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第14話古代遺跡への道

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第二章・第十四話:古代遺跡への道

「よし、準備は整ったな。」シグウェルは仲間たちを見回しながら言った。

朝の光が差し込む森の中、彼らは古代遺跡を目指していた。その場所は以前の冒険で部分的に探索したことがあったが、深部までは足を踏み入れていない。シグウェルが見た幻影の神殿――そこに似た装飾が、確かにその遺跡の入り口付近にあったのを思い出していた。

「漆黒の炎も動いている可能性が高いわ。急いだほうがいい。」セリーネが前を歩きながら言う。

「でも、あそこって確か魔物がたくさん出てきた場所だよね?」リナが少し不安そうに続ける。「前回は大変だったのに、今度はもっと奥に行くんだよ?」

「大丈夫さ。」エルナがリナの肩を軽く叩いて励ます。「俺たちは前より強くなってる。それに、シグウェルが見たっていう幻影が本物なら、あの場所には重要な秘密が眠ってるはずだ。」

シグウェルは光の石を手に取り、しっかりと握りしめた。「この石が俺たちを導いている。俺は信じるよ。この先に、俺たちが探している答えがあるって。」

森の中の試練

遺跡へ向かう道中、彼らは鬱蒼とした森を進んでいた。昼間だというのに薄暗く、湿った空気が肌にまとわりつく。突然、茂みの中から不穏な音が聞こえた。

「待って。」セリーネが手を上げて足を止める。

リナが呆然と周囲を見渡す。「また魔物…?」

その時、茂みの中から巨大な狼型の魔物が飛び出してきた。その瞳は赤く輝き、牙を剥き出しにして威嚇している。

「こいつ、前よりも強そうだな!」エルナが剣を抜きながら叫ぶ。

「気をつけろ!」シグウェルが光の石を掲げ、魔力を集中させた。

狼型の魔物は一行を取り囲むようにして動き回り、隙を狙っている。セリーネが素早く炎の魔法を放つと、狼の一匹が悲鳴を上げて後退した。だが、その直後に別の狼が後ろから飛びかかってきた。

「リナ、後ろだ!」シグウェルが叫び、光のバリアを展開して攻撃を防ぐ。

「ありがとう!」リナは感謝を述べながらも魔法の矢を放ち、狼を追い払った。

戦闘は激しく、森の中の木々や地面には次々と傷跡が残されていく。それでも、一行は協力しながら魔物たちを次々と倒していった。

「ふう…なんとか片付いたな。」エルナが剣をしまいながら息を整える。

「でも、前よりも魔物が凶暴化している気がする。」セリーネが眉をひそめた。「漆黒の炎が何かしているのかもしれない。」

「先を急ごう。遺跡までまだ距離がある。」シグウェルが仲間たちを促し、再び歩き出した。

遺跡の入口

数時間後、一行はついに遺跡の入口にたどり着いた。その場所は、自然に埋もれた古代の建造物であり、苔とツタが石壁を覆っている。以前訪れた時の痕跡も残っていたが、今回の目的はその奥深くにある未知の領域だ。

「この先が問題だ。」セリーネが慎重に周囲を見回しながら言った。「漆黒の炎が先に進んでいる可能性もある。気を引き締めていこう。」

「大丈夫だよ、私たちならきっと何とかなる!」リナが自分に言い聞かせるように元気よく言った。

遺跡の中は薄暗く、壁には古代文字が刻まれている。シグウェルはその文字を見ながら、どこか既視感を覚えていた。

「この文字…」彼は手を止めて壁をじっと見つめた。「夢で見た神殿にも似たような文字があった。」

「読めるの?」エルナが興味津々で近づいてきた。

「いや、はっきりとはわからない。でも、何か重要な手がかりが隠されている気がする。」

その時、光の石が再び淡い輝きを放ち始めた。それはまるで、進むべき方向を示しているかのようだった。

「この石が導いてくれているみたいだ。」シグウェルはその光を頼りに、一行を奥へと導いた。

古代の罠

遺跡の深部へ進むと、突然床が動き出し、仕掛けが発動した。鋭い矢が壁から飛び出し、床が崩れ落ちる罠が次々と現れる。

「みんな気をつけろ!」シグウェルが叫ぶ。

セリーネが素早く炎の魔法で矢を焼き払い、エルナは剣で床を突きながら罠を確認して進む。リナも魔法で仲間たちの動きをサポートし、なんとかその場を切り抜けた。

「ここは罠だらけだな…。」エルナが疲れた声で呟く。

「それだけ、この先に重要なものがあるってことだ。」シグウェルは汗を拭いながら進む方向を確認する。「あと少しで核心に近づけるはずだ。」

真実の扉

ついに一行は、巨大な扉の前にたどり着いた。その扉には複雑な紋様が描かれており、中央には光の石と似た形の凹みがあった。

「この扉…光の石を使えってことか?」エルナが扉を見上げながら言う。

「試してみよう。」シグウェルは光の石を取り出し、扉の中央にある凹みに当てた。

その瞬間、扉が淡い光を放ち始め、低い音を立てながらゆっくりと開いていった。

扉の向こうには、広大な空間が広がっていた。中央には巨大な水晶が輝き、周囲には古代文字が刻まれた石碑が並んでいる。その光景は、シグウェルが夢で見た幻影と完全に一致していた。

「これが…真実の光の秘密?」リナが感嘆の声を上げる。

「気をつけろ。」セリーネが警告した。「ここが重要な場所であるなら、漆黒の炎が何もしていないはずがない。」

その言葉が終わる前に、空間に不穏な気配が漂い始めた。闇の魔力が渦巻き、漆黒の炎の紋章が空中に浮かび上がる。

「ようやく来たか…」低い声が空間に響いた。

一行は再び剣を握り締め、魔法を構えた。新たな戦いが始まろうとしていた――真実を巡る運命の戦いが。
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