6 / 10
1 雛本三兄弟異世界へゆく
5・ちょ……あっ……個人情報、駄々洩れすぎ!
しおりを挟む
妹、佳奈がダンジョンに行く前にステータスの確認をしようというので、ステータスを開けてみたのだが……。
名前 雛本和宏
年齢 24
【基本ステータス】
職業:セイショクシャ
LV:1
HP:1
MP:20
SP:3
称号:過保護・ブラコン・シスコン
備考:長子・DT・お付き合いした人数3
状態異常:特殊な呪いにかかっています
和宏のステータスを見た途端、佳奈と優人がムンクの叫びのようなポーズをキメめた。しかしゲームはやったことがない、世間に疎い和宏には何が何やらである。
──HP? エッチなポイント?
MP M度か? ということはS度は3……。
俺はマゾだったのか?!
だが、DTってなんだ?
「ちょ、ちょっと待っててお兄ちゃん」
「うん?」
佳奈がガシッと弟、優人の腕を掴む。
”仲が良いな、お兄ちゃん妬いちゃうぞ!”と思いながらも、離れていく二人を黙って見送る。何かの作戦会議だろう。
兄、和宏は干渉しない方針を固めた。
一方、佳奈と優人は。
「なに、おねえちゃん」
「お兄ちゃんのHP1ってどういうこと?!」
「一回攻撃食らったら死ぬか、無敵って意味じゃない?」
「なに、その二分の一の確率!」
佳奈は頭を抱えている。
「聖職者なのに、一ターンで死ぬってこと?」
「まあ、ゲームじゃないからターン制ではないと思うけれど」
と、優人。
続いて優人がステータスを開ける。
名前 雛本優人《ひなもとゆうと》
年齢 19
【基本ステータス】
職業:剣士
LV:1
HP:240(+200↑)
MP:80(+70↑)
SP:100(+50↑)
称号:女神に監視されし男子【推し】
備考:末っ子・非DT・お付き合いした人数13
付与:兎耳帽子(ステータスUP効果)
「ちょ! しまってしまって!」
と慌てる佳奈。
「なに?」
「不味いわ、お兄ちゃんに見られたら発狂しちゃう。お兄ちゃん極度のブラシス(ブラコン・シスコン)だから」
優人はなんのことだ? と思いながらもステータスを畳む。
「それにしても、お兄ちゃんDTだったなんて! お兄ちゃん、わたしが責任を持って筆おろしを……」
乙女の祈りのようなポーズをする佳奈。
「……(それは不味いだろ)」
優人は聞かなかったことにした。
続いて佳奈のステータスを開けてみる。
名前 雛本佳奈
年齢 【非公開】
【基本ステータス】
職業:魔法使い
LV:1
HP:30
MP:100
SP:20
称号:ブラコン・厨二病
備考:中間子・【非公開】
自白《じはく》:初恋の相手は兄
「あー! あーっ! 見ちゃダメ!」
ステータスの一部を隠そうとする佳奈。
「非公開?」
と不思議そうにステータスを覗き込む優人。
「非公開にできるの! あーっ、もう! 称号は非公開にできないなんて」
嘆く佳奈。
「自白って?」
と素朴な疑問を口にする優人。
「いや、なんかね。この世界に来る前に女神から”初恋の相手は誰?”って聞かれて、ついポロっと……」
優人は聞かれなかったの? と問われ、
「特には」
と返す。
「優人の称号もなんか気になるけれど、兎耳帽子凄いアイテムだったのね」
と佳奈。
「そうみたいだね」
「で、優人の初恋は?」
佳奈が肘でツンツンと優人をこづく。
「お姉ちゃんだけど?」
と照れもせずに答える優人。
「えええええええええ!」
何故か佳奈は歓喜の声をあげた。
「ねえ。結婚しちゃう?!」
と佳奈。
「しない」
「もう、なんで優人はいつも塩なのよ!」
佳奈は”おこ”のようだ。
そこへ暇を持て余した兄が近づいて来た。
慌ててステータスをしまう佳奈。
「三人で戦闘ってちょっとバランス的にキツくない?」
と優人。
大抵のゲームは四人戦闘だった気がする。
「某ゲームでも魔、僧、戦だったら道か旅がいた方がいいものね」
と佳奈。
和宏には暗号にしか聞こえない。
「こんな時、平田がいればなあ……」
と優人。
平田とは優人の親友の名である。
しかし兄にとってはNGワード。
「優人にはお兄ちゃんがいる!」
案の定、兄が般若のような顔をしたのだった。
名前 雛本和宏
年齢 24
【基本ステータス】
職業:セイショクシャ
LV:1
HP:1
MP:20
SP:3
称号:過保護・ブラコン・シスコン
備考:長子・DT・お付き合いした人数3
状態異常:特殊な呪いにかかっています
和宏のステータスを見た途端、佳奈と優人がムンクの叫びのようなポーズをキメめた。しかしゲームはやったことがない、世間に疎い和宏には何が何やらである。
──HP? エッチなポイント?
