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1 雛本三兄弟異世界へゆく
4・世界発展への一歩
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「さてあなた方には、この世界について少し説明が必要ですね」
ランダムダンジョンへ行って住民を保護して戻ることが任務なのは理解したが、確かに基礎的なことは分かっていない。
仕事には研修期間があるように、ゲームにはチュートリアルがある。
そして家電には説明書があるように、お菓子などには成分表が……あれ?
「現在この世界は見ての通り、更地です」
片手を広げ、腕を伸ばし半円を描くように、大地を見渡すジェスチャーをしながら執事が説明する。
「あなた方には武器を持ってダンジョンのモンスターと戦っていただくこともあります。ダンジョンによっては、強くて手も足も出ない相手もいるでしょう。そういう時は新しい武器が欲しくなりますよね?」
確かにというように佳奈と優人は頷く。
──俺の任務は種まきだから、身一つでイケるだろう。
兄、和宏だけが腕組みをし、説明を受ける二人を眺めている。
まるで他人ごとのように。
「そんな時は武器屋を誘致することが出来ますが、武器を扱う商人がいないことにはどうにもなりません」
「つまりダンジョンで武器屋を助けて、ここに連れてくれば良いということ?」
と優人。
「ご名答。あなた方の働きによって、この世界は発展していきます」
その後、執事は何点か注意事項を述べる。
「レベル10までは特殊な状態を回避できます。その為、食事などは必要ありませんが、レベル10以降は状態異常にかかります。なので、それまでに食事のできるところや栽培を行える人などを助け、お店などを誘致することをお勧めします」
他にも、誘致にはお金がかかること。
魔王は戦闘には参加しないが、建物を建てる際に手助けしてくれることなど、簡単な説明を受ける。
「そしてもう一つ。パーティ名というのがその日の終わりに決まります。それはあなた方の働きによって自動で決まり、翌日の戦闘に影響を与えます」
強い名がつけば、戦闘や探索が有利になるということ。
ゲーム大好きな優人は目を輝かせた。
「称号は個人にもあり、好きなものを肩書につけることが可能です。発想次第で色んな事ができるのが、この世界です」
今度は隠れ厨二病の佳奈が決断力のポーズを決めた。
「あとは、自分たちで体験しながら道を切り開いてください。期待していますよ」
にっこり笑う執事。
「ああ、忘れておりました。わたくしが案内出来るのは初級ダンジョンのみ。高度なダンジョンは専門家の力が必要となります」
執事からの話で分かったことは、何もかもがゼロからのスタートであること。そしてレベルというものがあることだ。
──うーん。
生殖者のレベルとは一体?
繫殖能力があがったりするのだろうか。
とにもかくにも、俺の使命は繫殖させることだな!
『ヤルことはいつも一つ!』って女神も言っていたし……。
(そんなことは言ってない!)
「いきなりダンジョンに飛び込んでも良いけれど、まずは作戦を立てようよ」
と優人。
「そうだな。何事も計画は必要だ。無計画で家族を増やすと破産しかねないしな」
と和宏。
「ん? 住民のこと?」
「住民になるかどうかは、まだ試してみないことには……」
兄が何を試す気なのか分からない優人は首を傾げたが、とりあえず後回しにすることにしたようだ。
「執事さんの言っていたように、食に関する人は早めに連れ帰るとして、俺は地図が欲しい!」
と優人。
「そうよね。やはり地図がないと不便よね」
彼らが現在所持しているのは、女神に貰った武器くらいなものである。
レベルがどうのと言っていたことから、ステータスくらいは見られそうなものだが、現在この更地にて地図が表示されていないとなると、初期スキルに地図はありそうにない。
「発想次第って執事さんは言ってたよね」
と佳奈。
「つまり、モノとして手に入れるかスキルとして身に着けるかも自由ということよね」
「そうなるね」
と優人。
「とりあえず、地図にまつわる誰かを連れ帰るところから始めましょうよ」
どうやら初めの目標は決まったようである。
ランダムダンジョンへ行って住民を保護して戻ることが任務なのは理解したが、確かに基礎的なことは分かっていない。
仕事には研修期間があるように、ゲームにはチュートリアルがある。
そして家電には説明書があるように、お菓子などには成分表が……あれ?
