73 / 75
72.喜び
しおりを挟む
「王女殿下の体ですか?」
「ええ。私の時間を戻していた時、私の体が小さくなって衣服がずれる感覚がしました。その時に、み、見たのではないですか?」
た、確かに見えた。でもすぐに目を逸らしたから、ちゃんとは見ていない。それに衣服がずれるという事は子供の頃に戻っていたという事だ。幼女とまではいかないけど、その若さの女の子に欲情はしない。だから正直、見たところで…って感じだ。でも王女からしたら、そうではないんだろうな。
「すみません。ですがすぐに目を逸らしたので、ちゃんとは見ていません」
「…それは本当みたいですね」
どうして本当だと分かったんだろうか?そういうスキルだろうか。
「だから私達の距離は縮んでいると思うんです」
「どうして私との距離を縮めたいんですか?」
「そ、それは、その…」
そう呟くように言うと、王女の顔は赤くなり、黙ってしまう。…ん?この反応は…いや、でも、まさかそんな事はないか。
「と、とにかく、今までの関係ではなく、もっと仲良くなりたいんです。他に友達もいませんし…」
っと、そういう事は言わせたらまずかったか。王族なら友達も出来づらいだろうし。
「分かりました。名前で呼ばせて頂きます」
「はい!」
王女が喜んで微笑む。
「えっと…クリス様」
「はい♪でも様も要らないですよ」
「それは厳しいです」
「ですよね。だからそこは無理を言いません」
「ありがとうございます。それでは私はラソマさんと呼んでも良いですか?」
「勿論です。それでは、そろそろ陛下を部屋にお入れしてもよろしいですか?」
「もう少しラソマさんと二人きりでお話をしたかったんですけど、仕方ないですね。それはまたの機会にします」
「その時を楽しみにしています。それでは結界を解除します。………陛下、終わりました」
防音の結界を解除したので、国王に声をかける。
「おう!終わったか!」
扉を開けて、そう言いながら国王と第一王子、それに第二王子も入ってくる。それと知らない女性も一緒に入ってきた。
「お父様、お母様、それにお兄様達も!」
知らない女性は王妃か。
「クリス…なのか?」
「はい」
「あぁ、クリス!!」
そう言ってクリスを抱き締めた王妃は泣いている。素顔を見たのも久し振りなんだろうな。
「…ラソマ伯爵、成功したのだな。感謝する」
「陛下!頭を上げてください!」
国王が頭を下げてきたので驚いた。頭を上げるようにお願いすると、頭を上げてくれた。
「ラソマ伯爵には本当に感謝している。まさか呪いを解く事ができるとは思っていなかった。ラソマ伯爵を疑っていたわけではないのだがな」
「いえ、気持ちは理解できます。今まで呪いが解けなかったのですから」
国王と話をしていると、クリスから離れた王妃がこちらを向く。
「初めて会うわね。私がクリスの母親よ」
「お会いできて光栄です、王妃殿下」
「ラソマ伯爵、クリスの事は本当にありがとう。私が生きている間にクリスの顔を見れるとは思っていなかったから、とても嬉しいわ」
「魔王を倒せるだけではなく、呪いも解けるなんて、本当にラソマ伯爵は素晴らしいな!」
第一王子が楽しそうに言う。
「本当に、全てラソマさんのお陰です」
「クリス様の呪いが解けて良かったです」
「あら?なんだか砕けた呼び方になっているわね」
「そうだな。クリス、伯爵と呼ばなければならんぞ?それにラソマ伯爵も普通は王女殿下と呼ぶものだが…いや、さっきまではそう呼んでいたな」
「も、申し訳ありません!」
「良いんです。私がそうして欲しいと言ったんですから」
「クリス?」
「はい。私、ラソマさんともっと仲良くなりたいんです」
「ほう?」
「あらあら」
王妃が口元に手を当てて微笑む。
「クリス、それはもしかして…」
「お兄様、それ以上は口にしないで欲しいです」
「そうだな」
少し顔を赤くしたクリスに止められて第二王子は口を閉じた。
「少し気になっていたんだが、これは何だ?」
第一王子が指差して言ったもの。それは結界で囲っている呪いだ。
「それがクリス様を蝕んでいた呪いです」
「何だと!?」
「お、落ち着いてください。今は結界で囲っているので、呪いが何かに影響する事はありません」
第一王子が腰に差していた剣を抜こうとしたので止める。他の皆も驚いてるな。
「この呪いをどうするつもりだ?」
「呪いをかけた本人に返そうと思います。勿論、返る呪いを追跡して、誰が犯人かを突き止めます」
「それもできるのか?」
「はい」
「分かった。クリス、今はひとまず休んでいなさい。あとでゆっくり話そう」
「犯人の居場所に向かうのですね?」
「うむ。お前をあんな目に遭わせた者だ。絶対に赦す事などできんからな」
「ラソマさん、気をつけて下さいね?」
「はい」
「クリス、余には言ってくれぬのか?」
「あ、はい!お父様もお気をつけて」
「うむ…」
取ってつけたような王女の言い方に国王ががっかりしている。それを見て王子達が笑っているし、王妃は苦笑いしている。しかし王子達は国王に睨まれると、笑う事を止めた。
「それでは呪いをかけた本人に反射します」
「反射か。そうすると、どうなる?」
「呪いに詳しくないので、実際には分かりませんが、おそらく、呪いをかけられた状態になるかと」
「呪いをかけた犯人だ。それなら何の文句もないな」
「はい」
本当に赦せない。俺は王女とは何の接点もない、お茶会をしたくらいの仲だ。でも、女の子にあんな呪いをかけるなんて絶対に赦せない!
