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6話『運命を揺るがす出逢い』
6 幸せなひと時【R】
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****♡Side・Ω(レン)
レンは腹に散ったカイルの愛液を指先で救い上げると、ペロリと舐め上げた。汚れるということに、快感を覚え始めている。
───僕は異常だろうか?
「そんなの舐めちゃ……ダメ」
自分の下で頬をほんのり染め、こちらを見つめる彼。困ったような表情を浮かべ、レンの腕に手を伸ばす。
「どうして?」
「どうしてって……」
Ωは発情期になれば、αの体液を求める生き物だ。口から欲することは珍しいことだが。この国で与えられるαの体液には繁殖能力はない。受精の為ではなく、あくまでも発情期を抑えるためのものなので、種ナシなのだ。
「大好きな人のものでしょ?」
レンの言葉に複雑な顔をする彼。βは好んで体液を口に含もうとはしない。彼らにとってそれは趣味趣向、もしくはプレイの一環だから。
「なあに、カイルったら変な顔をして」
───何か変だったのかな?
「美味しくないでしょ」
「美味しいから舐めるとは限らないでしょ?」
そこで二人は”ん?”という顔をした。つまりそれは”不味い”と言っているようなものだから。
「ほらあ」
「んー?」
彼の講義にレンは明後日のほうを向き、遠い目をする。しかしすぐに二人は顔を見合わせ、クスクスと笑い合う。
「レン」
両腕を伸ばす彼に覆いかぶさると、彼がレンの背中に腕を回す。
「なあに? カイル」
「大好きだよ」
「へへ……僕もカイルが大好き」
ぎゅっと抱きしめ合い、温もりと幸せを感じる。彼がくれるのは彼が以前言っていたような、”世界一の幸せ”なのかもしれない。
「ねえ、カイル」
「うん?」
「こっち、トロトロ」
「!」
レンは彼に強請り、彼に中に自分の愛液を注ぎ込んだ。しかも、三回も。彼の蕾からは、受け止めきれなかったレンの愛液がトロリと溢れ出している。そのことを指摘されたカイルは、恥ずかしさに再び頬を染めた。
「一緒にお風呂に行こうよ」
レンは彼にちゅっと口づけ、その腕を掴んだ。
「この間、カイルの執事さんから泡風呂の元みたいなの貰ったの」
「へえ」
「ジェットバスにしたら、ぶわってなるって」
二人は手を繋ぎベッドルームからリビングを抜け、バスルームへ。
「どんな感じなんだろう?」
数分後、二人は珍しくはしゃいでいた。
「なにこれ、凄い」
と、カイル。
「見てみて! ナイスバディ」
レンは胸に泡を盛り、ポーズを決めてみせる。
「何してるの、レン。可笑しいよ」
ふふふっと笑う彼が可愛くて、レンは更に悪乗りをした。
「頭に乗せると、アフロだよ」
「ぶっ」
二人でこんなにはしゃいだのは初めてのことで、レンは心から幸せな気持ちになったのだ。近い将来、彼らに変化が訪れるとも知らずに。
レンは腹に散ったカイルの愛液を指先で救い上げると、ペロリと舐め上げた。汚れるということに、快感を覚え始めている。
───僕は異常だろうか?
「そんなの舐めちゃ……ダメ」
自分の下で頬をほんのり染め、こちらを見つめる彼。困ったような表情を浮かべ、レンの腕に手を伸ばす。
「どうして?」
「どうしてって……」
Ωは発情期になれば、αの体液を求める生き物だ。口から欲することは珍しいことだが。この国で与えられるαの体液には繁殖能力はない。受精の為ではなく、あくまでも発情期を抑えるためのものなので、種ナシなのだ。
「大好きな人のものでしょ?」
レンの言葉に複雑な顔をする彼。βは好んで体液を口に含もうとはしない。彼らにとってそれは趣味趣向、もしくはプレイの一環だから。
「なあに、カイルったら変な顔をして」
───何か変だったのかな?
「美味しくないでしょ」
「美味しいから舐めるとは限らないでしょ?」
そこで二人は”ん?”という顔をした。つまりそれは”不味い”と言っているようなものだから。
「ほらあ」
「んー?」
彼の講義にレンは明後日のほうを向き、遠い目をする。しかしすぐに二人は顔を見合わせ、クスクスと笑い合う。
「レン」
両腕を伸ばす彼に覆いかぶさると、彼がレンの背中に腕を回す。
「なあに? カイル」
「大好きだよ」
「へへ……僕もカイルが大好き」
ぎゅっと抱きしめ合い、温もりと幸せを感じる。彼がくれるのは彼が以前言っていたような、”世界一の幸せ”なのかもしれない。
「ねえ、カイル」
「うん?」
「こっち、トロトロ」
「!」
レンは彼に強請り、彼に中に自分の愛液を注ぎ込んだ。しかも、三回も。彼の蕾からは、受け止めきれなかったレンの愛液がトロリと溢れ出している。そのことを指摘されたカイルは、恥ずかしさに再び頬を染めた。
「一緒にお風呂に行こうよ」
レンは彼にちゅっと口づけ、その腕を掴んだ。
「この間、カイルの執事さんから泡風呂の元みたいなの貰ったの」
「へえ」
「ジェットバスにしたら、ぶわってなるって」
二人は手を繋ぎベッドルームからリビングを抜け、バスルームへ。
「どんな感じなんだろう?」
数分後、二人は珍しくはしゃいでいた。
「なにこれ、凄い」
と、カイル。
「見てみて! ナイスバディ」
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「何してるの、レン。可笑しいよ」
ふふふっと笑う彼が可愛くて、レンは更に悪乗りをした。
「頭に乗せると、アフロだよ」
「ぶっ」
二人でこんなにはしゃいだのは初めてのことで、レンは心から幸せな気持ちになったのだ。近い将来、彼らに変化が訪れるとも知らずに。
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