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『猟奇的、美形兄は』
28:弟、食欲につき
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「まな。お×××ん……おおっと、焼き芋ができたよ」
と、兄はニコニコしながら木の棒で枯葉をかき分けていた。
──何故、いい間違った?
おパンティ型アルミホイルにて非効率的に包まれた、お×××ん……もとい、サツマイモを兄がトングで掴む。
「熱々だから気を付けるんだぞ」
意外とまともなことも言うらしい。
しかし、渡された軍手の模様はおパンティ柄だった。侮れない。
「んッ……おいしッ」
「母にもヤるべきか?」
ちょっと待て、イントネーションがオカシイぞ。
兄は縁台に熱々の焼き芋を置くと、チラリとリビングを覗く。
「母よ!」
どうやら母はキッチンで料理をしているようだ。
「何、バカ息子」
今更だが、二人は義母子だ。実の子である愛都よりも親子らしく感じ、時々不思議な感じがする。
だが、仲が良いのは良いことだ。いや、遠慮がないだけかもしれない。
「馬鹿とはなんだ、天才と言え。長男だぞ!」
兄は定番の講義を母にぶつけつつも、次のイモを落ち葉の中からトングで掴みだす。
「はいはい」
めんどくさそうに返事をし、手を拭きながら縁側に顔を出す母。
「なに、どうかしたの?」
「お××…もとい、イモはいるか? 母よ」
──だから、なんで言い間違った?
「あらいいわね。スイートポテトでも作ろうかしら」
母は言い間違いを華麗にスルーした。
しかし、兄はどうやら聞き捨てならなかったようだ。
「何故、わざわざ焼き芋にしたのに加工するんだ!」
と、抗議している。
「天才でしょ?」
と、母。
兄は返答に困った様だ。
「じゃあ、これ貰っていくわね」
「か、形はお尻型だぞ!」
と苦し紛れに希望を出す兄。
「はいはい」
お尻型のスイートポテトなんて、単に食べ辛そうである。
──ママ、日に日にお兄ちゃんの扱い上手くなるなあ。
愛都はのほほんとそんなことを思っていたのだが。
「そろそろ、中に入らないと風邪引きそうだな」
と、兄。
確かに日が落ちるのが早まり、夕方になると少し寒さも感じるようになった。
片付けを始める兄に、何か手伝うかと問えば、
「まな。車からあれを二階に運んでくれ」
と、頼まれる。
例の卑猥なクッションでのことだ。兄から車のキーを受け取ると車庫へ向かいとてつもなくデカいお×××んを胸に抱え引き返す。無事に二階へ運べればいいなと思いながら、玄関に入った時である。
何やらキッチンから兄と母のもめる声が聞こえてきた。
「母よ、これは尻ではなく桃じゃないか!」
「あら、桃もお尻も二つに割れてるから一緒でしょ?」
「ちがーう!」
どうやら母は、尻ではなく桃型にしたらしい。
「桃は植物、尻は生き物だ!」
「原材料はイモなんだから食べちゃえば一緒よ」
「NOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOッ!」
兄が絶叫したことは言うまでもない。
と、兄はニコニコしながら木の棒で枯葉をかき分けていた。
──何故、いい間違った?
おパンティ型アルミホイルにて非効率的に包まれた、お×××ん……もとい、サツマイモを兄がトングで掴む。
「熱々だから気を付けるんだぞ」
意外とまともなことも言うらしい。
しかし、渡された軍手の模様はおパンティ柄だった。侮れない。
「んッ……おいしッ」
「母にもヤるべきか?」
ちょっと待て、イントネーションがオカシイぞ。
兄は縁台に熱々の焼き芋を置くと、チラリとリビングを覗く。
「母よ!」
どうやら母はキッチンで料理をしているようだ。
「何、バカ息子」
今更だが、二人は義母子だ。実の子である愛都よりも親子らしく感じ、時々不思議な感じがする。
だが、仲が良いのは良いことだ。いや、遠慮がないだけかもしれない。
「馬鹿とはなんだ、天才と言え。長男だぞ!」
兄は定番の講義を母にぶつけつつも、次のイモを落ち葉の中からトングで掴みだす。
「はいはい」
めんどくさそうに返事をし、手を拭きながら縁側に顔を出す母。
「なに、どうかしたの?」
「お××…もとい、イモはいるか? 母よ」
──だから、なんで言い間違った?
「あらいいわね。スイートポテトでも作ろうかしら」
母は言い間違いを華麗にスルーした。
しかし、兄はどうやら聞き捨てならなかったようだ。
「何故、わざわざ焼き芋にしたのに加工するんだ!」
と、抗議している。
「天才でしょ?」
と、母。
兄は返答に困った様だ。
「じゃあ、これ貰っていくわね」
「か、形はお尻型だぞ!」
と苦し紛れに希望を出す兄。
「はいはい」
お尻型のスイートポテトなんて、単に食べ辛そうである。
──ママ、日に日にお兄ちゃんの扱い上手くなるなあ。
愛都はのほほんとそんなことを思っていたのだが。
「そろそろ、中に入らないと風邪引きそうだな」
と、兄。
確かに日が落ちるのが早まり、夕方になると少し寒さも感じるようになった。
片付けを始める兄に、何か手伝うかと問えば、
「まな。車からあれを二階に運んでくれ」
と、頼まれる。
例の卑猥なクッションでのことだ。兄から車のキーを受け取ると車庫へ向かいとてつもなくデカいお×××んを胸に抱え引き返す。無事に二階へ運べればいいなと思いながら、玄関に入った時である。
何やらキッチンから兄と母のもめる声が聞こえてきた。
「母よ、これは尻ではなく桃じゃないか!」
「あら、桃もお尻も二つに割れてるから一緒でしょ?」
「ちがーう!」
どうやら母は、尻ではなく桃型にしたらしい。
「桃は植物、尻は生き物だ!」
「原材料はイモなんだから食べちゃえば一緒よ」
「NOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOッ!」
兄が絶叫したことは言うまでもない。
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