「…ラソマ伯爵、もしかしてかなり怒っておるのか?」
「はい。クリス様にあのような呪いをかけた者が赦せません。も、勿論、分を弁えているので私に、赦せない、などと言う権利がないのは分かっているのですが」
「良い。王女の為に怒ってくれているのだ。咎める事はせん」
「ありがとうございます」
「不謹慎かもしれないけど、ラソマさんが私の為に怒ってくれている事が嬉しいですね」
「く、クリス様…」
「ラソマ伯爵…父親の余の前では仲良くするのは止めてくれぬか?分を弁えるより、時と場所を考えてほしいのだが」
「す、すみません」
いや、いちゃついてたわけじゃないよ?俺にはアミスっていう大切な人がいるんだから、他の女性に目移りするわけがない。とは思っても言える雰囲気じゃないな。
「それでは呪いを反射します」
「うむ」
国王の許可を得て、呪いを、かけた本人に反射する。
「む?呪いがゆっくり動いていくな」
「はい。一気に反射するとついていけない可能性がある為、呪いの時間の流れを遅くしています」
「何でもアリだな」
そう言って第一王子が笑う。
「もしラソマ伯爵と闘う事になっても一方的に負けそうだ」
「確かに…ラソマ伯爵とは敵対しない方が良いね」
「うむ。それならクリスを嫁がせるのも良いな。娘は大切だが、本人もそれを望んでいそうだし」
「お父様!」
国王の言葉にクリスが声を荒げる。本人達を前にして言う事じゃないと思うんだけど、たぶん冗談で言ってるんだろう。仲が良いんだと思う。
「さて、では犯人の居場所まで行くか。クリスとお前は残っていなさい」
「はい」
クリスが返事をし、王妃も頷く。
「お前達はどうする?」
「勿論、行きます!」
「妹を苦しめた犯人に何か言わないと気が済まないので」
「そうだな。だが手は出すなよ?きちんと法にのっとって裁きにかけるからな」
「はい」
「それでは少し動きを早めます」
俺はそう言って呪いの動きを早くする。少しゆっくり過ぎたからな。俺と国王、それに王子達がついて行く。さて、どこに行くのか。
しばらく城内を歩いていると、呪いがとある部屋の扉の前で止まった。そして扉を通り抜けるようにして中に入って行った。
「この部屋に犯人が居るという事か?」
「おそらく…いえ、間違いなくそうですね。今、犯人らしき人物に呪いが入りました」
「見えるのか?」
「いえ、結界内の出来事は認識できるので」
「成程、凄まじいな」
「陛下、この部屋は…」
「うむ、奴の執務室だ。ラソマ伯爵、この中に人は何人いる?」
「1人だけです」
「それでは間違いなく、奴だな」
国王達の顔が険しくなっていく。迫力が凄いな。事情を知っているから怒っている理由も分かるし、共感もしている。それでも迫力がある。これが本当の王族の迫力なんだろうか。
「ギャーーーーーッッッ!!!」
いざ部屋に入ろうとした時、部屋の中から大きな叫び声が聞こえた。
「ええ。私の時間を戻していた時、私の体が小さくなって衣服がずれる感覚がしました。その時に、み、見たのではないですか?」
た、確かに見えた。でもすぐに目を逸らしたから、ちゃんとは見ていない。それに衣服がずれるという事は子供の頃に戻っていたという事だ。幼女とまではいかないけど、その若さの女の子に欲情はしない。だから正直、見たところで…って感じだ。でも王女からしたら、そうではないんだろうな。
「すみません。ですがすぐに目を逸らしたので、ちゃんとは見ていません」
「…それは本当みたいですね」
どうして本当だと分かったんだろうか?そういうスキルだろうか。
「だから私達の距離は縮んでいると思うんです」
「どうして私との距離を縮めたいんですか?」
「そ、それは、その…」
そう呟くように言うと、王女の顔は赤くなり、黙ってしまう。…ん?この反応は…いや、でも、まさかそんな事はないか。
「と、とにかく、今までの関係ではなく、もっと仲良くなりたいんです。他に友達もいませんし…」
っと、そういう事は言わせたらまずかったか。王族なら友達も出来づらいだろうし。
「分かりました。名前で呼ばせて頂きます」
「はい!」
王女が喜んで微笑む。
「えっと…クリス様」
