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5【世界で一番愛しい君を】未来編2
8 『二人の誓いの形』
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「俺、プロポーズした覚えないんだが」
優人は結愛を近くの夜景の綺麗なレストランへ連れ出していた。
結愛はギャルのような恰好を好むため、あまり敷居の高いところへは連れていけない。それも考慮してのことだった。
それでも仕事へ行くとき以外は襟付きのシャツなんて身につけない優人に食事に誘われたこともあり、今日はシックなワンピースで少し大人びて見える結愛。いつでも自分の好きにするからと言って、空気を読まないわけではないのだ。
個室で向かい合って座るものの、海外だったらこれは仲が良いとは言わないのだろうなと優人はぼんやりと思う。
「でも、優人はずっと一緒にいてって言ったら、約束するって言ってくれた」
結愛の言葉を受け、それがプロポーズなのか? とあの日のことを反芻した。
結婚とは何か? と問うと、
『結婚はね、約束かな』
『ずっと一緒にいられる約束』
と結愛は言っていた。
そしてあの日、
『ずっと一緒にいて欲しいの。優人に』
と結愛に言われ、
『うん。約束するよ』
と優人は答えたはずだ。
──ああ、そういうことね。
優人はしてやられたな、と思いながら口元を抑える。
姉には、
『結愛ちゃんが、優人と結婚する約束したって言ってたわよ?』
と返事をされている。
相手は結愛で間違いはないのだろう。
──まあ、いいか。
ずっと一緒にいるということは、いずれはそうなるのだろうし。
それが単に想定外だっただけなのだろう。
優人はまだ料理が来るまでに時間があると判断し、ジャケットのポケットに手を入れる。
「優人は後悔している?」
とこちらを上目遣いで見つめる彼女。
「いや、別に」
言ってポケットの中から小さな宝石箱を取り出すと、彼女に向けてパカっと開く。
「え? 何?!」
それを見て彼女は驚いている。
「月並みだけれど、婚約指輪」
誕生石にしようか迷ったが、定番を選んだのは彼女の好みが分からなかったからだ。
「すぐにとはいかないけれど、結婚しようか」
と優人。
リングを指に填め、眺めていた彼女がコクコクと頷く。
──出逢って七年目なのか。
意外と長いなあ。
別れていた期間の方が長いからそう感じるのかな。
「ずっと一緒にいられる?」
と結愛。
「うん。結愛が浮気しなければな」
と笑う、優人。
「酷い! 優人一筋だもん」
「はいはい」
食事を終え、帰り道はご機嫌な結愛。
でもこれだけで終わりというわけではない。
「うちは誰も反対しないと思うけれど、結愛のところにはいい加減挨拶に行かないとな」
と優人。
心なしか、彼女のの繋ぐ手に力が入る。
「きっと、厄介者がいなくなったくらいにしか思われないよ」
「そんなことないだろ」
慰めにしかならないのは分かっているが、そういう他ない。
「いろいろあったけれど、俺は結愛に逢えて良かったと思ってるよ?」
と優人。
そうでなければ、初めて出来たの彼女のことをずっと引きづっていたに違いない。
「本当?」
珍しく自信なさげな結愛。
「なんで? 結愛は幸せじゃない?」
こういう切り返しはズルいことくらい知っているが、彼女には効果があることも知っている。
「結愛は幸せ」
「なら、いいじゃない」
まだ不安そうな結愛。
月明かりがキラキラと彼女の指元でリングを光らせる。
「俺のことも幸せにしてよ」
と笑いかければ、
「うん、幸せにしてあげる」
と彼女は嬉しそうに笑う。
月明かりの下、二人は誓いの口づけを交わしたのだった。
優人は結愛を近くの夜景の綺麗なレストランへ連れ出していた。
結愛はギャルのような恰好を好むため、あまり敷居の高いところへは連れていけない。それも考慮してのことだった。
それでも仕事へ行くとき以外は襟付きのシャツなんて身につけない優人に食事に誘われたこともあり、今日はシックなワンピースで少し大人びて見える結愛。いつでも自分の好きにするからと言って、空気を読まないわけではないのだ。
個室で向かい合って座るものの、海外だったらこれは仲が良いとは言わないのだろうなと優人はぼんやりと思う。
「でも、優人はずっと一緒にいてって言ったら、約束するって言ってくれた」
結愛の言葉を受け、それがプロポーズなのか? とあの日のことを反芻した。
結婚とは何か? と問うと、
『結婚はね、約束かな』
『ずっと一緒にいられる約束』
と結愛は言っていた。
そしてあの日、
『ずっと一緒にいて欲しいの。優人に』
と結愛に言われ、
『うん。約束するよ』
と優人は答えたはずだ。
──ああ、そういうことね。
優人はしてやられたな、と思いながら口元を抑える。
姉には、
『結愛ちゃんが、優人と結婚する約束したって言ってたわよ?』
と返事をされている。
相手は結愛で間違いはないのだろう。
──まあ、いいか。
ずっと一緒にいるということは、いずれはそうなるのだろうし。
それが単に想定外だっただけなのだろう。
優人はまだ料理が来るまでに時間があると判断し、ジャケットのポケットに手を入れる。
「優人は後悔している?」
とこちらを上目遣いで見つめる彼女。
「いや、別に」
言ってポケットの中から小さな宝石箱を取り出すと、彼女に向けてパカっと開く。
「え? 何?!」
それを見て彼女は驚いている。
「月並みだけれど、婚約指輪」
誕生石にしようか迷ったが、定番を選んだのは彼女の好みが分からなかったからだ。
「すぐにとはいかないけれど、結婚しようか」
と優人。
リングを指に填め、眺めていた彼女がコクコクと頷く。
──出逢って七年目なのか。
意外と長いなあ。
別れていた期間の方が長いからそう感じるのかな。
「ずっと一緒にいられる?」
と結愛。
「うん。結愛が浮気しなければな」
と笑う、優人。
「酷い! 優人一筋だもん」
「はいはい」
食事を終え、帰り道はご機嫌な結愛。
でもこれだけで終わりというわけではない。
「うちは誰も反対しないと思うけれど、結愛のところにはいい加減挨拶に行かないとな」
と優人。
心なしか、彼女のの繋ぐ手に力が入る。
「きっと、厄介者がいなくなったくらいにしか思われないよ」
「そんなことないだろ」
慰めにしかならないのは分かっているが、そういう他ない。
「いろいろあったけれど、俺は結愛に逢えて良かったと思ってるよ?」
と優人。
そうでなければ、初めて出来たの彼女のことをずっと引きづっていたに違いない。
「本当?」
珍しく自信なさげな結愛。
「なんで? 結愛は幸せじゃない?」
こういう切り返しはズルいことくらい知っているが、彼女には効果があることも知っている。
「結愛は幸せ」
「なら、いいじゃない」
まだ不安そうな結愛。
月明かりがキラキラと彼女の指元でリングを光らせる。
「俺のことも幸せにしてよ」
と笑いかければ、
「うん、幸せにしてあげる」
と彼女は嬉しそうに笑う。
月明かりの下、二人は誓いの口づけを交わしたのだった。
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