「現在この世界は見ての通り、更地です」
片手を広げ、腕を伸ばし半円を描くように、大地を見渡すジェスチャーをしながら執事が説明する。
「あなた方には武器を持ってダンジョンのモンスターと戦っていただくこともあります。ダンジョンによっては、強くて手も足も出ない相手もいるでしょう。そういう時は新しい武器が欲しくなりますよね?」
確かにというように佳奈と優人は頷く。
──俺の任務は種まきだから、身一つでイケるだろう。
兄、和宏だけが腕組みをし、説明を受ける二人を眺めている。
まるで他人ごとのように。
「そんな時は武器屋を誘致することが出来ますが、武器を扱う商人がいないことにはどうにもなりません」
「つまりダンジョンで武器屋を助けて、ここに連れてくれば良いということ?」
と優人。
「ご名答。あなた方の働きによって、この世界は発展していきます」
その後、執事は何点か注意事項を述べる。
「レベル10までは特殊な状態を回避できます。その為、食事などは必要ありませんが、レベル10以降は状態異常にかかります。なので、それまでに食事のできるところや栽培を行える人などを助け、お店などを誘致することをお勧めします」
他にも、誘致にはお金がかかること。
魔王は戦闘には参加しないが、建物を建てる際に手助けしてくれることなど、簡単な説明を受ける。
「そしてもう一つ。パーティ名というのがその日の終わりに決まります。それはあなた方の働きによって自動で決まり、翌日の戦闘に影響を与えます」
強い名がつけば、戦闘や探索が有利になるということ。
ゲーム大好きな優人は目を輝かせた。
「称号は個人にもあり、好きなものを肩書につけることが可能です。発想次第で色んな事ができるのが、この世界です」
今度は隠れ厨二病の佳奈が決断力のポーズを決めた。
「あとは、自分たちで体験しながら道を切り開いてください。期待していますよ」
にっこり笑う執事。
「ああ、忘れておりました。わたくしが案内出来るのは初級ダンジョンのみ。高度なダンジョンは専門家の力が必要となります」
執事からの話で分かったことは、何もかもがゼロからのスタートであること。そしてレベルというものがあることだ。
──うーん。
生殖者のレベルとは一体?
繫殖能力があがったりするのだろうか。
とにもかくにも、俺の使命は繫殖させることだな!
『ヤルことはいつも一つ!』って女神も言っていたし……。
(そんなことは言ってない!)
「いきなりダンジョンに飛び込んでも良いけれど、まずは作戦を立てようよ」
と優人。
「そうだな。何事も計画は必要だ。無計画で家族を増やすと破産しかねないしな」
と和宏。
「ん? 住民のこと?」
「住民になるかどうかは、まだ試してみないことには……」
兄が何を試す気なのか分からない優人は首を傾げたが、とりあえず後回しにすることにしたようだ。
「執事さんの言っていたように、食に関する人は早めに連れ帰るとして、俺は地図が欲しい!」
と優人。
「そうよね。やはり地図がないと不便よね」
彼らが現在所持しているのは、女神に貰った武器くらいなものである。
レベルがどうのと言っていたことから、ステータスくらいは見られそうなものだが、現在この更地にて地図が表示されていないとなると、初期スキルに地図はありそうにない。
「発想次第って執事さんは言ってたよね」
と佳奈。
「つまり、モノとして手に入れるかスキルとして身に着けるかも自由ということよね」
「そうなるね」
と優人。
「とりあえず、地図にまつわる誰かを連れ帰るところから始めましょうよ」
どうやら初めの目標は決まったようである。
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