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41.意外な出会い2
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「人間!姫様から離れろ!」
いきなり言われても何の事か分からない、という事はなかった。状況からどう見ても鎧を着た魔族は同じ魔族の少女を庇ってるんだろう。
というか、こんなにも人族の領地に魔族が入ってくるなんて。
「俺としては、その子に危害を加えるつもりはないよ」
「何だと?」
「そうです、大丈夫です。その人は私を助けてくれたんですから」
「え?そうなのですか?」
少女は鎧姿の魔族に状況を説明する。薬草を探しに来て間違えて人族の領地に入った事、ドラゴンに襲われた事、そこを俺に助けてもらった事、妖精の助けを借りて薬草を無事に手に入れた事を。
それを聞いて魔族達は俺に向けて頭を下げた。
「事情を知らなかったとは言え、失礼した」
「いや、大丈夫だ。その子を守る為だというのは分かってるから」
「ありかとう。人族にも、貴方のような人がいるんだな」
「まあ…稀だとは思う」
魔族の言葉に苦笑いした。魔族イコール敵という気持ちが人族にはあるからな。
「貴女達はその子の護衛か?」
「ええ。正体は明かせないけど、私達にとって大切な人なの」
「そうか」
いや、姫様って言ってたし、言葉通りなら王女だろ?まあ相手が言わないなら、俺も追求はしないけど。
それから魔族側の事情を説明される。この魔族の女性達は少女の護衛だと言う。薬草を探す少女を護衛していたんだけど、自分達を蔑む魔族達に襲撃されて、その隙に少女とはぐれてしまったんだとか。なんとか敵の魔族を追い払う事はできたけど、少女を見失い、魔法で少女の居場所を確認して、すぐに来たんだと言う。
「同じ魔族でも色々あるんだね」
「…ええ。私達は弱いから…」
弱いから攻撃される…それは腹が立つな。助けてあげたいけど、求められてもいないのに魔族間の問題に人族の俺が介入するのもな…。
その後、少女は母親に薬草を届けるという事で、護衛の魔族達と自分達の領地に帰る事になった。
「今回は本当に有難うございました」
別れ際、少女は俺と妖精に向けて頭を下げる。護衛の魔族達はその行動に驚く。
そりゃあ普通に考えて王女が頭を下げたら驚くよな。俺が相応の立場なら驚かないだろうけど。
「お母さん、治ると良いね」
「はい!」
少女は微笑んだ。本当に無事に回復してほしい。そしてできれば人族の国に襲撃しないで欲しい。こんな事になっておいて、敵になったという理由で倒したくないから。
「あ、まだ名乗っていませんでしたね。私はカナーハと言います」
「い、いけません!人族に名前を教えては!」
「大丈夫です。この人は信用できます」
少女、カナーハが名乗った事に周りの魔族は驚いている。魔族だからってわけじゃないよな、たぶん。王女だからかな。
「俺はラソマです」
「ラソマさん、それに妖精さん、今日はありがとうございました」
そう言ってカナーハは護衛の魔族と共に、魔族の領地に帰って行った。
「まさかの出会いだったなぁ。それにしてもきみが助けてくれて助かったよ。ありがとう」
「いや、面白かったからね」
「面白かった?」
妖精の言葉の意味が分からない。
「人族が魔族を助けるなんて普通はしないからね」
「魔族が本当に困っているなら助けたいとは思うかな。それが普通の考え方とは少し違うのは分かってるんだけど」
「お人好しかな?」
「うーん、そうかな?困っている人は分け隔てなく助けたいっていう常識人だと思いたいかな」
「ははは、なるほど、常識人だね」
俺の言葉に妖精は笑う。と言っても馬鹿にした笑いではない。
「それじゃあ、僕は帰るよ」
「うん、本当にありがとう」
お礼を言うと、妖精は消えた。
さて、俺も帰るか。瞬間移動でギルドの前に移動する。人が少ない状況で移動したんだけど、やっぱり驚かれるな。これからはギルドの中に移動しようかな。目撃者が一般の通行人よりも、冒険者やギルド職員の方が驚かないだろうし。
「ただいま帰りました」
「お帰りなさい、無事だったんですね」
