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16話『独立国でのαの実態』
4 愛しい人の温もり【R】
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****♡Side・クライス
「ん……カイル」
クライスは、いつもと違う温かさにぎゅっと何かに抱きついた。
「クライス」
───カイル、たまにで良いから一緒に寝てくれないかな……。
毎日一人は寂しいよ。
ウトウトしながら、そんなことを思っていると、
「そんな可愛いと、襲いたくなっちゃうんだが」
と、耳元でカイルの声。
と同時に、彼の手がクライスのわき腹を撫でる。
「ひやっ……」
冷たいものが肌に触れ、クライスは瞼を開けた。
「え、カイル?」
いつの間にかカイルと一緒にベッドに入って居た上に、彼に抱きついていたことに驚くクライス。
「誘ってるんだろ?」
「ちょっ……あ……」
たくし上げられたシャツの中に彼の手が侵入してきて、クライスの胸の突起に指先が触れる。敏感なクライスは胸を仰け反らせた。
「βがさ、万年発情期なんだってことクライスから教わったよ」
「んんッ……」
カイルは、クライスを組み伏せると首筋に口づける。
「エッチしようよ、クライス」
返事も聞かないうちから彼の手は胸を這いまわり、耳たぶを甘嚙みする。
「なあ、いいだろ?」
じっと瞳を覗き込まれ、身体が熱を帯びていく。
───性を知るって、こういうことなの……?
クライスは自分の身体の変化に驚いた。
一度経験しただけで、クライスの身体は期待している。快感を与えられることに。クライスはそんな自分に恥を感じ、小さく頷く。
すると、
「エッチするのいいけど、筒抜けだからねー!」
と、隣の部屋からレンの声がした。
カイルが、ふっと笑う。
「静かにしないと、聞こえちゃうってさ」
と。
クライスは恥ずかしくなって、両手で口元を抑えた。
だが、すぐにそんなことがなんの意味もなさないことを知るのだ。
「んんッ……はあッ」
ものの数分で、クライスは理性を手放した。
彼の舌がクライスの鈴口を潤わせるように舐め上げ、彼の指先が最奥の蕾に触れる。
カイルが望むがまま腿を大きく広げ、恥ずかしいところを全て彼に晒していた。彼は、クライスを傷つけない。
丁寧な愛撫でその気にさせ、自分の意のままにする。
「カイル……カイル……」
クライスはうわ言のように、何度も愛しい人の名を呼ぶ。
彼はここにいるよと居ように、クライスの手を握った。
───カイル……大好き……。
「んッ……や……ああッ」
鈴口を強く吸い上げられ、胸が跳ねる。
決してカイルのように固くはならないクライス自身を、彼は愛しいと言うように可愛がる。
カイルに優しく愛撫されながら、近づくレンの発情期のことを思った。
その期間はカイルの傍にはいられない。
二人に出逢ってから毎日彼らと一緒にいるのだ。一週間も離れていられるのだろうか?
「カイル……」
「うん?」
「俺を他所にやらないで……」
縋るように彼を見つめる。
───俺を捨てないで……カイル。
何故か切なくなって、クライスの頬を涙が伝ったのだった。
「ん……カイル」
クライスは、いつもと違う温かさにぎゅっと何かに抱きついた。
「クライス」
───カイル、たまにで良いから一緒に寝てくれないかな……。
毎日一人は寂しいよ。
ウトウトしながら、そんなことを思っていると、
「そんな可愛いと、襲いたくなっちゃうんだが」
と、耳元でカイルの声。
と同時に、彼の手がクライスのわき腹を撫でる。
「ひやっ……」
冷たいものが肌に触れ、クライスは瞼を開けた。
「え、カイル?」
いつの間にかカイルと一緒にベッドに入って居た上に、彼に抱きついていたことに驚くクライス。
「誘ってるんだろ?」
「ちょっ……あ……」
たくし上げられたシャツの中に彼の手が侵入してきて、クライスの胸の突起に指先が触れる。敏感なクライスは胸を仰け反らせた。
「βがさ、万年発情期なんだってことクライスから教わったよ」
「んんッ……」
カイルは、クライスを組み伏せると首筋に口づける。
「エッチしようよ、クライス」
返事も聞かないうちから彼の手は胸を這いまわり、耳たぶを甘嚙みする。
「なあ、いいだろ?」
じっと瞳を覗き込まれ、身体が熱を帯びていく。
───性を知るって、こういうことなの……?
クライスは自分の身体の変化に驚いた。
一度経験しただけで、クライスの身体は期待している。快感を与えられることに。クライスはそんな自分に恥を感じ、小さく頷く。
すると、
「エッチするのいいけど、筒抜けだからねー!」
と、隣の部屋からレンの声がした。
カイルが、ふっと笑う。
「静かにしないと、聞こえちゃうってさ」
と。
クライスは恥ずかしくなって、両手で口元を抑えた。
だが、すぐにそんなことがなんの意味もなさないことを知るのだ。
「んんッ……はあッ」
ものの数分で、クライスは理性を手放した。
彼の舌がクライスの鈴口を潤わせるように舐め上げ、彼の指先が最奥の蕾に触れる。
カイルが望むがまま腿を大きく広げ、恥ずかしいところを全て彼に晒していた。彼は、クライスを傷つけない。
丁寧な愛撫でその気にさせ、自分の意のままにする。
「カイル……カイル……」
クライスはうわ言のように、何度も愛しい人の名を呼ぶ。
彼はここにいるよと居ように、クライスの手を握った。
───カイル……大好き……。
「んッ……や……ああッ」
鈴口を強く吸い上げられ、胸が跳ねる。
決してカイルのように固くはならないクライス自身を、彼は愛しいと言うように可愛がる。
カイルに優しく愛撫されながら、近づくレンの発情期のことを思った。
その期間はカイルの傍にはいられない。
二人に出逢ってから毎日彼らと一緒にいるのだ。一週間も離れていられるのだろうか?
「カイル……」
「うん?」
「俺を他所にやらないで……」
縋るように彼を見つめる。
───俺を捨てないで……カイル。
何故か切なくなって、クライスの頬を涙が伝ったのだった。
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