「はい♪でも様も要らないですよ」
「それは厳しいです」
「ですよね。だからそこは無理を言いません」
「ありがとうございます。それでは私はラソマさんと呼んでも良いですか?」
「勿論です。それでは、そろそろ陛下を部屋にお入れしてもよろしいですか?」
「もう少しラソマさんと二人きりでお話をしたかったんですけど、仕方ないですね。それはまたの機会にします」
「その時を楽しみにしています。それでは結界を解除します。………陛下、終わりました」
防音の結界を解除したので、国王に声をかける。
「おう!終わったか!」
扉を開けて、そう言いながら国王と第一王子、それに第二王子も入ってくる。それと知らない女性も一緒に入ってきた。
「お父様、お母様、それにお兄様達も!」
知らない女性は王妃か。
「クリス…なのか?」
「はい」
「あぁ、クリス!!」
そう言ってクリスを抱き締めた王妃は泣いている。素顔を見たのも久し振りなんだろうな。
「…ラソマ伯爵、成功したのだな。感謝する」
「陛下!頭を上げてください!」
国王が頭を下げてきたので驚いた。頭を上げるようにお願いすると、頭を上げてくれた。
「ラソマ伯爵には本当に感謝している。まさか呪いを解く事ができるとは思っていなかった。ラソマ伯爵を疑っていたわけではないのだがな」
「いえ、気持ちは理解できます。今まで呪いが解けなかったのですから」
国王と話をしていると、クリスから離れた王妃がこちらを向く。
「初めて会うわね。私がクリスの母親よ」
「お会いできて光栄です、王妃殿下」
「ラソマ伯爵、クリスの事は本当にありがとう。私が生きている間にクリスの顔を見れるとは思っていなかったから、とても嬉しいわ」
「魔王を倒せるだけではなく、呪いも解けるなんて、本当にラソマ伯爵は素晴らしいな!」
第一王子が楽しそうに言う。
「本当に、全てラソマさんのお陰です」
「クリス様の呪いが解けて良かったです」
「あら?なんだか砕けた呼び方になっているわね」
「そうだな。クリス、伯爵と呼ばなければならんぞ?それにラソマ伯爵も普通は王女殿下と呼ぶものだが…いや、さっきまではそう呼んでいたな」
「も、申し訳ありません!」
「良いんです。私がそうして欲しいと言ったんですから」
「クリス?」
「はい。私、ラソマさんともっと仲良くなりたいんです」
「ほう?」
「あらあら」
王妃が口元に手を当てて微笑む。
「クリス、それはもしかして…」
「お兄様、それ以上は口にしないで欲しいです」
「そうだな」
少し顔を赤くしたクリスに止められて第二王子は口を閉じた。
「少し気になっていたんだが、これは何だ?」
第一王子が指差して言ったもの。それは結界で囲っている呪いだ。
「それがクリス様を蝕んでいた呪いです」
「何だと!?」
「お、落ち着いてください。今は結界で囲っているので、呪いが何かに影響する事はありません」
第一王子が腰に差していた剣を抜こうとしたので止める。他の皆も驚いてるな。
「この呪いをどうするつもりだ?」
「呪いをかけた本人に返そうと思います。勿論、返る呪いを追跡して、誰が犯人かを突き止めます」
「それもできるのか?」
「はい」
「分かった。クリス、今はひとまず休んでいなさい。あとでゆっくり話そう」
「犯人の居場所に向かうのですね?」
「うむ。お前をあんな目に遭わせた者だ。絶対に赦す事などできんからな」
「ラソマさん、気をつけて下さいね?」
「はい」
「クリス、余には言ってくれぬのか?」
「あ、はい!お父様もお気をつけて」
「うむ…」
取ってつけたような王女の言い方に国王ががっかりしている。それを見て王子達が笑っているし、王妃は苦笑いしている。しかし王子達は国王に睨まれると、笑う事を止めた。
「それでは呪いをかけた本人に反射します」
「反射か。そうすると、どうなる?」
「呪いに詳しくないので、実際には分かりませんが、おそらく、呪いをかけられた状態になるかと」
「呪いをかけた犯人だ。それなら何の文句もないな」
「はい」
本当に赦せない。俺は王女とは何の接点もない、お茶会をしたくらいの仲だ。でも、女の子にあんな呪いをかけるなんて絶対に赦せない!