ギルドの受付でミオナさんに報告すると、ミオナさんは安堵の表情になる。
「実はラソマさんに依頼してから少し不安になったんです。ラソマさんは強いという事は分かったんですけど、それでもAランクの依頼の中でもドラゴン討伐なんていう難しい依頼を渡してしまって、何かあったらどうしようって」
「ミオナさん…」
「でも本当に無事で良かったです!」
ミオナさんは笑顔で言ってくれる。ドラゴンか…一撃で倒してしまったから、そこまで脅威とは思えなかったな。俺のスキルは反則級かもしれない。
「でもやっぱりドラゴンが相手だと時間がかかってしまったようですね」
「え?」
「私の予想より時間がかかっていたようなので」
「あぁ…確かにドラゴンを探すのに手間取ってしまったんです」
「そうだったんですか」
嘘だ。本当は魔族を助けていた。でもそれをここで言ったら問題になるかもしれない。だから黙っておいた。
「それでは、これからどうしますか?」
「そうですね…もう少しAランクの討伐依頼を受けてみます」
「分かりました」
その後、俺はAランクの討伐依頼を3件ほどこなし、家に帰った。
「お帰りなさいませ。今日はどうでしたか?」
家に帰ると、アミスとメルが出迎えてくれた。
「ただいま。Aランクの依頼でも苦戦はしなかったよ。全く問題はなかった」
「そうですか!良かったです」
アミスとメルは俺の言葉に安堵する。
「ラソマ様なら大丈夫だと信じてたんですが、少し心配だったんです」
「どういう依頼があったんですか?」
「ドラゴン討伐とかかな」
あれから受けた依頼の内、2つはドラゴン討伐だった。全て楽勝だったな。
「ドラゴン!?本当に大丈夫だったんですか?」
「うん。正直、苦戦なんてしなかったな。普通にモンスターを討伐した感じだね」
「ドラゴンを普通のモンスターと同じに見るなんてラソマ様くらいかもしれないですね」
2人に苦笑いされてしまった。でもこう考えられるのは普通じゃないから反論できない。
その日から1週間、俺はギルドでAランクの依頼を受け続けた。
朝。起きて服装などの支度をしていると、鐘の音が外から聞こえた。あの鐘の音は非常事態に鳴る筈だけど、何かあったのか?
「ラソマ様、起きてらっしゃいますか?!」
アミスが焦った声で部屋の前に来る。
「起きてるよ、入って」
「失礼します!」
許可を出すとアミスがメルと共に入って来る。
「今、鐘の音が聞こえたけど、何かあったのかな?」
「はい!魔王が…魔王が進軍してきました!」
「魔王!?この国に?」
「はい!」
驚きだな。まさか魔王が進軍して来るなんて。
事情を聞くと、鐘の音が聞こえる少し前、通信用の魔道具に魔王が進軍してきたという内容の連絡が来たそうだ。この魔道具は貴族なら誰でも持っており、平民でも金持ちなら購入できる。鐘の音が鳴る前に連絡が来たという事は、貴族や金持ちには非常事態だという事を真っ先に報せてくれるという事だ。差別があるようで少し辛いが、貴族と平民という格差がある世界だからな。
「それで慌ててるのか。でも勇者もいるし安全じゃないの?」
そもそも勇者がいるのにどうして魔王は攻めてきているのか。
「それもそうなんですけど心配で…」
「もう百年以上、魔王が進軍してきたことなんてなかったですから」
「そっか。そう言えばそうだね。でもここには結界も張ってるし、2人にも結界を張っているから大丈夫だよ」
「はい」
この2人と家族だけは絶対に守らないとな。
それにしても魔王。勇者にしか魔王を倒す事はできないみたいだけど、俺でも倒せないんだろうか。
「ラソマ様、もしかして魔王に勝負を挑もうなんて考えてないですよね?」
「え?!」
「やっぱりそうだったんですか」
どうしてアミスにバレたんだろう。
「無茶はしないよ。勇者が対処してくれるだろうし、俺はのんびりしておくよ。ただ情報が欲しいからギルドに行ってみようと思う」
ギルドは国が経営している場所だから、それなりに重要な情報も入っているかもしれない。
「私達はここでお待ちしていれば良いんですね?」
「うん。絶対に大丈夫だから」
俺の言葉に2人は納得してくれた。
それから俺はギルドに向かった。
「なんだと!?どうして勇者が行かないんだ!」