MP M度か? ということはS度は3……。
俺はマゾだったのか?!
だが、DTってなんだ?
「ちょ、ちょっと待っててお兄ちゃん」
「うん?」
佳奈がガシッと弟、優人の腕を掴む。
”仲が良いな、お兄ちゃん妬いちゃうぞ!”と思いながらも、離れていく二人を黙って見送る。何かの作戦会議だろう。
兄、和宏は干渉しない方針を固めた。
一方、佳奈と優人は。
「なに、おねえちゃん」
「お兄ちゃんのHP1ってどういうこと?!」
「一回攻撃食らったら死ぬか、無敵って意味じゃない?」
「なに、その二分の一の確率!」
佳奈は頭を抱えている。
「聖職者なのに、一ターンで死ぬってこと?」
「まあ、ゲームじゃないからターン制ではないと思うけれど」
と、優人。
続いて優人がステータスを開ける。
名前 雛本優人《ひなもとゆうと》
年齢 19
【基本ステータス】
職業:剣士
LV:1
HP:240(+200↑)
MP:80(+70↑)
SP:100(+50↑)
称号:女神に監視されし男子【推し】
備考:末っ子・非DT・お付き合いした人数13
付与:兎耳帽子(ステータスUP効果)
「ちょ! しまってしまって!」
と慌てる佳奈。
「なに?」
「不味いわ、お兄ちゃんに見られたら発狂しちゃう。お兄ちゃん極度のブラシス(ブラコン・シスコン)だから」
優人はなんのことだ? と思いながらもステータスを畳む。
「それにしても、お兄ちゃんDTだったなんて! お兄ちゃん、わたしが責任を持って筆おろしを……」
乙女の祈りのようなポーズをする佳奈。
「……(それは不味いだろ)」
優人は聞かなかったことにした。
続いて佳奈のステータスを開けてみる。
名前 雛本佳奈
年齢 【非公開】
【基本ステータス】
職業:魔法使い
LV:1
HP:30
MP:100
SP:20
称号:ブラコン・厨二病
備考:中間子・【非公開】
自白《じはく》:初恋の相手は兄
「あー! あーっ! 見ちゃダメ!」
ステータスの一部を隠そうとする佳奈。
「非公開?」
と不思議そうにステータスを覗き込む優人。
「非公開にできるの! あーっ、もう! 称号は非公開にできないなんて」
嘆く佳奈。
「自白って?」
と素朴な疑問を口にする優人。
「いや、なんかね。この世界に来る前に女神から”初恋の相手は誰?”って聞かれて、ついポロっと……」
優人は聞かれなかったの? と問われ、
「特には」
と返す。
「優人の称号もなんか気になるけれど、兎耳帽子凄いアイテムだったのね」
と佳奈。
「そうみたいだね」
「で、優人の初恋は?」
佳奈が肘でツンツンと優人をこづく。
「お姉ちゃんだけど?」
と照れもせずに答える優人。
「えええええええええ!」
何故か佳奈は歓喜の声をあげた。
「ねえ。結婚しちゃう?!」
と佳奈。
「しない」
「もう、なんで優人はいつも塩なのよ!」
佳奈は”おこ”のようだ。
そこへ暇を持て余した兄が近づいて来た。
慌ててステータスをしまう佳奈。
「三人で戦闘ってちょっとバランス的にキツくない?」
と優人。
大抵のゲームは四人戦闘だった気がする。
「某ゲームでも魔、僧、戦だったら道か旅がいた方がいいものね」
と佳奈。
和宏には暗号にしか聞こえない。
「こんな時、平田がいればなあ……」
