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30)かわいい子をイジめたい願望
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ありきたり。本当に普通の公園である。そんな何の変哲もない公園で、美咲ちゃんの鮮やかな白い下着(というか水着なのだけど)の色だけが、チラリチラリと見え隠れする。
その色が僕の脳裏に焼き付く。ほんの数センチの白色なのに、とても強烈である。
何て言えばいいのだろうか、それは闇夜にキラッと輝く星の光のような。緑の野原を跳ねるように舞う一匹の蝶のような。
うーん、もっと上手い比喩が思いつかないだろうか、
とにかく、大変刺激的な出来事で、僕は本当にもやもやした気持ちになっている。
もやもやというか、端的に言えば劣情に悶えているわけである。
と同時に、ディレクターとしての僕はガッツポーズをしている。良い絵が撮れているぜ。凄い作品になりそうだわい、そんな興奮でいっぱい。さすが椎名美咲ちゃん。期待以上の仕事振り。
一方、新人のゆかりちゃんである。
彼女のスカートの中を撮影することは、ゆかりちゃんのマネージャーからNGが出ている。たとえそれが水着であっても駄目。しかし撮影はしている。
「使えませんね」
見える度に、マネージャーさんは言ってくる。
「うーん、そうですね、どうやって編集しようかな」
撮影中、僕は彼女のマネージャーさんとそんな遣り取りをしている。
ゆかりちゃんのスカートは美咲ちゃんよりも短いわけであるから、やはり見えてしまう確率は高く、その事実を前に、ゆかりちゃんは何度も困ったような顔をしたり、戸惑ったりしている。
その表情は僕を興奮させていた。可愛いゆかりちゃんを困らせている、辱めていることに興奮していたのだろう。
美咲ちゃんが「見せている」のだとすれば、ゆかりちゃんは「見られている」のだと思う。
滑り台、ジャングルジム、ブランコ、そして砂場での砂遊び、その全ての場面においてゆかりちゃんは、不可抗力で見られてしまっている。
つまりこういうことだ。美咲ちゃんとゆかりちゃんとでは微妙に役割りが違うのだ。
僕たちは、美咲ちゃんを前にして跪く。
その一方、ゆかりちゃんを前に、僕たちは自分の攻撃欲を満たす。
かわいい女子に邪険にされたい。君臨されたい。振り回されたい。そういう欲望は美咲ちゃん、いや、美咲様で。
かわいい子をイジめたい、恥ずかしい思いをさせたい、そういう欲望をゆかりちゃんにぶつける。
期せずして、MとSの両方を満たしてくれる二人ではないか。
もちろん、それは理想であって、実際にその通りにいっているかどうかは難しいところであり、僕がそれに気づいたのは今さっきで。そんな深遠な意図があってキャスティングしたわけではないのだけど。
しかしそれはけっこう面白い対比になるはずで、この作品が特別なものになる予感を覚えざるを得ない。
つまり我々はゆかりちゃんが緊張している姿、恥ずかしそうにしている表情を、淡々と撮影すればいいわけだ。
ゆかりちゃんがどれだけ困ろうが、泣こうが知ったことではない。だってゆかりちゃんは、イジワルされるために生まれてきた女の子なのだから!
その色が僕の脳裏に焼き付く。ほんの数センチの白色なのに、とても強烈である。
何て言えばいいのだろうか、それは闇夜にキラッと輝く星の光のような。緑の野原を跳ねるように舞う一匹の蝶のような。
うーん、もっと上手い比喩が思いつかないだろうか、
とにかく、大変刺激的な出来事で、僕は本当にもやもやした気持ちになっている。
もやもやというか、端的に言えば劣情に悶えているわけである。
と同時に、ディレクターとしての僕はガッツポーズをしている。良い絵が撮れているぜ。凄い作品になりそうだわい、そんな興奮でいっぱい。さすが椎名美咲ちゃん。期待以上の仕事振り。
一方、新人のゆかりちゃんである。
彼女のスカートの中を撮影することは、ゆかりちゃんのマネージャーからNGが出ている。たとえそれが水着であっても駄目。しかし撮影はしている。
「使えませんね」
見える度に、マネージャーさんは言ってくる。
「うーん、そうですね、どうやって編集しようかな」
撮影中、僕は彼女のマネージャーさんとそんな遣り取りをしている。
ゆかりちゃんのスカートは美咲ちゃんよりも短いわけであるから、やはり見えてしまう確率は高く、その事実を前に、ゆかりちゃんは何度も困ったような顔をしたり、戸惑ったりしている。
その表情は僕を興奮させていた。可愛いゆかりちゃんを困らせている、辱めていることに興奮していたのだろう。
美咲ちゃんが「見せている」のだとすれば、ゆかりちゃんは「見られている」のだと思う。
滑り台、ジャングルジム、ブランコ、そして砂場での砂遊び、その全ての場面においてゆかりちゃんは、不可抗力で見られてしまっている。
つまりこういうことだ。美咲ちゃんとゆかりちゃんとでは微妙に役割りが違うのだ。
僕たちは、美咲ちゃんを前にして跪く。
その一方、ゆかりちゃんを前に、僕たちは自分の攻撃欲を満たす。
かわいい女子に邪険にされたい。君臨されたい。振り回されたい。そういう欲望は美咲ちゃん、いや、美咲様で。
かわいい子をイジめたい、恥ずかしい思いをさせたい、そういう欲望をゆかりちゃんにぶつける。
期せずして、MとSの両方を満たしてくれる二人ではないか。
もちろん、それは理想であって、実際にその通りにいっているかどうかは難しいところであり、僕がそれに気づいたのは今さっきで。そんな深遠な意図があってキャスティングしたわけではないのだけど。
しかしそれはけっこう面白い対比になるはずで、この作品が特別なものになる予感を覚えざるを得ない。
つまり我々はゆかりちゃんが緊張している姿、恥ずかしそうにしている表情を、淡々と撮影すればいいわけだ。
ゆかりちゃんがどれだけ困ろうが、泣こうが知ったことではない。だってゆかりちゃんは、イジワルされるために生まれてきた女の子なのだから!
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