ギルドに入った俺を出迎えたのは、冒険者のそんな怒鳴り声だった。
いきなり言われても何の事か分からない、という事はなかった。状況からどう見ても鎧を着た魔族は同じ魔族の少女を庇ってるんだろう。
というか、こんなにも人族の領地に魔族が入ってくるなんて。
「俺としては、その子に危害を加えるつもりはないよ」
「何だと?」
「そうです、大丈夫です。その人は私を助けてくれたんですから」
「え?そうなのですか?」
少女は鎧姿の魔族に状況を説明する。薬草を探しに来て間違えて人族の領地に入った事、ドラゴンに襲われた事、そこを俺に助けてもらった事、妖精の助けを借りて薬草を無事に手に入れた事を。
それを聞いて魔族達は俺に向けて頭を下げた。
「事情を知らなかったとは言え、失礼した」
「いや、大丈夫だ。その子を守る為だというのは分かってるから」
「ありかとう。人族にも、貴方のような人がいるんだな」
「まあ…稀だとは思う」
魔族の言葉に苦笑いした。魔族イコール敵という気持ちが人族にはあるからな。
「貴女達はその子の護衛か?」
「ええ。正体は明かせないけど、私達にとって大切な人なの」
「そうか」
いや、姫様って言ってたし、言葉通りなら王女だろ?まあ相手が言わないなら、俺も追求はしないけど。
それから魔族側の事情を説明される。この魔族の女性達は少女の護衛だと言う。薬草を探す少女を護衛していたんだけど、自分達を蔑む魔族達に襲撃されて、その隙に少女とはぐれてしまったんだとか。なんとか敵の魔族を追い払う事はできたけど、少女を見失い、魔法で少女の居場所を確認して、すぐに来たんだと言う。
「同じ魔族でも色々あるんだね」
「…ええ。私達は弱いから…」
弱いから攻撃される…それは腹が立つな。助けてあげたいけど、求められてもいないのに魔族間の問題に人族の俺が介入するのもな…。
その後、少女は母親に薬草を届けるという事で、護衛の魔族達と自分達の領地に帰る事になった。
「今回は本当に有難うございました」
別れ際、少女は俺と妖精に向けて頭を下げる。護衛の魔族達はその行動に驚く。
そりゃあ普通に考えて王女が頭を下げたら驚くよな。俺が相応の立場なら驚かないだろうけど。
「お母さん、治ると良いね」
「はい!」
少女は微笑んだ。本当に無事に回復してほしい。そしてできれば人族の国に襲撃しないで欲しい。こんな事になっておいて、敵になったという理由で倒したくないから。
「あ、まだ名乗っていませんでしたね。私はカナーハと言います」
「い、いけません!人族に名前を教えては!」
「大丈夫です。この人は信用できます」
少女、カナーハが名乗った事に周りの魔族は驚いている。魔族だからってわけじゃないよな、たぶん。王女だからかな。
「俺はラソマです」
「ラソマさん、それに妖精さん、今日はありがとうございました」
そう言ってカナーハは護衛の魔族と共に、魔族の領地に帰って行った。
「まさかの出会いだったなぁ。それにしてもきみが助けてくれて助かったよ。ありがとう」
「いや、面白かったからね」
「面白かった?」
妖精の言葉の意味が分からない。
「人族が魔族を助けるなんて普通はしないからね」
「魔族が本当に困っているなら助けたいとは思うかな。それが普通の考え方とは少し違うのは分かってるんだけど」
「お人好しかな?」
「うーん、そうかな?困っている人は分け隔てなく助けたいっていう常識人だと思いたいかな」
「ははは、なるほど、常識人だね」
俺の言葉に妖精は笑う。と言っても馬鹿にした笑いではない。
「それじゃあ、僕は帰るよ」
「うん、本当にありがとう」
お礼を言うと、妖精は消えた。
さて、俺も帰るか。瞬間移動でギルドの前に移動する。人が少ない状況で移動したんだけど、やっぱり驚かれるな。これからはギルドの中に移動しようかな。目撃者が一般の通行人よりも、冒険者やギルド職員の方が驚かないだろうし。
「ただいま帰りました」
「お帰りなさい、無事だったんですね」
ギルドの受付でミオナさんに報告すると、ミオナさんは安堵の表情になる。
「実はラソマさんに依頼してから少し不安になったんです。ラソマさんは強いという事は分かったんですけど、それでもAランクの依頼の中でもドラゴン討伐なんていう難しい依頼を渡してしまって、何かあったらどうしようって」
