疲れを持って一休みしようって、まさにその瞬間に声だと、同じ女の椎名はしっかり読み取る。そしてこの瞬間こそ、椎名がドアをノックするに最高のタイミングだったりする。
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