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────2章【久隆と咲夜】
♡4:守ってあげるよ
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****♡Side・咲夜(義弟)
仕向けたのは自分。罪悪感がないわけじゃない。
だが、久隆は自分のものだ。幼い頃から将来を誓い合った仲でもある。それなのに実の弟に手を出そうとする義兄が悪いのだ。
咲夜が父の年の離れた弟、都筑に相談すると彼は協力してくれると言った。手段は彼に任せたが、あんなことをしろと言ってない。咲夜の位置からは義兄が都筑に犯されている姿が見えていた。だから慌てて久隆を連れ、部屋に戻ったのだ。久隆にバレれば面倒なことになりかねない。
「咲夜、どうしたの?」
彼の腰に腕を回したままくっついていると、心配そうにそう問われる。
簡易キッチンを出ると裏庭が見える壁側にカウンターがある。下から上に半分ほど開くタイプのアンティークな窓だ。そこから月明かりが差し込んでいた。
「ううん」
二人はそこに腰かけると、少し部屋を薄暗くして裏庭を眺めた。テニスコートや雑木林を照らし出す月明かり。綺麗だが、少し怖い。右側に座っていた彼が、腕を伸ばすと咲夜の頬に触れた。
「怖い?電気つける?」
部屋は暖色系の間接照明が照らしている。柔らかい光。
「大丈夫」
カップをカウンターに置き、彼に腕を伸ばせば抱きしめてくた。
「久隆、僕のこと好き?」
これは罪悪感なのだろうか。彼の大好きな兄にあんなことをさせて。
しかし、これは防衛。久隆はずっと前から自分と結ばれると決まっているのに、それを脅かす兄。
「んッ。大好き。すっごく好き」
咲夜はその言葉に腕に力を込めた。
「僕がどんな奴でも?」
不安はいつだって消えない。自分には彼しかいないのだ。
「どんなって? 咲夜は咲夜でしょ?」
不思議そうに問う、彼。バレてはいけないと思った。
「久隆は、お義兄ちゃんのこと大好きだよね」
「うん。でも、それは咲夜の好きとは違うでしょ?」
そんな事は分かっている。久隆がそうでも、圭一が違うから不安なのだ。
「もし、お義兄ちゃんが久隆を好きだと言ったら?」
咲夜の言葉に不思議そうな顔をする、彼。
「どうにもならないでしょ? お兄ちゃんは兄なんだから」
それは血が繋がっていないからだろうか。ただそれだけの理由なのだろうか。
「もう、なんでそんな顔するの? 咲夜」
いい子いい子と言うように髪を撫でる彼の手を掴むと、その手の甲にちゅっと咲夜は口づけた。
「俺は、咲夜が好きなの。初めて逢った時からずっと。ずっとだよ?」
彼は咲夜の額に口づけて。
「咲夜は、ずーっと。俺のお姫様。俺が守ってあげる」
三センチ背が低いことを気にして、アフロにしようとしていた彼。でも、充分魅力的だ。
「そこじゃ、イヤ」
と上目遣いで彼を見ると、唇にキスをくれたのだった。
仕向けたのは自分。罪悪感がないわけじゃない。
だが、久隆は自分のものだ。幼い頃から将来を誓い合った仲でもある。それなのに実の弟に手を出そうとする義兄が悪いのだ。
咲夜が父の年の離れた弟、都筑に相談すると彼は協力してくれると言った。手段は彼に任せたが、あんなことをしろと言ってない。咲夜の位置からは義兄が都筑に犯されている姿が見えていた。だから慌てて久隆を連れ、部屋に戻ったのだ。久隆にバレれば面倒なことになりかねない。
「咲夜、どうしたの?」
彼の腰に腕を回したままくっついていると、心配そうにそう問われる。
簡易キッチンを出ると裏庭が見える壁側にカウンターがある。下から上に半分ほど開くタイプのアンティークな窓だ。そこから月明かりが差し込んでいた。
「ううん」
二人はそこに腰かけると、少し部屋を薄暗くして裏庭を眺めた。テニスコートや雑木林を照らし出す月明かり。綺麗だが、少し怖い。右側に座っていた彼が、腕を伸ばすと咲夜の頬に触れた。
「怖い?電気つける?」
部屋は暖色系の間接照明が照らしている。柔らかい光。
「大丈夫」
カップをカウンターに置き、彼に腕を伸ばせば抱きしめてくた。
「久隆、僕のこと好き?」
これは罪悪感なのだろうか。彼の大好きな兄にあんなことをさせて。
しかし、これは防衛。久隆はずっと前から自分と結ばれると決まっているのに、それを脅かす兄。
「んッ。大好き。すっごく好き」
咲夜はその言葉に腕に力を込めた。
「僕がどんな奴でも?」
不安はいつだって消えない。自分には彼しかいないのだ。
「どんなって? 咲夜は咲夜でしょ?」
不思議そうに問う、彼。バレてはいけないと思った。
「久隆は、お義兄ちゃんのこと大好きだよね」
「うん。でも、それは咲夜の好きとは違うでしょ?」
そんな事は分かっている。久隆がそうでも、圭一が違うから不安なのだ。
「もし、お義兄ちゃんが久隆を好きだと言ったら?」
咲夜の言葉に不思議そうな顔をする、彼。
「どうにもならないでしょ? お兄ちゃんは兄なんだから」
それは血が繋がっていないからだろうか。ただそれだけの理由なのだろうか。
「もう、なんでそんな顔するの? 咲夜」
いい子いい子と言うように髪を撫でる彼の手を掴むと、その手の甲にちゅっと咲夜は口づけた。
「俺は、咲夜が好きなの。初めて逢った時からずっと。ずっとだよ?」
彼は咲夜の額に口づけて。
「咲夜は、ずーっと。俺のお姫様。俺が守ってあげる」
三センチ背が低いことを気にして、アフロにしようとしていた彼。でも、充分魅力的だ。
「そこじゃ、イヤ」
と上目遣いで彼を見ると、唇にキスをくれたのだった。
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