「ミオナさん…」
「でも本当に無事で良かったです!」
ミオナさんは笑顔で言ってくれる。ドラゴンか…一撃で倒してしまったから、そこまで脅威とは思えなかったな。俺のスキルは反則級かもしれない。
「でもやっぱりドラゴンが相手だと時間がかかってしまったようですね」
「え?」
「私の予想より時間がかかっていたようなので」
「あぁ…確かにドラゴンを探すのに手間取ってしまったんです」
「そうだったんですか」
嘘だ。本当は魔族を助けていた。でもそれをここで言ったら問題になるかもしれない。だから黙っておいた。
「それでは、これからどうしますか?」
「そうですね…もう少しAランクの討伐依頼を受けてみます」
「分かりました」
その後、俺はAランクの討伐依頼を3件ほどこなし、家に帰った。
「お帰りなさいませ。今日はどうでしたか?」
家に帰ると、アミスとメルが出迎えてくれた。
「ただいま。Aランクの依頼でも苦戦はしなかったよ。全く問題はなかった」
「そうですか!良かったです」
アミスとメルは俺の言葉に安堵する。
「ラソマ様なら大丈夫だと信じてたんですが、少し心配だったんです」
「どういう依頼があったんですか?」
「ドラゴン討伐とかかな」
あれから受けた依頼の内、2つはドラゴン討伐だった。全て楽勝だったな。
「ドラゴン!?本当に大丈夫だったんですか?」
「うん。正直、苦戦なんてしなかったな。普通にモンスターを討伐した感じだね」
「ドラゴンを普通のモンスターと同じに見るなんてラソマ様くらいかもしれないですね」
2人に苦笑いされてしまった。でもこう考えられるのは普通じゃないから反論できない。
その日から1週間、俺はギルドでAランクの依頼を受け続けた。
朝。起きて服装などの支度をしていると、鐘の音が外から聞こえた。あの鐘の音は非常事態に鳴る筈だけど、何かあったのか?
「ラソマ様、起きてらっしゃいますか?!」
アミスが焦った声で部屋の前に来る。
「起きてるよ、入って」
「失礼します!」
許可を出すとアミスがメルと共に入って来る。
「今、鐘の音が聞こえたけど、何かあったのかな?」
「はい!魔王が…魔王が進軍してきました!」
「魔王!?この国に?」
「はい!」
驚きだな。まさか魔王が進軍して来るなんて。
事情を聞くと、鐘の音が聞こえる少し前、通信用の魔道具に魔王が進軍してきたという内容の連絡が来たそうだ。この魔道具は貴族なら誰でも持っており、平民でも金持ちなら購入できる。鐘の音が鳴る前に連絡が来たという事は、貴族や金持ちには非常事態だという事を真っ先に報せてくれるという事だ。差別があるようで少し辛いが、貴族と平民という格差がある世界だからな。
「それで慌ててるのか。でも勇者もいるし安全じゃないの?」
そもそも勇者がいるのにどうして魔王は攻めてきているのか。
「それもそうなんですけど心配で…」
「もう百年以上、魔王が進軍してきたことなんてなかったですから」
「そっか。そう言えばそうだね。でもここには結界も張ってるし、2人にも結界を張っているから大丈夫だよ」
「はい」
この2人と家族だけは絶対に守らないとな。
それにしても魔王。勇者にしか魔王を倒す事はできないみたいだけど、俺でも倒せないんだろうか。
「ラソマ様、もしかして魔王に勝負を挑もうなんて考えてないですよね?」
「え?!」
「やっぱりそうだったんですか」
どうしてアミスにバレたんだろう。
「無茶はしないよ。勇者が対処してくれるだろうし、俺はのんびりしておくよ。ただ情報が欲しいからギルドに行ってみようと思う」
ギルドは国が経営している場所だから、それなりに重要な情報も入っているかもしれない。
「私達はここでお待ちしていれば良いんですね?」
「うん。絶対に大丈夫だから」
俺の言葉に2人は納得してくれた。
それから俺はギルドに向かった。
「なんだと!?どうして勇者が行かないんだ!」
ギルドに入った俺を出迎えたのは、冒険者のそんな怒鳴り声だった。
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