と優人。
平田とは優人の親友の名である。
しかし兄にとってはNGワード。
「優人にはお兄ちゃんがいる!」
案の定、兄が般若のような顔をしたのだった。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説

異世界でネットショッピングをして商いをしました。
ss
ファンタジー
異世界に飛ばされた主人公、アキラが使えたスキルは「ネットショッピング」だった。
それは、地球の物を買えるというスキルだった。アキラはこれを駆使して異世界で荒稼ぎする。
これはそんなアキラの爽快で時には苦難ありの異世界生活の一端である。(ハーレムはないよ)
よければお気に入り、感想よろしくお願いしますm(_ _)m
hotランキング23位(18日11時時点)
本当にありがとうございます
誤字指摘などありがとうございます!スキルの「作者の権限」で直していこうと思いますが、発動条件がたくさんあるので直すのに時間がかかりますので気長にお待ちください。
転生してテイマーになった僕の異世界冒険譚
ノデミチ
ファンタジー
田中六朗、18歳。
原因不明の発熱が続き、ほぼ寝たきりの生活。結果死亡。
気が付けば異世界。10歳の少年に!
女神が現れ話を聞くと、六朗は本来、この異世界ルーセリアに生まれるはずが、間違えて地球に生まれてしまったとの事。莫大な魔力を持ったが為に、地球では使う事が出来ず魔力過多で燃え尽きてしまったらしい。
お詫びの転生ということで、病気にならないチートな身体と莫大な魔力を授かり、「この世界では思う存分人生を楽しんでください」と。
寝たきりだった六朗は、ライトノベルやゲームが大好き。今、自分がその世界にいる!
勇者? 王様? 何になる? ライトノベルで好きだった「魔物使い=モンスターテイマー」をやってみよう!
六朗=ロックと名乗り、チートな身体と莫大な魔力で異世界を自由に生きる!
カクヨムでも公開しました。
魔力無し転生者の最強異世界物語 ~なぜ、こうなる!!~
月見酒
ファンタジー
俺の名前は鬼瓦仁(おにがわらじん)。どこにでもある普通の家庭で育ち、漫画、アニメ、ゲームが大好きな会社員。今年で32歳の俺は交通事故で死んだ。
そして気がつくと白い空間に居た。そこで創造の女神と名乗る女を怒らせてしまうが、どうにか幾つかのスキルを貰う事に成功した。
しかし転生した場所は高原でも野原でも森の中でもなく、なにも無い荒野のど真ん中に異世界転生していた。
「ここはどこだよ!」
夢であった異世界転生。無双してハーレム作って大富豪になって一生遊んで暮らせる!って思っていたのに荒野にとばされる始末。
あげくにステータスを見ると魔力は皆無。
仕方なくアイテムボックスを探ると入っていたのは何故か石ころだけ。
「え、なに、俺の所持品石ころだけなの? てか、なんで石ころ?」
それどころか、創造の女神ののせいで武器すら持てない始末。もうこれ詰んでね?最初からゲームオーバーじゃね?
それから五年後。
どうにか化物たちが群雄割拠する無人島から脱出することに成功した俺だったが、空腹で倒れてしまったところを一人の少女に助けてもらう。
魔力無し、チート能力無し、武器も使えない、だけど最強!!!