「…ラソマ伯爵、もしかしてかなり怒っておるのか?」
「はい。クリス様にあのような呪いをかけた者が赦せません。も、勿論、分を弁えているので私に、赦せない、などと言う権利がないのは分かっているのですが」
「良い。王女の為に怒ってくれているのだ。咎める事はせん」
「ありがとうございます」
「不謹慎かもしれないけど、ラソマさんが私の為に怒ってくれている事が嬉しいですね」
「く、クリス様…」
「ラソマ伯爵…父親の余の前では仲良くするのは止めてくれぬか?分を弁えるより、時と場所を考えてほしいのだが」
「す、すみません」
いや、いちゃついてたわけじゃないよ?俺にはアミスっていう大切な人がいるんだから、他の女性に目移りするわけがない。とは思っても言える雰囲気じゃないな。
「それでは呪いを反射します」
「うむ」
国王の許可を得て、呪いを、かけた本人に反射する。
「む?呪いがゆっくり動いていくな」
「はい。一気に反射するとついていけない可能性がある為、呪いの時間の流れを遅くしています」
「何でもアリだな」
そう言って第一王子が笑う。
「もしラソマ伯爵と闘う事になっても一方的に負けそうだ」
「確かに…ラソマ伯爵とは敵対しない方が良いね」
「うむ。それならクリスを嫁がせるのも良いな。娘は大切だが、本人もそれを望んでいそうだし」
「お父様!」
国王の言葉にクリスが声を荒げる。本人達を前にして言う事じゃないと思うんだけど、たぶん冗談で言ってるんだろう。仲が良いんだと思う。
「さて、では犯人の居場所まで行くか。クリスとお前は残っていなさい」
「はい」
クリスが返事をし、王妃も頷く。
「お前達はどうする?」
「勿論、行きます!」
「妹を苦しめた犯人に何か言わないと気が済まないので」
「そうだな。だが手は出すなよ?きちんと法にのっとって裁きにかけるからな」
「はい」
「それでは少し動きを早めます」
俺はそう言って呪いの動きを早くする。少しゆっくり過ぎたからな。俺と国王、それに王子達がついて行く。さて、どこに行くのか。
しばらく城内を歩いていると、呪いがとある部屋の扉の前で止まった。そして扉を通り抜けるようにして中に入って行った。
「この部屋に犯人が居るという事か?」
「おそらく…いえ、間違いなくそうですね。今、犯人らしき人物に呪いが入りました」
「見えるのか?」
「いえ、結界内の出来事は認識できるので」
「成程、凄まじいな」
「陛下、この部屋は…」
「うむ、奴の執務室だ。ラソマ伯爵、この中に人は何人いる?」
「1人だけです」
「それでは間違いなく、奴だな」
国王達の顔が険しくなっていく。迫力が凄いな。事情を知っているから怒っている理由も分かるし、共感もしている。それでも迫力がある。これが本当の王族の迫力なんだろうか。
「ギャーーーーーッッッ!!!」
いざ部屋に入ろうとした時、部屋の中から大きな叫び声が聞こえた。
0
お気に入りに追加
83
あなたにおすすめの小説
とある婚約破棄に首を突っ込んだ姉弟の顛末
ひづき
ファンタジー
親族枠で卒業パーティに出席していたリアーナの前で、殿下が公爵令嬢に婚約破棄を突きつけた。
え、なにこの茶番…
呆れつつ、最前列に進んだリアーナの前で、公爵令嬢が腕を捻り上げられる。
リアーナはこれ以上黙っていられなかった。
※暴力的な表現を含みますのでご注意願います。
悪役令嬢を陥れようとして失敗したヒロインのその後
柚木崎 史乃
ファンタジー
女伯グリゼルダはもう不惑の歳だが、過去に起こしたスキャンダルが原因で異性から敬遠され未だに独身だった。
二十二年前、グリゼルダは恋仲になった王太子と結託して彼の婚約者である公爵令嬢を陥れようとした。
けれど、返り討ちに遭ってしまい、結局恋人である王太子とも破局してしまったのだ。
ある時、グリゼルダは王都で開かれた仮面舞踏会に参加する。そこで、トラヴィスという年下の青年と知り合ったグリゼルダは彼と恋仲になった。そして、どんどん彼に夢中になっていく。
だが、ある日。トラヴィスは、突然グリゼルダの前から姿を消してしまう。グリゼルダはショックのあまり倒れてしまい、気づいた時には病院のベッドの上にいた。
