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『猟奇的、美形兄は』
19:兄、腰巻につき
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愛都が部屋で待機していると、納得いかないという表情をして兄が戻ってくる。
どうしたのだろうと思いつつも、愛都は紅茶の入ったカップに手を伸ばす。余計な発言はしない方が身のためだ。
すると兄はため息をつきながら、
「何故は母は、あんなに怒っているんだ」
と呟く。
母が怒っているのは大方”兄、京也が全裸でパンツを頭に被っている”せいである。
不思議そうな顔をして悩む兄をぎょっとした表情でみつめていると、
「まあいいか」
と、兄。
(全然良くない!)
「まな、お兄ちゃんはスイカ割りをしようと思う」
まるでナイスアイデア! と言わんばかりに親指を立て、キランと白い歯を見せる。
何故、唐突にスイカ割りなんだ! と思っていると、兄は木製のバットを持ち、愛都に来るようにジェスチャーするが。
「お兄ちゃん、そんなので割ったら粉々になっちゃうよ」
と進言すると仕方なく、隣にあったレプリカの石器製の斧を手にした。
もう、兄が変態原始人にし見えなくなってくる。
笑いたいのを堪え、兄についていくと……。
「なかなか良い、スイカではないか」
と、田舎から送られてきたスイカを小脇に抱え、リビングから庭に出ようとした。
「京也! パンツ履かないで外に出る気⁈」
と、全裸の為首根っこを掴めなかったせいか、母にラリアットを食らう兄。
「ぐはっ」
反動で兄の息子が前後に暴れる。
「仕方ないな、腰蓑寄こしてくれ母よ」
「そんなもの、うちにあるわけないでしょ。どこの国だと思ってるの」
「なけれ作成すれば良かろう! いてッ」
案の定、兄は母にひっぱたかれた。
「何ばかなこと言ってるの。もう、ホントに馬鹿なんだから」
「馬鹿とはなんだ! 天才と言え」
「何処で育て方間違ったのかしら?」
母はため息をつくが、兄は父に似ただけである。
「仕方ない、腰巻で勘弁してやろう」
そういうと、兄は腰巻と言い張る腹巻を腰に巻いた。
ぴったりフィットしているため、何かがおかしい。
「さあ、スイカを割るぞ」
兄はスイカを小脇に抱え、今度こそ庭に降り立つはずだった。
「ぐはっ」
「パンツ被って外に出る気⁈」
母に再びプロレス技をきめられ、兄は目を白黒させる。
「母よ。原始人にもお洒落は必要だぞ」
「何言ってるの!そもそも原始人じゃないでしょ」
「心はいつだって原始人(ピュア)だ」
どや顔でそういうと、母が止めるのも聞かずパンツをかぶったまま庭に降り立つ。
「スイカ日和だ! まな」
「う、うん」
(どんな日和だそれは)
「目隠しが必要だな」
そういうと兄はパンツをひっぱり目元まで下げるが、そもそも兄の被っているパンツはスケスケである。まったく目隠しにならない。だが兄はまったく気にしていないようだ。
「さあ、行くぞ」
と気合を入れると、
「おパンティいいいいいいいいい!」
と叫び石器製の斧を振り上げた。
──うーん。
僕の想像してるスイカ割りとちょっと違う気がする。
(いや、全く違うはずだ!)
どうしたのだろうと思いつつも、愛都は紅茶の入ったカップに手を伸ばす。余計な発言はしない方が身のためだ。
すると兄はため息をつきながら、
「何故は母は、あんなに怒っているんだ」
と呟く。
母が怒っているのは大方”兄、京也が全裸でパンツを頭に被っている”せいである。
不思議そうな顔をして悩む兄をぎょっとした表情でみつめていると、
「まあいいか」
と、兄。
(全然良くない!)
「まな、お兄ちゃんはスイカ割りをしようと思う」
まるでナイスアイデア! と言わんばかりに親指を立て、キランと白い歯を見せる。
何故、唐突にスイカ割りなんだ! と思っていると、兄は木製のバットを持ち、愛都に来るようにジェスチャーするが。
「お兄ちゃん、そんなので割ったら粉々になっちゃうよ」
と進言すると仕方なく、隣にあったレプリカの石器製の斧を手にした。
もう、兄が変態原始人にし見えなくなってくる。
笑いたいのを堪え、兄についていくと……。
「なかなか良い、スイカではないか」
と、田舎から送られてきたスイカを小脇に抱え、リビングから庭に出ようとした。
「京也! パンツ履かないで外に出る気⁈」
と、全裸の為首根っこを掴めなかったせいか、母にラリアットを食らう兄。
「ぐはっ」
反動で兄の息子が前後に暴れる。
「仕方ないな、腰蓑寄こしてくれ母よ」
「そんなもの、うちにあるわけないでしょ。どこの国だと思ってるの」
「なけれ作成すれば良かろう! いてッ」
案の定、兄は母にひっぱたかれた。
「何ばかなこと言ってるの。もう、ホントに馬鹿なんだから」
「馬鹿とはなんだ! 天才と言え」
「何処で育て方間違ったのかしら?」
母はため息をつくが、兄は父に似ただけである。
「仕方ない、腰巻で勘弁してやろう」
そういうと、兄は腰巻と言い張る腹巻を腰に巻いた。
ぴったりフィットしているため、何かがおかしい。
「さあ、スイカを割るぞ」
兄はスイカを小脇に抱え、今度こそ庭に降り立つはずだった。
「ぐはっ」
「パンツ被って外に出る気⁈」
母に再びプロレス技をきめられ、兄は目を白黒させる。
「母よ。原始人にもお洒落は必要だぞ」
「何言ってるの!そもそも原始人じゃないでしょ」
「心はいつだって原始人(ピュア)だ」
どや顔でそういうと、母が止めるのも聞かずパンツをかぶったまま庭に降り立つ。
「スイカ日和だ! まな」
「う、うん」
(どんな日和だそれは)
「目隠しが必要だな」
そういうと兄はパンツをひっぱり目元まで下げるが、そもそも兄の被っているパンツはスケスケである。まったく目隠しにならない。だが兄はまったく気にしていないようだ。
「さあ、行くぞ」
と気合を入れると、
「おパンティいいいいいいいいい!」
と叫び石器製の斧を振り上げた。
──うーん。
僕の想像してるスイカ割りとちょっと違う気がする。
(いや、全く違うはずだ!)
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