見た目は青年、中身はおっさんの自由気ままな物語が今、始まる!
「いや、俺はあの最低女神に直で文句を言いたいだけなんだが……」
================================
月見酒です。
正直、タイトルがこれだ!ってのが思い付きません。なにか良いのがあれば感想に下さい。
貴族家三男の成り上がりライフ 生まれてすぐに人外認定された少年は異世界を満喫する
美原風香
ファンタジー
「残念ながらあなたはお亡くなりになりました」
御山聖夜はトラックに轢かれそうになった少女を助け、代わりに死んでしまう。しかし、聖夜の心の内の一言を聴いた女神から気に入られ、多くの能力を貰って異世界へ転生した。
ーけれども、彼は知らなかった。数多の神から愛された彼は生まれた時点で人外の能力を持っていたことを。表では貴族として、裏では神々の使徒として、異世界のヒエラルキーを駆け上っていく!これは生まれてすぐに人外認定された少年の最強に無双していく、そんなお話。
✳︎不定期更新です。
21/12/17 1巻発売!
22/05/25 2巻発売!
コミカライズ決定!
20/11/19 HOTランキング1位
ありがとうございます!

システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。
大国 鹿児
ファンタジー
輪廻転生のシステムのバグで輪廻の輪から外れちゃった!
でも神様から便利なチートグッズ(笑)の詰め合わせをもらって、
他の星に転生しました!特に使命も無いなら自由気ままに生きてみよう!
主人公はチート無双するのか!? それともハーレムか!?
はたまた、壮大なファンタジーが始まるのか!?
いえ、実は単なる趣味全開の主人公です。
色々な秘密がだんだん明らかになりますので、ゆっくりとお楽しみください。
*** 作品について ***
この作品は、真面目なチート物ではありません。
コメディーやギャグ要素やネタの多い作品となっております
重厚な世界観や派手な戦闘描写、ざまあ展開などをお求めの方は、
この作品をスルーして下さい。
*カクヨム様,小説家になろう様でも、別PNで先行して投稿しております。

おばさん、異世界転生して無双する(꜆꜄꜆˙꒳˙)꜆꜄꜆オラオラオラオラ
Crosis
ファンタジー
新たな世界で新たな人生を_(:3 」∠)_
【残酷な描写タグ等は一応保険の為です】
後悔ばかりの人生だった高柳美里(40歳)は、ある日突然唯一の趣味と言って良いVRMMOのゲームデータを引き継いだ状態で異世界へと転移する。
目の前には心血とお金と時間を捧げて作り育てたCPUキャラクター達。
そして若返った自分の身体。
美男美女、様々な種族の|子供達《CPUキャラクター》とアイテムに天空城。
これでワクワクしない方が嘘である。
そして転移した世界が異世界であると気付いた高柳美里は今度こそ後悔しない人生を謳歌すると決意するのであった。

世界最強で始める異世界生活〜最強とは頼んだけど、災害レベルまでとは言ってない!〜
ワキヤク
ファンタジー
その日、春埼暁人は死んだ。トラックに轢かれかけた子供を庇ったのが原因だった。
そんな彼の自己犠牲精神は世界を創造し、見守る『創造神』の心を動かす。
創造神の力で剣と魔法の世界へと転生を果たした暁人。本人の『願い』と創造神の『粋な計らい』の影響で凄まじい力を手にしたが、彼の力は世界を救うどころか世界を滅ぼしかねないものだった。
普通に歩いても地割れが起き、彼が戦おうものなら瞬く間にその場所は更地と化す。
魔法もスキルも無効化吸収し、自分のものにもできる。
まさしく『最強』としての力を得た暁人だが、等の本人からすれば手に余る力だった。
制御の難しいその力のせいで、文字通り『歩く災害』となった暁人。彼は平穏な異世界生活を送ることができるのか……。
これは、やがてその世界で最強の英雄と呼ばれる男の物語。
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる