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13話『第一皇子と奇跡の子』
3 待て、何かおかしくないか?!【R】
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****♡Side・β(カイル)
「レン……」
「どうしたの? こんなに傍にいるでしょ」
レンに組み伏せられ、カイル自身を服の上から撫でられれば、カイルは切なげに彼の名を呼んだ。
普段とは立場が変わり、主導権を握られるのが正直心地いい。恋人とは対等でありたいと願った。それを彼は叶えてくれる。
そして皇子であることを剥奪されてなお、国民から皇子であった時と同じ扱いを受け続けることへのプレッシャーから解放されるのもこの瞬間だ。
この国で頂点である、Ω男性体のレン。彼は自分のものであり、自分は彼のもの。虐げられたいわけではないが、彼の所有物であることが自分を強くした。
「切ない声出しちゃって、カイルは可愛い」
可愛いレンにそんな風に言われるのは、とても恥ずかしい。いつだって彼は、カイルの羞恥心を煽るのが巧い。
「いっぱいして欲しいんだよね? 僕の皇子さま」
「俺は……そんなこと……」
真っ赤になって反論すれば、
「んー? して欲しくないの」
と、つまらなそうに。
彼がエッチの時に意地悪を言う事はいつものことだ。何を目的としてそうしているのかは分からないが、呆れられるのはイヤだった。
「意地悪……しないで、レン」
「素直で可愛い」
ちゅっと口づけながら、彼の手が下着の中に滑り込む。彼の前戯はとても丁寧だ。それは彼のやさしさのせいもあるが、時間をかけないと興奮しづらいのだという事に気づいたのは先日。
「ごめんね、カイル。直ぐにでも欲しいんでしょ?」
「なんで、いいよ。そんなの」
パジャマのズボンを下着ごとおろされ、恥ずかしさに彼にぎゅっとしがみつくと、
「可愛いけど、大事なとこ見えない」
と冷静に抗議される。
「見せないように、しがみついたんじゃないか」
と、カイル。
「見なきゃ出来ないし、興奮できないじゃん」
もっともなのではあるが。
「恥ずかしいだろ」
と、片腕で顔を覆うカイル。
「何今さら、恥ずかしがって。毎日裸見せあってるのに」
「な!」
彼はクスッと笑いながら、カイル自身に指を絡める。
「ん……」
「カイル、好きだよ。大好き」
ズルいと思う。わざと悪態をつく癖に、優しくて甘い。
「俺も、好き」
「うん、だから厭らしく足開いてみて」
「ちょっ……」
ロマンチックとはほど遠い要求に、言葉を詰まらせるカイル。
「僕のお願い聞けないとか、言わないよね?」
───わざとだ……。
「ほら、厭らしく誘ってくれないと。僕挿れてあげられないよ? 嫌でしょ? 早く中、くちゅくちゅされたいんでしょ?」
「レン」
「んー?」
涙目のカイルを嬉しそうに見つめる彼。レンは、どうやら恥ずかしそうなカイルを見て興奮を覚えるらしい。カイルは渋々ゆっくりと足を開いた。とてつもなく恥ずかしい。
「そんなんじゃ、ちっとも奥まで見えないよ? カイルの可愛いところ、僕に見せてよ。それとも無理やり広げられる方が、興奮するの?」
「レンッ……やッ……んんッ」
彼はぐいっとカイルの両ひざを拡げると、胸の飾りをペロリと舐め上げる。
「はあッ……」
「可愛いよ。みて、先が濡れてる」
カイルはあまりの恥ずかしさに、
「実況……すんなッ」
と文句をいうも、彼が聞くはずはなかったのだった。
「レン……」
「どうしたの? こんなに傍にいるでしょ」
レンに組み伏せられ、カイル自身を服の上から撫でられれば、カイルは切なげに彼の名を呼んだ。
普段とは立場が変わり、主導権を握られるのが正直心地いい。恋人とは対等でありたいと願った。それを彼は叶えてくれる。
そして皇子であることを剥奪されてなお、国民から皇子であった時と同じ扱いを受け続けることへのプレッシャーから解放されるのもこの瞬間だ。
この国で頂点である、Ω男性体のレン。彼は自分のものであり、自分は彼のもの。虐げられたいわけではないが、彼の所有物であることが自分を強くした。
「切ない声出しちゃって、カイルは可愛い」
可愛いレンにそんな風に言われるのは、とても恥ずかしい。いつだって彼は、カイルの羞恥心を煽るのが巧い。
「いっぱいして欲しいんだよね? 僕の皇子さま」
「俺は……そんなこと……」
真っ赤になって反論すれば、
「んー? して欲しくないの」
と、つまらなそうに。
彼がエッチの時に意地悪を言う事はいつものことだ。何を目的としてそうしているのかは分からないが、呆れられるのはイヤだった。
「意地悪……しないで、レン」
「素直で可愛い」
ちゅっと口づけながら、彼の手が下着の中に滑り込む。彼の前戯はとても丁寧だ。それは彼のやさしさのせいもあるが、時間をかけないと興奮しづらいのだという事に気づいたのは先日。
「ごめんね、カイル。直ぐにでも欲しいんでしょ?」
「なんで、いいよ。そんなの」
パジャマのズボンを下着ごとおろされ、恥ずかしさに彼にぎゅっとしがみつくと、
「可愛いけど、大事なとこ見えない」
と冷静に抗議される。
「見せないように、しがみついたんじゃないか」
と、カイル。
「見なきゃ出来ないし、興奮できないじゃん」
もっともなのではあるが。
「恥ずかしいだろ」
と、片腕で顔を覆うカイル。
「何今さら、恥ずかしがって。毎日裸見せあってるのに」
「な!」
彼はクスッと笑いながら、カイル自身に指を絡める。
「ん……」
「カイル、好きだよ。大好き」
ズルいと思う。わざと悪態をつく癖に、優しくて甘い。
「俺も、好き」
「うん、だから厭らしく足開いてみて」
「ちょっ……」
ロマンチックとはほど遠い要求に、言葉を詰まらせるカイル。
「僕のお願い聞けないとか、言わないよね?」
───わざとだ……。
「ほら、厭らしく誘ってくれないと。僕挿れてあげられないよ? 嫌でしょ? 早く中、くちゅくちゅされたいんでしょ?」
「レン」
「んー?」
涙目のカイルを嬉しそうに見つめる彼。レンは、どうやら恥ずかしそうなカイルを見て興奮を覚えるらしい。カイルは渋々ゆっくりと足を開いた。とてつもなく恥ずかしい。
「そんなんじゃ、ちっとも奥まで見えないよ? カイルの可愛いところ、僕に見せてよ。それとも無理やり広げられる方が、興奮するの?」
「レンッ……やッ……んんッ」
彼はぐいっとカイルの両ひざを拡げると、胸の飾りをペロリと舐め上げる。
「はあッ……」
「可愛いよ。みて、先が濡れてる」
カイルはあまりの恥ずかしさに、
「実況……すんなッ」
と文句をいうも、彼が聞くはずはなかったのだった。
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