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『猟奇的、美形兄は』
15:兄、原人につき
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「まなッ! よく聞くんだ。スケスケピンクおパンティは食い破るためにある」
仁王立ちでどや顔の兄は、またトチ狂ったことを言い始めた。
──何をいってるんだ、お兄ちゃんは。
全裸で。
ベットに腰かけた愛都の目の前には、目に焼き付くほど見飽きた兄の股間が君臨している。
「そして、俺は。お前の素敵なお兄ちゃんはな!」
自分で言うのか、素敵とか。
どちらかと言うと”ド変態”という言葉のほうが合っている。
「愛しいまなのおパンティを食い破るために産まれて来たと言っても過言ではない!」
(そんなわけあるか!)
どう突っ込んで良いかわからない愛都は両手で口元を覆う。
そう定番の”きゃあ!素敵”ポーズである。
素敵だなんて一ミリも思ってはいないが。
「そうか、お兄ちゃんはそんなに素敵に見えるのか」
兄は満足げにボディービルダーのようなポーズを決め始めるが、ムキムキではないため全く決まらないうえ、全裸である。動くたび揺れる息子殿。愛都は兄の息子殿に目が釘付けだ。
「そうだ、こうしてはいられん。今日新たに、ピンクスケスケおパンティが通販から届くんだった」
「え、先日百枚届いたばっかりなのに⁈」
さすがの愛都も思わずそう溢してしまう。
この兄には何も口を出さないことが一番の策であるにも関わらず。つい余計なことを言ってしまったと頭を抱える愛都であったが兄はそんなことは気にしていないようだ。
再び腰に手を充てると、
「おパンティは何枚あっても困らない。むしろあればあるほど良いんだ!」
と訳の分からない熱弁を始める始末。
──どうしてくれようか?
さりげなくケリをいれるか。
愛都が兄の処置に困っているとドアチャイムが鳴った。
「きたああああああああ!来たぞ、まな。おニューのおパンティが」
兄は満面の笑みを浮かべ愛都に向かって親指を立てると、全裸のまま転がるように階下に降りて行った。
息子を暴れさせながら。
「あ、お兄ちゃ……」
愛都が止めるのも聞かずに。
「京也! パンツを履きなさい!」
案の定、玄関で母に怒られている。
愛都は二階から階段下を覗き込んだ。毎度のことである。
「原始人はおパンティを履いていない」
「あんた、原始人じゃないでしょ!」
「心はいつでも原始人(ピュア)だ」
「何わけのわからんこと言ってるの!」
兄がわけのわかることを言った試しは、一度だってない。
再びチャイムが鳴り、
「宅配のお兄さんをお待たせしてはいけない!」
と兄ががばっとドアをあけ、母が〇×クイズで使う棒に丸い板のついているようなものを、兄の息子の前にサッと差し出す。
──いつあんなもの買ったんだろう?
さすが、ママ。
「おい! 母よ。何をしている」
「ここにサインお願いします」
「早くサインしなさいよ」
なんだかややこしいことになったのだった。
仁王立ちでどや顔の兄は、またトチ狂ったことを言い始めた。
──何をいってるんだ、お兄ちゃんは。
全裸で。
ベットに腰かけた愛都の目の前には、目に焼き付くほど見飽きた兄の股間が君臨している。
「そして、俺は。お前の素敵なお兄ちゃんはな!」
自分で言うのか、素敵とか。
どちらかと言うと”ド変態”という言葉のほうが合っている。
「愛しいまなのおパンティを食い破るために産まれて来たと言っても過言ではない!」
(そんなわけあるか!)
どう突っ込んで良いかわからない愛都は両手で口元を覆う。
そう定番の”きゃあ!素敵”ポーズである。
素敵だなんて一ミリも思ってはいないが。
「そうか、お兄ちゃんはそんなに素敵に見えるのか」
兄は満足げにボディービルダーのようなポーズを決め始めるが、ムキムキではないため全く決まらないうえ、全裸である。動くたび揺れる息子殿。愛都は兄の息子殿に目が釘付けだ。
「そうだ、こうしてはいられん。今日新たに、ピンクスケスケおパンティが通販から届くんだった」
「え、先日百枚届いたばっかりなのに⁈」
さすがの愛都も思わずそう溢してしまう。
この兄には何も口を出さないことが一番の策であるにも関わらず。つい余計なことを言ってしまったと頭を抱える愛都であったが兄はそんなことは気にしていないようだ。
再び腰に手を充てると、
「おパンティは何枚あっても困らない。むしろあればあるほど良いんだ!」
と訳の分からない熱弁を始める始末。
──どうしてくれようか?
さりげなくケリをいれるか。
愛都が兄の処置に困っているとドアチャイムが鳴った。
「きたああああああああ!来たぞ、まな。おニューのおパンティが」
兄は満面の笑みを浮かべ愛都に向かって親指を立てると、全裸のまま転がるように階下に降りて行った。
息子を暴れさせながら。
「あ、お兄ちゃ……」
愛都が止めるのも聞かずに。
「京也! パンツを履きなさい!」
案の定、玄関で母に怒られている。
愛都は二階から階段下を覗き込んだ。毎度のことである。
「原始人はおパンティを履いていない」
「あんた、原始人じゃないでしょ!」
「心はいつでも原始人(ピュア)だ」
「何わけのわからんこと言ってるの!」
兄がわけのわかることを言った試しは、一度だってない。
再びチャイムが鳴り、
「宅配のお兄さんをお待たせしてはいけない!」
と兄ががばっとドアをあけ、母が〇×クイズで使う棒に丸い板のついているようなものを、兄の息子の前にサッと差し出す。
──いつあんなもの買ったんだろう?
さすが、ママ。
「おい! 母よ。何をしている」
「ここにサインお願いします」
「早くサインしなさいよ」
なんだかややこしいことになったのだった。
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