グリゼルダは、心配そうに自分の顔を覗き込む執事にトラヴィスと連絡が取れなくなってしまったことを伝える。すると、執事は首を傾げた。
そして、困惑した様子でグリゼルダに尋ねたのだ。「トラヴィスって、一体誰ですか? そんな方、この世に存在しませんよね?」と──。
「クズスキルの偽者は必要無い!」と公爵家を追放されたので、かけがえのない仲間と共に最高の国を作ります
古河夜空
ファンタジー
「お前をルートベルク公爵家から追放する――」それはあまりにも突然の出来事だった。
一五歳の誕生日を明日に控えたレオンは、公爵家を追放されてしまう。魔を制する者“神託の御子”と期待されていた、ルートベルク公爵の息子レオンだったが、『継承』という役立たずのスキルしか得ることができず、神託の御子としての片鱗を示すことが出来なかったため追放されてしまう。
一人、逃げる様に王都を出て行くレオンだが、公爵家の汚点たる彼を亡き者にしようとする、ルートベルク公爵の魔の手が迫っていた。「絶対に生き延びてやる……ッ!」レオンは己の力を全て使い、知恵を絞り、公爵の魔の手から逃れんがために走る。生き延びるため、公爵達を見返すため、自分を信じてくれる者のため。
どれだけ窮地に立たされようとも、秘めた想いを曲げない少年の周りには、人、エルフ、ドワーフ、そして魔族、種族の垣根を越えたかけがえの無い仲間達が集い―― これは、追放された少年が最高の国を作りあげる物語。
※他サイト様でも掲載しております。
あなたを、守りたかった
かぜかおる
ファンタジー
アンジェリカは公爵家の娘、隣国の第二王子ローランドと結婚して、この国の王妃になる予定である。
今、公爵家では結婚直前の披露パーティーが行われていた。
しかし、婚約者のローランドが迎えにこない!
ひとまずパーティー会場に一人で向かうもののそこにいたのは・・・
スカッとザマァではない
4話目の最後らへんで微グロ注意。
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
晴れて国外追放にされたので魅了を解除してあげてから出て行きました [完]
ラララキヲ
ファンタジー
卒業式にて婚約者の王子に婚約破棄され義妹を殺そうとしたとして国外追放にされた公爵令嬢のリネットは一人残された国境にて微笑む。
「さようなら、私が産まれた国。
私を自由にしてくれたお礼に『魅了』が今後この国には効かないようにしてあげるね」
リネットが居なくなった国でリネットを追い出した者たちは国王の前に頭を垂れる──
◇婚約破棄の“後”の話です。
◇転生チート。
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げてます。
◇人によっては最後「胸糞」らしいです。ごめんね;^^
◇なので感想欄閉じます(笑)
祖母の家の倉庫が異世界に通じているので異世界間貿易を行うことにしました。
rijisei
ファンタジー
偶然祖母の倉庫の奥に異世界へと通じるドアを見つけてしまった、祖母は他界しており、詳しい事情を教えてくれる人は居ない、自分の目と足で調べていくしかない、中々信じられない機会を無駄にしない為に異世界と現代を行き来奔走しながら、お互いの世界で必要なものを融通し合い、貿易生活をしていく、ご都合主義は当たり前、後付け設定も当たり前、よくある設定ではありますが、軽いです、更新はなるべく頑張ります。1話短めです、2000文字程度にしております、誤字は多めで初投稿で読みにくい部分も多々あるかと思いますがご容赦ください、更新は1日1話はします、多ければ5話ぐらいさくさくとしていきます、そんな興味をそそるようなタイトルを付けてはいないので期待せずに読んでいただけたらと思います、暗い話はないです、時間の無駄になってしまったらご勘弁を
いきなり異世界って理不尽だ!
みーか
ファンタジー
三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。
自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる